デザイア・ストラトス リメイク   作:狼ルプス

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邂逅 I :新たな世界での日常

 

晴れた日の日曜日。本来なら昼まで惰眠をむさぼるのだが、今日は早く起きた。

 

何故なら、一夏は今日、恋人である詩乃とデートする日だ。簡単な朝食を食べ私服に着替え、準備が終わり外出する。待ち合わせ場所は駅前の広場。

 

 

 

「ふぅ…ついたはいいが、少し早すぎたか?」

 

ちなみに、今日のデート場所は遊園地だ。待ち合わせ時間の十分前につき、ベンチに座ってスマホを弄り時間を潰してると、五分程で詩乃は来た。

 

「一夏、ごめん。待ったかしら?」

 

「気にしなくていい。俺も5分前に来たばかりだ」

 

「そう、それと…どうかしら?」 

 

ベンチから立ち上がり、詩乃は着ている服をアピールするように一夏にしっかり見せる。

 

「ああ、似合ってる。その…眼鏡、外してるんだな」

 

「あれば元々伊達だからね…今日くらいはいいかなって」

 

「そうか、じゃあ…行くか」

 

「ええ、しっかりエスコートしてちょうだい」

 

「任せろ」

 

詩乃と手を繫ぎ歩きだし、改札口をくぐる。今日は楽しい一日になるといいと願いながら…

 

 

 

 

 

 

 

電車に揺られて移動すること三十分。最近できた遊園地に着いた。

 

「遊園地か、正直俺……来るの初めてかもしれない」

 

「そうなの?私は最後に来た時いつだったか覚えてないわ」

 

「俺の場合は事情が事情だからな…」

 

「……そうだったわね」

 

詩乃も一夏の家庭の事情は聞いており、言っていることは理解していた。今いる遊園地も休日ということもあって人も多く来ていた。

 

「ほら、早く入りましょう。折角来たんだから楽しまなきゃ」

 

「わかったから、引っ張るなよ」

 

詩乃は笑顔で俺の手を引っ張り入場券売り場へと向かう。

 

 

 

 

入場料を払った一夏と詩乃は園内に入り、早速園内のパンフレットを見ながら行く場所を決める

 

 

 

「最初は何から乗るか……」

 

「そうね。じゃあ、あれ乗りましょう」

 

そう言って詩乃が指差したのはジェットコースターだった。

 

「ジェットコースター…テレビとかでも紹介されてるのを見た事があるけど…近くで見ると迫力があるな」

 

「一応確認するけど…高所とかは大丈夫なの?」

 

「さぁ、乗った事がないからなんとも言えんが…問題ないと思うぞ」

 

「そう、ならいきましょうか」

 

 

列に並び、暫く待つこと10分。まだ開いてそこまで時間が経っていなかったのでそこまで待ち時間は少なかった。そして二人の番が来て席に着いて安全バーを下ろす。

 

 

『では、楽しいひと時を!』

 

 

アナウンスと共に二人をを乗せたジェットコースターは急加速し発進した。

 

 

 

 

 

 

 

「ジェットコースター楽しかったわね!」

 

「ああ…まさか開始と同時に急加速だったからな」

 

「びっくりもしたけど、それも踏まえて面白かったわ」 

 

 

 

 

予想よりスピードが速かったので二人は驚いていたが、一緒に乗っていた乗客の中には泣いてる人もいる。

 

その後も二人は絶叫マシーンを中心に乗り、このテーマパーク内にある絶叫マシーンは制覇し、連続で絶叫マシーンに乗ったこともあって疲労している二人はベンチに座っていた。 

 

「もう、こんな時間か」

 

「夢中になりすぎてすっかり午前も過ぎたわね…」

 

 

時計を見ると午後1時くらいとなっており、昼食をとることにした。

 

二人はパーク内にある飲食店に向かい、ハンバーガーショップでハンバーガーのセットをオーダーし、席に着いた。

 

「この日はちょうどお昼時だから結構混んでいるけど、何とか席をとることができたわね」

 

「休日の遊園地舐めてた。アトラクションに乗るのもご飯食べるのも長い列に並ばないといけないのか…」

 

