「へぇ~!まさか、拓也が生徒会にねぇ?」
「うん、これからの事を考えると南雲生徒会長辺りともつながりを持っておこうかなって。」
拓也の寮の部屋にて...拓也と今後の打ち合わせをしたところ、彼は元の世界の時と同じように生徒会に入る事にしたらしい。
まぁ...学年の垣根を越えた幅広い人脈を持てるようになるのは、私達の
「一夏も生徒会に入りなよ!南雲会長も一夏なら大歓迎のはずだって!」
「とりあえず、今は保留しておこうかな...私は、自分が生徒会に向いてるようには思えないんだよね...」
元の世界でも堀北先輩から、一夏ちゃんはスペックは優秀だけど生徒会向きではないって...はっきりと断言されちゃったってのもある。
大体、私が入るくらいなら...元の世界よりも早めになっちゃうけど、翼ちゃんに入ってもらった方が絶対いいはずなんだよね。
「ちぇっ...1年の生徒会役員は、僕とCクラスの波田野とかいう奴だけ...誰が好き好んでアイツと二人で業務なんかしないといけないんだか!」
「ふ~ん...ちなみに拓也はその、波田野くんって子の事が嫌いなわけ?」
「いや、別に嫌いってわけじゃないけど!!!...アイツが入るくらいなら、一夏に入って欲しかっただけだ。」
えぇ...波田野くん、ご愁傷様です...
せめて、元の世界と同じように...拓也に嵌められて退学なんて事にならないようにね?
「じゃあ...そろそろ、帰ろっかな!これから、あゆみちゃん達と遊びに行く約束してるし。」
「そうか...わざわざ、呼び止めて悪かったね。」
「いや?別に気にしてないよ?」
私が拓也に見送られて彼の部屋を出た時だ。
「お~い!八神~...って、天沢さん?」
「あなたは確か...Cクラスの波田野くんだっけ?」
まさかのさっきまで拓也と話していた話題に出てきた人物...波田野くんと鉢合わせしてしまった。
ちなみにその様子だと...どうやら、彼も拓也に用があって部屋を訪ねたみたいだね~?
「えっ?ここって...八神の部屋だよな?俺が男子寮と間違えて女子寮に来たとかじゃないよな?」
「全然大丈夫だよ~!ここは、正真正銘の彼の部屋であってるから。」
「それじゃ、天沢さんが何で八神の部屋から出てきたんだよ?」
女子が男子の部屋から出てきたとなれば、気になっちゃうのも無理はないかもね...
「えっとね...生徒会に入らないかって
「はい...優秀なOAA数値を持つ
「なんだ、そんな事かよ...驚かせるなって...」
第三者がいる前では...私達はそれぞれ、【八神くん】【天沢さん】呼びをするようにしている。
ホワイトルームについて既に知っている石上くんと...出会いが唐突だった事で、そんな打ち合わせをする余裕がなかった翼ちゃんの前では例外だが...
「波田野君には申し訳ないのですが...まだ天沢さんに用があるので、今日のところはお引き取り願えないでしょうか?」
「仕方ないな...なら、話は生徒会室でする。忘れるなよ?」
「ありがとうございます。」
こうして、波田野くんは去っていったわけだけど...彼を追い返して私を引き留めるぐらいの事だから、何かしらの重大な問題でも起こったのかな?
「......いぞ!」
「拓也?どうしたの?」
「僕は見逃してないぞ!波田野のやつ!僕の一夏の胸や尻をチラチラといやらしい目で見やがって!!!」
いや、大して重大でもなかったかもね...
「許さない!...何とかしてアイツを退学に...」
「さすがに波田野くんが、かわいそうだからやめてあげて!ね?」
私はそう言って拓也を宥めてみるが、彼の勢いが止まる様子はない。
波田野くん、改めましてご愁傷様です...
「一夏も一夏なんだぞ!?無防備すぎるんだよ!少しは自分に向けられている男子の視線を意識しろよ!」
「考えすぎ~!男子達が私にそんな目を向ける心当たりなんてないに...」
いや...ありすぎる!
私が嫌でもそれを自覚するようになったのは、数日前に遡る...
・・・・・
この日は水泳の授業があったので、一夏ちゃんは他の女子達と一緒に更衣室で水着に着替えていた。
「ねぇ?一夏ちゃんってさぁ...何かの運動とか習ってた?」
「えっ?そうだね~!一応、空手と柔道辺りは習ってたかな~!」
「一夏ちゃんの腹筋すごいね~!バッキバキだよ!?」
「あはは...そうかな~?」
ホワイトルームにいた頃は、自分が習っている事は全て周りと同じだったので特に何も言われる事はなかったけど...一般の子達から見れば、一夏ちゃんの腹筋はすごいらしい。
「あのっ!ちょっとだけ、一夏ちゃんの腹筋を触らせてもらいますね!」
「ちょっ...小西ちゃん!ダメ~!くすぐったい~!」
そして...着替えを終えた私達がプールサイドにやって来た時だった。
ザワザワ...
(あれっ?男子達の様子が変だね?一夏ちゃん、何かしたっけ?)
先にプールサイドに到着していた男子達が私の方を見るなり...顔を赤くしたり、ハァハァ...と謎の呼吸をしてるし、中には『お~!』って叫んでる子までいるんだけど?
「ほんとに男子って変態が多いんだから!」
「あゆみちゃん?それってどういう事?」
私は...近くにいたあゆみちゃんにどういう事なのか、話を聞いてみる事にした。
「分からないの?男子達は女子の...特に一夏ちゃんの体をいやらしい目で見て興奮してるんだよ!ひょっとしたら、今夜のオカズにされるかもね...」
「ふぇっ!?」
そう言われて...私は自分の体つきを今一度、確認してみた。
腰は細いといっても、細すぎずにガッチリとした健康美的な美しさ...
胸はさすがに翼ちゃんには劣るとはいえ、それなりにはあり...
腰がくびれている癖に大腿の方はムッチムチ...
そして...何よりだ。私のお尻は膨らんでいてスクール水着を着ていると、そのヒップラインも鮮明になってくる。
要するに私は、一般社会の男達が好むセクシーな体型をしていたらしいのだ...
(ううっ!そっ...そう理解しちゃうとなんか、急に恥ずかしくなってきちゃったよぉ...清隆先輩以外の男には何と思われようが大丈夫なはずだったのにぃ~!)
この日...一夏ちゃんは初めて、羞恥心という感情を理解したのだった...
◆◆◆◆◆
その日以来かな?男子が私をそんな視線で見る機会が増え、自然に私も男子の視線を意識するようになっちゃったのは...
あっ!!もちろんだけど...この事は拓也に言うつもりはないよ...
だって、拓也の事だもの...これを知ったら、『1年Aクラスの男子を全員退学に追い込んでやる!』なんて言いそうだからね?
一夏ちゃんは生徒会に入る?
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この世界では...入っちゃおうかな?
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元の世界と同じように拓也に任せよう...