ゾンビサバイバルゲーム、第1ウェーブが終了したライダー達はサロンに戻ると、現時点のスコアが表示されていた。
「(すご、4万は稼いだのかよ…)」
トップは
彼も38.000PTを稼いでおり
そして3位は道長だった。それは即ち、
「皆様お疲れ様でした。第2ウェーブが訪れるまでご自由にお過ごしください」
ギロリは養いの言葉をかけお辞儀をするとサロンのカウンターに戻る。
「これでまだ第1ウェーブかぁ…ハードだなぁ」
景和は上着を脱ぎソファに座り各自自由に過ごす。
「この俺が…負けた。しかも2人のギーツに…」
「あの、なんで俺睨むんですか?俺勝負には関係ないですよね?」
何故か一夏を睨む道長に
「約束だ。これはもらう」
「返してほしければ、これで俺のスコアを抜いてみせろ」
「随分と手持ちのバックルが豪華になって来ましたね。大型が今二つですよね?」
「ああ、なんだったらコイツとテイルと交換するか?」
「……いや、今はやめておきます。このゲームはこのテイルも有効そうなので」
「ふっ、相変わらず俺の誘いにはならないな」
「デザグラだけですよ。こう言ったのは大概何か裏があるのが
「流石、同じ狐だけはあるな」
「狐は狐でも黒狐なので」
一夏は左手で狐の絵を作る。
「金持ちの道楽かよ…欲しいものはなんでも手に入るくせに、なんでこのゲームにいるんだよ」
一夏
「ウーン、お金じゃ手に入らないものがあるから?」
「なになに?デザイアカードになんで書いたの?」
「おっ、そりぁ俺も気になるな。お金持ちのお嬢様がどんな願い事を書いたか!」
「気になる?私の願いは……運命の人に出会える世界!」
「運命の人?」
「そう。白馬に乗って私を連れて行ってくれる王子様」
「そんな事の為に命かけるか?普通」
「恋は…いつだって命懸けでしょ♪」
「……ウザッ」
「?(なんだ…この違和感)」
奏斗は袮音の願いの内容にムカついたのかソファから立ち上がりサロンから退室する。それを見た一夏は何か違和感を持つ。
「おい、そんな言い方ないだろうお前」
「そうですよ。そんなギスギスしないで仲良くしましょうよ」
「その必要はない。全員ライバルだからな」
景和と壺井の言葉に
「どう関わろうが、相手がどう思うかも他人の自由ですよ。このゲームは裏切りや協力…誰を蹴落とそうがルールに反しない程度ならなんでもあり。それがデザイアグランプリだ」
一夏もその場から移動しカウンターに座る。
「ギロリさん。コーラお願いします」
「かしこまりました」
その後も色々あったが一夏はギロリに飲み物を頼み次のウェーブまでゆっくり過ごす。
「……第二ウェーブのジャマトが来ました」
「うし、気合い入れていくか。あ、ギロリさん。ご馳走様でした」
「お気をつけて」
しばらくカウンターやソファーでくつろいでいると……サロン内の電話が鳴り、第二ウェーブか開始する。
「よし。いくか」
SET
ゲームエリアに移送された一夏はテイルレイズバックルを装填し、左手で弧を描きフィンガースナップをし
「変身」
TAIL!
READYFIGHT
ノアールギーツ・テイルフォームに変身し、武器のソードメイスを構えゾンビジャマトに振るう。
「よし、このまま行けば上位は維持は出来そうだな」
一夏は気を抜かず順調に倒していく。少し、移動すると未だ変身していない
「(…やっぱり、何かおかしいな。まさか…)」
しかし一夏はナーゴとダパーンの戦っている様子を見ていると横にゾンビジャマトが吹っ飛んでくる。
「よそ見してる場合か?」
バッファがレイズウォーターを鈍器替わりにしながらゾンビジャマトと交戦しており、
「何がスターだ。チャラチャラした世界を叶えやがって」
バッファは再びゾンビジャマトに向かいゾンビジャマトを倒していく。
「ふっ、何を叶えるかは勝者の特権だ」
「
「なんだ?」
「ちょっとした報告です」
一夏は周りにいるゾンビジャマト蹴散らした後
「成る程…それなら辻褄はあうな」
「ええ、おそらく減点にも問題もないかと…」
「ふっ、俺に話してよかったのか?そうしたら俺がダントツトップでこのゲームを振り切るが?」
「入学祝いのお礼として受け取ってください。まっ、どうするかは
一夏はそう言って
「ふっ。悪いな、このゲーム…勝つのは俺だ」
SET
「変身」
バックルの鍵部分を捻り展開する。
GRAB!CLASHOUT!
ZOMBIE
READY FIGHT!
