亜美「皆んなグッジョブ、ベリーナイス!!初めてでこれだけガンガン動かせれば上出来よ。特に、Ⅳ号戦車チームとトゥラーンチーム。ちゃんと、動き見てたわよ。どちらも最初は奇襲に遭っちゃったけれど・・・・どちらもジグザグに走行したのはなかなかだったわ。そして、何より最後の一騎打ち良かったわ。見ててこっちも楽しかったわ。」
と試合も終わり、俺達は全員隠しそれぞれの戦車共に倉庫に戻った後、俺とみほのチームは亜美教官からお褒めの言葉頂いた。そして、
亜美「では、今回の訓練はここまでとします。撃破された戦車も整備しないと動かないからね。後は日々、走行訓練と砲撃訓練に励むように。今日分かったと思うけど、走って撃つ、が基本よ。またちょくちょく指導にはくるつもりだけど、分からないことがあったらいつでもメールしてね。」
祐希「そんな、友達感覚でして良いのかよ。」
と正直亜美教官のポジティブなところに思うことあるが、今日一日世話になったので、全員で
桃「一同、例!!」
祐希「ありがとうございました。」
と例をし、今日の練習は終わった。そして、俺達は最後にトゥラーン整備に取り掛かろうとすると、
亜美「少し、良いかしら。」
とまた声をかけられる。
亜美「今日の試合、とても良かったわ。行進間射撃といい砲手の腕も素晴らしいものだったわ。砲手は誰かしら。」
京介「俺です。」
亜美「あなたが・・・・素晴らしかったわ。」
京介「ありがとうございます。」
亜美「車長の的確の指示に加え、腕の良い砲手貴方達はきっと良いチームになれるわ。それじゃあ、頑張ってね。」
と言って、亜美教官は大洗女子学園を後にした。そして、その後はトゥラーンの整備を続け、終わった後生徒会チームが用意してくれた合宿所の大浴場に俺達は向かった。
みほ視点
戦車の整備終えた私たちは、あの後みんなで合宿所の大浴場に来ていた。そこで、私は
沙織「ねぇ、みぽりん。上田って言うあの男子とはと言う関係なの?まさか、彼氏とか。」
みほ「祐希君とは兄妹みたいなものかな。私が5歳の時に祐希君は養子として私の家に来たの。」
華「何故、養子に?」
みほ「祐希君のご両親、事故で亡くなって預かってくれる親戚とかもいなくて孤児院に預けられる直前に、祐希君のお母さんと友人関係だったお母さんが引き取ってきたの。」
華「それは、辛かったでしょうね。」
みほ「うん、そうだと思う。家に来てからは私とお姉ちゃんの2人と一緒に兄妹として祐希君と育ったんだ。」
優花里「では、あの戦車の指揮も西住流の下で培ったと。」
みほ「うん、多分ね。祐希君はきっと私もお姉ちゃんでさえも勝てたことないの。」
優花里「それって、戦車道でですか。」
みほ「うん。それに、今日の試合では祐希君、本気を出してなかったと思う。きっと本気出したら私なんて足元にも及ばないと思う。」
と私達が話している一方、
祐希視点
俺は既に風呂から先に上がり、外に出て海を一人で眺めていた。既に大浴場で4人には俺がここに来る一年前まではみほの実家で養子として過ごしていた事も話した。4人とも特に怒る事などなく納得してくれた。そして、今俺は
祐希「・・・・・。」
ただボゥっと海を眺めていると、
京介「まさか、お前があの西住流の養子だったとはな。」
と後ろから京介がやって来た
祐希「黙ってて・・・・悪かったな。」
京介「別に怒ってるわけじゃないから気にするな。今まで話さなかったって事は何か隠したいことでもあったんだろ。俺はそういうの一々模索する気はないからな。じゃあ、俺は帰るからな。お疲れ。」
祐希「・・・・・京介。」
京介「なんだ?」
祐希「お前も昔、戦車道やってたんだろ。」
京介「・・・・・いつから気づいてた。」
