超戦艦 Großer Kurfürst 作:U・K・Owen
発:第一潜水艦隊巡航潜水艦 イ402
宛:総旗艦超戦艦 ヤマト
対象:北洋方面艦隊旧拠点港 レイキャビク
先日、
次回報告は、定時にお知らせいたします
ーI-402ー
音声記録開始
男性1:では、今回のインタビューを担当させていただきます、ゲファート・プレイザーと申します。
早速ですが、ラスクネス首相は、今回の霧の北洋方面艦隊との条約に関して、どの様な経緯で締結に至ったのかお聞かせ願えますか?
男性2:えぇ、あれは何の変哲もないとある昼下がりのことでした。普段私は決まった時間に端末に入った連絡を確認するのですが、その日は部下や友人からの連絡の他に見たこともないアドレスからのものが1つ入ってたのです。
ゲファート:ちなみにそのアドレスについてなにか情報をいただけたり…
男性2:できませんよ、私としては新たな友人を紹介したい気持ちはあるのですが、部下全員に止められていましてね…
それで、そのアドレスから送られてきたものは、端的に言えば『来週のこの時間、我々と貴方方双方に極めて重要な交渉を行うためにレイキャビクにお邪魔する。』というものでした。
最初は我々もイタズラだと断じたのですが、その連絡は限られた人物しか知らない私のプライベートな端末に送られてきたのです。そのため、少なくともそれ相応の能力を持った者からの連絡であろうことも分かり、無視するわけにもいかず所定の時間に港へ向かいました。
そこで彼女、グローサー・クルフュルストと出会ったのです。そこからは現在アイスランド中のメディアが報じている通りですよ。
ゲファート:それでは、条約締結後の交流についてお聞かせ願えますか?
男性2:いいですよ、それではーーーーーー
記録の欠損のため途絶
<<<<>>>>
なんだかんだ考えた結果、私は『大海戦』に介入することにした。というか、太平洋の東洋方面艦隊と北米方面艦隊から『予想される人類側の戦力に対して、我が艦隊の絶対数が少なく、撃ち洩らしが出る可能性があるのでその処理をしてほしい』との通信が入った。まぁたしかにどれだけ個艦の戦闘能力が高くとも、補給は必要なわけだしその隙に逃げられる可能性があるのは確かだろう。
で、肝心なのがどちらの味方として参入するか、である。
人類側に味方する形で参入した場合、必然的に『大海戦』後の霧の優先攻撃目標は自艦隊になるだろう。
反対に、霧側として『大海戦』に臨んだ場合、恐らくあるだろう人類側の反攻の目標になることが予測される。よしんばその戦いを生き残ることができたとしても、他の方面艦隊が敗北すれば辛い立場に置かれることになるだろう。もっといえば、このレイキャビクがすぐにミサイル攻撃を受ける可能性がある。どちらの保有するミサイルでもレイキャビク市街はそれ相応の被害を被るだろうし、あの条約の情報は国外に出ないように私も協力して防いでいるが、いつかは衆目に晒される日が来るだろう。
…ともっともらしい理由を並べてみたが、結局は原作のあの状況を少しでも緩和したいという気持ちが介在しているのも事実だろう。
要するに何が言いたいかと言うと、他艦隊からの連絡がなくても、私はこの選択をしていただろうということだ。
『発:北洋方面艦隊旗艦超戦艦 グローサー・クルフュルスト
宛:北洋方面艦隊所属全艦
来たる人類側との決戦において、我々は、
人類側に味方する形で介入する。
これは全て私の意思による決定であり、これから私に従うということはすなわち、霧の艦隊から離脱、敵対し、我々のみでこの激動の世界を生き抜くことになることを意味する。
また、この意思を貴艦らに強制するつもりはない、そのため反対の者はこの艦隊を離脱しても構わない。だが、レイキャビクでの生活を通して人類の未来を見たいと思った者は、所定の時刻にレイキャビクに結集してほしい。
ーGroßer Kurfürstー 』
<<<<>>>>
通信とともに他艦隊から送信されてきた予想される人類側の攻勢予定日に間に合う日程を送り、遂にその日を迎えた。
今、私の目の前には、レイキャビクを埋め尽くす程の北洋方面艦隊所属艦が見える。第二艦隊の旗艦を務めるミズーリも一時的に麾下の艦に艦隊を任せ、『北部太平洋方面艦隊に離脱艦なし』の報を片手にやってきた。
皆、私の意思に同調してくれたようだ。1個艦隊が組めれば幸いと思っていたのだが、これ程までに私、いや、人類の可能性に賭けようと思える艦が多かったことには素直に感動している。
そうか、強行したあの条約も、無駄では無かったということか。
…しかし、ここまで集まってしまうとラスクネス首相から抗議が来るのではなかろうか。
『ピロリンッ』
アッ!!
