ドラえもん のび太の魔法科高校の劣等生   作:むぅち

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どうしたの皆?(一高組お口あんぐり)

 

「それじゃあ、深雪さんのミラージ・バット優勝、そして一高の総合優勝を祝して、乾杯!!」

 

 

『乾杯!!』

 

 

 ホテルの一高会議室、現在そこでは深雪のミラージ・バットと総合優勝決定のお祝いパーティーを開いていた。

 少し早いと思われるが深雪が優勝した事で一高の優勝はほぼ決定的とも言え、明日行われるモノリス・コード本戦では一高の主力たる十文字達が優勝はほぼ確定と言われている。

 

 

「九校戦は明日で終わりか・・・・」

 

「なんかあっという間だったね」

 

「あんな出来事があったのにな。来年こそは最後まで出場してやる」

 

「ははっ、そうだね。あっ、そう言えば深雪ちゃん。達也くんは?」

 

「っ、もうお休みになられたわ。『流石に疲れた』って」

 

 

 それもそうかとのび太は納得、達也の活躍は新人戦が始まってからずっとだった。しかもイレギュラーとはいえ選手としても出場、休憩無しでそのままミラージ・バットのスタッフとして作業にも入っているのだから流石の彼でも疲れが出てしまったのだろうと思った。

 

 

 

 

 

 そんな心配をされている本人は現在、ホテルの地下駐車場のある車の中に居た。車内には黒づくめの格好をした達也とカウンセラーの遥がおり、タブレットでやり取りをしている。

 何故このような事をしているか、実は昨日のモノリス・コードの決勝前まで遡る。元々遥には決勝戦で使ったあのマントの運搬をしてもらっていたのだが、そのついでに今回九校戦で起きた事件の黒幕について探って貰っていて今はその情報の提供と報酬の支払いをしているところだった。

 

「これが頼まれていた情報よ」

 

「ありがとうございます。構成員のデータもあるなら頂きたいのですが」

 

「・・・・・はい、これで全部よ」

 

「確かに、ではこれを」

 

「っ!!」

 

 

 遥はタブレットを見て驚いた。それはただの高校生がぽんと出せるような金額ではなかったからだ。しかもこの金はただの金ではなく税務申告が必要ない金でもあった為彼女の中にあった達也に対する不信感は益々深まっていった。が、彼女もその道のプロ、依頼者への詮索は御法度である事も承知している。その為か、それ以上の詮索はしなかった。

 報酬を確認し、車を降りる達也に問いただした。これはその道のプロとしてではなくカウンセラー小野遥として

 

 

「保険のよね?」

 

「・・・・・えぇ、保険です」

 

 

 短い答えが遥の耳に届いた時にはもう、達也は背中を向けていた。

 

 

 

 遥の運転する電動クーペがゲートの向こうへ消えたのを見届けて、別の車へ歩み寄った。窓を叩くまでもなく、助手席の扉が開く。運転席には遥と同年代の女性が座っていた。

 

 

「今の女性は?」

 

「公安のオペレーターです。本人はカウンセラーが本職だと言い張っていますが・・・・・」

 

「パートタイムオペレーターって訳ね」

 

「能力的には問題ないと思いますよ。すれたプロより駆け出しのセミプロの方が守秘義務をマニュアル通りに守ってくれますので、内職を頼む時も安心です。まぁ・・・・本当は副業を受けることそのものが職業倫理に反しているんですが、そこは地獄の沙汰も──というヤツですね」

 

 

 黒いセリフを嘯いた達也に藤林は目を細めた。その瞳は冷たく醒めたままで。

 そんな視線を感じながらもグローブボックスからデータケーブルを取り出し助手席前のパネルを操作し、有線接続で遥から手に入れた地図データをナビゲーション・システムへ転送した。

 

 

「・・・・私もバイト代を貰おうかしら」

 

「時間外手当を請求するべきだと思います」

 

「ウチは労働基準法適用対象外なのよ」

 

 

 フレックスが勤務形態の主流になった現代でもしぶとく生き残っている法令をねたにした、ステレオタイプのコントを作り笑いも浮かべず達也と交わして藤林はパームレストタイプの片手操作コントローラーを前に倒した。

 現在最も普及している大衆電動車は、カタログに載っていない静粛性を発揮して闇に紛れた。

 

