超戦艦  Großer Kurfürst   作:U・K・Owen

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あらすじ通り十周年記念の記事が流れてきたので初投稿です
基本的には漫画版準拠…のハズ


第一話

「うわぁぁぁぁぁ!!…ゴボッゴボボッ!」

 そんな感じで目を覚ました

 ひ…ひどい夢を見た…全身錨と鎖で出来た人型の化け物に追われるってどういうことだ…?

 自分で言っても意味わからん…

 ていうか私の部屋ってこんなに暗かったっけ?

 取り敢えず電気電気…と

 

 

 冷たッ!!

 え?これ水?なんで?

 またうちのタマ(飼っている猫、数少ない友人)の仕業か?

 いや、だとしてもこんな高いところまで水は張らないはず…

 起きたときも息苦しかったし…

 もしかしてこれ周り全部水?

 異世界転生には憧れてたけど開始地点が真っ暗な水の中って転生って言うより最早封印なのでは…?

 幸い私のすぐ周り(球形の半径2mくらいかな?)には水は入ってこないようだし、周りを歩いてみるか。

 

 

少女探索中……

 

 

 暫く(五分)の探索の結果としては、

 まず私が立っているこの場所は金属製の箱のようなものらしく、歩くと床からカンカン音がするし、少し行ったところで床が途切れてなくなっていた。

 

 

 …それだけかって?

 うん、そうだよ!!

 それ以外真っ暗だし、お前は何も見えない中金属製の崖に踏み出す勇気があるか?少なくとも私にはない。

 

 ワンチャンこの床に某魔法学校生徒が箒を扱うときの如く上がれ!って念じたらこの水地獄からすくい上げてくれるだろうか?

 やってみるだけの価値はあるだろう、どうせここにいても何もできんし、友人は数少ないけど流石にお魚(いないかもしれないが)とは友情を育める自信がない。

 

「上がれ〜、上がれ!! 上がれって言ってんだよ!!

 

うわッ!」

 

 眩しッ!!

 突然視界がものすごい光に包まれた。

 すぐ光は落ち着いたけど…多分私の身体が光ってる…のかな?

 何分暗いからそんぐらいしかわからん。

 

 でもなんか周りの様子的に上昇している…

 少なくとも頭上の光の方へ近づいてはいるようだ。

 

「念願の空だ〜!

…ってあれ?氷河?なんで?」

 

 いや薄々…というかほぼ確信的に私の部屋ではないとは思っていたけど…ここ、どこ?

 氷がめっちゃ浮いてるから仮に地球上だとしたら多分北極か南極だと思うけど…

 あれ?氷山が多いのが北極だったっけ?

 でも寒さをほとんど感じないんだよな…

 

 あっ、そういえば

 私を、海中から引き上げてくれたこの箱くんの正体は何なんだろう…?

 いや、周囲を見渡してるときにちょくちょく視界の端に映ってたからなんとなく予想はできてるけど…いやいやまさかね…

 

 …うん、予想通り。

 軍艦の砲塔でした。それも現代では完全に廃れた二次大戦期の超大型の戦艦クラス。

 砲塔と艦橋の形状的にドイツ艦っぽいけど…こんな3連装主砲搭載の大型艦あったかな…パッと見280mm砲より遥かにでかいし艦の横幅も広いからシャルンホルスト級ではないと思うけど…

 もしかしてH級戦艦?

 でもあれって設計案だけだし、その設計案も全て連装砲装備の艦だったはず。

 というか私が立っていた第2(恐らく)主砲塔の眼の前、正確には甲板のさきっぽ辺りにすごい見覚えのあるマークが…

 これ…霧の紋章じゃね!?

 

 

 え〜てことは、この世界って『蒼き鋼のアルペジオ』ってこと!?

 いや、クロスオーバーの可能性もあるか…

 まぁ仮にアルペジオの世界だとすると、これがアニメ版か漫画版かで大きく変わってくるぞ…

 漫画版は20巻までしか読んでないからわかんないけど、アニメ版では物語開始前にSFここにありみたいな超次元バトルが開催されるはずだ。

 まあでもとりあえずはここがどこで、私はなんでこんなところにいるのかを考えないと…

 

 

 いや…分かってはいるよ?

