超戦艦  Großer Kurfürst   作:U・K・Owen

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UA20000突破…だと…
ありがとうございます!!


第十七話

 どうも、私だ。

 

 何気に結構な間放置されていたような気がするがきっとおそらく私の気のせいだろう。

 

 それはともかくとして、私は現在どこにいるかというと――

 

「これが…カニ…」

 

「早く食べよ、お姉ちゃん!!」

 

 と言うわけでイブキ姉妹と一緒にカニ屋に来ています。

 ヤマト艦上でタカオや402と邂逅した後、軽くこの後の予定を話し合って分かれたのだが、そこからの帰りにイブキからとある通信が舞い込んできた。

 

『北海道に来たけど…カニ…どこです?』

 

 まさかイブキがこんな大胆な動きをするとは夢にも思わず、そのままの足で北管区へ向かうこととなった。

 イブキにはとりあえずその場で待機するように言って、送られてきた彼女らの位置情報の場所へ向かうと、正直今の日本の情勢には不似合いなほど派手派手しい服を着たイブキ姉妹が立っていた。

 やはりその服装は物珍しいものであるらしく、イブキたちの周りには軽い人だかりが出来ていた。

 というか服装は抜きにしてもあの目と髪色はいやでも人目を引くだろう。

 

 その後、自分の記憶を頼りに何とかあの時のカニ屋を見つけたのだが、店に着くまでの道中イブキはまるではじめて見るかのように中華などの屋台に目を輝かせていた。

 いや、氷山港には中華料理屋なんてないし物珍しいのは分かるんだけど、当然のようについて来たクラマは特に変な様子も無く普通だったし、あれは初めて見たものへも好奇心というより……、寧ろ行きたくてたまらなかったテーマパークにやっと来ることができた子供のような…。

 

 私たち…というか北洋方面艦隊の所属艦は人類との交流がよその艦隊と比べて遥かに多いのは事実だが、それでもその範囲は氷山港の住人…元を辿ればアイスランドの住人が殆どだ。

 もちろん先ほども言ったように北海という場所の関係上氷山港に中華料理を扱っている店なんてないし、そんな興味をそそられるほどその話題に触れるようなことは無いと思うのだが…。

 

 とりあえず私たちは前に私が来たときと同様に机に置かれた蟹をゆっくりと食べ始める。

 

 

 

 あっ、コラ、はさみで遊ばない。

 

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 無事にカニを食べ終わった私はとりあえずどうやってここに来たのかとイブキに質問してみたところ、

 

『とりあえず氷山港のコンカラーとアーク・ロイヤルには伝えてきました』

 

 と返されたので、あ…そう…、と答えることしかできなかった。

 まぁ、正直あの二隻がいれば氷山港の防衛は大丈夫だしそもそも氷山港が攻撃を受けること自体殆ど無いだろう。

 何よりイブキたちも巡航艦隊に組み込むのが難しいのであそこに半ば置きっぱなしになっていただけなので抜けたところであまり変わりはない。

 しかしながらいつか作ろうと思っていた遊撃艦隊が少し遠のいたのは間違いないだろう。

 

「旗艦様はこれからどうするんですか?」

 

 どうしようかな…、コトノからは『もう一回学園に行ってみたら』とも言われたけど流石に死人を入れてくれるほどあそこの警備もザルじゃないだろう。

 でもなあ、私が知ってるのは原作20巻までだしあそこで一体何が起こるのかはわからないので今後のためにもハルナ達やタカオ一行などにはコンタクトを取っておきたいのも事実なんだよな…。

 

 うーむ、どうやったら彼女らと関わりを持てるだろうか…そのまま接触すると流石に警戒されるだろうしなあ。

 タカオが私の顔を知ってた事を考えると統合戦術ネットワークに情報が載せられていても何らおかしくはない。

 私の所属についてはコトノが口止めしておいてくれているはずだが、口に出す言葉まで止められているかは分からないのて下手に出るわけにもいかない。

 

 それに同時期に行われるであろうコンゴウ戦にも一枚噛みたいところではある。

 原作だと一応無事(?)に終わったが一歩間違えれば群像が撃ち抜かれてしまってもおかしくない。

 私の原作知識が不完全極まりないものである以上、主人公の行動に関しては出来るだけ原作からずれないようにするべきだろう。

 それにあの海戦は人類にとっても霧にとっても『大海戦』以来の大規模海戦となる。

 ヒュウガのときの一戦は401が艦隊旗艦であったヒュウガをステルスキルした形なので巡洋艦や戦艦が攻撃を繰り返す様な長期的な海戦はこれが初めてになるだろう。

 

 そんな大規模海戦に下手な戦力を向かわせて巻き添えで蹴散らされたら不味いので私が直接向かいたいところではあるのだが……そうすると学園にはいられないんだよな…。

 

 うーむ………

 

 

 …………あ。

 

「イブキ……、学校って興味ある?」

 

「学校…ですか?そうですね……、正直に言えば、あります。友達と遊んだりってやってみたかったですし」

 

