2061年 とあるパーティー会場
この日、ある家のパーティーがあった。そしてその会場には『四葉家』と言う家に生まれた双子の姉妹『四葉深夜』と『四葉真夜』が居た。
2人は美しく装飾されたドレスに身を包み注目を浴びていて2人もその事が分かっているのか周りに愛想良く手を振ったりしながら立ち振る舞っている。
2人は一瞬目を合わせると姉の深夜が父親に近づき
「お父様、何やら真夜の体調が優れないようで、どこかでお休みさせていただけませんか?」
「分かった。直ぐに別の部屋を用意しよう」
そう言い近くにいた配給係に声をかけ2人を案内させた。
別の部屋に入り少しすると2人は椅子に座りこみ
「はぁ、やっと抜けられた・・・・」
「ほんと、面倒くさいわよね〜こういうの」
先程までの雰囲気とは打って変わって疲れきった様な感じでだらけ始めた。これが2人の本来の姿であり家の中でも殆どそんな姿を見せなず、2人きりの時にのみこのような感じになってしまうのだった。
「パーティーが終わるまでここにいる?」
「でもいいけど、何もやることないわよ?」
「そうね〜何か面白そうな事でも起きないかしら」
ジジジ
「? 今なにか聞こえなかった姉さん?」
「何も聞こえなかったけど、どうしたの?」
「今、壁の方からジジジって、っ!!!」
真夜が何か変な音が聞こえたと深夜に伝えようとした瞬間、その場所に大きな黒い穴が広がり空気を吸い込み出した!深夜は近くの柱に掴まるが椅子に座っていた真夜は掴まるものがなくそのまま穴に吸い込まれそうになる。
「真夜!!」
が、間一髪のところで深夜が真夜の腕を掴んだ。
「な、何なのあれ!?」
「よく分からないけど!吸い込まれたら、大変なことになりそう!!」
穴は今も尚周りの物を吸い込み続けていき、なんとか体全体で踏ん張っているが次第に体の力が抜けていき真夜共々穴に吸い込まれていった。
穴の中は台風のように暴風と雷が鳴り響きグルグルと回っていた。2人は離れないように身を寄せ合う。
「ね、姉さん・・・・!」
「真夜!」
2人は抱きしめ合いながら穴の奥へ落ちていく、が、2人はその先に光がある事に気づいておらず、真っ直ぐその光の元へ向かっていったのだった。
2090年 某日
「2人とも早く早く〜!」
「待ってよー!」
この日、のび太は虫取り網と籠を持ってドラえもんとその妹のドラミとともに裏山へやって来ていた。
何故そんな事しているのか、話は昨日まで遡る。
のび太はスネ夫宅に招待されると大きくて立派なカブトムシやクワガタムシ、ヘラクレスオオカブトなんかを見せつけられ煽りに煽られ、ドラえもんにこの事を話した。ならカブトムシを捕まえに行こうという事になり、夜中に家を出て裏山にある木に虫が好む蜜を塗り、一晩待ち蜜に集まっているであろう虫を捕まえに来たのだ。
「どの辺に仕掛けたの?」
「もうそろそろ着くはずなんだけど・・・・」
「あったよ!」
目的の木を見つけ走り出すのび太。すると
ゴゴゴゴゴッ!!!
「えっ、な、なになに?!」
「こ、これは!」
「お兄ちゃん!これって!」
「何なのこれぇぇぇ?!」
「これは『時空乱流』だ!」
突然のび太達の頭上に黒い穴が開き、立てないほどでは無いが突風が吹き荒れ雷が鳴り響く。
少しすると徐々に弱まっていき穴も塞がっていった。が、穴が完全に閉じ切る寸前何かが落ちて来るのが見えた。
「ドラえもん!何か落ちてきたよ!」
「うーん・・・・あれ?」
『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!』
ドラえもんが目を凝らしてみると2人の女の子が抱きしめ合いながら落ちてくるのが見えた。
「ひ、人だ!」
「えぇ!?た、大変だ!このままじゃあ!!」
「あわわわわ!えっとあれでもないこれでもない〜・・・・!あった!