<<<<>>>>
結果から言えば、きっちり叱られた。
しかし、『先日の連絡でも申し上げた通り、私は貴女方の介入方法には賛成です。あの条約を結んだときより、貴女方が人類の可能性に興味を示したのと同様に私達も貴女方という突如現れた隣人の可能性に対して大きな興味を持ったのです。貴女方のこれからの航海に幸多からんことをお祈りいたしますよ。』
という激励の言葉を貰った。
しかし、此処が霧による直接攻撃を受けたら甚大な被害が生じることが予測されるため、私達を避難場所にした避難訓練の実施を提案した所、割とあっさり実施が決まった。『市民ももう商売相手として見ている』とのこと。アイスランドの国民、強かだ…
というわけで、避難対象艦は艦内容積と演算能力に余裕のあるアーク・ロイヤルとティルピッツに決まった。
そんなわけで、艦内の避難区域の設備の相談に残らなければならないアーク・ロイヤルとティルピッツ、それらの護衛艦艇、そして定期航路の哨戒用の最低限の巡航艦隊を除いた結果、太平洋に殴り込みに行く遊撃艦隊の編成が決定した。
反射衛星群は数が足りず多角攻撃を仕掛けきれないため、戦力秘匿のためにも温存する予定だ。
『特別遊撃艦隊
旗艦 超戦艦グローサー・クルフュルスト
大戦艦 ミズーリ アラバマ デュークオブヨーク マサチューセッツ
海域強襲制圧艦 ホーネット ワスプ
巡洋艦 アラスカ ボストン キャンベラ エディンバラ
駆逐艦 タシュケント 』
北太平洋方面艦隊の第二艦隊を元にして、そこから大型艦のみを抽出、北大西洋方面艦隊の第一艦隊から少しを合流させた形である。駆逐艦は、定期の哨戒航路の巡回とレイキャビクの護衛で手一杯のため、索敵特化のタシュケントのみとなっている。
ホーネットやワスプが原作前の今既に海域強襲制圧艦を名乗っているのは、先日艦隊内で行った、レイキャビク市民へのレクリエーションも兼ねた公開演習の最後に私とティルピッツとミズーリ対空母といった半分ショー見たいなもので我々のチームが殆ど完全試合を達成してしまったのが原因になっている。
確かに、霧だけあって艦載機の速度は凄まじいが、それはこちらも同じ。クラインフィールドを貼ることのできない艦載機は圧倒的速度で艦周囲を回る対空砲群にボトボトと落とされ、最終結果はティルピッツとミズーリの被害がそれぞれミサイルを1本と2本被弾のみ、私は無傷というほぼパーフェクトゲームになってしまった。
ずば抜けた演算能力をもつ私はともかくとして、性能的には同格、演算能力的には寧ろ格下クラスのティルピッツとミズーリにすらまともな被害を負わせられなかったことは彼女達に強い衝撃を与えたようで、あっさりと艦載機を廃止、それぞれの道を模索していくようになった。
ちなみに、元来多数の艦載機を同時制御する空母級は、小型物の同時制御や、本体から離れた場所での制御に長けており、それを生かした武装を生み出した者が多い。それは重量子ビットを多数展開して超重砲の威力、射程を延伸した者、クラインフィールドの生成に特化し艦隊全域を覆うフィールドを展開することができるようになった者とさまざまである。
その中でも今回の艦隊に組み込んだホーネットとワスプは特異な武装を持っており、その機能は
そんなこんなで、空母とはかけ離れた能力を持ち始めた者たちに対して私が便宜的に名称をつけているのである。
これだけの戦力があれば、同等の戦力を相手にした大規模海戦の経験が0に等しい東洋方面艦隊と北米方面艦隊と渡り合えるだろう。
<<<<>>>>
太平洋方面への進出は、大西洋方面の戦いに備えるためか集結していた大西洋方面艦隊を観測したこと以外特に目立ったこともなく、順調に進んだ。
そして、『大海戦』の日を迎えた。
しっかしこの世界に生まれて30年以上、原作の流れはある程度覚えているけど原作前、それも『大海戦』の始まり方なんて憶えてないんだよな。現在人類艦隊は海上で集結運動の真っ最中らしい。いくら国同士の連絡を密にしたところで結局は別国家、連携にはまだまだ穴がありそうだ。
対して霧は大戦艦ナガト、コンゴウを先頭に状況を静観している。
大戦艦級の索敵範囲にはとっくに入っているはずなので、恐らく彼女らも他の艦隊との合流を待っているのだろう。
ッッ!!
