おまけ
先輩が急遽泊まることとなった翌日。
夜明けとともに出発しようとする先輩をなんとかなだめ、手早く作った朝ごはんを小さなローテーブルを囲んでのんびりと食べ始める。
なんだかんだで、結局寝たのが遅くなったため自分としてはまだ正直眠たいのだが、向かいに座る先輩はすこぶる元気だ。
今もフォークを片手にふるふると震えている。
「インテくん、こっ、これすっごく美味しいね!ふ、ふわふわだよ!ふわふわ!」
「えっ、そうですか…?別に粉に卵と牛乳混ぜて焼いただけなんで、大したことないですよ。材料の買い置きしてなかったんで、シロップとかないですし…。」
「そうなの!?でもほら、これ塗るとツヤツヤになって…すっごく美味しいよ!ほら、ツヤツヤ!」
もぐもぐと勢いよく食べる先輩は、そう言ってさらにバターを塗っている。
ありあわせで作ったかなりの手抜きホットケーキをこんなに喜んでくれるとは。
こんなことなら、ジャムくらい用意しておくんだった。
せめてフルーツでも買っておけば、もっと見栄えがしたのにと色々と手を抜いてしまった昨日の自分に歯噛みする。
「そんなに慌てなくても、まだありますって。ほら、飲み物も…どうぞ。」
そう言ってグラスを手渡すと、緋色の目を瞬かせ、先輩は照れたように笑う。
食事の邪魔にならないようにと首に巻いた舌が今はほどかれ、普段は見えない華奢で柔らかな首元が露わになっているため、余計に見てはいけないものを見てしまったような気になり、なんだか目のやり場に困る。
「あー、えーっと…そうそう、今日の予定なんですけど。」
うろうろと目を泳がせながら、当たり障りのない話をふるが、食べ終わって満足したのか、正座をしたままほんわりとした表情を浮かべていた先輩に「…ふへっ?」と驚かれてしまった。
思わずくすりと苦笑いすると、
「そんなによかったなら、お昼にでも行ってみます?ふわふわのパンケーキ屋さん。」
するりと溢れた言葉に、自分でも驚くけれど。
ーーうん、すごくいい。
やわらかい朝の日差しが窓から差し込み、ゆっくりと部屋を暖めてくれる。
空は明るく、澄みきった青だ。
まあ自分の予定はなんとでもなるしな、とふるふると喜びにまた震えている先輩を横目で見ながら、ポータブル端末をさっと操作して鞄にしまいこむ。
きっと今日もいい日になる。
そんな予感に包まれながら微笑むと、インテレオンは「じゃあ、片付けして行きましょうか。」と立ち上がった。
おしまい
ここまで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました!!
ハーメルンでは初掲載のため、お見苦しい所等多々あったかと思います。
ルビとか、改行のタイミングとかむずかしい…
今後も先輩ゲッコウガと後輩インテレオンのお話を書いていきたいので、もし少しでも楽しんで頂けたら幸いです。応援してもらえたら泣いて喜びます!
pixivにはイラストも掲載しておりますので、ご興味ありましたらぜひ。
それではまた!