キーンコーンカーンコーン...
「では、始め!」
先生がテスト用紙を全員に配り終わって、教室内にチャイムの音が鳴り響く共に...ついに中間試験が始まった。
私以外の他の皆の表情からも、試験による緊張の色が深く見てとれる...
(ふぅ、慎重に...慎重に...慢心せずに確実に進めていかないと...)
もちろん...この一夏ちゃんが、こういう低レベルの試験で初端からつまづく事はあり得ないんだけどね?...
一応...回答欄のズレや無記名などの、穴要素だって存在するわけだからさぁ...万が一の事も考えてここは、全力で挑ませてもらうよ!
そう思いながら、私は慎重にテスト用紙に問題の正しい答えを記入していくのだった...
・・・・・
「はい、終了。では...全員、筆記用具を置いて後ろからテスト用紙を回収しなさい。」
(ようやく終わったー!)
中間試験が明かされてから、ここまでの日々...長いようで短いような緊張感に囚われた気分だったね~!
「あっ!一夏ちゃん!一夏ちゃんが用意してくれた過去問のおかげで楽勝だったよ!」
「本当に一夏ちゃんのおかげだから...その、感謝してるよ!」
「一夏ちゃん...ありがとうございました!」
仲が良い、あゆみちゃん、小西ちゃん、栗原ちゃんの3人からお礼を言われた。
あれっ?私が過去問を配ったのって...中間試験は平均点の半分以下の点数だと赤点となり、該当する生徒が退学になってしまうと説明されたからだよ?
退学者を出してしまったら、-100cpとなる事から...それを防ぎたいがための合理的な判断で、そこに友情なんてものはなかったはずなのになぁ...
「あゆみちゃん...小西ちゃん...栗原ちゃん...」
「釣れないな~!あゆみちゃんだけ、下の名前呼びなんて!これからは、私の事も下の名前で呼んでほしいな?」
「私の事もですよ!えっと...今後は小西ではなく、徹子と呼んで頂いてほしいのですが...」
クラスの皆...特にこの3人と仲良くなったのも、元の世界で清隆先輩の綾小路グループとかいう仲良しの集まりが羨ましくなっちゃったからなんだよね...
う~ん、私は...この3人の事を友情というものの教科書としてしか見なしてなかったつもりなんだけどな~?...
まぁ...それでもだよ?
「うっ...うん!分かったよ!これからもよろしくね!あゆみちゃん!徹子ちゃん!春日ちゃん!」
「「「こちらこそ!!!」」」
この状況に、自分の心のどこかで嬉しさを覚えてしまうって事は...一夏ちゃんもこの3人に確かな友情というものを持ちつつあるって事なのかな?
(これは...翼ちゃんの時と同じ気持ちだね...)
たとえばだよ?...清隆先輩とこの3人のどちらかの命を奪わないといけないなんて選択肢が出た場合、今の段階なら...一夏ちゃんは迷う事なく、清隆先輩を選べる自信がある。
だけど...この先、今以上に3人と仲を深めていったら...果たして私は大好きな先輩の命を助けたいがために、この3人の命を犠牲にできるのか?...と葛藤してしまうかもね...
「随分と腑抜けたものだな...」
元の世界の文化祭で、拓也と決別した際に彼から吐き捨てられた暴言...
あの時はともかく...今の私にはお似合いの言葉なのかもしれないね...
◆◆◆◆◆
翌日のホームルームにて、
「では、中間試験の結果を発表します。」
先生がそう言うと...ホワイトボードに試験の結果が書かれているであろう、大きな紙を貼り付けた。
「よっしゃー!全教科、90点超え!」
「くそっ!英語だけが、87点かよ!...」
「今回は余裕だったね!私も90点超えの教科がほとんどだった!」
「俺...過去問がなかったら、70点以下だったかもしんねぇ...」
「あんた、危なかったじゃない!」
貼り付けられた結果を見てクラスの皆が、それぞれ異なる反応を示している。
気になった私も中間試験の結果を見てみる事にした。
三井あゆみ:5位/40位
国語 97点
数学 95点
理科 97点
社会 99点
英語 94点
合計482点。
(おぉ~!あゆみちゃんも意外とやるね...)
過去問があるとはいえ、上位5名に食い込んでくるとはねぇ...
栗原春日:4位/40位
国語 98点
数学 97点
理科 99点
社会 100点
英語 96点
合計490点。
小西徹子:3位/40位
国語 100点
数学 99点
理科 98点
社会 99点
英語 98点
合計494点。
元々、頭が良かった徹子ちゃんと春日ちゃんは順当とも言える結果だった。
そして...
石上京:同率1位/40位
国語 100点
数学 100点
理科 100点
社会 100点
英語 100点
合計500点。
天沢一夏:同率1位/40位
国語 100点
数学 100点
理科 100点
社会 100点
英語 100点
合計500点。
「一夏ちゃん!すごいね!」
「いやいや...春日ちゃんや徹子ちゃんだって、100点取った科目あるし...」
「おいおい!京もすげぇじゃん!」
「まぁな...」
こうして一夏ちゃんは無事?中間試験を乗り越えたのだった。
一夏ちゃんは生徒会に入る?
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この世界では...入っちゃおうかな?
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元の世界と同じように拓也に任せよう...