第54話.一夏ちゃんに海の声は聞こえません...
はい、ど~も!お疲れ様~!何とか無人島サバイバル試験を無事に終えてまた一歩、清隆先輩との仲を深めた一夏ちゃんで~す!
特別試験も終わった事だし、少しぐらいはゆっくりさせてもらおうかな?船内では新たに宝探しゲームなんて自由参加のゲームがおこなわれてるけど...あいにく、一夏ちゃんは興味ないんだよね~!かといって、部屋でじっとしてるのも暇なんだよね~...
...てなわけで、今はぶらりと豪華客船のあちこちを散策中!
周囲を見渡してみれば、宝探しゲームに参加している生徒もいるし、逆に私のように純粋に豪華客船での生活を満喫している生徒もいたりと...様々だね~!
そんな中、豪華客船の甲板にて私は見知った顔を発見した。
(あれっ?森下先輩?あんなところで何をしてるのかにゃ~?)
前に私の部屋にアポ無しで訪問したあげく、メロンパンまでくれた変人の森下藍先輩が身を乗り出して海を静かに眺めているではないか。
(めんどくさい先輩だけど...まぁ、ちょっとした暇潰しくらいにはなりそうだし、声ぐらいかけてこようかな!)
私は後にこの軽はずみな行動に後悔する事になるとは知らずに森下先輩に声をかけにいった。
「お~い、森下先輩~!」
「...............」
私が呼び掛けたのだが、森下先輩は全くの無反応だった。距離的に聞こえなかったのかな?と判断した私は森下先輩に近づくと再度呼び掛ける。
「森下先輩~!ここで何してるんですか?」
「...............」
しかし、それでも森下先輩は私の呼び掛けに反応する様子はない。
森下先輩は相変わらず、静かに海を眺めている...ように見えてなぜだか、目を瞑っている。
(ん?まさか、立ったままの状態で寝ちゃってる?いや、さすがにそれはないか...)
そうなってしまうと、本当に彼女が何をしているのかが分からなくなる。
「あの~?森下先輩?」
「少し静かにしてもらえますか。」
私の三度目の呼び掛けにようやく森下先輩は反応してくれた...のだが、
「今、私は海の声を.........聞いていました。」
「...ん?」
そう呟く森下先輩だったが、私は脳内でその言葉を処理する事はできなかった。よって、思わず聞き返してしまう。
「えっと...海の声、って?」
「分かりませんか?海は生きているんです。」
いやいや!海の声って...私は森下先輩の言っている事が理解できなかった。
「...............」
「こうして船から身を乗り出して目を閉じ...そして、心を落ち着けて耳を傾ける。そうすれば、私の言っている意味が理解できるかもしれませんよ?」
「なるほど?」
確かに今のところ、森下先輩の言っている意味がさっぱり理解できないのは事実だ。
(ここは一度、一夏ちゃんも体験してみた方がいいかもしれないね...)
というわけで私は森下先輩の隣に立ち、同じように船から身を乗り出して海を眺めてみた。
そして、目を閉じる。
(これでよし、後は心を落ち着けて耳を傾けるんだっけ?)
しかし、当たり前だが...海の声なんて一向に聞こえてこない。
「...............」
「どうですか。聞こえますか?海の声。」
「いいえ...」
「なら、あなたに雑念があるのかもしれません。」
雑念ねぇ...同じホワイトルーム生でも清隆先輩と違って私は感情豊かだもん...無にしてるつもりでも自然とそんなものが混ざってしまうのかな?
それでも、一向に海の声は聞こえてこない。いや、そもそもくるはずもない。
「鼻から空気を吸って、口から吐いてください。」
しかしだ。森下先輩はまだ、私にやらせようとしている。
「その...それに意味ってあるんですか~?」
「さぁ?前に風邪を引いた時、耳鼻咽喉科で鼻から吸って口から吐くように指示されたので。」
「いや、それってネブライザーの使い方じゃないんですかね...」
ある意味で雑念を無理やり放り込まれてしまった。まぁ、それはともかくだよ?海の声などは一向に聞こえてこない。
「私には無理で.........何してるんですか?」
目を開けて森下先輩の方を見ると、携帯のカメラをこちらに向けているではないか。
「私の嘘に踊らされている間抜けな天沢一夏を高画質モードで録画していました。」
「えっ?」
「海の声なんて聞こえてくるわけないじゃないですか。ドラマや映画の見過ぎでは?」
はぁ!?私としたことが、騙されてたの!?
(しまった...森下先輩は変人だけど、やることには必ず何かしらの意味があるって思ってたから、つい...)
ホワイトルーム生らしからぬミスだが、これに関しては相手が悪すぎたので仕方ないと思いたい...
「言い出したのは森下先輩では?実践してたみたいだし...」
「そう恥ずかしがらなくても、海の声に耳を傾けようとしていたことは内緒にしておきますよ。」
じゃあ、録画消してよ!わざわざ、証拠を残すような真似はやめてほしいかな...
「しかし、あの病院に置いてる吸引する機械ってネブライザーって言うんですね。無駄知識が増えました。ありがとうございます。」
う~ん、無駄知識って言っちゃってる時点で正攻法に感謝している言葉じゃないのは確かだね...
「それにしても意外でした。完璧と思われた天沢一夏にまさか、こんな弱点があったとは...」
「ううっ...」
うわぁ...変人を警戒して深読みしすぎたせいで、逆に墓穴を掘る羽目になるなんて...ちょっと恥ずかしいかも...
とりあえず、1話更新したけど...今後はどうしようか?
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このまま、一夏ちゃんの小説を更新して!
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西野武子の方の小説を更新してほしい!
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五等分の花嫁の小説の更新をよろしく!
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全ては作者の気分におまかせします!