『ふかふかスプレー』!!」プシュー
ドラえもんはふかふかスプレーを周りに吹きかけた。そして叫びとともに地面に落ちてきた2人の少女は道具でふかふかになった地面に包まれトランポリンのように跳ねる。
「え?え?」ポヨン
「何、どうなってるの?!」ポヨン
「大丈夫?!」
「怪我とかしてない?」
「えっ、あの、はい・・・・」
「大丈夫、ですわ・・・・」
「良かった〜」
「あの、皆さん?は一体・・・・」
「僕、野比のび太!」
「僕ドラえもんです」
「その妹のドラミです!」
「えっと、四葉深夜と申します」
「四葉真夜です・・・・」
こうして本来出会うはずのなかった者たちが出会ったのだ。
のび太達は虫取りを中止し、姉妹と共に自宅へ戻り情報を整理する為に2人に話を聞く。
「じゃあ、2人はアレに吸い込まれてここまで来ちゃったんだね?」
「「はい」」
「ねぇドラえもん、さっきのアレなんだったの?」
「アレは時空乱流っていう現象でね、時の流れの中に出来る落とし穴なんだけど、たまにその穴に人が飲み込まれる事があるんだ」
「飲み込まれると、どうなっちゃうの?」
「今の住んでる世界から消えちゃうんだ。日本でも『神隠し』なんて呼ばれたりして世界中にもそんな話が残っているんだ。近い年代だと1937年12月当時の中国の長江で3000人の兵隊が一変に消えたらしい」
「あの、その人達はどうなっちゃったんでしょうか?」
「分からない、永久に亜空間を漂うか運が良ければどこかの出口に出られることがあるらしい」
その話を聞いた2人は身震いをしながら“私達、ものすごくラッキーだったんですね"と続けた。
「でもラッキーはまだ続いてるよ、ね!ドラえもん?」
「うん。2人とも、自分達がいた年代は分かる?時間も分かるといいんだけど」
「えっと、2061年の〇月〇日の、確か20時くらいだったはず」
「あの、そんなことを聞いてどうするのでしょうか?」
「僕達が2人を元の時代に返してあげるよ」
「えぇ!?」
「そ、そのようなこと、出来るのですか!?」
2人は驚きのあまりひっくり返ってしまった。それはそうだ、ただでさえ時空間を超えてきてしまったと言う事実にさえ理解が追いつかないのに元の時代に返すとまで言われれば誰でも驚いてしまう。
「じゃあ早速行こうか」
そう言いドラえもんは勉強机の引き出しを開いた瞬間、何かが飛び出してきた。
「うわっ!?た、タイムボール?」
『警告、警告、現在時空間に大規模な時空乱流が発生しているため、渡航制限が掛けられています』
「うっそぉ!?」
「これは・・・・」
「つまり私達・・・・」
「・・・・・・そのー・・・・・」
「「帰れないってことですかぁぁぁぁぁぁ?!」」
「そう、みたい・・・・」
ドラえもんは申し訳なさそうにそう言う。
「私達、これからどうすれば・・・・」
「と、取り敢えずママには話をしておくから嵐が治まるまで家に居ればいいよ!」
「・・・・よろしいのですか?」
「ちょっと待ってて!」
のび太は急いでたま子に話をするとたま子は「任せなさい」と言って滞在の許可が降り、2人は野比家にお世話になることになったのだ。
そしてこの野比家での生活が2人の今後の人生の考え方や価値観などを変えていくことになる。
野比家でお世話になる身の為、何かをした方がいいのではないかと考えた2人はたま子の手伝いをする事になったのだが、今まで周りの人間がやっていたことを自分達でやるのだがそんな事一度もやったことない為最初は何をどうすればいいのか分からず、掃除機の付け方や洗濯機の回し方、雑巾がけや草むしりなどをたま子から教わった。元々の物覚えがいい方なのか2人はすぐに出来るようになり
「おば様、洗濯物干終わりましたわ」
「お帰りなさいおじ様、お荷物お預かりしますわ」
僅か5日でこうなり
「2人とも、おやつよー」
「これは、ドラちゃんとドラミちゃんが食べてるやつ、ですわね?」パクっ
「美味しいのかしら」パクっ
「「〜〜ッ✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。」」
どら焼きとメロンパンを好んで食べるようにもなったり。
「パクパク!んぐっ」
「ほらほら落ち着いて食べなさいのび太」
「あはは、ごめんごめん」
『あははははは』
食事はいつも無駄に長いテーブルで姉妹2人、時々親と静かに、マナーを気にしながらする冷たい食事だったが。高級な料理なんてない、マナーも最低限で常に笑い声があがる明るく暖かい食事をしたり。
「俺、剛田武!」
「僕、骨川スネ夫!」
「源静香よ!」
「私、千葉エリカ!」
「「「「よろしくね!」」」」
「では、2人との出会いを祝して俺様のウェルカムソングを」
「「「えっ!!?」」」
「すぅぅぅ・・・・・
─────『無声』─────」
「・・・・なんでここだけ無声なんだ?」
「えっと、諸事情により?」
「どうして疑問形?」
突然音が消えた事に疑問を持つ達也と深雪、すると深夜が2人の後ろから肩を掴んで遠い目をしながら
「深雪、達也、世の中にはね・・・・知らない方が幸せなこともあるのよ」ハイライトオフ
そんな母の顔を見てこれ以上は踏み込んでいけないなと思う2人なのだった。
そして2週間がすぎる頃には2人は年相応の行動を取るようになって行く。深夜は静香と女の子らしい遊びをしたりしていた。が真夜はお転婆だったらしく女の子らしい遊びよりも体を動かす方が好きだったようでジャイアン達と混ざって野球をしたりして遊んでいた。
「なぁ、これからみんなで遊ばねぇか?」
「いいね、じゃあ深夜ちゃんと真夜ちゃんも呼ぼうか!」
「そうだね、んーとーテッテレー『どこでもドア』〜」
ドラえもんがどこでもドアを取り出しのび太がドアノブに手をかけドアを開くと
ジャー
「「えっ?」」
「「「「・・・・・」」」」
「「きゃぁぁぁぁ!エッチぃぃ!!」」ザバァン!!