 

 それから数十分後、2人が乗る電動車はハイウェイを東進し、真夜中になる前に横浜市内へと入った。

 すると反対車線から走ってくる赤いミニクーパーが目に入る。しかし場所が場所なだけあって夜の暗闇と街中のネオンも相まって車の中までは良く見えなかったが何となく気になっていた達也。すると電動車に搭載された通信機が鳴った。

 

 

『すまない二人とも、すぐに戻ってくれ』

 

 

 通話の相手は2人の上司である風間玄信からだった。何やら焦った様子で連絡をしてきており2人も何事かと思い直ぐに電動車を路肩に止めた。

 

 

「どうしたんですか風間少佐?」

 

『それがな、無頭竜のメンバー全員が警察に逮捕されたんだ』

 

「それは・・・・随分急ですね。もしかしてずっと捜査されていたんですか?」

 

『いや、そうでは無いらしい。本庁の刑事からの要請があったようだ』

 

 

 ─────警視庁の、刑事・・・・?

 

 

 そう聞いた時、達也は九校戦の会場で出会った女性刑事の顔が思い浮かんだ。

 

 

『警察が奴らを逮捕したのなら我々の出番は無い。すぐに戻って来てくれ』

 

「了解しました」

 

 

 藤林は通信を切り電動車を切り返して元来た道を戻って行った。

 

 

 

 

 数時間前

 

 

「まさかジェネレーターがやられるとは・・・・」

 

「それも魔法師でもない人間にだ」

 

「一般人では無いようだが、それでもPCP(エンジェル・ダスト)まで使用したジェネレーターがやられたなんて・・・・」

 

 

 横浜中華街のホテル、最上階では無頭竜の面々が夜逃げの用意をしながら自分達が用意したジェネレーターについての話を行っていた。彼等もまさかジェネレーターがやられるとは露ほども思っておらず、さらにそこへ国防陸軍の人間まで関わってきたのならそこからは最悪の展開が待ち受けてしまう。そうなる前に自分達だけでも逃げなければならない、そう考えながら怯えていると今回の出来事の犯人、ジェネレーターを始末した人間について考え出してしまった。

 

 

「一体何者だったんだ?」

 

「分からん。女三人に男2人片方はいかにもな格好だったが・・・・」

 

 

 パシュッ!バタン・・・・

 

 

 小太り気味の男がそういった瞬間、円の形の窓側に立っていたジェネレーターの額から血しぶきがあがりばたりと倒れた。

 何が起きたのか分からなかった一同、すると今度はこの部屋の電話が鳴り響く。戸惑いながらも近くにいた男が電話に出る、すると

 

 

『よう、無頭竜の諸君』

 

「だ、誰だ貴様!?」

 

『俺か?俺は冴羽獠』

 

「冴羽獠・・・・・っ!『シティーハンター』か!!」

 

「「「「っ!!」」」」

 

 

 シティーハンター、この名を聞いた瞬間一同の顔色は一気に青くなった。この名は獠の裏社会での通り名である。暗殺者や傭兵といったその道のプロでさえ「シティーハンターの冴羽獠」が絡んできたと知れば警戒を露にするのだ。

 

 

「な、何故お前のような一流スイーパーが・・・・・だ、誰かに我々の暗殺依頼をされたのか!?」

 

『これから暗殺するのに直接電話をかける奴なんかいる訳ないだろ。これはただの報復だ』

 

「ほ、報復だと?」

 

『そうだ、他の奴らに手を出したならまだ見過ごしてやっても良かったんだか・・・・・お前達は手を出してはいけないやつに手を出した。俺の弟子っていうな』

 

「なんだと・・・・?!」

 

「まさか、たかが学生の大会にシティーハンターの弟子が紛れ込んでいただと?!」

 

 

 冴羽獠の弟子ともなればそれだけでもかなり情報が絞られる。自分達が関わった中で腕前が分かる競技はモノリス・コードだけ、それも予選第2試合の一高と四高の試合、そしてその中で飛び抜けて実力があった生徒は1人だけ。

 

 

「・・・・・っ、野比のび太か?!」

 

『よく分かったな。これで心残りは無くなったな』

 

「っ、ま、待ってくれ!我々はこれ以上九校戦には手出しはしない!勿論彼にも!」

 

