いちかのん...という、尊き?あだ名を長谷部先輩から授かった私は綾小路グループメンバーの先輩達と連絡先を交換して別れた後、本来の休日の目的だった清隆先輩の捜索を再開したのだが...
「あっ!清隆先輩~!捜しましたよ~!」
「天沢か...」
意外にも、あっさりと清隆先輩を見つけてしまった...
「で...今度は何の用だ?」
「う~ん、二回目の特別試験で私達のクラスが1位になれたから...先輩に褒めてほしいな~!って、言ったらどうします~?」
分かってるんだよ?...どうせ、呆れた顔をされて『帰れ』って、言われるんだよね...そのぐらい、分かっていたけど...ダメ元で聞いてみた。
「まぁ...1年生の今回の特別試験の内容や展開については、別の後輩から聞いたが...お前は中々、できるみたいだな。俺と同じホワイトルーム生の名に恥じない結果を出せた事を誇るといいんじゃないか...」
「えっ?清隆先輩...」
...ねぇ?これって、清隆先輩は一夏ちゃんを遠回しに褒めてくれたって認識で良いんだよね?
まさか...清隆先輩が一夏ちゃんの事を本当に褒めてくれるなんて思わなかったから、びっくりしちゃったよ~!
「まぁ...お前の事だ。用件はそれだけじゃないだろ?」
「当然じゃないですか~!ですが、ここだと目立っちゃうので...場所を変えませんか?」
「分かった...一旦、俺の部屋に行くぞ。ついてこい...」
「わ~い!また、清隆先輩の部屋にお邪魔できる~!」
「言っておくが、変な事をしたら追い出すからな。」
こうして...一夏ちゃんは、清隆先輩の部屋にお邪魔する事になったんだ~!
・・・・・
「ほぅ...夏休みにまたしても、無人島での特別試験か...しかも、今回は全学年対抗とはな...」
「何もないわけがないですよね~?」
清隆先輩の部屋に入った後...一夏ちゃんは清隆先輩に夏休みにおこなわれるであろう、無人島サバイバル試験について話していた。
一応、元の世界による知識はあったが...念には念を入れて月城理事長代理に聞いてみたところ、元の世界と同じ日に実施される予定でルール自体も特に変更がなかったから...安心して清隆先輩に伝えられたよ~!
「下位の5グループの生徒が退学とはな...月城も厄介な特別試験を仕掛けてきたな...」
「清隆先輩~!そこで、私から一つ提案なんですけど~?」
「なんだ?言ってみろ?」
今から言う提案は一種の賭け...下手をすれば、ホワイトルーム側に私の裏切り行為がバレてしまいかねないというリスクが存在する。
さらに今後は...元の世界で得た知識を生かせなくなる可能性も出てくるんだよね...
「無人島サバイバル試験なんですけど...私と清隆先輩...そして、もう一人のとある人物と協力して乗り越えたいと思っているのですが...どうでしょうか?」
「その、もう一人とは...誰の事を言っているんだ?」
「1年Dクラスの...七瀬翼ちゃんです。」
私は、自身と清隆先輩...そして、翼ちゃんの三人でグループを組む事を提案したのだ。
「ちなみに...なぜ、七瀬なんだ?」
「理由はですね~?少し長くなりますが、最後まで聞いてくださいね~!」
私は翼ちゃんの過去の事を話し始めた...
清隆先輩の脱走を手引きした松雄の息子である栄一郎と付き合っていた事を...
清隆先輩が脱走した事で、その栄一郎がホワイトルーム側によって間接的に死に追い込まれてしまった事を...
そこをホワイトルーム側に目をつけられ、清隆先輩を退学に追いやるための刺客として送り込まれた事...
これら全てを清隆先輩に話した...
「七瀬が俺に憎悪のような感情を向けていたのは、そういうわけか...」
清隆先輩は私の話を聞き終えると、一時は納得したような様子を見せていたが...すぐに何かしらの疑問を浮かべたような様子に変化した。
「今になって、お前を疑うわけではないが...お前が言った七瀬翼の経歴が本当だとするなら、いくつかの疑問点が存在する。」
「まぁ...確たる証拠はありませんし、私も月城理事長代理から聞き出しただけなんですよね。」
実際には...私の言った翼ちゃんの過去というものは、元の世界の清隆先輩曰く...翼ちゃん本人による主張にすぎない。
よって、翼ちゃんの過去が本当だという決定的な証拠はないのだ。
「まず、松雄栄一郎という男は本当に死んでいるのか?という事だな。仮にその死が事実だとしたら...七瀬は俺よりも、ホワイトルームの大人達...特にあの男を恨むべきなはずだ。俺の方を恨む理由がないと思うのだが...」
「私も...それは気になっていたんですよ...」
そうなんだよね~!清隆先輩から見れば、これで恨まれるのは理不尽の一言だろうからね...
「他にも気になる部分がいろいろあるが...天沢、お前は七瀬をどうするつもりなんだ?」
「もちろん、懐柔するつもりです。できれば、清隆先輩に忠犬...いや、ナイト的な存在にしておきたいんですよね...近い内に清隆先輩と翼ちゃんの会合の場を開きましょうか?」
「そうか...できるなら頼む。あと、協力する件についてだが...」
清隆先輩は、さっきの私が出した提案についての答えを出す。
一夏ちゃんの結果的には、半分納得...半分不満って感じかな?
「では、清隆先輩!今日はありがとうございました~!」
「ちょっと待て...」
そう言って私が先輩の部屋を出ようとしたところ、なぜか呼び止められてしまった。
「なぁ、天沢...お前は本当に俺に恋愛感情を抱いているとみていいんだな?」
「はいっ!もちろんですよ!前から言っているじゃないですか~!」
「そうか...ならいい。もう帰れ...」
いきなり、そんな事を聞いてくるなんて...変な先輩だな~?
七瀬翼の決断は⁉️
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原作通りの展開
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原作よりも早く...綾小路の忠犬へ