オガミ婆の孫(本物)   作:スターリー

23 / 38
IF3

さてさて暇になったので呼ばれてないけど押しかけるスタイルでパイセンズに合流する。

 

「あれ、崇じゃん」

「遊びに来ましたよ五条パイセン!ってそれは?」

「ああ、これ?バイエルとか言う呪詛師集団Qだっけ?の構成員」

 

俺とて呪詛師。そこそこ情報は持ってるからわかる。

 

もう呪詛師集団Qの最高戦力がやられとるやんけ!

 

まあ、そりゃそーだ。逆にこの二人相手に戦わなきゃならないなんて可哀想に。とりあえずバイエルさんの髪の毛を拝借する。よし、術式ゲット。

ついでに慈悲をもって水性のマジックで顔に落書きをしておく。途中五条パイセンも参戦してきて調子に乗った結果、どこぞやの悪魔的な閣下が出来上がる。なんて丁度いい髪型してやがるんだ!髪もセットしてやんぜオラッ!

 

ふぅ力作が誕生したぜ。

 

いや、もう誰だこれ……。だがしかし!

 

「ふっ、我ながらいい仕事したぜ」

「崇。写真取ろうぜ写真!傑にも見してやろーぜ!」

「うい!」

「「イェーイ!ピース!」」

「傑に送信っと」

「ひとの…こころ…は…ない……のか……?」

 

あるよ。だから生きてるじゃん?

俺もそうだけど運良く生かされてるだけで呪詛師の敗北は死なのです。

一緒に感謝、いや、崇め奉ろうぜ五条パイセンを。

 

夏油パイセンと合流するとコークンがやられていた。

泡を吹く口元に大きなキスマーク。五条パイセンと二人であっ察しとなる。あの最恐の呪霊だな、と。容赦ねぇ!

 

命乞い虚しくトドメをさされたようだ、精神的に。しかも呪霊も気分が乗っていたらしくディープか…可哀想に。慈悲はなかったらしい、合掌。

 

………いや、もしかしてバイエルさんを閣下にしたから証拠写真疑われてトドメ(ラブキッス)を刺さざるを得なくなったとか………?

まさか、ね。

 

そして肝心の星漿体はすやすやである。

 

「生きてます?」

「怪我はないはずだよ。……多分」

「一応医者診せる?」

「硝子がいればねぇ」

 

五条パイセンが運ぼうとすると目を覚ましたらしく起きた、と呟いた瞬間ビンタされていた。夏油パイセンと二人で思わず吹き出す。あの五条悟が女にぶたれとるだとぉ!!おもろすぎぃ!

 

「下衆め!!妾を殺したくばまずは貴様から死んで見せよ!!」オラー‼

 

警戒マックスの猫みたいな星漿体に実は高専一のモテ男夏油パイセンがにこやかに声を掛ける。よっ色男!

 

「理子ちゃん落ち着いて。私達は君を襲った連中とは違うよ」

「嘘じゃ!嘘つきの顔じゃ!前髪も変じゃ!」

 

固まる夏油パイセンの後ろでゲラゲラ笑っていると俺はパイセンズから愛あるゲンコツを貰って沈み、星漿体は引き伸ばしの刑に処されたのでした。

 

「ぃいやーーー!!不敬ぞーー!!」

「なんで……俺まで…?」

 

その後、牛みたいな呪霊に乗って現れたメイドさんが来てくれたおかげで警戒と緊張が解けたのか一段落。

星漿体のあまりのやんちゃぶりにパイセンズが憐れみ始めるとそれは違うと星漿体が胸を張る。

 

「いいか。天元様は妾で妾は天元様なのだ!貴様のように同化と死を混同している輩がおるがそれは大きな間違いじゃ」

「待ち受け変えた?」

「同化により妾は天元様になるが天元様もまた妾となる!」

「井上和香」

「妾の意思!心!魂は同化後も生き続け、聞けぇ!!」

 

「…………!」

 

そうかぁ。生贄が死ぬことを受け入れている場合を想定してなかったなぁ(遠い目)。ええ?そんなことあんのぉ?