祐希「今日の試合と最中に。お前が初弾、いきなり命中させた時最初はまぐれかと思ったが、その後の指示でもお前は難なく従い相手チーム撃破した。あんなの普通、初心者には不可能だ。それに前からお前が戦車道に関して詳しかったところもお前が昔、戦車道やってたなら納得できる。どうだ、間違ってるか。」
京介「・・・・・いいや、あってるよ。お前には話しておく。俺には4つ上の姉がいるんだ。姉さんは戦車道で誰にも負けないほど強かった。俺はそんな姉さんに憧れてた。もちろん、戦車道には男性部門がない事は知ってた。でも、どうしても俺は姉さんに近づきたかった。必死に戦車道における車長や砲手について勉強もした。でも、それでも姉さんという壁が高かった。・・・・そして、ようやく気づいたんだ。俺は姉さんに近づくことさえできないって。」
祐希「・・・・・・だが、お前は結局戦車道を選んだ。同じだな俺たち。」
京介「そうかもな。話はこれだけだ。じゃあ、俺は帰る。お疲れ。」
祐希「おう。お疲れ。」
と京介は帰って行った。
数十分後
祐希「ハァ〜、疲れた。でもまだやる事もあるし。」
と言いつつ、俺はこの学園艦内で借りたアパートに帰ってきた。そして、
ガチャ
鍵を開け、部屋に入ろうとすると、
ガチャ
沙織「あっ、帰ってきた。帰ってきた。」
と隣の部屋のドアが開き、何故か武部沙織が出てくる。
祐希「えっ!?なんで、お前が?」
沙織「ねぇ、良かったら一緒にご飯食べない?」
祐希「いや、この後やる事があるから。」
沙織「良いから。」
とそのまま、強引に隣の部屋へ
沙織「連れてきたよ。」
祐希「お邪魔します。」
と中に上がらせてもらう。そして、中に入ると、そこには
祐希「また、かなり持ってきたな。」
たくさんのクマのぬいぐるみが揃えられていた。そして、クマのぬいぐるみにはどれも共通点がある、みんな包帯や引っかき傷など怪我しているクマがモチーフである。そして、このクマの名前はボコ。このボコのことが好きな人間は俺が知る限り一人しかいない。それは
祐希「こんなにいるか・・・・・みほ。」
みほ「・・・あはは、つい。」
俺が今借りている部屋の隣、つまりこの部屋に住んでいるのはまさかの、みほだった。隣に住んでいるのを知ったのは引っ越して直ぐお隣りに挨拶にしに行った時だ。まさか、隣りに住んでいるのが1年前までずっと一緒にいた人間が隣りにいると誰が思うか。しかも、
華「良かったら、座って下さい。」
優花里「あの、良かったらあのトゥラーンについて教えてくれませんか。」
と五十鈴華、秋山優花里、武部沙織と前にみほが俺の家を訪れて、怒鳴った時のメンバーがみほの部屋に集まっている。正直言えば、今すぐに帰りたい。
沙織「ご飯、できたよ。」
と料理がテーブルの上に置かれ、
祐希「いただきます。」
と食べ始める。そして、食事が始まると、
華「それで、上田さんはどうして戦車道を引き受けてくれたんですか。私達が来た時絶対に嫌だと言ってたのに。」
と聞かれる。
祐希「・・・・・ただの気まぐれだよ。正直、めんどくさいのは嫌いだし。でも、このまま何もせずに高校生活を終えるのも嫌だったから、あえて面倒臭い道を選んでみただけ。ああ、後呼び方は上田じゃなくて祐希で良いから。」
沙織「じゃあ、ユキポンって呼んでも良い。」
祐希「好きにしろ。」
優花里「じゃあ、次に私から聞いても良いですか。上田殿はどこで、あのトゥラーンを手に入れたんですか。あんなレアな戦車をあそこまで動かせるようにするなんて、凄いです。」
祐希「あれは、元々、亡くなった両親があの家と一緒に残していてくれた物なんだ。理由は分からない。だけど、あのまま錆びるのを待つのもどうかと思ったから工具を買って定期的に修理やメンテナンスをしているうちにあそこまで動かせるようになっただけ。」
