復讐少女は拒絶する。   作:3m6ry0

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長くなりそうなのでキリがいいとこで。


戦闘訓練(1)

「わぁ…めっちゃ食べるんだね…?!」

 

1人で昼食を取っていると、服が浮かんでいて、声がする。

 

雄英高校は午前に通常の科目、午後にヒーロー科特有の特殊科目がある。恙無く午前を終わらせ、今は昼食の時間。毎日学校に行くのに弁当を作るよりも、ランチラッシュという料理専門…?なのかは分からないが料理を作るプロヒーローがいるのでそちらを頼ることにした。

 

ヒミコのご飯がいちばん美味しいのだが、わざわざ毎日作ってもらう訳にも行かない。それに5〜6人分の食事を取らなければ授業中に寝ることになる。もしくはヒミコを呼び出すことになる。

 

「君は…あーっと…」

「あ、ごめん、葉隠透だよ!透って呼んでね!」

「そっか、透。私は…」

「守衛葵さんだよね、名前で呼んでもいい?」

「いいよ。好きに呼んで。」

 

快活そうな彼女は身振り手振りが大きい。透明になるという個性が故の努力のあらわれなのだろう。

 

「じゃあ葵ちゃんだね!それで、めっちゃ食べるんだね…」

「戻るんだ…まあいいけど…個性のデメリットで3大欲求がめっちゃ強くなるんだよ。自分で分配は出来るんだけどね。」

「えーっと、3大欲求ってたしか…食欲、睡眠欲…せ、性欲…///」

 

指折り数えるのは良いが、そんな風に照れられても困る。

 

「期待してるとこ悪いけど、私恋人居るからね?」

「ふぇ…?!//期待なんかしてないよぅ!葵ちゃんのえっち!」

 

不服である。

 

「ま、まぁいいや、驚いたけど…一緒に食べてもいい?」

「いいよ、机を独占しちゃうから1人で食べてただけだから。」

 

席を譲ると嬉しそうに透はランチラッシュのプレートを食べ始めた。他愛も無い話、個性把握テストでは凄かったとか、プレゼントマイクの英語の授業は普通すぎるとか、それでも難しかったとか、そういう話をしていればあっという間に午後、お待ちかねのヒーロー的な授業が始まる。

 

 

 

 

 

「わーたーしーが…」

 

地鳴りがする様な声。普通ならばその声だけで安心し、全てを任せてもいいと思うのだろう。この個性飽和社会を守ってきたNo.1ヒーロー。

 

「普通にドアから来た!!!」

 

慎ましくドアから普通に入ってきた。期待感を返して欲しい。

 

とは言ってもクラスメイトからの評価は上々。まあ、1番テレビで見てきたヒーローが教員をやってるのをまじかで見るのは、これが最初で最後だろう。

 

ヒーロー基礎学。それはヒーローの素地を作るためのありとあらゆる訓練。オールマイト曰く単位数も最も多いらしい。

 

そんな大切な授業の記念すべき一発目。力を貯め、懐からbattleと書かれたカードを取り出しこちらへ突き出したオールマイト。

 

「早速だが今日はこれ!戦闘訓練だ!!」

 

手を広げ続ける。

 

「そして!そいつに伴って…こちら!」

 

指の指し示す先には、白い壁。薄ら線が入ったと思えば迫り出してくるそこには、人数分のケースが埋め込まれていた。

 

「入学前に提出してもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた…戦闘服!!!」

 

ヒーローを象徴する何個かのそれのうち、最も大きい割合は視覚情報である。数値では測れないビジュアルというのはやはり大切で、ヒーローがヒーローとして存在するための証明に近い。

 

自分の出席番号の書いた戦闘服のケースを引っ掴む。ヒミコが考えてくれた、ヴィランとしての自分の、最高で最愛のライバルに、ヒミコの私に最も相応しい服。

 

あぁ、それを着れるなんて、そんなの幸せだ。

 

頬が緩む、マスクのおかげで誰にも気付かれちゃ居ない。さぁ…拒絶させてくれ…君の愛以外の全てを。

 

 

 

 

 

 

グラウンドβに集合する面々。男子も女子も集まりあとは緑谷出久1人となった。どうにも他面々の視線が刺さる。

 

「ていうか葵ちゃん…」

「「「えっっっろ?!」」」

「失礼すぎるだろ。ほら男子は別のとこ向きなー!」

 

紫色の子が男子に手で追い払う仕草をする。本当に失礼過ぎると思うんだがそれは。フード付きの特殊素材の白いパーカー。耐刃防弾耐衝撃耐熱防腐、ありとあらゆる条件をクリアした戦闘服だ。何か問題が?

 

「そんな疑問みたいな顔されても、その服、胸までと胸から下で別なの?」

「下乳でてるじゃん…いやグレーの肌着みたいなのは見えるけどさ… 」

「そんなこと言ったら彼女だって露出面積が多い。」

 

透と響香が話しかけてくる。私から言わせれば胸をぱっくり開けた服を来ているあちらの方がエロいと思う。

 

「あら、私のは個性上しかたありませんわ守衛さん。」

「私のは性能重視だから。」

 

ゴアテックスのような生地のパーカーにはバイザーが着いていて普段は帽子のように上がっている。上着は胸までで下はコルセットのようになっていてバイザーとコルセットには防弾耐衝撃の追加装甲が入っている。腕と下胸が空いてるのは通気性の為だし、ハイレグのようになってるのは機動性をとる為だ。足も似た素材のハイソックスを履いている。

 

…サラッと流していたが透は裸なのでは???

 

「てへっ」

 

てへっじゃないが。

 

 

 

 

 

遅れて緑谷出久が到着すると麗日お茶子と少し会話をしていた。彼のコスチュームは…あぁ…オールマイトか…。立派な2本角が着いてる。

 

「いいじゃないか!みんな似合って…にあ…んんっ…似合っているぞ!カッコイイぜ!!」

 

今一瞬緑谷の方を向いて笑っただろう。

 

さて、グラウンドβは入試の時のような市街地である。

 

「先生!また市街地演習を行うのでしょうか?」

 

見た目では分からないがこのキッパリとした物言いは飯田天哉だろう。フルプレートアーマーがガシャガシャ音を立てている。

 

「いいや、もう二歩踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!」

 

なるほど、CQBをやれと。

 

「確かに敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵出現率が高い。監禁軟禁裏商売。真に賢しい敵は屋内に潜む。」

 

オールマイトは私を強く指さした。

 

「君達には2on2でヒーロー対ヴィランをやってもらうが、守衛少女。君は皆より頭1つ…いや2つ以上飛び抜けている。」

 

ああ、嫌な予感がする。ここの教員は自由ではなく、ワガママなのではないか?今すぐ個性をフルに使って逃げ出したい。

 

「よって、君にはエキシビションマッチとして、私と1on1してもらおうと思う。」

 

ほら来たよ。




守衛葵の戦闘服はイラストレーターneco様のFlower.という作品が元になっております。非常に素晴らしい作品でフィギュアにもなっておりますのでぜひ。
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