「そう言う物よ遊園地は、午後も色々周りたいから早く食べちゃいましょ」

 

「ああ」

 

早速先ほどオーダーしたハンバーガーを食べる。その間、談笑しながら食べていると、詩乃は紙ナプキンを持って一夏に手を伸ばして俺の口元を拭いてきた。

 

「し、詩乃?」

 

「ふふっ、口に付いてたわよ」

 

「そ、そうか、ありがとう……」

 

「いいわよ。可愛い所も見れたし」

 

一夏も恥ずかしそうに頬をかくが、やってきた本人も表情には出していないが、頬を少し赤く染めていた。詩乃は誤魔化すようにアイスコーヒーを飲む。

 

 

食後の後、少し歩き、次に向かったのはお化け屋敷だった。

 

「お化け屋敷?」

 

「ええ、ここのお化け屋敷は日本の中でトップ3に入るくらい有名よ?途中でリタイアする人もいるって話もあるわ」

 

「そんなにか……尚更気になるな」

 

「結構余裕ね…私でも少し躊躇う所だけど」

 

詩乃は心霊関係が苦手とは聞いた事はないが、やはり少し躊躇う気持ちもあるらしい。

 

「折角だし、挑戦してみるか……」

 

「あなたがそう言うなら、早速行きましょう」

 

詩乃は一夏手を引いてお化け屋敷の受付前に向かって中へと入る。中に入ると詩乃は一夏の腕に抱きつく。

 

ここのお化け屋敷は廃棄となったホテルをモデルにしており、中も薄暗くて不気味な雰囲気に包まれていた。

 

初めにやって来たのは階段だった。ここは大丈夫だったが、次に行った部屋には日本人形や、布団が散乱しており、辺りはボロボロの飾りで不気味だった。

 

途中物音や人形が動いたり、呻き声や血濡れの着物を着た女性が迫ったり色々あり、詩乃は体をビクッとさせ驚いているところもあったが、声に出して驚く様子はなかった反面、一夏は微動だにせず進んでいき、リタイアすることもなく、ゴールにたどり着くことができた。

 

外に出ると日の光で明るくなっていた。40分ほどしか暗いところにいなかったが、この明るさが少し懐かしく思えた。

 

「日の光が眩しく感じるな…」

 

「あんた、全然微動だにしなかったわね。私なんて声には出さなかったけど結構驚いたわよ?」

 

「そうか?あれに比べたら怖いことなんて……あれ?」

 

一夏の脳内にある光景がノイズ混じりに流れ込み…頭を抑える。その様子に詩乃は心配そうに一夏を見つめ

 

「一夏?どうしたのよ、大丈夫?」

 

「あ、ああ…大丈夫。問題ない」

 

「そう?それよりさっきなんて言おうとしてたの?」

 

「えっと……俺なんて言おうとしたんだっけ?」

 

「私が知るわけないでしょ?」

 

「悪い…なんて言おうとしたか忘れた。取り敢えず次の場所に行こうぜ!」

 

「あっ!一夏前!」

 

「え?っと!」

 

「うおっ!」

 

一夏は後ろを向いて歩いていたため誰かにぶつかってしまい、すぐさま一夏は前を向き。

 

「ああ、す、すみません!だ、大丈夫です……か?」

 

「ああ、問題ない。ったく、歩く時はしっかり前を見て歩け、馬鹿な女共だったら普通じゃすまないぞ?」

 

一夏は男性の顔を見た途端、また頭にノイズがかった映像が流れ込んでくる。なんとか見えた場面は目の前の男性が紫色の牛の仮面の戦士に変身し、戦士がチェーンソーを振るい化け物を薙ぎ払う姿が見えた。

 

「あ、あの……」

 

「道長君!言い方をもう少し優しく…あの、君も大丈夫?怪我はしてないですか?」

 

眼鏡をかけた緑髪の童顔の女性が一夏に声をかける。

 

「は、はい。大丈夫です」

 

「よかったぁ…道長君の言い方はキツイから勘違いされがちだけど、根はとっても優しくて面倒見がいいんですよ!」

 

「おい真耶!余計な事言うな!」

 

「いひぁい!いひぁい!」

 

