ヒーローガールVSラスボスガール   作:タコZ

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 魑魅魍魎(ちみもうりょう)魎魑魑魍魅魍魅(りょうちちもみもみ)にした人って天才だよね


絶望の足音

 

 

 いやー、快適快適。ハンモックでゆらゆらしてると眠くなるよね。

 

 そんな事を考えながら、ハンモックの上で優雅にジョジョを読む、3部のやつ。現在、そんな贅沢なダラけ方をしているが、当初の秘密基地はこんな事が出来る様な御立派なものでは無かった。デカめの木の上にブルーシートを頑張って覆い被せて、その木に上手いこと足場を作って、それで段ボールとお高めのガムテープで風除けを作っただけの、こう、拙い感じのヤツだったのだ。

 

 その拙い感じのヤツを歳をとった私が改めて見て、こう思った。いや、この歳の自分じゃこのまま過ごすのちょっと無理だな、と。明らかに老朽化してるし、多分自分が階段に足掛けるだけで崩れるんじゃねーの?どーすっかなー、改修するか?でも面倒臭いなー。ん?そう考えると4〜5歳でこれ作った私ってもしかしなくとも凄い?

 

 そんな事をやいやい頭の中で考えて、ふと秘密基地を見ると、其処にはネットの掲示板に蔓延るDIYガチ勢も腰を抜かして震え上がるくらいの、それはそれは立派なツリーハウスが出来上がっておりました。

 うーん、夢かな?それとも私の頭が可笑しくなった?とか思いつつも、心無しか種類すら変わった様に見える木に架けられた梯子を登り、中を覗いてみた。

 

 

─────何ということでしょう。

 

 

 何処からかそんな声が聞こえた気がした。マジでどういう事?入り口はドアがあって虫が入って来る心配も無さそうだし、入って正面にはハンモックがあって、左手にはハンドルで開閉するタイプの窓、その近くに小さめのテーブルと椅子まである。その正面には良さげなテレビと見るからに高性能な外付けDVDプレーヤーまで!右手には大きめの本棚があって、ジョジョなら5、6部辺りまでなら収納できそう!

 

 ………あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!

 

 冗談です。私も最初は混乱していたけど、心当たりがあったお陰かすぐに理解できた。

 

 理想を体現する固有能力、多分これだ。どうにかなんないかなー?とか思ってたからこれが発動したんだ、てっきり変身時しか使えないと思ってました。

 

 

 

 

 閑話休題、ちょっと語りたい事がある。

 

 君は、どんな展開がお好みか?

 

 実際、アニメやら漫画やらゲームやらで、ストーリーがある以上読み手を楽しませなければならない。それが空想というエンターテイメントの使命であり、それを形にした娯楽という物の命題に他ならない。そこで今回、私というラスボスが歩む道は王道路線だという事を語って行こうと思う。

 

 別に変化球が嫌いという話では無い。その辺も含めて、まずは苦手とする展開から話していこう。

 

 何よりもラスボスと主人公が和解する展開だ。暗い展開が長く続いて、戦うしか無い運命に抗った結果のハッピーエンドならまだ良い。まだ許せるし、続編の伏線にも活用しやすい。

 

 だが問題は、ラスボスが主人公の故郷やら仲間やら幼馴染やらを皆殺しにして、尚和解しようとする作品が一回あったのだ。途中まではもう「殺してやる!」ぐらいの勢いがあったのに、憎っくきPTAから苦情が入ったのか、それとも製作陣の間で何かあったのかはわからないが、急に優しくなった主人公がラスボスを許そうとしだしたのだ。

 

 仕舞いにはメインヒロインを葬った未知の第二形態とか、師匠ポジが語った主人公の覚醒フラグとか、その他全てのフラグをかなぐり捨てよったのだ。それで続編があるならまだ許せた、だがそのまま全ての要因をゴリ押しで解決してそのままラスボスと主人公とでゴールインの最後。

 

 ショックと形容出来るまであった、民間人に裏切られるバッドエンドならまだ許せた。「俺達の戦いはここからだ!」とかそんなレベルの話じゃ無い、打ち切り漫画も裸足で逃げ出すレベルの暴挙だった。

 