なんてこともあったりした。
それからしばらく経つと嵐が弱まってきたのかドラミは先に未来に帰る事になりそれは2人が元の時代に帰れることも意味していたのだが
「ドラちゃん、お願い・・・・もう少しだけここにいさせて欲しいの」
ここに来て初めて真夜がわがままを言ったのだ。ここで帰ればまた元の生活に戻る事を理解していたからだろう、そしてドラえもんは
「確かに弱まったとはいえまだ続いてるわけだし、もうしばらく様子を見よっか」
2人の滞在期間が延長される事になった。
「ドラちゃん、ここまででいいわ」
「えっ、でも
真夜が映像を見せるのをストップさせた。
「その話はいずれ、時期が来たらまたお願いするわね」
「・・・・わかった。じゃあここまでで」
「2人とも、これで分かったかしら、私達の出会いが」
「そうですね、2人がのび太達を気にかけた理由が分かりました。ですがあの話とは?」
「言ったでしょ?それは時期が来てから話すわ」
「・・・・分かりました」
これ以上は聞いても無駄だと判断した達也はあっさり引き下がった。その後時間もたっていた為夕食を頂くことになったのび太達、今まで感じたことがない程明るい食事に戸惑いながらも夕食を終えた。
「じゃあ帰るね」
「えぇ、2人とも今日はありがとうね」
「ううん、僕達も2人に再会できて嬉しかった。また遊ぼうね」
「えぇ、またね」
「達也君達も送っていくよ」
「・・・・・ちなみに聞くが、どうやってだ?」
「これだよ、テッテレー『どこでもドア』〜」
ドラえもんはポケットからどこでもドアを取り出しその場に置いた。
「これを開けばどこでも行きたいところに行ける」
「さっき見たやつか ガチャリ」
達也がドアを開けるとその先は東京にある自宅前だった。
「本当にどこでも行けるんだな・・・・じゃあ俺達は先に失礼します」
達也と深雪がドアを通りドアを閉めた。すると真夜が
「あっ、そうだ2人ともちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「どうしたの?」
「来週2、3日予定空いてるかしら?」
「えっ、うん、特に何かする予定は無いけど・・・・」
「なら他の皆を誘ってキャンプでもしない?久しぶりに会いたいの」
「いいねそれ!」
「じゃあ帰ったら皆に聞いてみるよ!」
「ありがとう」
「じゃあ、またね〜!」
そう言ってのび太達はドアを通るとドアは消えていった。
のび太達が帰った後、2人は静かになった書斎のソファーに座って紅茶を飲んでいた。
「なんでこうも時間が経つのが早いのかしら」
「しょうがないわよ。でもあの話、いつするつもり?」
「そうね、再来年の迎春会くらいには話をしましょうか」
真夜はそう言うと書斎の引き出しからある写真を取り出した。
そこにはのび太達と姉妹の2人そしてそれに囲まれるように真ん中に青いヘルメット?を被ったヒヨコの様なぬいぐるみ?が映っていたのだ。
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さて、夏休み編はここまで、次は・・・・・
ドラえもん映画編!
タイトルはこれでいいのか分からんが・・・・そう!
「ドラえもん のび太と新海底鬼岩城」
と言った所でしょうか色々話を変えて見るので楽しみにしててください。