「…相変わらず素直じゃないなあの人は」
一夏は
「さて、と!他人の心配よりも先ずは生き残らないとな」
一夏はゾンビジャマトに攻撃し、撃破していく。
「くそっ!こっちくるなよ!」
ゾンビジャマトを倒していくとタイクーン・アームアローがレイズアローの矢を放ちながらゾンビジャマトと応戦する。しかし数が多い為苦戦している。
時折アローを鈍器にして殴ったりもしているがやはり動きがぎこちない、本当につい先日まで一般人と伺える動きだった。
「(アローは放ったらたら次に撃つのに僅かなタイムロスが起こる。遠距離から攻撃出来るのはアドバンテージだが、マグナムや、ガンスラッシャーみたいに連射出来ないのが痛手だな)」
一夏は冷静に分析してタイクーンの背後に迫っているゾンビジャマトに目がいく。
「(あの様子。背後に気づいていないな)」
一夏はタイクーンの背後にいるゾンビジャマトに向けてソードメイスを投げ飛ばす。
「そりぁっ!」
「うわっ!な、なに⁈」
突然後ろから鈍い音がした事に驚き慌てて後ろを向く。そこには一夏が投げたソードメイスが刺さっており、一夏は怯んでいるジャマトにテイルブレードでタイクーンの背後にいたゾンビジャマトを薙ぎ払うように全て撃破する
「油断大敵ですよ。今回のジャマトは数が多い上噛まれたら感染して奴らの仲間入り。背後には気をつけてください」
「う、うん。あ、ありがとう。助けてくれて」
「たまたま目に入っただけですよ。後はスコアを稼ぐついでですよ」
「つ、ついで、彼と似たような事言うね」
タイクーンは一夏の行動に驚きながらも、一夏に礼を言う。
一夏からしたら助けるつもりはなかったが、たまたま目についただけなのでそう伝える。
「同じ狐なので」
一夏は左手で狐の絵を作る。
「まっ、狐は狐でも……あの人みたいな狐とはいきませんが。っと、おしゃべりはここまでにして、残りのゾンビを倒すか」
REVOLVE ON
一夏はドライバーのリボルブアンロックを押した後、リボルブシフターを回転させ、テイルの鎧を上半身から下半身に入れ換える。
「さぁ、こいつで幕引きだ」
TAIL STRIKE!
テイルブレードを足に装着させ青いエネルギーを惑わせ、そのまま回し蹴りの応用で斬撃を放ち一掃する。
MISSIONCLEAR
第二ウェーブ終了のアナウンスが響く。
「血迷ったか?参加者を攻撃したら原点だぞ」
それと同時に、あらかたゾンビを片付け終わったのか、地面に倒れ奏斗を見た道長が
「(
「どう言う意味だ?」
「減点になってない。なんでだ?」
「あいつはゾンビに噛まれている。一番最初に気づいたのはノアールだがな」
「え?」
「ノアール、なんでわかった?」
「簡単ですよ…第一ウェーブの時に既に噛まれていた。それに、数もいるはずなのにゾンビはダパーンには無反応だった。つまりダパーンの事を同じゾンビ仲間と認識していた。確信を持ったのは袮音さんと一緒にして移動していた時ですよ」
「既に噛まれていたって…」
「そう言う事だ。自分が襲われないとわかってて、ナーゴを道連れにしようとしたんだろ?」
「人生なんて不公平だ!例えどんな努力をしようとも、不幸は向こうからやって来る。あの日を境に、俺の世界は終わった。どいつもこいつも幸せそうにしやがって、それをメチャクチャにしてやりたくなった!」
「だったらデザイアカードに『大好きなバスケが思いっきりできる世界』って書けばよかったのに…」
「うるさい!もう……どうでもいいんだよそんなこと!」
「そんな事言うな「景和さん」い、一夏君?」
一夏は景和を止めるように手を翳す。一夏は奏斗に近づく。
「おい」
「あ、なんだよっ⁈」
一夏は奏斗の胸ぐらを掴み無理やり立ち上がらせる。その行動に
「さっきから聞いていれば、何自分だけが不幸ですよってみたいな事言ってんだお前は?お前だけが不幸だと思うなよ!!お前以上に不幸な人は何千何万もいるんだよ!お前はまだ努力ができるだけでも幸せ物だ!けど、この世にはそれすらする事を許されない人も沢山いる!」
一夏は声を荒げながら奏斗を威圧する。
「デザイアカードに何を書いたかはお前の自由だがな。けど、全てを諦めたお前が自分の理想を叶える?笑わせるな!!」
一夏は奏斗の掴んでいた胸ぐらから手を離す。
「どんな世界を願おうが自由だ。かつてこの国も争いの末に天下統一が果たされた。このゲームで正しいのは生きて勝ち抜く事…それだけだ」
「時代が違いますよ…」
景和は
「皆様!第2ウェーブお疲れ様でした。今回も町の人々は救われました。しばらくゆっくりお過ごしください」
ツムリが一夏達の前に現れ養いの言葉をかけたことで、第2ウェーブが終了したのだった。