誤って一夏ちゃんとぶつかってしまった先輩...
「あの...上級生の方ですよね?後輩ごときがぶつかってしまい、本当にすみません!」
「いえ!本当に気にしないでください!私もよそ見をしていたので...」
本当は謝りたい気持ちなんてものは微塵もないんだけど...年上の人に対する最低限の礼儀というものも示さないといけないからね...
「ねぇ?あなたって、前に私達の教室に来てた子だよね~?確か、きよぽんとは同じ中学校出身なんだっけ?」
「はい!その通りです!1年Aクラスの天沢一夏です!清隆先輩とは...長い付き合いになります!」
「ふ~ん?清隆先輩...ねぇ...」
ぶつかってしまった先輩と同伴していたっぽい...別の先輩の疑問に私は淡々と返事を返す。
「いやぁ...愛理大変だよ~?さらなるライバルの出現かもだね~!」
「ちょっと、波瑠加ちゃん!声が大きいよぉ...」
波瑠加と呼ばれた連れ...いや、同伴していたらしき先輩がニヤニヤしながら、私とぶつかってしまった先輩を愛理と呼んでからかっている。
そう...一夏ちゃんとぶつかってしまった先輩は、佐倉愛理という先輩だ。
私が知っている事といえば...彼女は清隆先輩に好意を持っていたけど、夏休み後におこなわれた満場一致試験という名の特別試験において、その清隆先輩によって退学に追い込まれてしまったとかいう...非常に哀れな先輩だ。
要するに...負けヒロインってやつ!
まぁ...元の世界だと軽井沢先輩以外に清隆先輩に好意を持っていた人達は私も含めて負けヒロインってことになるんだけどね?
「波瑠加...一旦、落ち着け。」
「そうだ。天沢が困惑しているだろ...」
「もう!みやっちとゆきむーまで~!釣れないなぁ~!」
そこに...みやっちとゆきむーという...特徴的なあだ名で呼ばれた男子生徒二人がやって来て波瑠加と呼ばれた先輩...長谷部波瑠加先輩の事を嗜めている。
その間に...私は目の前にいる先輩達のOAAの数値を調べていた。
2年Dクラス:長谷部波瑠加
学力:C(52)
身体能力:C(52)
機転思考力:C-(43)
社会貢献性:C(46)
総合力:C(49)
2年Dクラス:幸村輝彦
学力:A(92)
身体能力:D(30)
機転思考力:C(51)
社会貢献性:B-(63)
総合力:C+(58)
2年Dクラス:三宅明人
学力:C(53)
身体能力:B(74)
機転思考力:C-(42)
社会貢献性:C+(56)
総合力:C+(56)
そして...
2年Dクラス:佐倉愛理
学力:C(50)
身体能力:D-(25)
機転思考力:D-(25)
社会貢献性:C+(60)
「なるほど~?学力に特化しているタイプの幸村輝彦先輩に、運動能力が高めな三宅明人先輩...平均クラスの長谷部波瑠加先輩に、平均以下の佐倉愛理先輩ですか。」
私がそう言うと...遠回しに雑魚認定されたのを察してしまったのか、佐倉先輩が悲しそうに俯いてしまった。
「あっ!少しばかり、言い方が悪かったですね!不快に思われたなら...お詫びしますよ?」
「いえ、私のOAAが低い事は事実なので...」
このOAAの低さが原因で、清隆先輩に退学に追い込まれちゃったんだっけ~?
(ほんと、哀れだよね~!)
私は恋のライバルでありながら、佐倉先輩に少しばかりは同情している。
自分だって、清隆先輩から捨てられちゃったら...立ち直れなくなりそうだもん!
「まぁ...天沢と愛理ではOAAの総合力が天と地の差だからな。そういうたとえ方になっても仕方ないだろう。」
「...でもさ?次からは言い方には、気をつけてほしいかな?私...友達を悪く言われるのが嫌いなんだからね。」
「幸村先輩に長谷部先輩も...わざわざすみません...」
正直...なんで私が謝ってるのか、分かんなくなってきちゃったな~...
「これが綾小路グループ...どうやら、清隆先輩も良い友人に恵まれたみたいだね...」
あっ...心の中で思っていた事を...思わず、口からポツリと漏らしてしまったみたい...
「まっ...まぁね!きよぽんは不器用なところもあるけど、頼れる存在だもん!ねぇ?愛理?」
「うっ...うん!清隆くんは大切なお友達だよ!」
「何を考えてるのか、分かんない部分もあるけどな...それでもアイツの事は友達だと思っている。」
長谷部先輩、佐倉先輩、三宅先輩からは前向きな返事が返ってきたので...私は思わず、自分の事のように安心してしまった。
「まぁ...今後は俺達に隠し事をしなければ...ありがたいんだがな。」
幸村先輩は少しばかり、清隆先輩について半信半疑の様子だ。
「なるほど~!清隆先輩が2年生になってから、ついに本気を出し始めましたか~!なにせ、数学で100点ですからね~?...ですが、それは氷山の一角に過ぎませんよ?」
「「なっ...」」
「「えっ...」」
私からの予想外のカミングアウトに四人の先輩は動揺を見せている。
「清隆はまだ...何かしらの力を隠してるというのか?」
「OAAの数値を見た時はびっくりしましたよ~!清隆先輩の事をよ~く知っている私から見れば、あまりにも低すぎると...」
これは本当の話...ホワイトルームの最高傑作と言われた清隆先輩がここまで、周囲に自分の力を隠していたとは思わなかったからね...
「ですが...それは皆さんを騙しているわけではなく、皆さんを自分の今後に巻き込まないためだったんですよ?」
「ねぇ?それって...どういう事なの?」
私の返答に長谷部先輩が驚いた様子で訪ねてくる。
「う~ん、ここだと言い難い話なので...まずは場所を変えましょうか。」
さてさて...今から私が話す内容を聞いても、この四人の...綾小路グループの絆というものは変わらないのかな~?
清隆先輩には申し訳ないけど、ちょっとだけ
七瀬翼の決断は⁉️
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原作通りの展開
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原作よりも早く...綾小路の忠犬へ