シンフォギア×ファイズ ー狼は奏者とともに戦うー   作:A.S マフルガ

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8.告げる真実と二つの正義(前編)

前世、巧の前世には親友がいた。

その親友は今の貴道だ。

 

運命のイタズラか何かか二人はこの世界で再び出会って親友になった。

 

その事実に気づいた後でも互いに「狼護」「楠木」と呼び合って仲良くしていた。

 

(あいつは昔から俺にはできないことができた)

 

不器用な巧とは違い貴道は器用で何でも熟していた。

仕事の習熟度も彼の方が早かった。

 

(俺はそんなあいつが凄いと思っていた)

 

巧は彼と差が出ないように必死に食らいついた。

 

(俺は他の社員に助けてもらって仕事の習熟度を上げていたがあいつは誰も見てないところで一人でやっていた)

 

しかも完璧に。

貴道はすぐに巧とは別のエリートが揃う部署に行った。

 

(だが、時間が経つにつれてあいつは『僕がやらないと』が口癖になっていってある日そいつは起こった)

 

貴道は無茶を重ねた結果、周りに迷惑をかけてしまった。

 

(その日以来、俺とあいつとの仲は険悪な物になっていった)

 

その場限りの和解をして後になってから文句を言われる。

 

前世の時と同じだ。

 

巧はそんな貴道が信じられなくなっていって自らの方で関わることをやめた。

 

(それで関係が終わると思っていた)

 

だが、貴道は巧に嫌がらせをするようになった。

 

これが巧視点の二人に起こった過去の話だ。

 

♢♢♢

 

マンションで麻那は巧に紙の切れ端を広げた。

 

「これってあの人の名前?」

 

紙には名前と電話番号が書かれていた。

 

どちらも途中で途切れ、名前は苗字の楠木しか読めなくなっていた。

 

「間違いない。スマートブレインで楠木といえばあいつの苗字しかない」

 

「巧が響の歪を解決しようと動き始めた時に襲って来たオルフェノクがそれを持っていたみたい」

 

「ならそいつは貴道の命令で…」

 

巧は貴道の現在の立場と結びつけてそう考察した。

 

「ねえ、ファイズの力が私を守るためならどうしてカイザの方はあっちにあるの?」

 

「話してもいいのか?」

 

「うん、知りたい。巧が知っていることを話して」

 

巧は頷き、話を始めた。

 

「あの人はライダーギアを秘密裏に作ったが社員にバレて押収されそうになった」

 

「私を守ろうとしてのことなんだよね…」

 

「そうだ、ライダーギアは全て麻那を守るためだと言っていた」

 

「だが、今の社長になったやつはお前の暗殺を目論んでいる。ほとんどの社員はそいつに賛同して少数の反対派は処刑と題し、その時にファイズ以外のベルトが押収された」

 

すると、巧のファイズフォンに着信が入った。

 

「もしもし」

 

巧は着信に出た。

 

「…そうか、わかった」

 

巧はファイズフォンを閉じた。

 

「誰からだったの?」

 

「賛同派の生き残りからだ。話の続きはそいつとした方がより詳しいことを知れる。まあ、性格に難があるが」

 

巧と麻那はマンションを出た。

 

♢♢♢

 

二人が向かったのは研究施設だった。

 

「久しぶりだねぇ」

 

「ああ、久しぶりだな。生きていたのなら連絡をしろ」

 

「すまないね。忙しくてする時間がなかったんだ」

 

作業着を着た女が巧に向けて話しかけた。

 

「ねえ、この人は?もしかして前の彼女?よくないなぁこういうのは」

 

麻那はハイライトを消して巧を見た。

 

「安心しろ麻那。そういう関係じゃない。俺には幼女趣味なんてないからな」

 

「幼女って。私はこれでも君よりも年上なんだからね!」

 

「好きじゃないんだ…」

 

麻那は自分のペチャパイを触った。

 

「この人は乾山唯。戸籍上では俺の保護者だな」

 

「保護者!?」

 

「そうだよ。よろしくね」

 

「で、君は巧の彼女でいいのかな?」

 

唯は麻那に向かってそう聞いた。

 

「彼女ってそんな…」

 

「……」

 

巧と麻那の顔は同じぐらい赤くなった。

 

「おっと、どうやら図星だったようだね。天国にいる社長に何て弁明すればいいんだろ…」

 

唯が出した単語に麻那は反応を示した。

 

「父を知っているんですか!?」

 

「まあね。何だって私は社長秘書だったし。君のことも社長から聞いて知っているよ」

 

唯は麻那とあれこれ話した。

 

「押収されたベルトについてですけど…」

 

