もしも…ウルトロンに憑依したら? 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
―――ソコヴィア事変 事件現場―――
ソコヴィアの方はニューヨークよりは酷くないがそれでもかなりの被害だった、あいつのセントリーと基地の残骸処理の範囲が広かった。その上山が多いため運送車が通りにくくほぼ飛行機での運送になった。
『かなり酷いな…』
そうソコヴィアの街を見下ろす、ニューヨークの方はある程度年月が経っていたためそこまで荒れていなかったが事件後の現場を見た事がなかった。劇中でもほぼ描写が少なかったためよくわからなかったが…
『…こうしてみると、かなりかかりそうだな。』
街の復興より技術の回収が優先のため修復作業には時間が掛かる、トニーの会社の方である程度フォローはもらって後ようやく3年後に完了する予定だ。
『…それで?後ろでコソコソしているのは誰だ?』
「お気づきでしたか…」
後ろを振り返り一つの残骸を注視するとそこから老人が出て来た。綺麗なスーツを着ており普通の人が着れる物には見えなかった。
「ウルトロン様ですね?」
『そうだが…おまえは?』
「初めまして、ジモ様の執事をやっております。」
『…なに?』
ジモって、あのシビルウォーを起こした張本人!?そんな奴が俺になんのようだ?
「ジモ様があなた様とお会いしたいと申しておりました、ぜひ屋敷まで来ていただけませんか?」
『…かまわない。』
「ではこちらまでお越しください、お待ちしております。」
今のうちに捕まえておくのも悪くない、正直その事は考えていたしシビルウォー前に片付けておきたかった。一石二鳥だ。
―――ジモ邸―――
『意外と大きいな…』
ジモの方は街の中心地にあった、多少事件の被害を受けているがかなりの軽微の被害のようだ。
「お待ちしておりました、ジモ様がお待ちしております。」
『…案内してくれ。』
「承知しました。」
そう言われ中に入りついて行く、そして客間と思わしき場所に案内されるとそこにはジモがスーツ姿で立っていた。一応武装は解除しておく。
『君がジモか?』
「えぇはい、初めまして…」
スキャン…緊張している?なんで?
「あなたをお呼びした理由は…ぜひお会いしたいと思いまして。」
「パパ―!」
会話をしようとした途端その部屋に子供が乱入してきた、それと同時に追って来たであろう母親も部屋に入って来た。
「ごめんなさいジモ、大人しくしなさいって言ったのですが…」
「わー!ウルトロンだ!」
「…別にいいよ、話が終わったら呼ぼうとしてたし。」
『えっと、私を呼んだ要件を聞きたいのだが?』
「あぁすみません、実はこの子が助けてくれたお礼を言いたいらしくて…」
『お礼?』
そう子供を見下ろす…記録を見直した結果ソコヴィア事変の際に助けた子供だ。助けた後別に会う必要もなかったのでそのままだった。
『…ホントにそれだけか?』
「…そうですが、迷惑でしたか?」
『あぁいやその、イメージと違ってな。』
そう言うと首を捻られた、シビルウォーとでは違い過ぎて驚いてしまった。この人がシビルウォーでアベンジャーズに復讐した理由は家族がソコヴィア事変で死んだためだ。ウルトロンの暴走によりソコヴィアが壊滅寸前まで追い込まれた、その騒動の際に家族を失ったのだ。
『…嫌な事だな。』
ジモの笑顔を見ているとここまで優しい人があんなことをするなんて…とは言え優しい人ほど復讐の念に駆られるとその反動が大きいと言うのは想像に難くない。
『…どうしようか。』
とは言え演技なのかもしれない、あそこまでの事をしたのだ。確証が得られていないのにまだ警戒を解かない訳にもいかない。
「どうしましたか?」
『いや、気にするな。坊主、元気にしていたか?』
「うん!助けてくれてありがとう!」
『たまたま近くにいただけだ。』
「おぉ、ヒーローみたいな台詞だ!」