沙織「ねぇ、あの戦車ってそんなに珍しい物なの?」
優花里「それは・・・・・。」
祐希「トゥラーンは、ハンガリー王国で正式採用された戦車だ。」
優花里「ハンガリーって、どこの国だっけ。」
祐希「そこからかよ。ハンガリーは、ドイツやポーランド、などのヨーロッパにある中小国の一つの国だ。第2次世界大戦が始まる前の1938年にハンガリーはオーストリアを併合して、お隣となったドイツの戦車による電撃戦にとても興味を持ってたんだ。当時のハンガリーも戦車を持ってたが、それは軽戦車だったからどうにかドイツからお前らも乗ってるⅣ号戦車を生産しようと考えていたが、それも開発国であるドイツに断られたから、考えていたところドイツ占領下にあったチェコ・シュコダ社からT-21っていう戦車の売り込みがあって、結局そのまま採用。そして、その後ハンガリーで採用されたのがトゥラーンだ。」
と説明すると、
華「凄い、戦車に関してお詳しいんですね。」
沙織「ゆかりん並みに詳しい。」
みほ「祐希君、私の家で戦車に出会った時からずっと戦車の研究や戦術について勉強してたからそういうところは得意なの。」
優花里「どんな方法で勉強されたんですか。」
祐希「どんなって・・・・自分独自の戦車図鑑をノートで作ってみたり、昔の人の戦術についての本を参考にして自分なりにノートにまとめてたりしたな。一応、今持って来てるけど。」
優花里「それ、拝見してもよろしいですか。」
祐希「良いけど・・・・・すげぇ細かいぞ。」
と良い、一度部屋に戻り、そして、
祐希「よいしょっと!!」
ドンッ
とノートがぎっしりと入っているダンボール一箱を持ってくる。
沙織「こんなに!?」
華「凄い、量ですね。」
優花里「しかも、これノート一冊を使って戦車に関して細かく書かれています。」
華「あっ、コレ、ウチのⅣ号について書いてるよ。」
優花里「見せて下さい。」
と3人とも夢中になっていた。
みほ「懐かしい。」
とみほも見ていた。
祐希「どうせ、ホコリを被ってた物だからな。気になるのがあるなら貸してやるよ。」
沙織「良いの。」
祐希「俺はもう、そこにあるのは全部に頭に叩き込んでるから。」
沙織「えっ!?全部、コレ覚えてるの!?」
祐希「うん。趣味に関する事は基本、徹底的に覚えてたからな。」
沙織「結局、ユキポンって戦車大好きなんだね。あんなにやりたくないって言っておいて。」
祐希「・・・・・かもな。」
とこうして、時間は過ぎていき
沙織「それじゃあ、また明日。」
華「おやすみなさい。」
優花里「おやすみなさい。西住殿、上田殿。」
と3人も帰り、
祐希「じゃあ、俺も部屋に戻るわ。」
みほ「あ、あの・・・・。」
祐希「うん?」
みほ「今日はありがと。それだけ。」
祐希「そうか。こっちもご馳走になったよ。ありがと。それじゃあ、また明日な。」
みほ「うん。おやすみ。」
と俺は部屋に戻り、
祐希「さてと、やるとしますか。」
とパソコンを開き、
ズドーン
ズドーン
と今日、試合の際にトゥラーンにこっそりとつけておいたカメラで今日の戦闘の様子を再生し、日が変わるまで各チームの様子も見つつ、今後のためにノートにまとめ続けた。そして、
翌日
俺は昼休みの時間に、一人戦車を格納している倉庫に来ていた。しかし、来るや否やそこには
祐希「なんだこのカラーは。」
ピンク色のM3に、金色の38t、赤と黄色に車体上に旗をつけたⅢ号突撃砲、バレー部復活と大きくデカールが貼られている八九式と見るからに目立つ色の戦車勢揃いだった。そして、そのまま訓練に入っていくが、
ズドーン