 あら、自分から言っておいてなんだが、ちょっと意外だ。

 イブキはなんとなくそういう外で皆と遊ぶ、みたいなことを敬遠している感じがあったのだが。

 

「へえ………、じゃあ…行ってみない?学校」

 

「……え?」

 

 ちなみにクラマは私がキーコードを使用して停止させている。

 町中では流石に大人しくしていたが、カニが来るまでの様子を見るに食べ終わったらまた騒ぎそうだったので彼女がカニを食べ終わったのと同時に停止させてもらった。

 原作でもハルナがマヤに対して使っていた手段であるが、本当にピタッと止まっている、死んでないだろうか。

 

 それはそれとして、もしイブキたちが海洋総合技術学園に入学(いや、今の時期だと編入になるのか?)してくれれば、私が太平洋で主人公たち401や振動弾頭弾のデータを運んでいる白鯨のサポートが行える。

 ナガトまでは彼らで対処できるとは思うが、いくらなんでも北米方面艦隊を抜くのは無理があるだろう。

 現在かなりの戦力が北洋方面艦隊の警戒に当てられているとはいえ、原型となっているのはアメリカ太平洋艦隊である。

 生半可な戦力で無いのは容易に想像できる。

 もしも二次大戦時の戦力がそのまま霧の艦隊となっているのならば、駆逐艦だけでも軽く3桁を超えるだろう。

 

 先日の横須賀要塞港海戦でタシュケントに取ってきてもらった白鯨のデータからあの艦に装備されている微細動タイルの性能は推測できたが、その最大効果でシミュレーションしてみてもまともに北米方面艦隊の下を通り抜けることは困難を極めるだろう。

 

 そして、私の艦体は今北管区周辺には無い。

 どこにあるのかというと、ズバリ東洋方面艦隊と北米方面艦隊の管轄海域のちょうど中間地点。どちらの艦隊のピケット艦も相手への干渉を危惧して警戒が薄くなっている海域である。

 私が北管区へ上陸すると同時に遠隔で向かわせておいた。もちろんコアも向こう側へ置いているので即応も可能である。

 

 私の演算能力にかかればこの距離からコンゴウの率いている東洋方面艦隊第一巡航艦隊を探知するのは容易なことである。

 流石に攻撃型潜水艦に改装されているとはいえ、元々重巡クラスの演算能力を静粛性に割り振っている401を見つけることは難しいが、白鯨なら探知できている。

 現在は第一巡航艦隊の目を掻い潜るために海流による無音航行を行っているようだ。

 

「………行ってみます!」

 

「ありがとう、こちらとしても助かるよ。とりあえず書類関係はこっちで作っておくから部屋は……あぁ、私が昔使っていた所でいい?」

 

「使っていた所…?もう死んでいるので残っていないのでは?」

 

「いや、そのへんはチョチョイっとね」

 

 具体的に言うと賭場で荒稼ぎしていたときに怪しまれないようにするために別名義で買った部屋である。

 高いところに住みたいと言うとても頭の悪い考えで選んだ部屋であるが、結局学園からの距離もあってほとんど行かなかったので適当に揃えた家具などがそのまま置かれているはずだ。

 

 

 

 まあ、まる四年くらい経ってるからどうなってるかは想像もしたくないけど。

 

「名前はどうするんです?」

 

「ややこしくなるといけないから下の名前は艦名で行こうと思ってる。苗字はそっちで決めていいけど書類の件もあるしなるべく早くね」

 

 嘘だ。本当はただ単に私のネーミングセンスが無いことと考えるのが面倒くさいからである。

 まあ原作でハルナたちがバレたのって下の名前が実在していた軍艦名と同じだったからだし、その点イブキ達は問題ない。

 細かくいうとイブキは若干怪しいかもしれないが、クラマと一緒にいれれば大丈夫だろう。

 

「そうですか、でもなんで突然そんな事を?」

 

「ん〜?、なんかあそこでコトノが面白そうなことやってるらしいからね、私達も混ぜてもらおうというわけさ」

 

「では旗艦様が直接赴けばよいのでは?」

 

「んにゃ、私は私で気になることがあるからね

 

あ、コレお代」

 

 そう言って私は店員のお姉さんにお金を渡し、店を出る。

 後ろからクラマを背負ったイブキが歩いてくるのが見える。やっべ解除するの忘れてた。

 

 店の外、夜だという事を考えても車通りや明かりが少なく、霧による海上封鎖の深刻さを見て取ることができた。

 

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 某日 太平洋洋上

 

 現在、この海域ではとても奇妙な海戦が行われていた。

 

 

『我々はフッドの艦隊招集に応じ、千早翔像の艦隊を撃滅する!』

 

 この海域を支配している霧の東洋艦隊の旗艦である大戦艦プリンス・オブ・ウェールズはそう決断し、麾下の艦隊を大西洋へと回航することを決めた。

 しかし、それに応じなかったものもいた。

 その数は()()、そして今それらの艦とプリンス・オブ・ウェールズの麾下の艦隊との海戦が勃発しているのであった。

 