霧の艦隊全艦からミサイル発射、タナトニウム反応あり、侵食弾頭弾だ!!双方艦隊がまだ集結しきってないのに撃ってきやがった!
『ホーネット! ワスプ! 艦隊周囲の海流加速!! 急げ!』
『えぇ〜、もう? まだビット固定しきってないよ?』
『いいから早く!!そっちでも観測しているだろう!?
もう攻撃を始めやがった!!』
『『了〜解、』加速シークエンスに移るよ〜』
そう、ホーネットとワスプが得た能力はビットを展開することによる自艦隊周囲の海流の操作だ。今回はこの能力を利用して遠距離で待機している艦隊を
なんとか二撃目が来る前には間に合い、その全てを迎撃することができたが、私達が浮上したとき、既に半数近くの人類艦がその身の大半を海に沈めていた。
その数からして、各艦に一発ずつの侵食弾頭弾が命中したらしい。それだけで沈められると学んでいるというわけか…
とりあえずまだ艦隊同士の距離は離れているし三撃目まではまた少し時間があるだろう。その間に事前に用意していた通信を平文で広域にまき散らす。
『我々、霧の北洋方面艦隊は今この時をもって、我々以外の霧の艦隊に宣戦を布告する。』
敵艦隊が増速、無理やりこっちに突っ込んで来るつもりか、だがしかし!そんぐらいこっちも予想している!
『海域強襲制圧艦を除く全艦、超重力砲展開。
強襲制圧艦は敵艦隊の進行方向の海面撹乱を行え。』
ホーネットとワスプによって敵艦隊の眼の前の海が荒れ、霧の艦隊を持ってしても海域の強行突破は厳しい状況へと持って行く。
『超重砲展開中の全艦に通達、目標はコアのデフォルト位置である艦橋部、繰り返す、目標は敵艦艦橋部。』
『重力子縮退臨界…
…全艦、超重力砲発射!!
発射した艦は、冷却を済まし次第次発用意、荒海域を突破して来るまでに大型艦のコアを全て破壊、乃至は一時停止状態にする。
その後、主砲にて小型艦を掃討せよ。
潜水艦は艦底部魚雷にて対処するように。』
<<<<>>>>
数時間に及ぶ地球を痛めつけるような攻撃の応酬の後、私達は敵艦隊を無力化することに成功した。
しかし、こちらの被害も軽くなく、私はまだ余裕があるが、前面で超重砲を撃ちまくったミズーリは多数の侵食弾頭弾を喰らい、艦橋基部と主砲塔以外はほぼ廃墟のような有り様となっている。
撃退した後は全艦チャフを散布しながら潜航、霧と人類双方から姿をくらます。
ここで人類に接触してもいいが、まだ早すぎるだろう。ましてや今霧のデタラメさを目の前で目撃したところだ。
感謝より恐怖が先に来るのは目に見えている。
しかし、ここまで意味不明なレベルの戦いを目撃した人類はいたずらに霧の艦隊に無謀に立ち向かうことはしないだろう。
そのため、我々はこのまましばらくの間潜伏、人類艦が撤退した後、レイキャビクへ帰還す…
『やっと繋がったぁ!』
『どうした!?』
『ええと、こちらティルピッツ!
…現在、レイキャビクが霧の大西洋方面艦隊と思われる勢力により攻撃を受けています!!』
北洋方面艦隊からの連絡が少ない、そしてどうやら彼らが拠点にしているらしいレイキャビクにはまだ人類がいるらしい…
…怪しまれて当然ですよねぇ!!
つづく…
…ことができるといいな
何が見たい?
-
401クルークート(続き)
-
掲示板回
-
アニメルート(続き)
-
報告書回
-
アーク・ロイヤルの農業生活
-
ティルピッツとタシュケントの苦労日誌
-
そんなことより本編を書け