「うん、取り返さなきゃいけないよね。何せ私が手がけた可愛い子どもたちだし。もしも悪用なんてされたらたまったもんじゃない」

 

「唯さんが作ったんですね」

 

「うん、社長が開発責任者で私が技術を落とし込んで作った自慢の子どもたちだ」

 

「社長秘書をしながら技術者としてもできるなんて流石です」

 

麻那は目を輝かせて唯に伝えた。

唯はえへんと鼻を伸ばして胸を膨らませていた。

 

「俺の保護者だから取り入ろうとしてないか?」

 

「義母親さんになる人かもしれないもん。今の内に仲良くなっていた方が絶対にいいよね」

 

麻那は誤魔化すわけでもなく素直にそう答えた。

 

すると、警報が鳴った。

 

「どうやら侵入者みたいだね」

 

モニターには侵入者のオルフェノクの姿が映されていた。

 

「俺が倒してくる。麻那のこと頼んだぞ」

 

「ああ、任された」

 

巧は侵入者がいるところに向かって行った。

 

♢♢♢

 

巧は侵入者の前に立ちはだかるように駆けつけた。

 

「お前たちも貴道に頼まれた口か?」

 

「さあな」

 

「聞きたいのなら倒すことだ」

 

「まあ、倒せるかどうかだけどね」

 

「答えないなら別にそれでもいい。俺はお前たちを倒すだけだ」

 

巧はベルトを装着した。

 

【STAND BY】

 

「変身!」

 

【COMPLETE】

 

巧はファイズに変身。侵入者との戦いを始めた。

 

ファイズはファイズフォンにメモリーを刺した状態のファイズポインターを装着した。

 

【バーストモード】

 

ファイズはファイズフォンから重い一発を放って侵入者の一体を撃破した。

 

ファイズフォンからファイズポインターを外した。

 

「今度はこいつだ」

 

ファイズはファイズポインターから外したメモリーをファイズショットにセットした。

 

【XCEED CHARGE】

 

「はっ!」

 

ファイズは向かってきた侵入者の一人にグランインパクトを叩き込んで撃破した。

 

数人の侵入者の前にオートバジンが駆けつけて足元に銃撃を放った。

 

「ちょうどいい。次はこいつだ」

 

ファイズはファイズショットからメモリーを外して侵入者たちが怯んでいる間にメモリーを刺したファイズエッジを引き抜いた。

 

【XCEED CHARGE】

 

「はぁーっ!」

 

ファイズはフォトンブラッドの量を最大にしたファイズエッジを横降りして一気に数人のオルフェノクを倒した。

 

「残るのはお前だけだ」

 

ファイズはファイズエッジからメモリーを外して1番最初に使ったファイズポインターに刺した。

 

【XCEED CHARGE】

 

ファイズはヤンキー座りをして敵を待った。

 

「俺が倒されようとも他の奴らが必ずあの小娘を倒す!」

 

「はっ」

 

ファイズはジャンプして向かって来たオルフェノクにポインターを射出した。

 

「はぁーっ!」

 

「ぐぁーっ」

 

ファイズは侵入者最後のオルフェノクにクリムゾンスマッシュを放った。

 

「俺がいる限り麻那は決してやらせはしない」

 

「……」

 

オルフェノクは他の侵入者同様に砂のように崩れ落ちた。

 

♢♢♢

 

巧は先ほどの場所に戻ってきた。

 

「この施設の警備を見直した方がいいんじゃないのか?」

 

巧は侵入者の数を考えて唯にそう提案した。

 

「君達の用事が終わり次第、この施設を手放すことも検討するよ」

 

「そうか」

 

唯は巧にそう答えた。

 

この施設は侵入してきた事からも特定されている。

そんなところにいればまたいつ襲ってくるかわからないからだ。

 

「巧、悪いんだけどファイズ以外のカイザとデルタのベルトを取り返してくれない?」

 

唯は麻那に奪われた二本のベルトの名前がわかるようにあえて名前を出して行った。

 

「ちょうど麻那を守る力が襲うための力になるのは耐えられないと思っていた。取り返して来てやる」

 

巧は唯にそう返した。

 

「いい返事だ。そんな君にこれをあげるよ」

 

唯は腕時計型のアイテムを取り出した。

 

「これは?」

 

「ガジェットの追加か。戦力が増える分には申し分ないか」

 

「いや、これは他のとは違ってファイズの強化フォーム用のものでね。その名もファイズアクセルだ」

 

「ファイズアクセル…」

 

「加速する力か…」

 

二人は唯から名前を聞いて脳内に素早く動くファイズの姿を思い浮かべた。

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