私と清隆先輩による運命のデート。
その中に他の女が紛れ込むなんてアクシデントは到底、許されない事...
それを...私の目の前のひまわりの髪飾りを身につけた女は破ってしまったみたい...
「お前...いや、あなたは朝比奈先輩?」
「やっほ~!綾小路君、久しぶりだね~!君もこの映画を観てたんだ~...あれっ?それよりも、綾小路君に『お前』って言われた気がするんだけどな~?」
「すみません。俺に声をかけてくる女子は、ほとんどが同級生なので...朝比奈先輩の可能性が頭から抜けていましたね。」
嘘ばっかり...
内心では、上級生が相手だろうが敬意なんて持ってない事は私が一番分かってるんだよね...
「それはそうと...あなたも綾小路君のガールフレンドさんかな?初めまして、私は3年Aクラスの朝比奈なずなだよ!」
「朝比奈先輩ですね?こちらこそ、初めまして~!1年Aクラスの天沢一夏で~す!」
元の世界の私なら...同じ女子が相手ということもあってここで余計な煽り発言+マウントをとってしまい、相手を不快な気持ちにさせていたんだろうな~と思い返してみる。
でも...この世界の一夏ちゃんは清隆先輩絡みの案件でも冷静さが完全に失われちゃうわけではないからね~。
「うん?天沢...一夏ちゃん?もしかして【入学初日にしてSシステムの全貌を見抜いた末にそれをネタに史上最速で2000万ポイントを手に入れたあげく、中間試験では全教科で100点をとった本物の天才】みたいに言われてる、あの?」
「へぇ~、なるほど~!私ってそんな風に...って!前よりも肩書きがバージョンアップしちゃってるんですけどー?」
いや、確かに全て事実ではあるんだけどね?
元の世界の知識を頼りに無双しているに過ぎない私が授かってもいい称号なのかな...
「ちなみに2人はどういう関係なの?」
「俺と天沢は同じ中学の出身ですよ。今日は、とある借りを返すためにデートをしています。」
「へぇ~?同級生のみならず...後輩にまで手を出すなんてね~?綾小路君悪い子だね~!帆波にもライバルが増えたから頑張るように伝えとかないと!」
「なんで、そこに一之瀬の名前が出てくるんですか?」
一之瀬帆波先輩ねぇ...
元の世界では、最初は...確か、この人も清隆先輩の事が好きだった女子の一人のはず...程度の人物だった。
しかし、元の世界で清隆先輩達が3年生になる直前に彼女は私にとって悪い意味で有名になった。
(まさか、一之瀬先輩があんな行動をとるとは思わなかったな~...)
そんなわけで...私は一之瀬先輩の事をあまり、快くは思っていなかったっけ?
「あっ!じゃあ、私はそろそろ萌香と約束があるから!お暇させてもらうね~!あっ!くれぐれも羽目をはずしちゃダメだよ~!」
私達にそう言い残すと、朝比奈先輩は映画館から走り去っていた。
「俺達も行くか。」
「そうだね~!」
うん!だって、私達のデートはまだ始まったばかりだもん!
・・・・・
「ねぇ、清隆先輩~?」
「どうしたんだ?」
「その...私と手を繋いでくれませんか?」
次の目的地を目指して広場を歩いていた時、私は清隆先輩にちょっとした提案をする。
「俺と手を繋ぐのに...意味はあるのか?」
「だって~!せっかくのデートなんですよ?こういう時は男の方から、そっと優しく繋いであげるのが正解なんです!」
「そうなのか...」
すると...清隆先輩は少しだけ悩んだ様子を見せた後、私の右手をギュッと握りしめた。
(あぁっ!私...一夏ちゃんは今!先輩と手を繋いでるんだ!とっても幸せなの~!)
私が自分から言い出した事とはいえ、清隆先輩の行動にはドキッとさせられちゃったよ~!
『『『『『...............!!!!!!』』』』』
だけど...それ以上に、私達を
「...ところで、さっきから思ってたんだが...俺達、尾行されているよな?...」
「...されてますね~。ギャラリーの声が少しだけ聞こえましたもんね...」
よく見知ったクラスメートらしき、女子の3人組...
巨乳の女子2人と渋々、尾行に付き合わされてる感がする男子2人からなる、4人組のグループ...
ギャル系女子の2人組...
全くの無表情で、私達を観察している女子...
最後に...ニヤニヤと面白がっている表情をしながら私達の様子を盗撮している見るからにチャラそうな男子...
尾行する経緯はそれぞれの考えなんだろうけど...
(めちゃくちゃ、尾行されてるぅ~!)
そりゃ、デートとなればだよ?気になって尾行したくなるのって気持ちは分かるけどさぁ~...
「天沢、ちなみに次の目的地はどこだ?」
「えっと、次はここの予定ですね~!」
急に清隆先輩が次の目的地を聞いてきた。もしかして、デートに前向きになってくれたと思った私だけど...
「はぁ...仕方ないな。天沢...少しだけだが、我慢してくれ...」
「えっ?清隆先輩?どうし...」
私が言い終わる前に、清隆先輩が両腕を使って私の体を抱きかかえた。
『『『『『~~~~~!!!!』』』』』
所謂、お姫様抱っこというものを目撃したギャラリー達は大盛り上がりの様子だ。
「せっ...先輩?その...これって...」
「周りがうるさいと...せっかくのお前とのデートが台無しだろう?だから、俺がお前を抱えて全力で走る。」
「いやいや!それなら、大丈夫ですって!私だって走れますよぉ~!」
「いや、デートの時は女の子に負担をかけちゃいけないと...松下が言ってたからな。」
いや、確かにそうだけど!だからって初デートで、いきなりお姫様抱っこって有りなんですかね~?
「...行くぞ。」
「えっ!?...きゃっ!」
そして...先輩は私をお姫様抱っこしながら、次の目的地の方角へと走り始めた。
後ろの方から...更なる動揺する声が微かに聞こえるが、そんなものはどうでもいい...
(もぅ!清隆先輩ったら...大胆すぎるよぉ...でも、一夏ちゃんも嬉しいかな?)
だって、今...先輩にお姫様抱っこされているこの瞬間が...とっても幸せなんだもん!
一夏ちゃんは生徒会に入る?
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この世界では...入っちゃおうかな?
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元の世界と同じように拓也に任せよう...