灰をあつめて天に撒き 風吹いて また魂燃ゆる 作:kuona
良ければ読んでやってください。
(地雷にはお気をつけて!)
「………」
黒煙の立ち上る戦場の地に、ひとりの男が佇んでいた。
──否。正しく言えば男はひとりではない。しかし、如何せん他に立っている者などこの場に存在しない。周りを見渡せば、生存者が居るとは到底思えないほどの地獄が目の前に広がっているのである。
黒煙が立ち込める場所。
少し前まで村落があったであろうこの場所は、数千年前に始まった戦争の災禍に呑み込まれ、誰かの住処だったであろう散らばった木片の残骸と、積み上がる人だったモノの骸しか残されていない。
それでも男は、目の前の
「…儂と共に来るか、それともここで朽ちるか」
選べ、と。
男が声をかけるが、応えは返ってこない。
黒い虫の飛び交う先で、目の前の塊はピクリとも動かない。
すると今度はしゃがんで、男はシワの刻まれた節くれだった手でその塊に触れて、問う。
「まだ、生きたいか?」
手を当て暫し。
「──」
男は重い瞼を無言でゆっくりと一つ瞬く、と。
汚れるのも構わず、両手でその塊を持ってゆっくりと立ち上がった。
ばさりと、白い羽織を翻す。
男は死にかけの塊を懐に抱え、噎せ返るような気化した血と灰の充満する中を歩みだした。
炎のようにゆらりと揺れるその大きな背中は、闘いに身を浸した阿修羅の如く。はたまた、彷徨い歩く幽鬼のようでもあった。
「──…」
びゅう、と一陣の風が吹く。
血のように赤く染まった夕暮れの中。
濃厚な死の気配を纏った男は皮肉にも、小さな命の蝋燭に火を灯したのである。
〝灰をあつめて
風吹いて
また
……
…………
………………
「旅人、次はどこに行くんだ?」
「次は璃月に行こう」
「おお、璃月か! 稲妻の滞在も結構長くなってきたし、なんだか久しぶりな感じがするな」
「そうだね」
「じゃあ未練が残らないように出国する前に稲妻の食べものをたらふく食べて食い溜めしておかないとな!」
「二度と来ないわけじゃないんだけど…」
「あ〜何食べようかなあ。甘エビの握り寿司にうなぎの蒲焼とうな茶漬け、お好み焼きもいいな!それからカニのバター添えとかにみそ甲羅焼き!あれはクセになる美味しさだぞ〜!〆はまろやかで野生の旨みがギュッとつまった獣骨ラーメンが良いかな〜、二ヒヒ…あ!そうだ、船の上で食べる用のおやつも買ってこうぜ旅人!この前食べた三色団子と団子牛乳はどうだ?」
「パイモン欲張りすぎ」
「オイラはいっぱい食べて大きくならなきゃいけないんだっ」
「美味しく育ってね」
「おいっ、オイラは非常食じゃないぞ〜!」
next▶璃月
わかる人にはわかる、タイトルのオマージュ感。
そうです。“次回予告ポエム”をタイトルに持ってきました。
ちなみに「灰を集めて天(そら)に撒き、風吹いて、また魂(こころ)燃ゆる」と読みます。BLEACHのオサレなルビ振りをやりたかったから…
意味は
「灰をかき、そこに風が吹けば、また炎は燃えるでしょう」
という感じです。
ここまでお読みいただきありがとうございます。続きます。