『おいおい、寝ぼけているのか、九校戦は明日で終わりだぜ?』

 

「そ、それだけじゃない、我々無頭竜は日本から手を引く!!」

 

『は?んなんもん知ら、いや、お前にそんな権限があるのか?』

 

「あぁ、私はボスの側近だ!ボスも私の言葉は無視出来ない!」

 

 

 驚いた事に通話をしている相手は組織の中でもかなり上の人間らしくその立場でもって交渉をして来たのだ。

 

 

 

 

 同時刻

 

 

 獠は無頭竜のアジトがある中華街を一望できる横浜ベイタワーの屋上にてスナイパーライフルを構えながら通話をしていた。そしてその傍には冴子もいる。

 先程獠がその側近の男に聞いた質問も冴子の指示でしたのもでもあった。

 

 

(これは、思ったより大物が出てきたわね)

 

 

「んで、どうすんだよ冴子?」

 

「まだ聞きたいことがあるの、次はこう聞いて」

 

 

 

 

 

 

 

 ホテル最上階

 

 

『お前がそれだけの影響力があるのなら、ボスの顔を見た事があるんだな?』

 

「勿論、私は拝謁を許されている・・・・」

 

「ボスの名はなんて言うんだ?」

 

「ッ・・・・・」

 

 

 パシュッ!パシュッ!

 

 

 獠がボスの名を聞いた瞬間口を紡いだ。それ程までに忠誠心があるのか、それとも別の何かがあるのか、しかしそんな事は関係なく。反応がないと見るやいなや、男の上着のボタンが1つ、また1つと飛ばされた。

 獠のいるビルから男達のいるホテルは1200m程離れているがまるで距離なんて関係ないように部屋の男達のボタンを飛ばしたりベルトのバックルを壊したりする。

 

 

『早くしねぇと、今度は風穴開けるぜ?さて、次は誰にしようか・・・・』

 

「ま、待ってくれ!」

 

『答える気になったか?』

 

「・・・・・ボスの名は、『リチャード=(スン)』だ」

 

『表の名前は?』

 

「・・・・・孫公明(そんこうめい)

 

 

 何故、わざわざ表の名と聞いたのか。それはこの組織のみならず現代社会では企業経営層がプライバシー保護の観点から本名とは別のビジネスネームを使用するのが一般的になっていて本名だけでは特定が難しい為だ。

 

 

『どうやらお前は本物の側近みたいだな。いいだろう、お前達を助けてやろう』

 

「ほ、本当か?!」

 

『あぁ、ただし』

 

 

 うぅ〜ーー!!

 

 

 外からパトカーのサイレンが突如鳴り響いた。

 

 

「なっ、どういう事だ!?」

 

『おいおい俺からの優しさだぜ?お前のやった事は組織、ボスへの裏切りだ。そんな事した奴らの末路は決まってる。だから俺がより安全な場所へと移してやろうってんだ。命があるだけありがたいと思うんだな』プツン

 

 

 

 

 

 屋上

 

 

「これでいいのか?」

 

「えぇ、ごめんなさいね。無理言って」

 

「・・・・・! 本当だ。お陰で俺の怒りの行き場所がない・・・・」

 

 

 先程まで緊張が何故か無くなっていて、獠はプルプルと震えながら冴子にジリジリと寄っていく。

 

 

「り、獠・・・・?」

 

「だ・か・ら〜冴子ちゃーん!もっこりいっぱーつ!」ぴょーん!

 

 

 

「変な言い訳して何やろうとしてんだぁぁぁぁ!!」100tハンマー投擲!

 

 

 

「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

 

 

 お約束☆

 

 

 

 

 それから数時間後のホテルの外

 

 

「久々に空飛ぶの楽しいわね〜」

 

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

 

 昼に聞いていた事の回答をするために外にでた一同、そしてドラえもん、のび太、エリカ、静香、スネ夫、ジャイアンは秘密道具『タケコプター』にて空を自由に飛んでいる。

 そしてそんな光景に驚きを隠せない一高組は口をあんぐりさせていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、九校戦編ラスト!

そしてその後はオリジナルの話を入れつつ夏休み編

内容としては

『のび太、宿題を片付ける』

『衝撃の再開と思考放棄』






そして・・・・・











ドラえもん映画編!!





内容は、あれです!
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