ズドーン
ズドーン
祐希「酷いな。」
射撃訓練で、まともに的に命中させられたのは俺が乗るトゥラーンとみほが乗るⅣ号のみだった。そして時間は瞬く間に過ぎていき、
桃「本日の訓練は以上とする。後、今度の日曜に聖グロリアーナ女学院と練習試合をする事になった。」
と練習を終えた後に突然の発表に皆、困惑する。
大輝「なぁ、祐希。聖グロリアーナ女学院ってどういうって強いのか。」
祐希「戦車道の世界では黒森峰と同様に名の知れてる学園だ。」
京介「しかも、準優勝の経験もある強豪校。」
大輝「そんな、学園と試合するのかよ。」
祐希「聖グロか。相手はイギリス戦車か。」
と呟いていると
桃「各車長は、整備終了、後生徒会室で作戦会議を行う為来るように。解散!!」
「「「ありがとうございました!!」」」
と礼をし、俺達はトゥラーンの整備を始める。すると、
京介「祐希。お前、さっきの話。どう思う。」
祐希「試合の事か。経験を得るためだけになら良いと思う。だが、勝敗に関して言うなら厳しいだろうな。聖グロの戦車は装甲が厚く、攻撃能力も高い。比べてこっちは装甲も攻撃能力も低い上に練度でも負けている。今のままだと一方的にやられるだろうな。後は作戦によるかもな。」
京介「そうか。だがその要である作戦をあの生徒会がまともに考えることができると思う。」
祐希「どうせ、教本通りの作戦だろうな。まぁ、その時はこっちもそれなりの作戦を考えないとな。じゃあ、俺は先に行くぜ。」
と俺は整備をほったらかして生徒会室に向かう。
大輝「おい!!整備は!?」
と後ろから大輝の声が聞こえるが、俺は
祐希「悪い。今日は頼む。」
とそのまま生徒会室へと向かった。
そして、
桃「相手は装甲と火力を重視した戦車を主力としているよって、1両が囮なり敵チームを引き付け、この丘で待ち構え、一気に叩く。」
とやあり俺が予想した通りの作戦だった。
祐希(それは全員がまともな練度だった時の場合に通用するものだ。しかも、相手は準優勝の経験もある強豪校。向こうがこの作戦を想定していない訳がない)
と思っていると
杏「どうしたの。西住ちゃん。」
みほ「えっ、あの・・・・。」
杏「良いから。言いたいことがあったら言って良いよ。ここだと西住ちゃんが1番の経験者なんだから。」
とみほの様子に気づいた生徒会長が意見を言うように促す。そして、
みほ「確かに、その作戦は有効だと思います。でも、相手もこの作戦を想定していると思います。」
と意見する。すると、周りも納得するが、
桃「黙れ!!私の作戦に不備あると言うのか。なら、貴様が指揮を取れ。」
と叫ぶ。流石に俺も言いたい事があったので、みほが意見できる空気を作ってくれたので俺はそれに乗っかる形で
祐希「俺もこの作戦に関して言いたいことがあるんだか。」
と手を挙げる。
杏「おっ、良いね。言って良いよ。」
祐希「確かにその作戦は有効だと俺も思う。だが、みほの言う通り相手もそれを想定していると思う。それにこの学校にある戦車だと聖グロのマチルダやチャーチルと言った歩兵戦車と正面から戦える火力を持っているのはいないに等しい。あんた達が乗る38tやバレー部の乗る八九式そして、俺のトゥラーンでは正面から倒すのは不可能。そして、唯一75ミリ砲を装備するⅣ号、三突、M3もあるが、Ⅳ号は短砲身であるため運用は先ほど挙げた38や八九式と同じく側面や背面からではないとダメージを与えられない。そして、残ったM3や三突は正面から対応できるが、どちらも75ミリ砲を旋回出来ないため撃てるタイミングに限りがある。だから俺は聖グロと戦うなら市街地でやるべきだと思う。」
杏「なるほど。良いね。」