 

『あたし達の分まで生きてね。約束だよ』

 

だって生きたいって思うのが当たり前で。

 

『ぼくたちのことなんて忘れていいからタカは幸せになって』

 

それを手放す選択肢なんて…………。

 

「あの喋り方だと友達もいないじゃろ」

「快く送り出せるのじゃ」

「学校じゃ普通に喋ってるもん!」

「あっ」

「………学校!黒井!今何時じゃ!?」

「まだ昼前…ですがやはり学校は」

「うるさい!行くったら行くのじゃ!」

「待って、星漿体」

「何じゃ!」

「ホントに、何の未練も後悔もこれからやりたいこともないの?生きたいって思わないの?」

「?さっきも言ったじゃろ!死ぬのではなく妾も天元様となる!だからそんなものあるはずないのじゃ!」

「………そう。」

 

あー。おーん。えーと。

この子、もしかして俺は苦手な、無理なやーつかもしれない。正直言って、ちょっとだけ、少し、いやだいぶ気にくわないタイプかもしれぬ。

 

だって、みんな…生きるために、どれほど……。

 

不快感。ふつふつと湧き上がろうとする怒りを息を吐いてセーブする。

 

待て待て、なに熱くなってるんだか。

一人ひとり考え方は違うんだし、そりゃ生きることを諦めてるような人間だっているだろう。だから落ち着こう。余計な感情はカットだ。エネルギーの無駄遣いをするな。

とりあえず星漿体のことは後回し。

 

静かに目を閉じてこれからの自分にするべき行動を考える。

 

俺はとりあえずパイセンズのために行動しとく。

そのためには夜蛾センセーの交渉がいくらでもしやすくすること。もしものための保険はいくらあっても良い。

 

「私は理子ちゃんが学校に行って良いか夜蛾先生に確認を取るよ。悟は二人の護衛を頼む」

「へーい」

「崇はどうする?私達を手伝ってくれるかい?」

「夏油パイセン。手伝うのはもう少し後でいいすかね」

 

 

まずは各上層部をひっかき回すこと。

星漿体案件を数ある案件の一つに落とし込んで夜蛾センセーが天元様に直接交渉しなきゃいけないくらいに人手を分散させる。

 

幸い、今の上にいる連中は腐っている。

自己保身に関わる問題を人数分同時多発的に発生させるだけでいい。

 

その鍵を俺は握っている。

死者から情報を切り取れる俺に情報戦において右に出るものはいない。

 

高専への出入りが容易くなったことでその墓地や安置所に侵入しやすくなった。

その上俺は魂を観る眼を持っている。ある日、死を隠された者たちの魂を見つけて掘り起こすことに成功しました!

 

そしたらまああるわあるわ高専の暗部で消された人間の遺骨が。

 

解析すればそれはもう情報のゲート・オブ・バビロン。諜報員、情報屋、呪術関連の研究者あたりの魂を引き当てれば後は証拠集めするだけで上の弱みをほぼ握ってしまえるのが俺である。やったね!

 

夜蛾センセーが動きやすいように証拠と一緒に情報を日本にある全ての呪術高専とその分校、各上層部とそのトップでまとめ役であらせられる総督部に脅し文句と一緒に送りつける。他にも呪術連やアイヌの組織までばら撒く。

 

早急に動かなきゃならないように各方面にきっちりと丁寧にその重い腰をぶっ叩く!

ちゃんと出処がわからないように様々なところに経由して複雑に絡ませることも忘れない。いやぁ俺ってば仕事出来過ぎて怖いわぁ。

 

上にいる連中は今からそれはもう上から下まで大騒ぎのぐっちゃぐちゃになるだろう。

権力にしがみつく奴らは自身の保身に力を注ぐ。日本の危機なんぞに構っている場合ではなくなる。

 

ここまですれば夜蛾センセーなら天元様までたどり着けるだろう。

その後は天元様次第。あなたを化け物にしていいですかって言うようなもんだし、恨まれてても仕方ないんだけど。どうなるかなぁ。

 

ただ一つ、気になることがある。

 

消された人間からよくケンジャクって名前がよく上がるんだけど……誰だろうか。うん。特大の地雷の予感。なんか一連の黒幕っぽいから誰にも伝えずにぼかしておいた。二次被害的に誰か死ぬ感じするしこいつだけは俺一人で動こう。わかりやすい死亡フラグだよあれきっと。

 

「あぁ、やっと終わった。あと俺に出来ることはないかなぁ」

 

元々呪詛師の俺には天元様に近づく手段はない。

人事は尽くした。後は天命を待つだけ。

 

さて!パイセンズの手伝いに行ってこよー!

 




あけおめことよろです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。