シンフォギア×ファイズ ー狼は奏者とともに戦うー 作:A.S マフルガ
巧は貴道をとある場所に呼び出した。
「また負けるつもりなのかな?」
貴道はカイザフォンで巧のことを煽った。
「もう負けはしないさ」
巧はファイズフォンを取り出した。
【STANDBY】
「「変身!」」
巧と貴道は互いのところに向かいながら姿を変えていく。
【COMPLETE】
ファイズに変身した巧とカイザに変身した貴道はぶつかり合った。
♢♢♢
それは決戦が始まる前のことだった。
「巧が響たちの間を取り持とうとしたのって単に世界の流れを修正するためだけじゃないよね」
麻那は約束の場所に向かう巧にそう聞いた。
「そうだ」
「少しでも可能性があるのなら戻してやりたいと思ったからだ」
「俺とあいつが元に戻れない分だけな…」
どんだけ仲がいい関係であったとしても崩れるのは一瞬だ。
巧はそういう考えを麻那に伝えた。
♢♢♢
ファイズはファイズアクセルを腕に装着して刺さっていたメモリーを抜き取ってファイズフォンにセットした。
【COMPLETE】
ファイズの胸部装甲が展開して全身に駆け巡っていたフォトンブラッドは白色に変化した。
「何だそのファイズは…」
「付いて来れるか?」
ファイズアクセルは構えた。
【START UP】
ファイズアクセルはカイザに向かって走って行った。
時間にして10秒間。
おおよそ目には追いつくことができない速さで加速してカイザを攻撃した。
【TIME OUT】
10秒が経ったことでファイズアクセルは元のファイズの姿に戻った。
「ぐっ、新たな力を得たのか…」
「一気に形成逆転だな」
ファイズはファイズショットを取り出してメモリーを刺そうとした。
その時
「ぐっ…!?」
この場に駆けつけてきたバイクがファイズを轢き飛ばした。
「残念だったな。バイクはこっちにもあるんだよ」
カイザはそのバイク“サイドバッシャー”に乗ってバトルモードに変形させた。
「やばい」
ファイズはその場から離れた。
「死ねぇーっ!」
カイザはサイドバッシャーに搭載された弾を全発射した。
「ぐぁーっ!」
ファイズは弾の爆発によって吹き飛ばされた。
♢♢♢
あの日、二人の関係に歪が入った日。
(僕は仕事で疲れていた。これ以上は無理だと思うところまではやっていた)
それでも貴道は誰にも相談せずに仕事を続けることを選んだ。
(そして僕は仕事中に倒れて周りに迷惑をかけた)
自己分析を疎かにしていた結果、他のスマートブレインの社員に苦労をかけさせた。
その後、仕事で巻き返すことで何とか名誉挽回することができた。
(全てはあの日、あの時、あいつが言ったからだ)
『この仕事が終われば遊ぶか』
巧のその言葉が貴道に無茶をさせた。
♢♢♢
ファイズはサイドバッシャーの射程から離れていたが爆発からは逃れられず瀕死一歩手前の状態だった。
「お前さえいなければ僕は!」
「貴道っ…」
カイザはファイズの体を掴んで怒りをぶつけた。
「いつもそうだ!お前は上から目線で!僕よりも馬鹿な癖にさ!」
「悪かったな…」
「はぁ?」
カイザは予想にもしなかったファイズの謝罪を聞いて戸惑った。
その隙を見てファイズはカイザから離れた。
「俺はお前がいつも頑張っているのを知っていた。他の奴らからお前の頑張っている事を聞く度に凄い奴だと思っていた」
「お前は昔も今もいい奴だ。だから俺の思いが裏切られたとしても冷たいことを言っても言われても信じることは辞めなかった」
「…全てはあの日、俺があんな事を言わなければお前は無茶をすることなんてなかった」
「今更謝罪したってもう僕らは元には戻れないんだぞ!」
「わかっている、俺とお前の道はもう交わることはない」
二人はそれぞれのガジェットに必殺技を発動するために必要な動作を施した。
「終わらせよう、俺たちの決着をつける時だ」
【XCEED CHARGE】
それが決着の合図となった。
「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
ファイズはクリムゾンスマッシュ、カイザはカイザスラッシュを放って互いに互いがいたところへ。
「ぐぁーっ!」
負けたのはカイザだった。
「貴道!」
カイザの変身は解除され、ファイズの変身を解除した巧は彼に歩み寄った。
「この道の先はきっと辛いことの連続だぞ。苦しくて傷ついていくことばかりかもしれない。それでもお前は進むのか」
「俺にはこの世界で守りたい人ができた。俺が歩んでいくのがそいつの笑顔を守るための道なら途中で降りたりしない」
「そうか…」
貴道は巧の手の上で砂のように崩れ落ちた。
「最後になんていい顔するんだ…」
巧は貴道だった砂を握りしめた手を胸に当てる。
この場所には昔の巧と昔の貴道が仲良くお喋りをしている幻影があった。
「帰ろう巧」
麻那が巧に話しかけてきた。
幻影は同時に消滅した。
「ああ…」
巧は麻那と一緒にこの場を離れて行った。
♢♢♢
スマートブレインでは社員が社長である男に報告をしていた。
「そうか、カイザが敗れたか」
社長は焦った様子は一つもなかった。
その社員が去った後、社長は窓を向き外の景色を見た。
「これで相手側にあるのは二本。いよいよ君のところの出番だよ。デルタ」
この部屋の中にいつの間にか白いライダーがいた。
♢♢♢
突然、BLUSTの施設で男が読んでいた本の数ページが光った。
「おっと…」
男はそのページを開いて読んだ。
ワードを掻い摘めば『緑の怪物』『オルフェノク』『デルタギア』『風鳴翼』とあった。
「これはまた厄介な歪だねぇ」
男は本を閉じた。
「それにしても緑の怪物。彼がこの世界にいるとは。僕も黙って見てる訳にもいかないかな」
男は本を置いて部屋にあった扉を開いて行った。