祐希「こっちは大洗の街を熟知している。だが、向こうは反対で街に関しては知らない。相手が俺達を探すことで必死になっている隙を突き、側面または背面から攻撃を仕掛ける。言わば、ゲリラ戦法をするべきだ。」
と意見を全て言い終える。しかし、
桃「それでも、今の隊長は私だ。私の言うことは絶対だ。」
とどこかのチョビ髭が言いそうな事を言うので、
祐希「なら、賭けをしよう。」
桃「賭けだと。」
祐希「あぁ。アンタの作戦で1両でも撃破でも出来たら、賭けはアンタの勝ち。以降はアンタの指示に従うよ。だが、もし1両でも撃破出来ず、アンタの作戦が失敗した時点で別に奴に指揮権を譲れ。どうだ。」
桃「・・・・良いだろう。受けてやる。しかし、私からも1つ条件がある。もし私が勝ったら、お前の戦車置いて、お前達、男子は全員この学園から出て行ってもらうぞ。」
みほ「それは・・・。」
祐希「良いですよ。それくらいの覚悟がなければ俺としては面白くない。」
と俺は笑いつつ了承する。すると、
杏「ちなみに河嶋が負けた場合は指揮は祐希艦がやるんだよね。」
と聞いてくるが、
祐希「いや、俺はやりませんよ。」
「「「えっ!?」」」
直ぐに答える。
祐希「俺、こういった役は正直苦手で。」
桃「ちょっと待て。お前は自分が隊長になりたいから私の作戦に意見したのではないか。」
祐希「ハァ?俺がいつ隊長をやりたいって言いました?俺が意見したのは少なくともアンタにしただけ。別に俺以外の奴が隊長になっても俺が今言った作戦をやれとは言いませんよ。その時の作戦はその時の隊長に任せます。」
と伝えると
杏「じゃあ、祐希君が推薦してよ。言い出したのは、君なんだから。」
祐希「そうですね。俺は・・・・・。」
と言いつつ、俺はみほを見る。みほも俺の考えに気づいたのか無言で首を振る。しかし、
祐希「みほを推薦したいと思います。」
杏「分かった。君が賭けに勝ったら隊長の座を河嶋から西住ちゃんに譲る。そして、河嶋が勝ったら男子達は全員、我が校から追放及び、戦車の所有権をあけ渡す。これで良いかな。」
祐希「はい。それでは、俺はここで失礼します。お疲れ様でした。」
バタン
と俺は生徒会を出る。そしてそのままその足で京介達の元に戻り事情を説明するが、
大輝「ふざけるな!!何、勝手に賭けをしてんだ。まだお前だけならまだ良いが、俺らまで!!」
と胸ぐらを捕まれ、至近距離から大声で怒鳴られた。
祐希「勝手にな事したのは謝るよ。でも、俺も何も考えずにいった訳じゃないんだよ。」
裕也「では、賭けに勝つと。」
祐希「賭けたけじゃない。やるからには聖グロにも勝つつもりでいく。」
大輝「おいおい、お前言ってただろ。相手は準優勝の経験がある強豪校だって。それに相手は戦車は・・・・。」
祐希「マチルダⅡとチャーチルマークⅦ。」
裕也「無理ですよ。相手は重装甲の戦車じゃないですか。それに比べ、こっちは40ミリ砲。正面からでは勝ち目はないですよ。」
祐希「正面からならだろ。なら、側面か背面を狙えば良い。幸い、こっちは機動力に関しては買ってる。相手は鈍足かつ、この大洗の地形については知らない。そう簡単に動きは読めない筈だ。戦法次第では勝つ事も可能だ。って事で俺は帰って少し相手の事を調べてくるよ。明日には伝える。それじゃあ、お疲れ様。」
大輝「おい!!まだ、整備が。」
祐希「明日、お前の分もやってやるから今日は頼む。」
と俺は家へと向かった。そして、
バッ
俺は家に帰るとテーブルの上に大洗の地図を広げ、
ドン
戦車に関する本を広げ、
祐希「マチルダの速度を考えれば、ここまで誘い込めれば・・・・。」
と1人で作戦を成る。すると、
コンコン
みほ「祐希君?いる?」