 艦体が浮上するときに身体から発した光からして自分がどんな事になっているかはね?

 でも、少しの希望を込めてね?

 え~と鏡、鏡…

 あっ、砲塔から生えてきた。それも劇場の控室にあるようなでっかいやつ。

 

「これが…私…?」

 

 やはり転生ものでもこのセリフは言ってしまう宿命なのか……

 そんな現実逃避は置いといて、鏡に映ったのは軍服を綺麗に着こなした色白金髪の美少女、前世のクソ芋とは比べ物にならない顔面偏差値だ…

 あと、額に浮かんだ幾何学的な紋章…

 これで確定ですね…認めたくないけど…

 

「私、この艦のメンタルモデルってこと!?」

 

 この艦の名前も知らないのに?

 正直心当たりはあるけどさ…

 

 と思ったら、半端じゃない頭痛が襲った。

 こんなひどいのは高校の頃期末テストに一夜漬けで臨んだとき以来だ。

 確かに憑依転生ものだとよくある描写だけど、自分が体験することになるとは思わなかった。

 めっちゃ痛い、ほんとに声も出ないくらいだ、数秒前の発言は訂正しよう過去最悪のひどさだ。

 というか長くない?

 もう2、3分踞ってるはずなのに全然痛みが和らがないんだけど、なんならましてるんですけど!?

 

 

 …結果的には20分ぐらいかな?

 とにかく結構続いた。

 でもそのおかげでこの艦とこの世界について知ることが出来た。

 まず、この世界にはやっぱり『蒼き鋼のアルペジオ』の世界らしい、それも恐らく漫画版の。

 理由としては今日の日付だ、2013年9月25日…アニメ版ではまだ霧は出現していないはず筈の時期である。

 要するに、とりあえず今すぐ超次元海戦バトルに巻き込まれる心配はしなくて良さそうだ。いや、私が読んだところ以降で発生してたらわからないけど。

 

 

 次に私自身について、結論から言うと、概ね予想通りだった。

 まず、この艦は【超戦艦 Großer Kurfürst】

 具体的に言うと私が昔やっていた海戦ゲームに登場する艦の一隻だ。

 ついでに私の肩書は【霧の艦隊 北洋方面艦隊旗艦】だそうだ。

 武装としては、

 超重力砲36基、

 次元空間曲率変位システム、

 自律型反射衛星群、

 420mm3連装アクティブターレット4基12門、

 128mm連装ラピッドターレット10基20門、

 150mm連装ラピッドターレット4基8門、

 艦底部魚雷発射管、VLS、小口径砲多数。

といった感じのようだ。

 超戦艦おなじみのミラーリングシステムと馬鹿みたいな数の超重力砲は置いといて、

 この『自律型反射衛星群』というのが私の保有する旗艦装備らしい。

 詳しいことはよく分からないけど、説明を見る限り、私がロックオンした物体に対して自動的に指向しルートを形成、それぞれの開始地点の衛星に主砲を撃ち込むことで増幅、反射しながら目標を多角的に攻撃できる。とのことだ。まんま宇宙戦艦ヤマトの反射衛星砲である。あちらと違うところは、反射の度にビームの出力が増幅するところかな。

 ちなみに超重力砲では運用できない。単純に衛星が超重力砲の重力場の影響で捻じ切れてしまうからだ。超戦艦の主砲を反射させられるだけですごいと思うが。

 

 ラピッドターレットとは要するに速射砲で、ただでさえ強力な霧の砲を連射力特化にしたものだ。

 勿論その分1発あたりの破壊力は落ちるが、ガトリング砲の如く連射できるので、距離によっては主砲より強力な気がする。

 そこまで似てなくてもいいんだけどなぁ。

 衛星はまだ打ち上げていない。人類の衛星・レーダーシステムが十分に残っている今打ち上げたら速攻で私の存在がばれてしまうからだ。

 

 というかグローサーってほとんどゲームオリジナル艦だったと思うんだけど…

 確かアルペジオって二次大戦期の史実艦しか登場しないはずでは…?