「ヴァンパイア!、それ当たらないから迎撃しなくていいわよ!!」

 

 まず一隻、大戦艦レパルス。

 彼女は実質的な霧の東洋艦隊のナンバー2であり、大型艦戦力の少ない東洋艦隊に置いて貴重な火力役であったが、プリンス・オブ・ウェールズの命令に対し、『アドミラリティコード』に反するとして現海域の固守を主張。結果としてプリンス・オブ・ウェールズに着いた艦艇群から攻撃を受けることとなった。

 

 レパルスは自身のメイド服を戦闘による強風でたなびかせながら、自身の横を航行する小型艦に指示を飛ばす。

 

 先程の彼女の言葉に出てきた『ヴァンパイア』も反旗を翻した艦の一隻である。

 ちなみに、プリンス・オブ・ウェールズ側には駆逐艦含め多数の艦艇が所属しているが、レパルスらに付いてきた駆逐艦は彼女のみである。

 なんというか、階級を超えた人望の差を実感できるものなのかもしれない。

 

「まーまー、かっかしたってどーにもならねーぜ、しっかしこっからどうするよ」

 

「カラッチョロ…そうですね…、このままの進路では東洋方面艦隊の管轄海域に侵入してしまいます…」

 

 ヴァンパイアに強く命じたレパルスへ、ヴァンパイアとはちょうど反対側、左舷方向から声がかかる。

 その声の主こそ、叛乱艦隊の最後の一隻、大戦艦フランチェスコ・カラッチョロである。

 元々彼女は霧の地中海方面艦隊の旗艦を務めていたのであるが、地中海方面艦隊自体が黒海に居城を構えるやんごとなき存在の最終防衛ライン的な存在であり、その性質上最古の霧の艦隊である『緋色の艦隊』の旗艦であった大戦艦ビスマルクの影響を強く受けている。

 そんなわけで現在の地中海方面艦隊は大西洋方面艦隊の旗艦がビスマルクであるため実質的に大西洋方面艦隊の一巡航艦隊の様な扱いとなっていた。

 

 そんな中で、ビスマルクが千早翔像の新生『緋色の艦隊』に所属した煽りを受けて地中海方面艦隊は旧『緋色の艦隊』のビスマルクの直属とも言える大戦艦ローマが新たに旗艦として着任しそのあおりを受けてそれまで旗艦であったカラッチョロは艦隊の中でも半ば宙吊りのような状態となり、地中海方面艦隊でも扱いに苦慮していた。

 

 前述の通り、地中海方面艦隊は霧の艦隊の中でも重要な立ち位置を占める艦隊であるが、今現在はこれといった明確な脅威も無かった。だからといって、一個方面艦隊の旗艦を務め上げられるような戦力を放置していられるだけの余裕が無いのもまた確かであった。

 というのも、北洋方面艦隊に対抗するための特設艦隊を大西洋方面艦隊と北米方面艦隊から捻出したため、両艦隊の戦力そのものが低下していたのである。どうしたものかと頭を悩ませていた最中、東シナ海やフィリピン海周辺を管轄していたプリンス・オブ・ウェールズから、周辺海域を跳梁跋扈している401を撃退、乃至は撃沈するための追加戦力の申し入れが行われた。

 これ幸いとして、カラッチョロは東洋艦隊へと回航されたのであるが、幸か不幸かその前後に401は活動海域を日本本土周辺へと移し、念願の追加戦力を得た東洋艦隊との戦闘の機会は失われてしまった。

 

 401の脅威が去った以上、カラッチョロは過大戦力であることに違いは無いが、元々東洋艦隊は大型艦が片手で数えられる程しかない小規模艦隊であり、正直言って簡単に手放したくないのが本音であった。そのため、東洋艦隊は『401へのカウンター』として、カラッチョロを保持し続けた。最も、その戦力保持が現在の叛乱艦隊の戦力増大に繋がったと考えると実に皮肉なものであるが。

 

「……ッ!!」

 

 プリンス・オブ・ウェールズより発射されたミサイルがレパルス直上にて炸裂し、光弾を下方へとばらまく。出力に余裕のあるカラッチョロは未だに比較的とはいえある程度の戦力を保ってはいるが、駆逐艦にすぎないヴァンパイアは勿論、巡洋戦艦として防御面に不安の残るレパルスもこのままでは撃沈され、残ったカラッチョロも数の暴力によって制圧されるのは時間の問題であった。




と言うわけで、イスレ様よりフランチェスコ・カラッチョロです!
リクエストには東洋艦隊所属としかありませんでしたが、こういうことでいいですよね…?

どうでもいいですけど、東洋艦隊と白鯨との邂逅の際、『重巡に近い音紋』ということで巡洋戦艦のレパルスではないかという推測が白鯨艦内で立てられましたが、その前話のソナープロットにはばっちりBATTLE CRUISER(巡洋戦艦)の文字が…


つづく…


…んじゃない?

何が見たい?

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