とノックとみほの声が聞こえてくる。俺は立ち上がり、
ガチャ
直ぐにドアを開ける。
みほ「あっ、ごめん。急に来たりして。忙しかったよね。」
祐希「いや、特にこれと言って忙しくないぞ。まぁ、その感じだと話が会ってきたんだろ。上がってくれ。」
みほ「あ、お邪魔します。」
とみほは家に上がると、
みほ「やっぱり、作戦を立てていたんだね。」
テーブルに広げられた地図を見て呟く。
祐希「まぁ、俺にはこれくらいのことしか出来ないからな。」
みほ「流石は・・・・元『黒森峰の参謀』と言われた事はあるね。」
祐希「もう、1年も前の事だ。それにその名は勝手に誰かつけた名だろ。」
みほ「・・・・そうだよね。ごめんね。嫌な事思い出させちゃって。」
祐希「気にするな。それよりも、そんな事の為に来たんじゃないんだろ。」
みほ「うん・・・・どうして、あんな賭けをしたの。」
祐希「理由なんてないさ。ただの気まぐれだよ。」
みほ「でも、もし負けたら・・・・それに私に隊長は・・・・。」
祐希「負けねぇよ。俺はやると決めたら、やりきる。今回もそうだ。賭けも試合も最後まで勝つ事を信じてやりきる。それが俺だ。それに生徒会長も言ってたが、このチームで戦車道の最も経験があるのはみほ、お前だ。俺なんてお前の技量や統率力は到底及ばない。」
みほ「でも・・・・。」
祐希「みほ。お前は少しは自分の実力に自信を持て。それよりも作戦だが・・・・・。」
そこからはみほと共に俺は毎晩、対聖グロ戦を考え、そして時間は過ぎて行き、
練習試合 当日
遂に試合の日を迎えた。俺達は朝の6時には倉庫に集まり、点検後直ぐに学園艦から戦車を降ろし、試合会場となる大洗街に入った。会場の近くにある大洗マリンタワーの敷地内には、試合の様子を大型モニターで見られるブースが用意され、屋台なども設置され、街全体はお祭り状態になっていた。そして、生徒会チームの指示で試合開始時刻までは待機となり、俺は1人でトゥラーン中でゆっくりしていると、
「来たよ。聖グロの学園艦だ。」
と声が聞こえ、車内から顔を出すと
祐希「デカ。」
目の前には巨大な聖グロの学園艦の姿あり、大洗の学園艦がとても小さく見えてしまうほどだった。すると、
祐希「あれが聖グロの戦車か。」
学園艦からゆっくりの降りて来るイギリス戦車が目に入った。俺はそれをただ見ていると、
大輝「スゲェな。聖グロの学園艦。」
と呟きながら、大輝がたこ焼きを食べつつ、戻ってきた。
祐希「お前、朝からたこ焼きかよ。もっとマシな朝食はなかったのか。」
大輝「仕方ないだろ。どこも混んでて、直ぐに買えたのがたこ焼きしかなかったんだよ。京介達も今は屋台に並んでて直ぐには戻れないと思うぞ。多分、これから更に人も増えると思うから今のうちにお前も買いたいものあるなら買ってきた方が良いぞ。」
祐希「分かった。じゃあ、俺も行って来るわ。ここは任せるぞ。」
大輝「分かった。」
と俺はトゥラーンを降り、そのまま屋台の方へと向かった。
祐希「ふぅ〜、何とか買えたな。」
とたい焼きの5個入りの袋を左手に持ち、トゥラーンに戻る為に歩いていると、
ドンッ
祐希「あっ!?」
?「キャッ!!」
ドサッ
誰かとぶつかり相手が倒れる音が聞こえる。俺は直ぐに倒れた相手にの元に向かい、
祐希「すいません!!大丈夫ですか。お怪我は?」
と声をかける。
?「・・・・・だ、大丈夫です。私の方こそ、すいません。」
と謝ってくる。そんな、倒れた相手は髪はオレンジ色で背も低く、紺色のセーターを着ており、セーターの胸元には学園のエンブレムが付いていた。
祐希(この制服のエンブレム、大洗のどの学園にも無いな。もしかしたら・・・・・。)
と思い、俺は
祐希「あのもしかして、聖グロリアーナ女学院の生徒ですか。」
