ようこそ一夏ちゃんが逆行する教室へ   作:たかきょう

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第7話.一夏ちゃんは裏試験に参加しま~す?

 

 

「では...生徒会長である、この俺から...詳細を話させてもらうぜ。」

 

 

そう言って、南雲会長が私達相手に話し始めた。

 

 

「今回、お前達を集めた理由...それは、特別試験を実施するためだ。」

 

 

「特別試験...ですか?」

 

 

七瀬ちゃんが疑問に思うのも分かる。入学して早々に自分達だけが、試験を受ける事になるからだもん。

 

 

「試験のルールは簡単だ。今日から、2学期までの間に2年生のとある生徒を退学させる事。それを達成できたら、報酬として2000万プライベートポイントが理事長先生によって支払われる。」

 

 

言うまでもないけど、ターゲットは清隆先輩で間違いないね。

 

 

「質問です。そのとある生徒とはいったい、誰の事なのでしょうか?」

 

 

「それは、今からクジ引きで決める。2年生157名の中から一人をな...それで、クジを引きたいやつはいるか?」

 

 

拓也の質問に答えながら、南雲会長はクジ引き用の箱を用意した。

 

 

せっかくなので、この一夏ちゃんが挑戦してみる事にしよう!

 

 

「は~い!この一夏ちゃんにクジ引きをやらせてくださ~い!」

 

 

「天沢か...まぁ、いいだろう。誰がターゲットに選ばれるかは、全てお前の運次第だ...責任は重大だぞ?」

 

 

ちなみに了承する際に南雲会長が、一瞬だけ月城理事長代理の方を見たのを私は見逃さなかった。

 

 

それはともかく、私はクジ引きの箱に手を突っ込む。中には、ちゃんと2年生の生徒157名分の名前が書かれた紙がご丁寧に157枚もある...

 

 

 

 

.........わけがないよね~‼️

 

 

 

 

(ぜ~んぶ、清隆先輩の名前が書いてあるって事ぐらい...この一夏ちゃんには、お見通しですよ~だ!)

 

 

なので、南雲会長と月城理事長代理をちょっとだけ、からかっちゃおう~!

 

 

「引きましたよ~!」

 

 

「そうか、誰の名前が書かれていたんだ?」

 

 

「2年Dクラスの...」

 

 

南雲会長と月城理事長代理...てっきり、私の口からは綾小路清隆という名前が出ると思っているよね?実際に私が引いた紙にも綾小路清隆という名前が書かれちゃってるし...

 

 

だけどね~?ここで、一夏ちゃんによる渾身の悪戯心が炸裂!

 

 

「...櫛田桔梗先輩ですね。」

 

 

「はっ!?」

 

 

「なっ...」

 

 

元の世界でも散々...いじっていた先輩の名前を出してみたら、案の定...南雲会長と月城理事長代理は、困惑を隠せていない様子だね~!

 

 

「天沢さん...すみませんが、その紙を私に見せていただけますか?」

 

 

月城理事長代理にそう言われたが、さすがに紙の中身を見られると嘘がバレちゃう...

 

 

(正直に言うしかないね~...)

 

 

できるだけ、清隆先輩にはこのタイミングでは退学のリスクを背負ってほしくなかったんだけどな~!

 

 

「あっ!間違えました~!本当は、2年Dクラスの綾小路清隆先輩ですね~!すみませ~ん!」

 

 

「そうでしたか...」

 

 

綾小路清隆...私が言ったその名前に拓也と七瀬ちゃんが、それぞれの理由で反応する。

 

 

拓也は嫉妬...七瀬ちゃんは憎悪ってところかな?

 

 

「ターゲットが決まったようだな。じゃあ、改めて説明するぜ。2年Dクラスの綾小路清隆を2学期までに退学させる事...これを達成できた者には、報酬として理事長先生から2000万プライベートポイントが支払われる。」

 

 

正式に清隆先輩がターゲットと定まったところで、南雲会長が改めて特別試験の説明をしている。

 

 

「ちなみに今回、代表が一人しか来なかった1年Bクラスと1年Cクラスだが...他に一人だけ選んで、試験に協力してもらう事が可能だ。」

 

 

う~ん、宇都宮くんは椿桜子ちゃんに話すんだろうけど...拓也は誰に話すんだろうね~?

 

 

「説明は以上になるが...最後に何か、質問があるやつはいないか?」

 

 

「南雲会長に理事長さんよォ...その、綾小路って野郎はどんな奴なんだ?たかが、ソイツの退学に2000万ポイントもの価値なんてあんのかァ~?」

 

 

...と、真っ先に宝泉くんが質問している。彼は、清隆先輩の存在と2000万プライベートポイントが釣り合っているのか、半信半疑な様子っぽい。

 

 

「ふっ、それは直接だ...綾小路清隆...本人に会って確かめてみるといい。」

 

 

「あ~!そうかよォ!」

 

 

南雲会長がすんなりと返答すると、宝泉くんは引き下がった。彼自身もその方が難しい説明を聞くよりかは、楽だと判断したのかもね...

 

 

「こんな事を聞くのもなんですが、こんな理不尽な試験...人道的に大丈夫なのでしょうか?」

 

 

代わりに質問を問いかけたのは、七瀬ちゃんだ。

 

 

「七瀬、冷静に考えろ...この学校は政府が管轄する実力主義の高校だ...このぐらいの試験は平気でおこなわれるし、もしかすると今後も増えるだろうな...」

 

 

今度は、南雲会長の代わりに石上くんが答える。

 

 

「あぁ...そう...でしたね...」

 

 

七瀬ちゃんは引き下がったけど...どこか、何かに納得していないような表情をしている。

 

 

「他に質問があるやつはいなさそうだな...よし、解散だ。お前達の健闘を祈ってるぜ。」

 

 

...そう言い残すと、南雲会長は月城理事長代理と共に生徒会室を出ていった。途端に生徒会室は静粛に包まれる。

 

 

 

 

あとに残されたのは...突然の特別試験の発表に対して、それぞれが異なる気持ちを秘めている私、一夏ちゃんをはじめとする選ばれし?新入生達だけだった...

 

 

 

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