「一体何をどうしたらあんな連中を逃がすのよぉぉぉぉ!!?」
「おおおお、落ち着いて!」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
エリカはジローの襟首を掴み前後に激しく揺らして怒りを顕にする。
「エリカ、話が進まんから一旦この場は落ち着け」
そう達也に諌められるエリカはぐぬぬと言いながらもジローから手を離した。
ようやく落ち着いたのを確認したのび太は再度ジローに尋ねる。
「一体、何があったんですか?」
「・・・・・事の始まりは地球時間で約半年前遡る。その日宇宙刑務所では数年に1度の大規模なメンテナンスが行われていたんだ。それもセキュリティシステムの部分をね、メンテナンスをする際に一瞬、10秒ほどセキュリティを解除する瞬間があったんだが、その10秒の間に事件は起きた。予知システムが観測していない小惑星が
「不思議だ、その予知システムとやらの精度がどれくらいのものか知らないが地球以上の科学力を持っていながら小惑星を処理出来なかったなんて」
「勿論小惑星自体は接近してきた時に破壊した。だがその破片が隕石群となって宇宙刑務所に当たってしまったんだよ・・・・・」
宇宙の科学をもってしてもそんな事が起こり得るのかと達也は内心ガッカリしていた。
「それだけの被害があったなら受刑者の殆ど死んでしまったのでは?」
「あぁ、全体の30%がやられた。しかもその数値には我々の犠牲者もく踏まれている」
受刑者と警官の両方に被害が出ている、この言葉がこの場にいる全員を沈めるには十分な数字だ。
「その隙を付いて多くの受刑者が脱走した」
「待て、その、ガルタイト鉱業ってだけじゃなかったのか?」
「大半は直ぐに応援が駆け付けて直ぐに捉えることができたんだ。だがガルタイト鉱業の連中だけは捉えることができなかった・・・・・犯罪者を称賛する訳じゃないが奴らの中に切れ者がいるようだ」
「それで、そもそもなんで地球に居るって分かったんだ?」
「いや、捜査しているのは地球だけではないんだ。『コーヤ・コーヤ星』かつて彼らが狙っていたその星にも捜査員が派遣されている」
「何故地球とコーヤ・コーヤ星の2つの星に限定した?宇宙は広い。俺達のいるこの宇宙、おとめ座銀河団だけでも数え切れないほどの星があると言うのに」
達也はずっと疑問に思っていたことを話した。ガルタイト鉱業の人間がどんな事を考えていてもこの広い宇宙の中たった2つの星だけに限定するのに理由が思い当たらないからだ。
「実は、この太陽系とコーヤ・コーヤ星の銀河で“不審船"が発見された。その船からガルタイト鉱業の連中が扱っていた事が分かり我々銀河連邦警察は2つの結論に至った。1つは『再びコーヤ・コーヤ星を狙う可能性』と『自分達を捕まえた者達への復讐』つまり、野比のび太君、千葉エリカ君、ドラえもん君への復讐の可能性があると考え我々は判断したんだ」
「あ、あの!」
ジローの言葉に被さるようにのび太が話しをする。
「も、もしかして、地球でもコーヤ・コーヤ星の時みたいな『コア破壊装置』なんてものがあったりするんですか!?」
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
エリカを除く全員が驚いた。それもそうだ小学生が考えた様なネーミングだが今の状況を観るとその単語から連想される物がどれだけ恐ろしい物なのか容易に想像できたからだ。しかしのび太の質問に対してジローはにっこり笑いながら答えた。
「それは安心して欲しい。こんな短期間で地球規模の惑星を破壊するほどの爆弾なんて用意できないから」
「よ、良かった・・・・」
「しかし、彼らがこの星にいる可能性があるって事も頭に入れて置いて欲しい」
ジローは全てを話し終えたのかカップに入っていたコーヒーを飲み干し席を立つ。
「私はまだ調査を続けなければならないのでね。この辺で失礼するよ」
「その前に最後に1ついいでしょうか?」
「何かね」
「その宇宙犯罪者は現地の警察組織とは協力しないのか?その方が確実だと思うんだが」