 それを踏まえて、次に好みの展開について。

 

 場合にもよるが、ラスボスが倒される事。これが先ず一つ。無慈悲で冷酷、圧倒的邪悪な精神性と、それに見合う力を持った魔王、或いは怪物。長い旅と物語を経てラスボスまで辿り着き、そして最後はラスボスを倒す。これが大好きなのだ。

 

 勧善懲悪と言うのだろうか、邪智暴虐の限りを尽くした悪役を完膚なきまでに叩き潰す。そのカタルシス的快楽が何よりも大好きであり、私と言う、キュアエンデと言うラスボスの理想とする終わり方だ。

 

 

ラスボスとは、倒されるべきもの。

 

ラスボスとは、負けて然るべきもの。

 

ラスボスとは、短命である者。

 

 

 それは如何なる物語に於いても同じで有り、例え敗北する事があっても最後は勝利して終わるハッピーエンドが必ずある。物語とはそういうものなのだ。

 

 

 ………さて、ここまで長々と語り、この前はラスボスの圧倒的強さについて話した。だが、キュアエンデのこの戦い方も私の理想には程遠い。

 

 確かにこの力は強い、理想を思い描くだけでその事象を起こせるし、この力さえあれば誰にも負けない、最強の存在なんて容易くなれるだろう。だが、結局それは他人の力の域を出ない。自分の力で戦えないラスボスになどなるつもりは欠片も無いのだ。

 

 ネット小説で例えると分かりやすいかもしれない。今流行りの最強キャラの能力を持って他作品で無双するクロスオーバー作品、良いと思う。実際クソ程読んでるし、この力も似たような物だし。だが、一つだけ、思う事があるのだ。

 

 

 借り物の力で優越感に浸るのって、実は相当みっともない事なのでは?

 

 

 身も蓋も無い事を言っているのはわかってる。多方面を敵に回す爆弾発言だという事も十分に理解している。だがラスボスになるにあたってちょっと許容出来ない範囲の現実を直視してしまった。

 

 そういう訳で私は前人未到の領域、もといラスボスの力を使うだけで無い、私だけのラスボスを追求する。つまりは他のラスボスに出来ない事を向こう三日くらいは追求していきたいと思っている。

 

 何はともあれ、まずは場所だ。広い場所、もとい燃やしても良い様な場所に行きたい。鳥取砂丘か、それかサハラ砂漠辺りがベストだろうか。そう考えた私は早速ワームホールを展開、そこではたと手を止めた。

 

 

─────異世界とか良いんじゃね?

 

 

 その突拍子も無く湧いて出た素晴らしい名案に心を躍らせながら、私は脳の瞳の啓示に従って次元を超えていった。

 

 

 

 

「ぐふふふふっ、見つけちゃったのねぇ〜ん」

 

 

 その声に気付くことも無く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やいっ、プリキュア共!」

 

 アンダーグ帝国から使者、カバトンは怒声と共にプリキュア達の前に立ち塞がる。今回も、プリンセス・エルを奪いに来たのか。そう考えたソラ達は一斉に構えをとる。だからこそ、彼の発言は彼女達の意表を突いた。

 

「今日は話があってきたのねん!」

 

「え?」

 

「は、話ですか?」

 

 彼の発言に、ソラ達は眉を顰め、首を傾げる。

 

「あの黒いプリキュアを忘れたとは言わせねぇ。アイツが居たら、俺らは戦うどころの話じゃないのねん!」

 

「……それは、そうですが」

 

「ムカつくが共同戦線だ!俺様とお前達の四人で、アイツをブっ倒すのねんっ!」

 

「なっ!」

 

 身の毛もよだつ程の悍ましい怪物を思い出し、表情を曇らせるソラ。直後のカバトンの発言に、驚きを隠せないツバサが口を挟む。

 

「い、幾ら何でも怪しすぎます!」

 

「そうだよ!何考えてるの、カバトン!」

 

「……いえ、その話。受けさせて下さいっ!」

 

「ちょっ、ソラちゃん!?」

 

「よく言った!」

 

 ソラが想起したのは、圧倒的な強さを誇る黒いプリキュア。そして、自分達を爆死させたあの破壊光線。

 