真耶と呼ばれた女性を道長は両頬を引っ張る。その姿を見た一夏と詩乃は苦笑いを浮かべていた

 

 

「その、俺たちここで失礼します…」

 

「ん、ああ、お前も次からは気をつけろ」

 

「は、はい」

 

「み、みににゃがくん、ひゃなして〜!」

 

 

一夏と詩乃の二人はこの場から離れ移動を再開する。すると、一夏は突然足を止めた。

 

「道長……道長……道長」

 

「一夏?」

 

「……あ、なんでもない(何故だ。さっきの人の名前、初めて聞いた気がしない)」

 

一夏は記憶の片隅にある名前だということは理解できた。しかし、すぐに頭から消え去り二人は違う場所に向かった。

 

その後も数多くのアトラクションを巡り、中にはシューティング系のアトラクションもあった。そのアトラクションで二人はペアで歴代最高得点を出したが、殆どが詩乃が全て撃ち落としたため、一夏個人としてはそこまで記録は稼げなかった。

 

「ああ、なんだかスッキリしたわ!」

 

「お前すごいな…殆ど撃ち損じがなかったな…まぁ、シューティングゲームじゃお前に勝てた試しもないけど」

 

「ふふん、そう簡単には負けないわよ」

 

「……大分、いい感じになってきてるな」

 

「…ええ、あなたが支えてくれたおかげよ」

 

 

詩乃は過去に強盗事件に遭遇し、母親を守る為その強盗犯から銃を奪い撃った過去がある。弾丸は強盗犯に命中し、瀕死の重傷を負わせた。下手したら命を奪いかねなかった為、詩乃は一時期トラウマになり、精神的にも影響が出て、銃に拒否反応を示すようになる。その後、詩乃や家族達は一夏の住んでいる場所に引っ越し、一夏と同じ学校に転校した。

一夏はある事で詩乃の事情を知る事となり、詩乃の銃に関する克服を手伝い今の関係へと至った。

 

「(あの時の俺は、詩乃のトラウマを克服するために色々やったけど……結果的に詩乃が一歩踏み出す事ができた。やっぱり君は強いよ詩乃)」

 

 

「ん?どうしたの?」

 

「いや、何でもないよ。それより何か食べないか?小腹がへって」

 

「そうね……じゃあ行きましょうか」

 

二人は遊園地内にある飲食店に向かいそこで軽く甘い物を食べる事にした。食べ終えた二人はお土産コーナーへと向かった。

 

 

「最後に何か乗りたい物ある?」

 

「いや、もう十分楽しんだし……帰るか」

 

「そうね。帰りましょう」

 

お土産コーナーを出て、テーマパークのゲートへ向かう二人。その道中で詩乃はあるものを見つけ立ち止まった。

 

「詩乃?」

 

「ねぇ……最後にあれ、やってみない?」

 

「観覧車?でもまだ乗るには時間的に早いんじゃないか?」

 

二人が見つけたのは、このテーマパークにある唯一の観覧車だった。しかし、時間も5時前と午後に見た時計台と同じ時刻だった。一夏の言う通り今から乗るにはまだ時間が少し早い気がして詩乃に確認を取るが。

 

「乗らないともったいないでしょ?行きましょう」

 

「え、ちょっ!引っ張るな!分かったから!」

 

詩乃は一夏の手を引っ張って観覧車の列に並ぶ。周りを見ると他の客も並んでいて、時間的にも空いている方なので比較的早く自分達の番が来た。

 

「次のお客様、どうぞ!」

 

「ほら、行くわよ」

 

「ああ……」

 

ゴンドラに乗り二人は向き合う形で座る。窓を見ると夕焼けが綺麗に映っており、空模様がオレンジ色に染まりとても綺麗だ。だが詩乃には景色は見えずただ一夏を見ているだけだった。視線に気づいた一夏は景色を見ながら詩乃に話しかける。

 

「どうかしたか?」

 

「ううん、何でもないわ……ただこうして一夏と一緒にこの景色を見れる事がとっても嬉しいの」

 

「……ああ、俺もだ。ありがとう詩乃」

 

 

「一夏…」

 

