新宿京都百鬼夜行。
その時も俺は夏油傑に雇われていた。ことが終わったあと夏油一派を逃がすこと。それが俺の仕事内容。
作戦直前の夏油パイセンの言葉を思い出す。
「崇。もし私に何かあったらあの子達のことを気にかけてあげてほしいんだ」
「……なんすかそれ。止めてくださいよ。そんな死にに行くみたいなセリフは。勝算はあるんでしょう? 縁起でもない」
「それでも、だ。もちろん死ぬ気はないよ。……まあ、もしものためさ。何かあっても君ならどうにかできるだろう?」
「夏油パイセン。それ、呪詛師にする頼みごとじゃあないっす。あと重い。重いっす」
ビジネスな関係。
でも、なにか信頼のようなものがあったような気がしないでもない。死んだって聞いたときには聞き間違いに思えたし、理解するまで間があった。そうそうすぐには信じらんなかった。呪詛師は薄命だ。特級であっても例外はない。それを分かっていても、自分で思ったよりショックを受けてた気がする。
今更、人の死なんて。殺す側にいる呪詛師のくせにどの口がっていう話なんだけどね。
……にしてもなんてめんどい呪いを残して逝ってくれやがったんですかね。あのパイセン。
ちなみにしょうがないから夏油一派に会いに行ったが以下羂索さんへの印象です。
双子「夏油様を返せ殺す許さねぇ!」
他二名「夏油様の思想に近い結果になるので協力します」
半裸と秘書「アタシは様子見させてもらうわ」
その他「支離滅裂でハナシニナラヌ」
意見バラッバラッじゃねぇか! 個性的過ぎんぞいい加減にしろ! 協力しろよ家族なんだろ? 夏油パイセンもあの世で泣いてんぞ!
てか、ラルゥお前もっと頑張れよ! お前一応強い枠だったじゃん! 家族思いだったでしょ! いつ動くの? 今でしょ!
駄目だ。終わってやがる。マジドン引き。
夏油パイセンが居なくなって空中分解し始めている。何も期待出来ねぇぞこれ。こんな集団、絶対利用されるだけされて使い潰されるのがオチじゃんか。
ひと目見て羂索さんの実力を測れてない時点でだいぶアレだけど羂索さんのクズさくらいはわかるじゃん。あれ確実ヤバいやつやん。どう見ても悪の科学者ポジなのは気づくやん。危機感の欠如ひどくなーい?
よし。気にかけたぞ。もう良いや。どうせ五条封印作戦の荒らし要因だろ。それまでは生きてんだろ。そん時助けりゃいーや。もう俺しーらねー!
俺がすべきは羂索さんの近くにいて特級呪霊とか色々情報を集めることだ。羂索さんすげぇ怖ぇけど見えないところで暗躍されるのが一番怖いと思うんだ、この人。
ポケットからスマホを出して夏油傑にラインを送る。スマホとか夏油パイセンじゃあり得なくて違和感バリバリだわ。うわぁ、鳥肌鳥肌。
すると、ピコンと返答が爆速で返ってくる。うわぁ、ホントに返ってきた。寒気寒気。
内容は件の真人という呪霊の面倒を見てくれとのことだった。つまり、特級呪霊と初対面の顔合わせ案件である。
下水を進む。
薄暗さが恐怖を演出しながらもダンジョンのような感じがしてちょっとワクワクするのは俺が男の子だからだ。
誰も居ないはずのその場所から話し声が聞こえる。
そこにはツギハギの男と陰気な少年がいた。
「えと、どっちが真人クン?」
ナナミン、生存してほしい?
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強化して生存
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原作こそ美しい