「では今日より三日、お互いに全力で力を磨くのねん!そこから二日、俺様が夜なべして組んだプランの打ち合わせをして、万全の体制でブチのめすのねん!」

 

「はいっ!」

 

「そ、ソラちゃ〜ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体どういうつもりなんですか!?」

 

「お、落ち着こうよツバサ君」

 

「飛ばして下さい、あげはさん」

 

 あげはの愛車の中で怒声を上げるツバサ。ツバサを宥めようと声をかけるましろ。歯牙にも掛けずにあげはに車の速度を上げるよう催促するソラ。

 

「まあ、落ち着きなって。少年もごめんね。荷物が多くて、その姿じゃ無いと乗り切れなくてね」

 

「…別に、これが本来の僕ですから」

 

「やっぱ可愛いなぁ!」

 

「む〜〜!」

 

「それで?特訓って何するの?やっぱ滝に打たれたり?山の主と戦ったり?まさか山の頂上で、必殺技の修行したりする感じ!?」

 

 ギスギスした空気を持ち前の明るさとハイテンポなユーモアで掻き消したあげは。朝早くに来て他のプリキュアメンバーをお出かけに誘ったり、今の様に場の空気を自分のペースに持っていくコミュニケーション能力は流石の一言。

 

 『波ーーーーーーーッ!』といった何処かで見たことのある様な妄想を披露するあげはに、ツバサがツッコミを入れる。

 

「いやいや、漫画の読みすぎですよ。そんな訳」

 

「そう、まさにそんな感じだよ!」

 

「はい、そんな感じです」

 

「よしゃっ!取り敢えず、良い滝あるよー!」

 

「え、ちょっ。えぇーーーーーッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから五日後、しまいはコンビニから袋を持って出て来た。中身はポテチと骨無しチキンが二つずつ、もう片方の手にも袋があり、その中にはパーティ用のコーラが二本。数多の異世界から帰還し、そこで得た経験を二日かけて我が物とした記念にウキウキ気分で秘密基地に向かっている最中だ。

 

 その途中で、あるものを発見した。外国人の二人組に道端で声をかけられ、困り果てたソラがいたのだ。中国系の出身らしいその人は、なれない英語を四苦八苦しながら発音して、どうにか何かを伝えようとしていた。しかし異世界人であるソラにはわからない。

 

《あーもう……!》

 

「え、あ、えっと……」

 

「何してるのねんアイツら………!」

 

 見かねたしまいは助けてやろうと動き出した。外人達の右後ろに立ち、声を掛ける。

 

【何かお困りですか?】

 

『だ、誰、ですか、貴女は?』

 

「ほむ……」

 

 ハズレ、ドイツ語はわからなかったらしい。外人も困り顔で辿々しく英語を投げかけてくる。

 

〔通りすがりの者ですが、何かお役に立てる事があれば是非言って下さい〕

 

〔!!!!!!〕

 

〔ああ助かった!実はこの国の映画を見に来たんだ!ここら辺にあるって聞いたんだけど正確な場所がわからなくて……〕

 

〔ああ、それなら─────〕

 

 流暢な母国語に安堵を覚えたらしい二人は、ものすごいスピードで何が知りたいのかをまくしたてた。しまいは流暢な中国語でそれを見事に対応し切って見せたのだ。

 

「ま、こんなものかしら」

 

「あ、ありがとう、ございます」

 

「久しぶりね、ヒーローさん?」

 

 不敵な笑みを浮かべ、疑問半分、恐怖心半分と言った表情のソラに話しかけるしまい。実はこの二人、河川敷の一幕よりもずっと前に会っているのだ。それはしまいが首を吊る数日前の話。

 

 

 いつものようにリンチを受け、その日は確か鉄バットで鼻をへし折られた日だったか。その日からまともに食事も摂れず、精神的に追い詰められたのもそれが一因となっているのだろう。

 

『やめなさーーーーーいっ!!』

 

 其処に颯爽と現れ、その場に居合わせた全員を薙ぎ倒していったのがソラだった。

 

 惜しむらくは、主犯格の口車にまんまと乗せられ、荒らしのようにその場を去ってしまったことか。まあ、見るからに純朴そうな子だ。序盤にこうして騙されてしまうのも王道展開、別に責めはしない。

