運命の4月...
(あぁ‼️...やっと先輩に会えるんだ‼️)
バスに揺られながら、私...一夏ちゃんは二回目となる高校生活を楽しみにしていた。
「はぁ...一夏と同じクラスがいいなぁ...」
「うん!私もだよ~‼️拓也。」
まぁ...同じクラスになれない事は分かっているけど、このタイミングで言っちゃうと『どうして分かるんだ?』って、なっちゃいそうだもんね‼️...
そして、バスはあっという間に高度育成高等学校前に到着した。
「一夏、目的地に着いたよ。」
「ようやく到着だね~‼️」
私達がバスを降りて学校の敷地に入ると、そこにはすでにたくさんの新入生達の姿があった。
(さてと...自分のクラスを確認しに...おわっ‼️)
「きゃっ‼️」
自分のクラスを確認しに行こうとした私だったが、周りをよく見ていなかったせいか...他の新入生にぶつかってしまったようだ。
「ごめん‼️ごめん‼️大丈夫⁉️」
「あっ‼️いえ、大丈夫ですよ。私にお構い無く...」
「あっ...」
その新入生は私がよく見知った顔だった。
(なっ...七瀬ちゃん...)
元の世界では...共に清隆先輩を慕っていながらも、お互いに犬猿の仲だった七瀬翼ちゃんだった。
(...そういえば、七瀬ちゃんも...)
私は覚えているよ...清隆先輩が軽井沢先輩を選ぶと宣言したあの日...七瀬ちゃんは涙を堪えるようにして部屋に閉じこもるなり、部屋から出てくる事はなかった。
そして、その日から七瀬ちゃんは前までの元気がすっかり、なくなっちゃったんだよね...
あの時...私は初めて犬猿の仲だった七瀬ちゃんの気持ちがよく分かると思ったし、深く同情もした...
だって、好きになってしまった相手に選ばれないというショックは予想以上に大きかったんだもん...
特に七瀬ちゃんの場合は、
(私もあの後...部屋で泣いちゃったもんね...)
そんな風に...私が元の世界での思い出を懐かしんでると...
「あの?私の顔に何か?」
七瀬ちゃんごめんね~‼️うっかり、ほったらかしにしちゃったよ...
「あっ⁉️なんでもないよ~‼️それよりもぶつかっちゃってごめんね~‼️私は天沢一夏だよ~‼️よろしくね~‼️」
「天沢さんですね!ボク...じゃなかった‼️私は七瀬翼です。こちらこそよろしくお願いします。」
...元の世界で七瀬ちゃんの過去を聞いた事があったね...
確か、七瀬ちゃんの元カレの父親...松雄さんって人が清隆先輩の脱走を手助けしたとかで殺されて...おまけに元彼までもが、巻き込まれる形で命を落としたんだっけ...
その悲しみと復讐心をホワイトルーム利用されて、清隆先輩を退学に追いやろうとしたんだよね...
【ボク】って、一人称を使うのは...元カレの人格を演じるためのものなんだとか...
「天沢さんなんて、固い呼び方しなくてもいいよ~‼️普通に一夏ちゃんとかでも~‼️あと、敬語もいらないよ!」
「いえいえ...まだ知り合ったばかりですし、敬語はデフォルトなので、しばらくはこのままで勘弁してください。」
「まぁ、七瀬ちゃんが呼びたいように呼んでくれたらいいよ!それよりも...一緒にクラス表を見に行かない?」
「はい、ぜひ!これも何かの縁なので、偶然にも天沢さんと同じクラスになってると良いのですが...」
元の世界では...七瀬翼という女は、一度は清隆先輩を退学に追い込もうとした癖に手の平を返して、清隆先輩にくっついている犬みたいにしか見えなかった...
当然のように私は、そんな彼女に喧嘩腰であたってしまったんだよね...
だけど...七瀬ちゃんの過去を知ってからは、彼女の印象がだいぶ変わった。
元より...どこかの社長に試験管ベビーとして生み出され、ホワイトルームでの生涯が決定していた私と比べても七瀬ちゃんの過去は悲惨だった。
だから‼️...この世界では、七瀬翼という人間にも救いを与えたい!...
元の世界で、高校生活を体験した私...
清隆先輩が所属していたグループを観察するなどして、友情というものを学んだ私は...前のように自分が清隆先輩と結ばれたら、他の人はどうなっても構わないと思えるような非情な女ではなくなってしまったみたい...
どうしても...七瀬ちゃんにも幸せになってほしいと思ってしまう...
「さぁ!七瀬ちゃん‼️早くクラス表を見に行こうか?」
「そうですね、天沢さん。」
こうして、元の世界の時よりも少しだけ...私は七瀬ちゃんと仲良くなれたような気がしたんだ!
「おい!一夏‼️僕の事を忘れてるだろ⁉️」
「えっ⁉️拓也...そんなわけないじゃん‼️」
あっ...拓也の事をすっかり、忘れてた~‼️
「えっと~、七瀬さんでしたよね?僕は八神拓也と言います。隣にいる一夏とは幼なじみです。」
「八神君ですね、ご丁寧にありがとうございます。ボク...いえ‼️私は七瀬翼です。」
(相変わらず、私以外には敬語使うんだ...キャラ作りが上手いね~‼️)
そんなわけで...三人でクラス表を確認しに行った結果、
「私はAクラスだね~‼️」
「僕はBクラス.........ちっ‼️何で一夏と同じクラスじゃないんだよ⁉️...」
「私はDクラス...全員バラバラでしたね...」
三人とも元の世界通りのクラスになった。拓也が不満そうな様子に見えるのは何でだろうね?
「じゃあ‼️それぞれの教室に向かおうね~‼️」
「あっ‼️待ってください!天沢さん‼️八神君‼️聞きたいことがあるのですが...」
「ん?何かな~?」
「何でしょう?」
すると...七瀬ちゃんは私と拓也にしか聞こえないよう、小さな声で...
「お二人は...お付き合いされているのでしょうか?」
「はい、ぼくた「いいや‼️拓也とは付き合ってないよ⁉️ただの幼なじみってだけ~‼️」
「えっ⁉️あっ...そっ...そうなんですね...」
あれっ⁉️私の返答になぜか、拓也は悲しそうにしてるし...七瀬ちゃんの方は拓也に同情してるような表情をしてるし...
(いったい、どうなってるの~⁉️)
こんな内容...ホワイトルームのカリキュラムでも学ばなかったんですけど~⁉️