もしも…ウルトロンに憑依したら? 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
ナターシャたちは既に動力室に着いていた、そしてその機材にハッキング用の道具を使用しジャービスと同期させた。
『砲台と動力炉との同期を遮断まで残り五秒、トニー様は準備を。』
『了解。』
『5、4、3、2、1…トニー様!』
そうジャービスの声が聞こえる、恐らく合図だろう。そしてそれから数十秒が経過した。
『いたた、結構ギリギリだな。こっちは大丈夫だ。』
「わかった、俺たちはこのままウルトロンの方に向かう、仕事が終わったらキャプテンの援護に行ってくれ」
『ちゃんと面倒見ろよ。』
「大丈夫だ、子供を見るのには慣れてる。」
『ならちゃんと怪我させないようにしろよ。』
それを終えて通信は最後になった。ナターシャたちもそれを聞いて次の行動に移る。
「…さて、行きましょう。」
そう移動しようとした矢先そこに向かって青い弾が飛んでくる。それを二人は回避し戦闘体勢を取る。
「やっぱり来たか。」
『面倒な連中だ、これほど裏方稼業が似合う奴らもいないだろう。』
「お前ほど利口じゃない奴もいないぞ。」
『お前らほど普通が似合わないのもな。』
そのまま戦闘に入る、と言うより続行だろう。さっきから相手をしているのは厳密に言えば全部ヴィジョンだ。ただ量産するに至ってバリエーションを増やすと効率が悪いため指揮官機とセントリーしか作らなかった。そのため基本的に戦法は割れている。だから量産機程度ならナターシャたちでも落ち着いて対処すれば何の問題もなかった。問題があるとすれば二人は物量戦はあまり向かないのが問題だった。
「いつも矢の数が足りないな…今度ウルトロンに相談してみるか…」
「私たち、この仕事向いてないかもね。」
「こんなロボ相手するのは専門外だよ。」
そうもう一機矢で撃破しながら愚痴を溢す、そもそも全身が合金で覆われているのに銃とか矢で対応しているのが不思議なのだ。そのうち対処していくが手数で押されていきそのまま追い込まれる。
「きゃ!」
ナターシャが怯みそこにセントリーのキャノンが襲いかかる、だが何とか回避していきバートンがフォローに入る。その間にナターシャは退避した。
「まったく、家にいたら嫌な奴とそっくりだ。」
『あんなのと一緒にされるとは心外だな。』
そのまま遠距離で倒していくと追い込まれナターシャがピンチになる。バートンが援護しようにも他のセントリーの攻撃で割って入れない。腕のスタンガンを発射して怯ませようとするが効果なし、そのまま至近距離のキャノンが放たれようとした時そのセントリーの頭を何かが貫いた。ナターシャがそれに驚いているとその貫いた物体が抜かれその刺した本人と思われる女性が見えた。
「…ありがとう。」
「…どうも。」
その姿は見るからに民族衣装と言うべきなのだろうか、近代化のこの場所では浮いているように見える。手に槍を持ちナターシャを見下ろしている。その後ろをセントリーが襲うがすぐさま槍で迎撃される。
「…あんたワカンダ人か?」
「…そうよ。」
そう襲って来るセントリーを三人で迎撃していく、前衛をオコエがしているためかバートンたちが本来のポジションに戻ったため戦況が楽になった。
「ティ・チャラ王子の援護に?」
「たまに固まる時がありますから、念のために。」
そうして突っ込んできたセントリーに槍を突き刺しそのまま別のセントリーに向けてぶん投げる。バートンも矢をなるべく使い終わったやつを抜いていきそのまま再利用していく。ナターシャの方もスタンガンを直接当てて行き節約する。
「なら丁度よかったわ、その人知り合いと一緒だから合流する予定なの…あなたもどう?」
「…馴れ合うつもりはありませんがいいでしょう。固まらないように。」
