「あの~、清隆先輩~?実を言いますと、中間試験の過去問を売ってほしいんですけど...いいですか?」
「あぁ...構わないぞ。50万プライベートポイントでどうだ?」
「分かりました!50万プライベートポイントですね!はい!払いましたよ~!」
「ほら、過去問だ。持っていけ...」
「清隆先輩!ありがとうございます!」
中間試験が迫り...私は過去問を売ってもらえないかと先輩と交渉した結果...意外なのか、当たり前なのか...あっさりと交渉が成立してしまった。
「......って!いやいや!ちょっと待てって!なんで、綾小路は当たり前のように後輩の女の子と話してて...なんで、女の子の方もぶっ飛んだ額を当たり前のように払おうとしてるんだよ?」
一夏ちゃんと清隆先輩の会話に池寛治という名前の先輩がツッコミを入れてきた。
堀北先輩と須藤先輩を除いた他の先輩方も言葉には出さないが...全員が同じ気持ちらしい...
(まさか、後輩の女の子と話しただけで、こういう反応になるなんてね...)
いや、清隆先輩が私と違って目立たない...ごく普通の生徒を演じているのは知ってたけどさぁ?まさか、ここまでの反応になるなんて思わなかったよ...
綾小路グループだってあるし、清隆先輩が女子と話す事がそこまで珍しいとは思えないんだけどね~?
「綾小路!その女の子とは、どういう関係なんだよ⁉️お前は年下の女が好きなのか?」
「池、少し落ち着け...彼女とは、単に中学時代の後輩にあたるだけだ。決して恋愛的な関係ではない。」
清隆先輩がそう言うと、何人かの女子がホッとしたような様子を見せている。
(えっと...確か、佐倉愛理先輩に...佐藤摩耶先輩に...長谷部波留加先輩...そして、軽井沢恵先輩!!!)
佐藤先輩と長谷部先輩はそれぞれ、清隆先輩を好いている友人を気にしての反応にすぎず...
佐倉先輩はOAA最下位の無能であるがゆえに一夏ちゃんのライバルにはなれないんだよね~!
実際に佐倉先輩と一夏ちゃんのどちらかを彼女にするか?と聞かれたら、普通の男どもは佐倉先輩を選ぶ輩もいるかもだけど...清隆先輩は違う。
この時点の清隆先輩は恋愛という感情を理解しておらず...軽井沢先輩と付き合い始めたのも、彼女の自分の駒としての心を繋ぎ止めるためだったからにすぎないんだもん...
よって...今の清隆先輩が彼女として選ぶ基準は、いかに自分のためにいろいろと貢献してくれるかにかかっているんだよね~!
そうなれば...OAA最下位の佐倉先輩が、OAAトップクラスの実力者である一夏ちゃんに勝てるはずがないもの...
...と、ここまでは良しとして...問題は最後の人物だ。
軽井沢恵...彼女は前の世界にて私が崇拝していた清隆先輩と結ばれた憎き女...
清隆先輩が軽井沢先輩を彼女にしたのはさっきも言った通り、彼女の自分の駒としての心を繋ぎ止めるためといのもあるだろうね...
ただ、それとは別に...清隆先輩の性格上、恋愛という感情を学びたいがために軽井沢先輩を自らの恋愛の教科書と見なしているという理由もあるはずと、私は予想してるんだよね~。
「天沢さん、あなたが2000万ポイントを所持してるとはいっても...もう少し値段を下げてもらおうとは思わないわけ?」
堀北先輩の一言で収まり欠けていた2年Dクラス内の動揺が再び加速し始める。
「えっと...あなたは天沢一夏さんだよね?【入学初日でSシステムを見抜き、それをネタに史上最速で2000万ポイントを手にいれた本物の天才】って、八神くんが言ってた...」
いやいや、その称号には誇張があるし...というか、同じくSシステムを初日で見抜いていた本物の天才が櫛田先輩の身近にはいるんですよ~?
そう...綾小路清隆という本物の最高傑作がね...
「はい!その通り!!私がその、天沢一夏です!櫛田先輩でしたっけ?私も先輩の事は八神くんから聞いてますよ~!」
久しぶりに見た猫を被っている状態の櫛田先輩に一夏ちゃんは思わず、笑ってしまいそうになっちゃう...
「確か...櫛田先輩は、八神くんと同じ中学の出身だそうですね~!」
「うん、そうだよ!頭が良い後輩だったのを覚えてるんだよね~!」
よくも...そのような白々しい嘘がつけるものだと、図太い神経とメンタルだけは称賛に値するかもね?
「綾小路~!いくら、金欠だからってよぉ...後輩から巻き上げるなんて男らしくないぜ~?もう少し負けてやったらどうだ?」
「あっ!須藤先輩!全然、大丈夫ですよ!私と清隆先輩のこれまでの数年間の信頼関係があってこそのやり取りなので!」
実際には出会って1ヶ月もないけど...前の世界での先輩との日々を含めれば、余裕で数年間の付き合いにはなるのでセーフ...かな?
(さっきから...軽井沢先輩の表情が不機嫌になってきてる...目的も達成したし、今日はここら辺でお暇しようかな?)
私が人の事をどうだの言える権利はないかもしれないけど...清隆先輩が他の女子と親しくするのも許せないとか、軽井沢先輩はどこまで嫉妬深いんだか...
「では、清隆先輩!ありがとうございました~!」
「あぁ...頑張ってこいよ。」
「あっ!最後に一つだけ、いいですか?」
「...なんだ?」
軽井沢先輩のあまりの嫉妬深さにカチンときちゃったので...ちょっとだけ、軽井沢先輩に前の世界での仕返しも兼ねて周囲にも聞こえるように一言...
「清隆先輩とのデートを楽しみにしてますね~!」
そう言い残すと...私は周りの反応を見ることなく、清隆先輩のクラスを後にした...
その後...私の最後の爆弾発言が原因で、清隆先輩が全員から激しい質問攻めにあったとか...
一夏ちゃんは生徒会に入る?
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この世界では...入っちゃおうかな?
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元の世界と同じように拓也に任せよう...