書き始めたところフリーレンが流行り、復讐のため力を隠すという部分の偶然の一致にまじかーと思いつつも書こうと思ったら今度はそろそろヒロアカ終わるらしいじゃないですか。プロットの立て直しですよ…というわけで少しヒロアカの勉強をしておりました…これからは少し投稿できるかと思います。
ある日情炎に身を焦がした後。ヒミコは私の髪を指で梳きながら不思議そうな声を出す。
「葵ちゃんの髪、個性を使うと色が変わるんですよね?」
「ん〜…?そうだよ。」
「学校では、何時もどーしてるのです?」
「学校ではいつも個性使った髪色だよ。」
なんともないその髪色を、周りと同じような黒い髪と、そして復讐に淀んだ眼窩の奥、はるか底にある瞳をヒミコは好きなようだ。
個性を使えば黒という色を拒絶してしまうのか銀色になる髪と、赤くなる目は特徴的だが、それがどうこうという話ではないようで。
「じゃあ私しか見てないんですか?個性使わない時の色。」
「そうだよ?目の色もそう。ヒミコしか知らない。」
「そうですか…ふふっ…」
嬉しそうに自分の胸に顔を埋めさせる。ヒミコの匂いに、自分の匂いが混じってる気がして嬉しい。
会ってから暫くが経つ。季節はまだ変わらないが、ヒミコが家にいることが当たり前となった。
「嬉しいんだ。独り占めできて。」
「はいっ!もちろんです!このかぁいい髪色も目の色も、ぜぇんぶ私のモノなのです…」
起きて、学校に行って、帰ってきてヒミコを抱いて、寝る。それだけで幸せだった。復讐の火が、ヒミコで鎮火するほど、包み込むような、酸欠を起こすような愛し方をしてくれた。
「あー、葵ちゃんダメなんだ、また煙草吸って!」
「ごめんて…」
代わりに煙草に火をつけた。あのクソッタレが吸っていたタバコだ。カートンで家に置かれていた。聞いたことも無い銘柄で、酷く辛い。
「それ吸った後ちゅーすると辛いからやーです。」
「えー?でもするんでしょ?」
「しますけど…んっ…」
「んっ…健康とか、法律で怒んないんだ。」
「私も葵ちゃんも悪い子です、今更です。」
キスをしたあと、それもそうだと灰皿に燃焼部を押し付けた。
もう二度と忘れないために、煙草の匂いは復讐の燻りであり、薪だ。匂いを拒絶すれば周りにはバレない。非行少女だとバレると、困る。
「というか、本当に行くんですか?」
「雄英?」
「もだし、ヒーローになろうと言うのもそうです。それに私もだなんて…」
「ヒーローになった方が、動きやすいじゃん。1人ぐらい個性で殺しても正当防衛で済むし、情報の量が違うよ。」
「んむぅ…まあそれもそうですけど…私はヒーローなんて嫌なんですけど…」
「それでも、今みたいに学校行ってる間会えないのは耐えられない。今ですら辛いのに。ヒミコは耐えられる?」
「うっ…耐えられません…」
学校から帰ってきたら、ヒミコが私のベッドで私の下着を使って1人で盛ってたのも1回じゃない。私はずっと我慢してるのに…
「2人で学園生活もきっと楽しいよ。」
「そうですけどぉ…ヒーローは嫌いです。」
「私もだよ、大っ嫌い。」
「それでも…?」
「ヒーローになって、探して、殺す。」
全ては復讐のために。
「…はぁ…その目には弱いのです…」
「私の全てに弱いくせに。」
「ふーん、そんなこと言っちゃうんだ。今日は寝かせませんからね! 」
「いつもあんま寝れてないよ、ヒミコのせいで。」
何時もよりも少しだけ何かを考えるヒミコを、何時もより少しだけ激しく愛した。
あれから日は巡る。月も巡る。時は過ぎ、あと少しで雄英へ受験となる。少し変わったことと言っては大袈裟だが、ヒミコは敵連合なるチームに私の、私だけのスパイとして潜り込むことになった。
「葵ちゃん、お話があります。」
その時のヒミコの瞳は、いつにも増して私を見据え、私と同じ色の火を、私の復讐心に愛情を薪として燃やしていたのを今でも鮮明に覚えている。
「私は…やっぱり雄英には行けません。でも、葵ちゃんを待つだけなんてそんなことも出来ません。だから…」
「スパイになる…なんて言うとは思ってなかったなぁ…」
雄英高校の門は余りにも大きく、少しばかりの見栄で飾りつけされている。それはヒーローとしての威厳を示すためか、卵には大きく育って欲しいのか、はたまた校長の趣味か。どれにしたってどうでもいい話ではある。
講堂のガイダンスに参加する為に敷地内を歩く。好奇の目?煙草の匂いでもするだろうか?いや、家を出る前にヒミコに確認してもらった。1歩ごとに鏃の様な視線が身を突き刺す。不愉快だ…まあでも雄英に来るには少し不良のような格好すぎたか?
少しずつ空気に溶け込むように個性を使って、視線を拒絶していく。少し経てば誰も私の事など気付くことすら出来なくなる。道端の石ころすら存在感は強い。認識すら拒絶していけばいい。
五月蝿い髭の男がガイダンスを進める。時々邪魔が入ったがほぼほぼ滞りなく速やかに終わった。それにしても声がでかい上にマイクを使ってノリがウザかったぐらいしか記憶が無い。ゲインを下げろ。
それにしても、このぐらいの拒絶なら逆に気づいてしまうのか、プロのヒーローというものは。何度か目が合った。気を付けよう。
(ここがヒーローの…葵ちゃんの敵が群れてるとこか…結構オシャレさんかもしれないですね。)
葵が雄英で跋扈しようとしてる傍ら被身子はスパイ先の人間と接触しようとしていた。
「お前が…あの連続失血死事件の犯人…?」
「はい!渡我被身子です!好きな物はま…んんっ…かぁいいもの!」
ま…?と恋人の名前が出かけたところでぐっと飲み込んだが少し不信感を持たせてしまったかもしれない。
謎に手のオブジェクトを着けたカウンターに座る男は、薄暗いバーでには少し若すぎる気もする。
(まあ私も言えないんですけど…)
「セーラー服着た女の子がこんな凶悪犯罪を犯すなんて、世も末だな。」
「もうちょっと生きやすい世界になって欲しいものです…私は好きなもの…カァイイを愛でているだけなのに…」
「意味わからん、破綻者…だが悪くない。いいじゃねえか。」
顔面に手の人…死柄木弔はウイスキーの入ったコップを少しかたむけながら、氷越しにこちらを一瞥した。ニヒルに笑うのは正しくヴィランらしい。
私はあの人がヒーローである限り、敵役としてあの人をサポートする。ヒーローにはなれないけど、あの人だけの私でありたいから。
「ようこそトガヒミコ。仮定、ヴィラン連合へ…世に更なる混沌を…」
だけどちょっと名前はダサいかも。