このままここにいても囲まれて死ぬ、そのため移動をしながら避難口を確保して尚且つそのまま状態を維持すれば追い込まれることはない。ウルトロンが送ってくれたここの地図は頭に入っている。ウルトロンの所までは無事に辿り着けるはずだ。そうして三人はウルトロンの所まで移動して行った。
「少し遅いぞ。」
「なんだ?諦めたのか?」
そう倒れているロジャースに手を貸すソー、流石に攻撃を受け過ぎたのかロジャースの方はふらついている。ソーの方は肩から血を流しているが今はもう止まっている。
『まったく、この体をここまで壊すとは流石だな。』
その声がする方向に釣られ二人はその方に向く、そこには左腕が取れ、左腹に穴が空いているヴィジョンがいた。
「何て奴だ、本気でやったんだぞ。」
「流石はヴィブラニウムだ、だが無傷と言う訳じゃなさそうだな。」
二人は戦闘態勢になると周りにセントリーが現れる、それを見たロジャースたちは背中合わせになった。
「もう一発いけるか?」
「できるが警戒されている、やるとしたらあの腹だな。それなら本気でやらなくてすむ。」
「それで行こう。僕が引き受ける。」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。」
そしてセントリーのキャノンがロジャースたちに向けられた瞬間、そのセントリーの頭が吹き飛び何かが入ってきた。
「うわぁ、思ったよりボロボロだな。」
入ってきたのはアイアンマンだった。
「スターク!?」
「何とか入れたぞ、かなり派手な歓迎されたけど。」
『何なら残ればよかったんだ、そうすれば面倒な手間が省けたんだがな…』
「お酒がなかったからつまらなくて、ここの方が面白いし。」
その言葉を合図に戦闘が始まった、アイアンマンが上を確保しロジャースたちは目の前の敵に集中して攻撃する。ヴィジョンの方はソーの方を集中的に攻撃している。
「さて、ウルトロンのおかげでこのお城崩しのプランが出来たぞ、だけどそれをするにはソーがいる。」
「ならこいつらを片付けてさっさとやるぞ。」
『ホントにいいのかスターク、外にいた方がよかったんじゃなかったのか?』
「そりゃどういう意味だ?」
そう含みのある笑みを浮かべるヴィジョン、その言葉の真意がわからずただ三人はヴィジョンの方を見た。
「私がこの基地だけでソコヴィアを潰すとでも?」
「なに?」
するとジャービスから連絡が入ってきた。
『トニー様、ソコヴィアの地下から敵のロボットが出現、避難中だった民間人が攻撃を受けています。』
「…まじか。」
『世界を変えるのは私自身でも可能だ、この基地は囮でもあり本丸、だが私はそれを二つ持っていた。』
そもそもこの基地に攻め入って来るのはヴィジョンでもわかっていた。大量破壊兵器など見逃す筈がないし絶対に邪魔をしてくる。ならこちらは手数の多さを利用してやるだけだ、別に選別ならばヴィジョンだけでも可能、例えそれが邪魔をされても基地でやればいい。片方しか止められないのは予想は容易だった。
『お前たちは誰も救う事はできない、勝つのは私だ。』
それを聞いて3人に動揺が走る、今更外に出られないしそれに例え外にいる奴らを全員やってもこの基地が野放しになる。計画を止めるには必ず全員でやらないといけない。ロジャースたちがセントリーたちを倒していき現状を維持する。
『そうでもないぞ。』
『なに?』
その声にヴィジョンが反応する、ソコヴィアにいるセントリーが何体か破壊された。その時に写ったのは旧式のヘリキャリが浮かんでおりセントリーたちをフューリーとファルコンとローディ、そしてバナーとアイアン軍団が連携して倒していた。
『どうだ!昔の仲間と一緒にこのオンボロを直した、ついでにギャラリーもいるぞ?』
『よぉトニー、調子はどうだ?』
「…ローディ、ちょっと遅いぞ。」
『3時間も待たせるお前よりはマシだ。』
そう思わず笑みが浮かび上がる、だがどうやって?
