ようこそ一夏ちゃんが逆行する教室へ   作:たかきょう

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第59話.一夏ちゃんは崇拝と友情の間で苦悩します...

 

 

一夏ちゃんが春日ちゃんの異変に気づいたのは清隆先輩とのデート翌日にあゆみちゃんと徹子ちゃんも交えて四人で話した時の事だった。

 

 

なぜか、あの日の春日ちゃんは普段よりも元気がなく、清隆先輩の名前を聞くたびに怯えた態度をとっていたのだ。

 

 

まぁ、最初は単にデートを尾行していた事への罪悪感...または、私に尾行に気づかれたかもしれないというちょっとした恐怖心によるものだとばかり私は思っていた。

 

 

しかし、夏休みになっても春日ちゃんの様子は全く変わらなかった。むしろ、前よりも清隆先輩の名前を出すと怯えるようになってしまったくらいだ。

 

 

あゆみちゃんと徹子ちゃんは最初の方こそはどこか、よそよそしい態度を見せていたが夏休みになる頃にはすっかりいつも通りになっていたのにも関わらず、春日ちゃんだけがおかしかったのだ。

 

 

そうなると、【清隆先輩が栗原春日に何かをした】と予想できてしまうのは当たり前なのだ。

 

 

「俺が栗原春日に何をしようがお前には関係ないはずだろう?」

 

 

「いいから、答えてください。」

 

 

「.........」

 

 

ここにきて一夏ちゃんの表情が普段の媚びてるようなメスガキ特有のものじゃなく、私には似合わないであろう...かなり真剣な眼差しである事に清隆先輩も気づいたのか、私を無言で見つめた。

 

 

そのまま、数秒が経った時に清隆先輩はついに口を開いた。

 

 

「はぁ...そうだな。俺はある目的で栗原を脅して新たな駒にした。それだけだ...」

 

 

「脅してって...どんな目的なんですか?」

 

 

「気になるのか?」

 

 

「気になりますよ!春日ちゃんは私や翼ちゃんと違って駒として機能するか自体が怪しいんですから!」

 

 

少なくとも、春日ちゃんが私に能力面で勝る...もしくは勝らずとも匹敵するとは思えないのだ。

 

 

「悪いがお前には話すつもりはない。」

 

 

「えっ!?どうしてですか!?」

 

 

どういう事なの!?つまり、清隆先輩は私にも話せないような事を春日ちゃんに任せるつもりでいるの!?

 

 

「分からないのか?俺は誰の事も信用していない。最後に自分さえ残っていればいいという考えだからな。まさか、忘れたなんて言わないよな?」

 

 

「あっ...」

 

 

言われてみればそうだったね...清隆先輩は誰の事も駒や教科書くらいにしか見ていない。それは軽井沢先輩はもちろん、一夏ちゃんに対しても同じだ。

 

 

どうやら、私は着実に仲を深めていったとは思っていたけど、清隆先輩の根本的な思考の改善や愛情の感情開花までには程遠いようだ。

 

 

「それにさっきもいったが、俺が栗原春日に何をしようがお前には関係ないだろう?違うか?」

 

 

「それは...」

 

 

「栗原を駒にするからといって別に俺はお前をないがしろにするつもりはない...だから、安心しろ。」

 

 

私がないがしろにする事はない...つまり、清隆先輩の中で私の価値は他の駒よりかは多少は上がったのかな?

 

 

だとしたら、嬉しいんだけど...

 

 

「ちなみにですが...もしも、春日ちゃんに駒としての利用価値がなくなったとしたら...その時はどうするつもりなんですか?」

 

 

「栗原は三井や小西、七瀬と並んで同学年のお前の駒でもあるんだろ?だったら、お前の好きなように使うといい。」

 

 

あゆみちゃん、徹子ちゃん、春日ちゃん、翼ちゃんが私の駒?

 

 

まぁ、そうなんだろうね...そうだよ!友人としていつも一緒にいるんだろうけど私から見たらあの子達は所詮...

 

 

「私の大切なお友達を駒と呼ばないでいただけませんか?」

 

 

「なに...?」

 

 

私の発言に清隆先輩は表情こそ変わっていないが、少し驚いている素振りを見せた...いや、驚いていたのは清隆先輩だけではない。

 

 

(あれっ!?何で私...あんな事を?)

 

 

一夏ちゃんもまた、自分の口からそのような言葉が出てしまった事に驚きを隠せなかった。

 

 

そもそも最初にあゆみちゃん、徹子ちゃん、春日ちゃんと仲良くなったのだって私にとって利用価値のある駒になりえるかを見極めるためであって友情なんて感じてなかったはずだ。

 

 

しかし、そこから一緒に過ごす時間が増えた事により、一夏ちゃんはいつの間にか友情という感情に目覚めてしまったというのだろうか?

 

 

入学した頃の私なら清隆先輩とあゆみちゃん達のどちらかを選べと言われたら、迷う事もなく清隆先輩を選んでいただろう...それ自体は今も同じだ。

 

 

だけど、だからといってあゆみちゃん達を簡単に切り捨てられるほど、今の私は逆行前のような非情な女ではなくなってしまったらしい...

 

 

「やっぱり、同じホワイトルーム生でも俺とお前は違うようだな。俺達はお互いに違うものを()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ははっ...そうかもしれませんね...」

 

 

そんな感じに語り合ってるとプールの反対側から、あゆみちゃん達が私を呼ぶ声が聞こえた。

 

 

「あっ、呼ばれているみたいなのでこの辺りで失礼しますね。」

 

 

そう言って私があゆみちゃん達のところへ向かおうとした時だった。

 

 

「待て天沢、最後にお前に言わなければいけない事がある。」

 

 

「なんですか?」

 

 

ん?清隆先輩から私に言いたい事...それって、何かな?

 

 

「お前の水着姿...似合ってるぞ。

 

 

「ふぇっ!!?」

 

 

 

 

清隆先輩のその一言で一夏ちゃんの顔が真っ赤になり、未だかつて感じた事がないほどの羞恥心にとらわれたのは言うまでもない...

 

 

 





ストックが尽きたので次回は遅くなるかもです。

今後、一夏ちゃんとの絡みが見たいのは?

  • 最大のライバル!軽井沢恵
  • ヤンデレヒロイン...一之瀬帆波
  • 文学少女ヒロイン。椎名ひより
  • 負けヒロイン...佐藤麻耶
  • 愛すべきドラゴンボーイ。龍園翔
  • かませ犬?南雲雅
  • ある意味、ライバル?平田洋介
  • その他(コメント欄にて)
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