 

 

「………っ」

 

 しまいがそんな事を考えている間、ソラは二日前にカバトンに説明された作戦を反芻していた。

 

 

『いいか?先ずはお前らの中の一人が、コイツのアイテムを奪って時間を稼げ!』

 

「ご、ごめんなさいっ!」

 

 ソラは優越感に浸るしまいの不意を突き、腰に付けた黒いミラージュペン、ゼロ・ミラージュと漆黒のスカイトーンを奪い取り、走り出す。

 

『こ、この子、この前いじめられてた子ですっ!』

 

『よしっ!なら顔は覚えている筈だ!なんなら後ろから無理矢理奪い取っても良いのねん!』

 

「……いや、逃すとでも?」

 

 走るソラを追い、物凄い勢いで駆け出したしまい。其処を狙ったかのように光の玉がしまいの背中に叩き込まれる。

 

『次!他の二人がその隙に変身して、ソイツを叩くのねん!』

 

『ちょ、ちょっと待ってよ!』

 

『幾ら何でも無茶苦茶です!』

 

『選ぶのねんっ!このまま四人揃ってアイツに潰されるか、アイツを排除して全て振り出しに戻すか、二つに一つなのねん!』

 

『皆さん』

 

『そ、ソラちゃん?』

 

『ソラさん?』

 

 

『やりましょう!私達でっ!』

 

 

 思い出したのは昨日のそんなやりとり。手筈ではプリズムが一撃喰らわせて距離を取る一撃離脱戦法で時間を稼いでいる。

 

「パスです!」

 

「よっと……!」

 

 ソラはゼロ・ミラージュとスカイトーンをウィングに投げ渡し、自分のスカイミラージュを取り出す。

 

 

「無限にひろがる青い空!」

 

「キュアスカイ!!」

 

 

 キュアスカイはしまいに突貫、プリズム相手に格闘戦を仕掛け、優勢だったしまいの横腹に拳撃が放たれる。それをしまいは回避、スカイに向けてローリングソバットを叩き込み、反動で距離を取る。

 

「何でですか……っ」

 

「あ?」

 

「何であんな事をしたんですかっ!」

 

「…………」

 

「何でそんな風に笑えるんですかっ!!」

 

 スカイはしまいに向かって叫ぶ。理解出来ないからだ。純粋で未熟なスカイはしまいが自分達に敵対する理由がわからない。

 

 ヒーローを目指すスカイは、あの時の痛ましいしまいの救い方がわからない。

 

 真面目で心優しいソラは、プリズムと戦いながら獰猛で悪辣な笑みを浮かべるしまいがわからない。

 

「傷付けられる痛みを知っている貴女が、どうしてっ!」

 

「……クハッ」

 

 ソラの叫びを聞いたしまいの口が歪む。

 

「傷付けられる痛みを知っている、だからどうした?」

 

「……えっ?」

 

 馬鹿、阿呆、無知蒙昧、荒唐無稽。

 滑稽、実に滑稽。しまいの心は今、嘲笑に満ち満ちている。この少女は今、何と言った?

 

「だからどうした、そんな言葉で敵を止められるとでも思ったか?愚かだな、ヒーローッ!」

 

「貴女のミラージュペンは奪いました!もう変身は出来ない!お願いです、投降してくださいっ!」

 

 敵意を剥き出しにするしまいに向かって、スカイが叫ぶ。見れば、プリズムとウィングも納得のいかない表情をしている。人を相手にするのはコレが初めてか。いずれにせよ、このままではラスボスとして倒されるどころの話ではない。

 

 なるばどうするか、簡単だ。自分という脅威をこれでもかとアピールして、人を傷付ける事に慣れさせれば良い。

 

「あら、何か勘違いしているみたいね」

 

「え………」

 

「スカイトーンもミラージュペンも幾らでも作り出せる、だからこそ放って置いたのがわからなかったか?」

 

 そう言い捨てたしまいは目を閉じ、片幅程度に足を開き、両手に若干力が込められる角度に固定。自分の憧れを想起させる。

 

 

 本来、プリキュアが変身する基盤たるミラージュペンは人の強い情動により生み出され、スカイトーンを持ってその力を発揮する。事実、ソラはミラージュペンを失い、決意の力でミラージュペンを再び手に入れた。