「なんでソコヴィアが襲われると?」
『ウルトロンとか言う奴に言われたんだ、ソコヴィアを守ってくれってな。それが無かったら援護に行くことになってたんだ。』
そうファルコンが答える、ウルトロンは念のためにフューリーにはセントリーのことを話していた。もしかしたらソコヴィアにもロボを送るかもしれないと判断したウルトロンはフューリーを通じてファルコンやローディを連れて防衛に回るように頼んだのだ。
『こっちは任せて、君たちはその基地を落としてくれ!』
「バナー、君はハルクになってないのか?」
『なろうと思ったんだけどナターシャが近くにいないからやめとけって…けどウルトロンからいい物をもらったんだ!ハルクになった気分だよ!』
妙にテンションが高いバナー、それに思わず笑みを浮かべながらもその行動に感謝をする。
「ありがとう。」
それを最後に通信を切った、さっきまでは不安しかなかった三人だが、今では心に余裕がある。全力で戦える。
『余計なことを…』
「さて、んじゃ二人共。このお城崩しの打ち合わせと行こうか。」
その言葉を合図にまた戦闘が再開する、今回はヴィジョンが遠距離にてっし近づけないようにしていた。失敗を考慮してヴィブラニウムの体だけは残すつもりだ。
「僕がコイツを熱密閉フィールドで覆う、そうすれば君の雷はヴィブラニウムから流失しなくなる。後は弾けるまで温めればいいだけ。」
「楽勝だな。」
「問題なのはあいつが大人しい性格じゃないのが問題、そこはウルトロンを見習ってほしいね。」
そう腕のミサイルでセントリーを数体迎撃する、ソーの方は雷を拡散させ倒しロジャースの方はヴィブラニウム製の方を邪魔をしていた。致命傷を受けないように距離を取り注意だけを向けさせているようだ。
『いつも癇に障る奴!』
「よく言われる!」
そうキャプテンが盾を投げる、それを受けたセントリーたちが倒されていき最後にはヴィブラニウム製の方に行こうとしたが流石に遠すぎたのかそのまま弾き飛ばされた。だがそれを見ていたソーがその盾をハンマーで殴り飛ばしヴィブラニウム製の機体に直撃、そのまま吹き飛ばされた。
『ぬぐぅ!?』
機体が破損しているため性能はダウン、そのためあまり動かないので攻撃が当てやすかった。片腕しかないので攻撃手段が限られているのもありロジャースたちの被弾が減ったのも大きい。そのためセントリーを相手にしながらでも十分に対処できた。
ヴィブラニウムの方をアイアンマンが相手をする、リパルサーで牽制、ビームが返って来るがそこまで連発できる訳がないので回避しながらミサイルを直撃させる。攻撃は効かない、だが怯ませることはできる。そしてソーがその相手に周りロジャースとトニーが連携する。
その後ソーの雷がヴィジョンに当たり怯む。その隙を狙われないようにアイアンマンがフォローに入る。ロジャースもセントリーを倒し二人の邪魔が入らないようにしていくともう既にヴィブラニウム製の機体しか残っていなかった。そこにソーの雷が直撃、壁に貼り付けにした後攻撃を中断、その間にトニーが熱密閉フィールドを作り出す。
「ソー今だ!」
「はぁぁぁ!!」
そしてそこにソーの雷が直撃する。
『勝ったと思うなよ?私はまだ…』
そう言い終える前にはじけた。
「…もうちょっと待てばいいのに。」
「それなら最初から言え。」
「それでプランは?」
「…ジャービス、ソコヴィアとの距離は?」
『既にソコヴィアより視認できます。今の上空で破壊すると残骸がソコヴィアに降り注ぐ可能性があります。』
「だそうだ。もうソコヴィアよりかなり近い、だからコントロールルームに行ってこの基地を移動させる、ソコヴィアと基地をある程度離した後僕とソーでこの基地を破壊する。」
「ならウルトロンの援護に行こう、彼もそこにいる筈だ。」
恐らくもう一体のヴィブラニウム製の奴を相手にするとなるともうソコヴィア上空近くについている筈だ、急いだ方が良い。
「わかった、ジャービス…ベロニカを呼べ。」
『了解しました。ですが誰が操作を?』
「…ウルトロンに使わせてやれ、待機させていたmark43も一緒に。ソコヴィアの安全がある程度確保できたら基地の真下で待機してほしい。」
『了解しました、ネットから遮断されているためレギオンから移します。それが完了しだいソコヴィアの援護に向かわせます。』
「さて…世話のかかる息子に会いに行くとするか。」
ちなみにバナーが乗っているのはハルクバスターではありません。ウルトロンの最終目的のために試作していた実験機みたいなものです。