いよいよ、7月20日...
サン・ヴィーナス号とかいう豪華な客船に乗せられて私達がやって来たのは、とある無人島だった...
「ねぇ、翼ちゃん...分かってるよね?」
「えぇ、もちろんです。」
一夏ちゃんは同じグループとなった翼ちゃんに改めて確認を取る。
そして...翼ちゃんが私...いや、清隆先輩の味方である事を確信した。
「月城理事長代理と司馬先生が...この試験中に綾小路先輩に何かしらのアクションを起こす事は、ほぼ確定ですね...」
「わ~お!月城理事長代理だけじゃなくて、司馬先生も抑えないといけないのか~!」
1年Dクラス担任の司馬克典先生...今年度になって赴任してきた彼もまた、ホワイトルーム関係者によって送り込まれた人間だ。
元の世界だと...私は裏切り行為が露見した事により、彼に制裁を食らう羽目になったんだっけ...
「清隆先輩を守るのも当然だけど...私達が下位になって、ペナルティを受けないように狡猾に立ち回る必要があるね。」
「そうですね...そこは、お互いに頑張りましょう!」
そんな事を考えてる間に先生方の特別試験の試験内容の説明も終わり、ついに無人島サバイバル試験が幕を開けたのだった...
・・・・・
1日目は特に問題もなく...指定エリアに到着するなり、課題をこなすなりして順調に点数を稼いでいた。
なお、私達がお互いに別行動を取る事は宝泉くんもちゃんと了承済み!
彼も彼で...裏で何かを企んでそうだからね~。
(下位5つのグループになって、退学にならない程度に最低限の点数を稼いでおかないとね...)
ちなみにだけどね?今回の無人島サバイバル試験...私や翼ちゃんが全力を出して課題と指定エリアの点数を稼ぎまくれば、1位になっちゃう事も不可能ではないんだよね~?
それなのに...1位を狙いにいかないのは、清隆先輩から...この特別試験における、堀北先輩と高円寺先輩の取引内容をちゃっかりと聞いていたからなんだ~...
高円寺先輩が1位をとれば...特別試験における、今後の自由を容認...
逆に高円寺先輩が1位をとれなければ...今後は堀北先輩の指示に従う...
これで...もしも、高円寺先輩が1位を取れなかった場合は、今後の特別試験においても嫌でも全力を出さなければいけなくなる。
そうなってしまう展開は、清隆先輩が将来的にクラスを移籍する事を知っている私から見ると良くない事だ...
前にも言った通り、清隆先輩がこの学校に入学したのは...自分以外の強者との戦いを求めてではなく、平穏な学校生活を送りたいからだ。
そのためにも...清隆先輩に余計な敵を増やすなんて事はしたくないから、高円寺先輩には元の世界と同じように...1位をとってもらわないといけないね...
(やれやれ...って、ん?あれは...)
無人島をさまよっていた私は、視界に見覚えのある先輩の姿を発見したので声をかけにいく事にした。
「お久しぶりで~す!須藤先輩!」
「おっ...お前は天沢じゃねえか...」
私とパートナー筆記試験でペアを組んだ須藤先輩と他に男子一人がテント付近でなにやら、話をしているようだった。
「なっ!?おい!健!七瀬ちゃんのみならず、他にも後輩女子と知り合いだったのかよ!?お前、やっぱ...」
「遼太郎!落ち着けって!天沢は俺とパートナー筆記試験で、お互いにペアを組んだだけだ!」
なるほど~!須藤先輩はともかく...遼太郎って呼ばれた男子の方も翼ちゃんの事を知っているという事は、元の世界と同じように翼ちゃんが清隆先輩にお供して...そのまま、須藤先輩のグループと合流していた可能性もあるという事だね...
「天沢ちゃんだっけ!?俺は2年Dクラスの本堂遼太郎だ!よろしくな!」
「本堂先輩ですね?改めまして、1年Aクラスの天沢一夏です!須藤先輩と本堂先輩は二人でグループを組まれているのですか?」
「いや、あと一人...池寛治ってやつがいるんだけど、今は席を外してるんだよな...」
あ~...池先輩ね~?もちろん!一夏ちゃんは、よ~く知ってるよ?
なにせ...恋愛初心者の清隆先輩に対して、デートの際にお姫様抱っこや、ア~ンとかを勧めた張本人なんだっけ?
一言ぐらい...文句(半分...感謝)を言っておきたいかもな~?
「そう言う...天沢は単独グループなのか?」
「いいえ、私はですね...七瀬翼ちゃんと宝泉くん...この二人と組んでま~す!」
「はぁっ!?あの宝泉と組むなんて正気か?アイツに何かされたりでもしたら...」
案の定...私と一緒にグループを組んだ相手がまさかの宝泉くんと判明した瞬間、須藤先輩がとっても驚いていた。そして、同時に...私の事を心配もしてくれてるみたいだね~!
「ご安心を!私の喧嘩の腕前を須藤先輩なら...ご存知でしょう?」
「そりゃ、知ってはいるがよ...」
私が宝泉くんを軽くあしらった事を知っている須藤先輩は、渋々ながらも納得したかのような表情になる。
「最後に須藤先輩...ちょっと耳を貸してくださいね?」
「なんだよ?」
そして、須藤先輩の耳元で私は囁いた...
「...例の裏試験の存在をお忘れなく...ひょっとすると、清隆先輩と同じ学年のあなた方も...何かしらの標的にされるかもしれませんよ...」
「なっ...」
まぁ...この世界の拓也は清隆先輩を退学にしようなどと思ってはいないんだろうから...ね?
元の世界の時のように小宮先輩のグループが拓也に襲われるなんて事はないんだろうけど...一応、ちょっとした遊び心で軽~い忠告ぐらいはしておこうかな?
「では、私はこれで!いい特別試験になる事を祈ってますよ~。」
それだけを言うと、私はその場をさっさと立ち去って野宿の場所を探しにいった...
あとになって、一夏ちゃんは...この時に須藤先輩へ忠告した事を深く後悔する事となる...
一夏ちゃんはクラス移籍しちゃう?
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ホワイトルーム生最強のコンビ! Bクラス
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暴君と忠犬の中間管理職? Dクラス
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無難に平穏に過ごしたい! Cクラス
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クラス移籍なんてしないもん!