とある休日...
「ねぇ、徹子ちゃん!春日ちゃん!私達って、バレてないよね?」
「うん、大丈夫だと思うけど...」
「しかし...こういうのって、何で尾行している方が緊張してしまうんでしょうかね?」
「分かるよ~!その気持ち。」
私...三井あゆみは、クラスメートでお友達の栗原春日ちゃんと小西徹子ちゃんと一緒に、ある人物の事を尾行していた。
その人物の名前は...天沢一夏ちゃん。私がこの学校で初めてお友達になった女の子だ。
最初は、単に席が私の隣の席だったため...多少は仲良くしておこうかな?という軽い気持ちで声をかけたに過ぎなかった...
ところが、どっこいだよ!?
なんと、その正体は...成績優秀で運動能力も抜群!おまけに入学初日でSシステムの全貌を完全に見抜き、史上最速で2000万ポイントを手に入れたとかいう...とにかく、凄い子だったんだ!
私の所属する1年Aクラスのリーダーである石上京君からも、クラスの主戦力として信頼されてるみたいだし!
そんな一夏ちゃんを...なぜ、私達が尾行する事になったのかって?
事の発端は3日前に遡る...
『あのさ...あゆみちゃん、春日ちゃん、徹子ちゃん?ちょっと聞きたい事があるんだけど...』
『ん?一夏ちゃんが私達に相談なんて珍しいね!どうしたの?』
この日...私と春日ちゃんと徹子ちゃんは一夏ちゃんから、とある相談を受けていた。
『その~...デートをする時って、どういう服を着ていけばいいのかな?』
『『『デート!?』』』
『ちょっ...声が大きいよ!」
詳しく話を聞いてみると...一夏ちゃんは、3日後にとある先輩とデートをする事になったらしく、そのデートを成功させるために私達にアドバイスを求めてきたらしい。
『いっ...一夏ちゃんは!つまり、その先輩とお付き合いをしてるのでしょうか?」
『いやいや~!相手の先輩とは、中学時代からの先輩と後輩って関係だけだよ~?そもそも、私って...そこまで、モテないもん!』
えっ?一夏ちゃんがモテない?いや、それはないって!
まぁ...一夏ちゃん本人は、本当に知らないかもしれないけどね?
あなたは男子達が作った【彼女にしたい女子ランキング】において1年Dクラスの七瀬翼ちゃんと並んで、堂々の同率1位にランクインしてるんだよ?
実際に1年Aクラスにも一夏ちゃんの事が気になってるって、男子が私の知ってる限りだと10人はいるんだよ?
ましてや、そこに他のクラスの男子も含めれば...その数は余裕で30人は超えているだろうね...
『一夏ちゃん、謙遜しすぎだって~!一夏ちゃんは、可愛いんだし!モテるに決まってるじゃん!」
『ないない~!私なんかよりも、3人の方がモテると思うんだけどな~?私...クラスでも、石上くんや高橋くん以外の男子に話しかけられた事ってないんだよ?むしろ、イヤらしい視線で見られてるだけな気がするんだけど...』
『いや、それは...』
今の...この発言が私達に対する嫌みなんかじゃなくて...本気でそう思っているのが、一夏ちゃんの表情から読み取れる。
いやいや!男子達が、一夏ちゃんに話しかけてこないのはね?男子の中で一夏ちゃんが気安く話しかけちゃいけない存在...つまり、高嶺の花みたいになっちゃっただけで、嫌われてるわけじゃないんだよ?
イヤらしい視線に関してだけと...これは一夏ちゃんに完全に同意できる。でも...これに関しては男子達を強く責める事はできないかな?
だって、私も水泳の授業の着替えの際に一夏ちゃんの体を見た時...同じ女性のはずなのに惚れ惚れさせられちゃったからね...あいにく、人の事を言える立場じゃないんだ~!
(...もしかして、一夏ちゃんって...恋愛面に関しては、かなりのポンコツさんなのかな?)
だとしたら...大切なお友達として、私達が一夏ちゃんを全力でカバーしてあげないとね!
『一夏ちゃん!今から、洋服店に行こうよ!私達が一夏ちゃんに似合う服を選んであげるから!』
『それなら、私は...この学校の敷地内における、おすすめのデートスポットを教えてさしあげましょう!』
『じゃあ、私は~?男をキュンとさせる言葉とアクションを教えた方がいいかな?』
最後の春日ちゃんのアドバイスは参考になるかは微妙だけど...何にもないよりかはマシかな?
『あゆみちゃん!春日ちゃん!徹子ちゃん!私なんかのためにありがとう!一夏ちゃんは、本当にいいお友達を持ったよ!』
『うん!私も最初に仲良くなったのが、一夏ちゃんで本当に良かったよ!」
『私もだよ!仲良くなってくれてありがとう!』
『こちらこそです!困った時はお互い様ですからね!」
こうして...私と春日ちゃんと徹子ちゃんは一夏ちゃんのデートを必ず成功に導く事を決意したんだ!
・・・・・
「一夏ちゃんのデート相手の先輩遅いね...」
「ほんとだよ!女の子を待たせるなんて!恥ずかしくないのかな?」
「ひょっとしますと?一夏ちゃんがデートを楽しみにし過ぎて、待ち合わせの時間よりも早く来ちゃってる可能生が...」
「「いや、それはないでしょ?」」
徹子ちゃんの予想に私と春日ちゃんが同時にツッコミを入れる。
「デートの相手が彼氏とかならともかく、中学時代からの先輩ってだけだよ?」
「私も同意!一夏ちゃんがそこまでして待つ程の相手なのかな?」
「そうなんでしょうか?...」
私達が勝手な想像を繰り広げている時だった。
「あっ!もしかして、あの人かな?」
「えっ?どこ?」
「ほらっ!あの男の先輩!」
一夏ちゃんの方へと歩いていく一人の男の先輩の姿を発見した。
一夏ちゃんの方もその先輩の姿を見て嬉しそうにしているから...これは間違いないね!
「なるほど...顔立ちは中々、良い方ですね...女子にモテる気がしなくもありません。」
「う~ん、でも...無表情で何を考えてるのか、分かんない感じの先輩だね。」
相手の先輩を見た徹子ちゃんと春日ちゃんが、それぞれの反応を示す中...
(一夏ちゃん、頑張るんだよ!私も!...春日ちゃんも、徹子ちゃんだって応援しているからね!)
私はただ、初めてのお友達に心の中でエールを贈ったのだった...
いやいや!ほとんど、あゆみちゃんの独白で終わったじゃん!
次の閑話から本当に尾行に入ります笑
一夏ちゃんは生徒会に入る?
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この世界では...入っちゃおうかな?
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元の世界と同じように拓也に任せよう...