 

 しかし、それには再起するにあたり、ミラージュペンを再生成するに至る程の強い情動が必要なのだ。従って、この状況、この窮地に於いて、一般人である筈のしまいが情動による再生成は不可能である。

 

 

─────だが、其処にいるのはプリキュアを遥かに上回る強大且つ強力、絶対的とも言える程の強い呪いを抱えた狂人に他ならない。

 

 

「カモンッ!!」

 

「マックスアンダーグエナジーッッッ!!」

 

 

 ヤバい、と判断したカバトンは飛び出した。五日間溜めに溜めたアンダーグエナジーを自分の身体に撃ち込みながら。

 動物由来の第六感に従って、戸惑うプリズムとスカイの間からウィングが飛び出した。目の前に立つソレが、自分達の手には負えない脅威と知りながら。

 

 しまいの胸から、漆黒の炎が飛び出し、ペンの形を作っていく。遅れて、虚無を思わせる黒い穴が飛び出す。

 

 黒い穴の名は、言わずもがなしんがり星。しまいの胸中より生まれた断末魔の塊。地球由来の不定形生物でありながら、その力はエルを遣わせた一番星の力をも凌駕する。

 

「喰らえええぇぇっっ!」

 

 パワーアップしたカバトンとウィングが拳を突き出す。

 

 その時、ウィングは見た。

 

 しまいが笑った、笑ったのだ。怯える獲物を見て嗤う強者の様に、カバトンの無意味を、ウィングの無力を嗤う、その顔を。

 

 

 

 ウィングの動きが、一瞬、止まった。

 

 

 

 

 

 

 

「ゼロ・ミラージュ!」

 

「トーン・コネクト!」

 

「暗がりチェンジ!」

 

 

 闇夜の暗闇よりも黒く、艶すらも写さぬそのスカイトーンがゼロ・ミラージュに装着され、彼女がゼロ・ミラージュを掲げ、その理想を喚ぶ。

 

 

「エンデ!」

 

 

 黝色に白線で彩られた空間が、ブラックホールに飲み込まれる星々の様にスカイトーンに飲み込まれていく。其処に残ったのは何も無い、何処までも暗い虚無。

 

 

「色褪せホップ!」

 

 

 彼女の掛け声を皮切りに、世界が変わる。最初は雪原。嘗て、滅びの運命にあった心清き戦士が予言を捻じ曲げ、伝説を塗り替えた地。

 

 

「憂鬱ステップ!」

 

 

 また世界が変わる。今度は海岸。闇で世界を覆い尽くした強大な邪神を、最後まで希望を捨てない世界中の子供達と光の巨人が打ち払った地。

 

 

「宵闇ジャンプ!」

 

 

 またも世界が変わる。今度は灰色の大地。世界を照らした不死身の英雄達、彼等と、その世界を存続させんとする戦士との決戦の地。

 

 

 世界が暗転する。最初の、何も無い暗闇に戻った。だが違う点が幾つかある。それは、長テーブルだ。上質な長テーブルが置かれ、豪華な玉座が備え付けられた会食の場。其処に多種多様な人物や、最早人物とは呼べない様なものまで選り取り見取りの地獄絵図。

 

 

 誰にも負けない男になると誓った吸血鬼。

 

 コブラの様な形をした赤い宇宙人。

 

 混沌を信奉する胡散臭い青年。

 

 無邪気な笑みを浮かべ、周囲を品定めするべく遠い席の方を見ようとテーブルに手を置く白い少年。

 

 触手を持った異質な上位者。

 

 

 他にも様々な魑魅魍魎がテーブルで各々に振る舞われた料理を楽しむ中、その一番奥。怪物達に列席する紫色の髪をした少女。その少女を中心にその心象風景が破裂し、己の名を叫んだ。

 

 

「歴史に根ざせ、我が終焉!」

 

 

「キュアエンデ!」

 






しまいちゃんの言語能力は自前にて候


 変身時にコロコロ変わる場所は元ネタがあるぞ!皆も一緒に探してみよう!(ニチアサ並感)



























次回

「闇は、光を喰らう」
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