?「えっ、はい。そうですが。」
祐希「戦車道で。」
?「はい。」
と答えを聞き、俺は
祐希「どうして、聖グロの生徒がここに。」
と更に質問する。すると、
?「お恥ずかしながら、私迷子になってしまって。」
と聞いていると、
?「ペコ、探しまたわよ。」
と聖グロの制服を着た金髪の女性が現れる。
ペコ「ダージリン様。」
ダージリン「突然、居なくなったので、心配しましたわ。」
ペコ「申し訳ありません。ご迷惑をお掛けして。」
ダージリン「無事でよかったわ。」
と言うと、
ダージリン「後輩を助けていただきありがとうございます。」
とこのまま、礼を言われ終われば良かったが、
ダージリン「こうして、話すのは黒森峰以来ですわね。祐希さん。」
この女性、聖グロの戦車道チームの隊長を務めるダージリンは俺がまだ、西住の家にいた時に面識あった。
祐希「お久しぶりです。ダージリン殿。」
ペコ「えっ!?お知り合いなのですか。」
ダージリン「えぇ。今回、練習試合を申し込まれた際に貴方の名簿を確認させてもらいました。まさか、大洗に居たとは。先に話してくだされば、我が校に招待しましたのに。」
祐希「ご冗談を。俺なんか聖グロに行っても足手まといになるだけです。ダージリン殿のお心遣い感謝します。では、私はこれで、失礼します。」
と一礼すると俺はそのまま自分の戦車の元へと歩き始める。
一方、そんな祐希の後ろ姿を見ていたダージリンは、
ペコ「ダージリン様、あの方とはどういう方なのですか。」
と聞かれ、
ダージリン「彼は1年前まで黒森峰にいた唯一の男子生徒。そして、黒森峰の隊長、西住まほと同等の力をもちながらも、隊長の右腕として誰も考えつかない作戦や戦術繰り出し、他校から恐れられた存在。黒森峰の参謀。
ペコ「参謀。あの男性がですか。普通の人にしか見えないんですが。」
ダージリン「実際に戦ってみれば分かるわ。私も彼と実際に戦うのは初めてだから。でも、侮らない事ね。彼はあの西様流や島本流に勝るほどの強敵なのだから。」
ペコ「・・・・・。」
とダージリンの言葉にペコは理解が出来ないまま、自分達の戦車へと戻って行った。
30分後
祐希「来たな。」
遂に開始時刻を迎え、聖グロと大洗女子学園の戦車と生徒が互いに一列に並ぶ。代表として前に出ている河島先輩が前に出るそれに対して、聖グロ代表として前に出てきたのは
裕也「あれが、聖グロの隊長さんですか。」
祐希「あぁ、名前はダージリン。彼女も強いが、何より彼女の指揮の元の隊列は綺麗だが、それは圧倒的装甲と火力をバランスよく考えた戦術によるものだ。」
と喋っていると、
桃「本日は急な申し込みにも関わらず、試合を受けていただき感謝する。」
ダージリン「構いません事よ。」
互いの代表が挨拶する。しかし、
ダージリン「それにしても・・・・個性的な戦車ですわね。」
とダージリンの言葉に対し、
祐希「・・・・・(うん、うん。)」
祐希が頷く。すると、
「これより、聖グロリアーナ女学園と大洗女子学園による練習試合を始めます。ルールは殲滅戦。どちらかのチーム、全車が走行不能になった時点で試合は終了となります。」
戦車道連盟の方が来られ、試合について説明する。そして、
「一同、礼!!」
「「「「よろしくお願いします!!」」」」
礼から始まり、遂に祐希にとって初の他校との練習試合が始まったのである。
続く
ご愛読頂きありがとうございます。アニトクです。2ヶ月に渡って仕事による地方の出張により自分の時間が作ることが出来ず、編集が出来ておりませんでした。これからもしばらく投稿が遅くなることがあると思いますが宜しくお願いします。それでは次回もお楽しみに。