「・・・・君達は慣れているようだけど、一応私達は君達から見れば宇宙人なんだよ。君達地球人は現在宇宙人との交流しているなんて話聞くかね?」
「まぁ、都市伝説程度だけど耳にはした事は・・・・・」
「そう、それが答えさ。それにね本来私がこうして君達と関わること自体も色々問題があるんだよ。『銀河連邦憲章』では銀河連邦に加盟していない惑星国家には本来我々から歩み寄る事を禁止しているんだ」
「またよく分かんねぇのが出てきたな・・・・」
「銀河連邦に加盟するための条件は?」
「一番明確なのは“その星の生命体が星間飛行が出来ること"かな後はまちまちって感じで」
「んな適当な・・・・・」
「どんな星でどの様な進化を辿るかは誰も予想できないからね。それじゃあ今度こそ仕事に戻らせてもらうよ」
ジローは席にコーヒーの代金を置いて席を立とうとした。すると何かを思い出したようにのび太に向いた。
「そうだそうだ。もし、何かあったら“コレ"に連絡してくれ」
ジローはのび太に通信機のようなものを手渡した。
「それと、これは私の個人的な忠告だ。学校の中だからって必ずしも安全という訳では無いからね」
「知ってる。それで散々な目に遭ってきたんだもの」
「そうだったね。それでは ポチッ」
ジローは何かのスイッチを押すとその姿を消した。恐らく瞬間移動装置か何かだったのだろう。
そして残された全員、特にのび太とエリカが眉をひそめていた。
「どうしよう・・・・」
「どうするも何も、また返り討ちにしてやればいいじゃない!」
「でも、今の僕達あの時のスーパーパワー無いんだよ?」
「その代わりに魔法があるじゃない」
「それは、そうだけど・・・・・」
「それに、この話、私達だけの話じゃないでしょ?ジャイアンやスネ夫、静香だってもしかしたら標的にされる。アイツらの手口をよく知ってるのは私達だけでしょ?」
「やるしか、ないのか・・・・」
「そうよ」
二人の間に重い空気が漂う。そんな2人を第三者として見ている他のメンバーだった。
「これからどうしようか、学校休む?」
「休んでどうにかなると思ってんの?」
「だよね。取り敢えずドラえもんには連絡しとかないと」
「ジャイアン達は・・・・・どうしよっか?」
のび太とエリカは二人で話を進めていく、するとレオが
「なぁ、一応聞くけどよ・・・・・それって、俺達も巻き込まれたりするのか?」
「「・・・・・・(-ω-´ )」」
「目を逸らすな!」
「・・・・・・レオ、アイツら見境無いから、今回の話がなかったとしてもあんた達ももしかしたら襲われる可能性も無きにしも非ずよ」
「マジか・・・・」
傍迷惑な、と思いながらも今に始まったことではないと諦めこれからの事を考える。
「とにかく、これからはなるべく複数人で行動した方が良さそうだ」
「私はほのかといつもいるから」
「俺は1人でも構わないぜ。魔法でなんでも防げるし」
「レオ君、そうじゃないんだ。アイツら奇襲を仕掛けてくるとかそういうのじゃなくて・・・・・」
「身の回り全部から何かしら起こる。例えば水道水、アイツら前にコーヤ・コーヤ星の川に毒をまいて植物をからして動物を弱らせるなんてこともやってきたから」
「・・・・・マジか」
「そんな所まで・・・・・」
「余程、念入りな注意が必要みたいだな・・・・」
その日の夜
「えっと・・・・・あった。これだ」
ドラえもんは宇宙完全大百科端末でのび太から聞いた話のことについて調べた。そこには宇宙新聞の記事が載っていて見出しに『不慮の事故?!宇宙刑務所の破壊!!』と書かれていた。
「ほら、言っただろ?」
「うん。しかもよりにもよってガルタイト鉱業が脱獄するなんて・・・・」
「一応皆にも注意するようには言ったけど」
「僕も注意はするけど、まさか論文コンペ目前でこんなことになるなんて」
「・・・・ねぇ、ドラえもん。ないとは思うんだけど、さ・・・・今回の論文コンペとガルタイト鉱業の事、繋がりなんてないよね?」
「まさか、そんなわけないだろ!」
「だよね〜・・・・・」
そう言いのび太は寝る準備をした。