 まぁグローサーはH級戦艦のごちゃ混ぜみたいな感じだけど…

 取り敢えずこの世界のインターネットで調べてみよう。

 もしかしたら史実と違う大艦巨砲主義時代になってたかもしれないし。

 …え?セキュリティ?霧に通用すると思いますか?

 

  少女検索中…

 

 古のウィルスサイトを開きそうになりながらネットサーフィンした結果、様々なことが分かった。

 幸いなことにこの世界は概ね前世の史実通りらしい。

 違うことと言えばどこぞのちょび髭が史実よりさらにロマン重視だったことぐらいかな?

というわけで、この艦は総統の肝いり(ゴリ押し)で建造の前倒しが決定し、大戦終了時に船体のみ完成していたらしい。

 そんでもってこの世界では第三帝国の降伏が史実よりも早い。

 

 …もしかしなくてもこの艦に資材注ぎ込みすぎて補給が燃えたな?

 戦後は流石に連合軍もこいつの取り扱いに悩んだらしく、数年間港に係留された後、原爆実験の標的艦になって沈んだそうだ。

 そんで艦体だけってことで活動する予定はなかったこの艦のコアに私(思念みたいなものかな?)が入り込んだ結果、私の中の最も適合率が高かったイメージが具現化してこの見た目になったらしい。

 

 つまり、同様の事案が発生していれば、モンタナとかも出現している可能性があるってこと?

 ちなみに、一応私もヤマトと同じ超戦艦クラスだからコアは最上位のデルタ・コア所有だ。

 そのくせメンタルモデルは私一人なので演算力には大分余裕がある。

 まあデルタ・コアの総演算力からしたらメンタルモデル一体分なんて大した差ではないけれど…

 

 

 ていうか、今って2013年だよね??

 …第四施設事件…まだ起きてなくない?!

 私なんでメンタルモデル持ってるの?

 もしかしてグローサーと同じように、このメンタルモデルも私のイメージの産物ってこと?

 私が自分のメンタルモデルのデータを艦隊全域へ共有すればあの事件そのものはともかく、あんな大惨事は起きないのかな…

 いやでもあれがなかったら物語…というか霧との対話が成立しない可能性もある。

 よし、とりあえずこの情報は戦術ネットワークができた後も秘匿しておこう。

 というかなんなら主人公である千早群像も産まれてないし…もっと言えば前世よりも過去なんですけど!?

 

 取り敢えずまずは、自分の艦隊の確認かな。

 原作だと、当時幽霊船として都市伝説扱いだった霧の艦艇に最初に攻撃したのはロシアだったはず。

 要するに私の指揮下であると思われる北洋艦隊の艦が攻撃を受ける可能性が高いという事だ。

 というかそもそもどんな艦が指揮下にいるんだ?

 作中だと同じドイツ艦であるビスマルクやシュペーは恐らく大西洋をメインに活動していたようだし。

 太平洋方面は日本とアメリカ艦、大西洋はアメリカ、ドイツ、イギリス艦と考えると大西洋が霧まみれになっている気がするからその余り…というか余剰艦がこっちに回ってきてるのかな?

 西太平洋方面の海域強襲制圧艦群は単冠湾を拠点にしていたはずだから同じように強襲制圧艦メインの編成になっているかもしれない。

 

 

 

 …え?

 そもそもいないってことはないよね?

 一応艦隊旗艦の肩書きを持っている以上配下の艦艇が存在するはずだ。

 寒さは感じないうえ、今のところ積極的に人類に敵対するつもりはないけど、霧の脅威が本格化していない今だと密入国は難しいだろうし、これから原作開始までの間この氷山しかない海で一人はいかにボッチと言えども厳しすぎる。

 それに、今は人類側にも霧側にも私というイレギュラーの存在は認知されていないと思うが、私が積極的に人類と敵対するつもりがないと知られれば、双方それなりのアクションをとってくるだろう。

 人類側には私たちを傷つける手段は当分出現しないと思うからいいとして、問題は霧がとってくるアクションだ。最悪の場合、アドミラリティー・コードに反する行動をしているとして、攻撃部隊が差し向けられる可能性すらある。そんなことも考えると、やはり指揮下の艦は多いに越したことはないだろう。

 

 

 だれか~誰かいませんか~~!?

 

 

…いるよね?

 




続く…




…かもしれない。

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