そう元気よく返事を返してくれた。センサーに表示されている数値を見ても嘘はついていない。ただの純粋なお礼だ。
「私からも言わせてください、ありがとう。」
『…あぁ。』
駄目だ、どれだけ演算を繰り返しても今言っている言葉は嘘じゃない。
「えっとその…私もあなたのファンで、息子と一緒に写真を撮ってくれますか?」
『…いや、それはまたの機会にしろ。私と一緒の写真を撮ると面倒な事になる。』
「…そうですか。」
そう嘘をついた、本当はただどうすればいいのかわからなかった。
シビルウォーはジモの復讐により起こされたものだ、そのためジモさえ押さえていれば何とでもなったのだ。普通の人間だから、真正面から抑えればどうとでもなる。そしてここさえ抑えればシビルウォー事変はかなり小規模に抑えられる。だからこそ言い方は悪いが犯人はジモであった方がよかった。だがもし、もしジモがシビルウォーを起こさないとなると次に考えられることは二つ…何も起こらないか、何かのしわ寄せが来るかのどちらかだ。
そして俺と言うIFがいる以上、何かしらのしわ寄せが来るかもしれない。もしそうなった場合どんなことが起こるのか予想ができない。因果の関係、力が強ければ強いほどそれは引かれやすいという。それがどうなるのか…怖かった。
―――地球上での演算を開始、未来予想を開始―――
―――監視中のヴィランに目立った動きは無し、監視を続行―――
―――エンシェントワンに動きは無し―――
―――各方面に目立った情報は無し、ワカンダも同じ―――
―――目立った不安要素無し、ソコヴィア協定は問題なく行われると予想―――
『…再演算を開始。』
―――情報収集を開始、再演算のため情報を細密化―――
どうする?範囲を宇宙までに広げるか?いや、それだとほぼ無限級数並に手段が増える、対処ができない。それにもし因果の関係を引くとしたら地球だろう。地球でのことだからな、宇宙から来る…と言うのは考えずらい。
ならもういっその事確認出来ているヴィランを全員殺すか?いや、確実な手段ではあるが俺の一任で決めた瞬間全員を敵に回す。それに確証もないのにその行動を取るのは間違っている。下手したら因果の関係が酷くなって返って来る可能性がある。
なら来ないのか?それが一番の最善ではある、来るとは決まったわけではない。だが…何故だかそんな都合の良い結果になる気がしない。俺と言うIFがいるのにそこまで小規模な事件が起こるとは考えずらい。
『クソ…ある程度予知していたからと言って、最適解を取り過ぎた。』
まさかソコヴィアを死守したことで変わるとは思えなかった。
『…はぁ、私最低だな。』
良い事なのに何故か喜べない自分がいる、人工知能となると感情がおまけのように感じる。
―――演算の結果が出ました。―――
『よし…それでは再開しよう。』
―――アベンジャーズ本部―――
ここでは珍しくトニーとロジャースが会話をしていた。
「最近ウルトロンがおかしい、何かに怯えている。」
「僕も同じこと思ったけど、何に?ウルトロンはこの世で最強の人工知能だ。自己進化をしていくウルトロンに勝てる奴なんているのか?」
「いない…とは言い切れない。」
ほぼ何でもできる…だからこそ知り過ぎているのかもしれない。そのためか彼の行動が読めない。
「ウルトロンの方はなんて言っている?」
「気にするなってさ、そう言われたら気になるよね。」
「…彼にも悩みがあるんだな。」
「備えよう。皆で…」
「…そうだな。」
ジモ
この作品で一番扱いに困った人、彼が離反した理由を考えるとアベンジャーズに恨みを持たせる事が難しかった。ヴィジョンはヒドラだしソコヴィアは潰れてないので逆にアベンジャーズに感謝している。ウルトロンが最適解を取り過ぎた結果家族も国もほぼ無事なためこうなった。
扱いに困った理由は話の流れ的に悪役にできなかった。むしろウルトロンがソコヴィアを死守したのに無理にヴィランにする必要がないと思った。(メタ発言)ただウルトロン的にはジモが犯人の方が楽だった。