シンフォギア×ファイズ ー狼は奏者とともに戦うー   作:A.S マフルガ

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7.ガングニールの少女と親友(後編)

響は人を襲ってくるノイズと戦っていた。

 

「はっ!」

 

そこにファイズがファイズエッジを振り下ろして参戦した。

 

「巧さん!」

 

「待たせたな」

 

響とファイズは共闘してノイズを倒していった。

 

「……」

 

麻那は二人が戦う姿を安全なところで見ていた。

 

♢♢♢

 

ノイズを全て倒し終えた後--

 

「それじゃあ私はあの人たちが来る前に去ります」

 

「どういうことだ?」

 

巧には響が行こうとしている理由がわからなかった。

 

「私はツヴァイウイングのコンサートで起こった一連の事件のせいで散々な目に遭いました。…思い出したくもない嫌な記憶です。なのにあそこには翼さんがいる」

 

「だが、風鳴翼は今入院中だ。二課に戻れるのだっていつになるかわからないんだぞ?」

 

「それでもあの日を思い出したくないんです…」

 

響はツヴァイウイング全体に嫌悪を示していた。

 

あの日を思い出しくないから。

 

「だったら乗れ」

 

巧はそう提案した。

 

「え?」

 

「ドライブをすれば気持ちの整理ができる筈だ」

 

「いいよな麻那?」

 

二人のところに麻那がやってきた。

 

「いいよ。私の警護は二課の人達にしてもらうようにするよ。巧の後ろを譲るのは癪だけどね」

 

麻那はそう言った。

 

「行くぞ」

 

「はい」

 

巧は響をオートバシンの後ろに乗せて走り出した。

 

♢♢♢

 

その周囲で一体のオルフェノクが二課のメンバーを襲っていた。

 

「ああ、いいのかな。彼女から離れても。まあ、むしろこちらは絶好のタイミングだからいいか」

 

オルフェノクは二課のメンバーの一人に向かって触手を伸ばし、心臓の部分を突き刺す。

 

すると、彼は灰になって崩れ落ちた。

 

♢♢♢

 

巧たちはこの街にある橋にやってきた。

 

「お前がツヴァイウイングを…」

 

その話題が出ると響の顔は暗くなった。

 

「あなたの口からあの人たちの事を聞きたくない」

 

「俺たちが出会ったあの日と深く関係していることだよな」

 

「はい…」

 

あの日に起きたのは虐めだ。

生存者である者達が恨まれ、憎まれ、挙句の果てに襲われた。

響も、他の生存者もそんな目に遭った。

 

当時のことを振り返って人間の悪意が垣間見える嫌な事件だと巧は記憶している。

 

「私たち家族を助けてくれたのはあなた以外に誰もいなかった」

 

「他の人たちは襲われていることに感心も示さず見向きもしないで…」

 

響はその光景を思い浮かべて拳を握りしめた。

 

「一つ聞いてもいいか?」

 

「…巧さんなら何でも答えます」

 

「そうか」

 

「お前はお前たちが襲われていることに感心も示さずと言ったが小日向未来もそうだったのか?」

 

巧は歪のことを直接響に聞いた。

この場所に連れ出したのもそれが理由だったりする。

 

「……」

 

巧にその名前が出て響は下を向いた。

 

「親友にも色々タイプはあるだろうがお前達は心が通じ合っている親友だと聞いた」(実際は読んだだが)

 

「昔ならそうだと答えたと思います。でも、未来は…彼女は…私のことを…」

 

あの日起こった事件以来から連絡が取れなくなった。

 

すると、この場所に誰かがやってきた。

 

「私は今でも響を親友だと思っているよ」

「…!」

 

しばらく聞いていなかった懐かしい声に呼ばれ、響は振り向いた。

 

「未来…」

 

そこにいたのは未来だった。

 

「久しぶりだね響…」

 

「まさか巧さん…」

 

「そうだ。俺が呼んだ。大変だったんだぞ。ただの一般人を見つけ出すなんて」

 

巧と麻那は街に聞き込みを頼りに未来の家を探し出した。

 

「私もずっと響のことを探していたんだ。こうしてやっと会えて嬉しいよ」

 

(じゃあ私はずっと勘違いして…)

 

「ごめんね。あの時何もできないで…」

 

響と未来は互いに寄り合った。

 

話し合えばすぐに親友に戻ることができるだろう。

 

「これで元通りだな」

 

すると、巧のファイズフォンに着信が流れた。

 

♢♢♢

倉庫の中で麻那は縄に縛られていた。

 

「麻那!」

 

巧が倉庫にやってきた。

 

「巧!」

 

「待っていたよ狼護♫」

 

麻那の前にスーツを身につけた男がいた。

 

「相変わらず呼び方が気持ち悪いんだよ、貴道」

 

巧は貴道を睨みつけた。

 

「怖いね。おおよそかつての親友に向ける目じゃないよ」

 

「えっ?」

 

麻那は今まで知らなかった巧のことを驚いた。

 

「お前とは何をしても分かり合えないと分かりきっている麻那を連れ去って何が目的だ。さっさと答えろ」

 

「決まってるだろ。嫌いなお前に嫌がらせをするためだよ」

 

貴道は子供のようにげらげら笑った。

 

「そうか」

 

「とっとと終わらせるに限る」

 

【STANDBY】

 

「変身!」

 

【COMPLETE】

 

巧はファイズに変身した。

 

「じゃあ僕は君に驚くものを見せようかな」

 

貴道はファイズドライバーと似たドライバーを取り出した。

 

「もう一つのファイズドライバー?」

 

「カイザか」

 

「だが、そのベルトを使えば、適合率が高くない奴に待ち受けている運命は消滅だけだぞ」

 

「消滅するかは僕が決める」

 

貴道はカイザドライバーを装着してカイザフォンを展開した。

 

『913』と番号を打ち込みエンターを押した。

 

【STANDBY】

 

「変身」

 

【COMPLETE】

 

その掛け声と共に貴道はカイザドライバーにカイザフォンを装填し、黄色のフォトンブラッドが各部で二重になるように流れた。

 

その名もカイザだ。

 

「ファイズもカイザもあの人が麻那を守るために作ったものだ」

 

「違うな。僕らが人間を支配するために作ったものだよ」

 

ファイズとカイザは戦いを始めた。

 

「どうしたのかな」

 

「ぐっ…」

 

ファイズはカイザに体を掴まれて鉄骨に体をぶつけさせられていた。

 

「そんな巧が押されているなんて」

 

それ以降もファイズはカイザに押され続けていった。

 

「貴道ーっ!」

 

「はは、そんな怒ったって強さはこっちの方が上なんだ。まあ、君の方が少しだけ後輩だからね。仕方もないか」

 

カイザはベルトのホルスターにあるカイザブレイガンを取り出してメモリーをセットした。

 

【READY】

 

カイザブレイガンに流れたフォトンブラッドが刃の形になった。

 

「ここから君に勝ち目はない」

 

「っ…」

 

カイザはカイザブレイガンを構えた。

 

すると、オートバジンが駆けつけてカイザを攻撃した。

 

「なんだ…!」

 

「タイミングいいな」

 

ファイズはオートバジンが攻撃している隙に麻那の所に駆け込んで縄を解いた。

 

「逃げるぞ」

 

「う、うん…」

 

ファイズは麻那の手を掴んで入り口まで走るとバイクのモードになったオートバジンに乗って行った。

 

「逃げられたか…」

 

カイザはカイザフォンを抜き取って変身を解除した。

 

「でも、君は僕から逃げられないよ狼護」

 

貴道は奇妙な笑みを浮かべた。

 

♢♢♢

 

未来と和解を果た響は二課に入ることになった。

歪は響の中の蟠りがなくなるまで続くだろう。

 

だが、無くなるまではそうかからないのではないかと響と未来の笑い合っている姿を見て思った。

 

同じ頃、巧は怪我をしたところを麻那に処置してもらっていた。

 

「大丈夫?」

 

「ああ…」

 

巧はいつもよりも暗い声で返事をした。

 

「私は巧が必ず助けに来ると思っていたからまだ平然でいられたけど私を攫った相手が巧の元親友だったなんて…」

 

「……」

 

麻耶が思い出すようなことを言ったことで顔にも暗さが現れるようになった。

 

(私はいつも巧に守られてばかりだけど、私が巧にしてあげられる事はないのかな…)

 

麻那は脳内に貴道の言葉が思い浮かぶ。

 

(お父さんはどうして私を守るためにファイズの力を生み出したんだろう…)

 

麻那はその事が気になっていた。

 

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