詩乃は顔を挙げ目を瞑りながら何かを待つようにじっとする。それを察した一夏は詩乃の移動したことでゴンドラが少し傾く。

 

そして、詩乃と唇を重ねる。詩乃は少し驚いたのか肩をビクッとしていたが、すぐに一夏の唇を受け入れる。

 

何秒がそうして、2人は離れる。詩乃は顔を真っ赤にしてぼーっとしてる。

 

「大好きだぞ、詩乃」

 

「……うん。私も……大好き」

 

そこからは互いに恥ずかしいのか顔を赤くして下を向いていた。ゴンドラが下に着き、詩乃の手を取り降りる係員はその様子を察しながら微笑ましく2人の背を見送った。

 

 

 

「も、もう、こんな時間か…そろそろ出るか?」

 

「そ、そうね。そろそろ帰りましょうか。帰りの途中にショッピングモールもあったし、買い物ついでに夜ご飯も済ませましょ」

 

「そうだな。俺も必要な物も買いたかった所だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は遊園地を後にし、電車に乗り途中で降りてショッピングモールに向かう。ショッピングモールもこの日は人も多く買い物客で賑わっていた。

 

 

【世界よ…これが、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズだ!】

 

店内にあるモニターにある広告が流れ出し店内にいる人達はモニターに釘付けになる。

 

「あの人……」

 

一夏はモニターに映っている男性を見て違和感を覚えるが…辺りはエースの事で盛り上がっていた。

 

「浮世英寿さん、今じゃ世界でも知らない人はいないくらい人気になった人ね。みんなはエース様って呼んでるけど…」

 

「学校でも女子の殆どがエースさん関係の物見てたっけ?」

 

 

浮世英寿、今では日本…世界でも織斑千冬並に知らない者はいないと言うくらい有名スターの男性だ。エース関係の広告が終わると、見ていた人は驚くように動き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ一夏、あれ…」

 

「ん…」

 

 

詩乃の指さす先に何やらイベントが行われており、二人はそこに向かうとそこにはISが置かれていた。どうやらこのショッピングモールでISの展示会が行われていた。

 

一夏はもとより、初めて生で見るISに詩乃は感心を持ってくれている様だ。

 

「ISって結構スマートなのね」

 

「………」

 

「元々が宇宙空間での活動を想定した機体だったかしら?…って、一夏?どうしたのよそのつまらなそうな顔?」

 

「いや、どうせ女性しか使えない物を見て楽しいか?男の俺はどうでもいいかな…」

 

「ど、どうしたのよ?あんたISに関してはかなり関心を持ってたじゃない?」

 

「そうか?」

 

「……折角だし行ってみましょうよ。今なら適性も測れるみたい」

 

「俺もか?」

 

「ええ、 せっかく無料なんだし、損はないわよ?」

 

「ええ、でもなぁ……」

 

「はら!行きましょう」

 

迷っている一夏さんを引っ張る詩乃、一夏はこれに渋々受ける事にした。

 

 

 

「では、こちらに手を触れてください」

 

「はい」

 

係員の指示に従い、簡易型のデバイスに手を触れる詩乃、すると瞬く間にデバイスが情報を読み取り、検査結果が出る。

 

「はい、朝田詩乃さんの適性率は『A+』、ですね…」

 

「嘘、思ってたより高いのね…」

 

ISの適性率がA以上と言うことは、国家代表候補と同じだが、しかしA以上が出るのは稀である為係員も驚きを隠せていなかった

 

 

「一夏も触ってみたら?」

 

「遠慮する。触ったところでなんも起こらないし…」

 

「いいから!」

 

「…はい」

 

詩乃の圧力のある声に一夏は即答し、手をだし、打鉄を見ながらを触れた。触った感覚は、冷たく、重量感のある鋼の様なものだった。何にも起こらない為手を離そうとしたその時だった。

 

 

 

キイィィィーーーーーン!!!!!

 

 

「なっ、なんだ!?」

 

「きゃっ!?」

 

 

突如、大量の光を発し、それと同時に頭の中に様々な情報が入り込んでくる。そして、光が収まり、目を開けて見ると周りにいた観客が驚愕の目線をこちらに向けていた。

 

 

「な、何だったんだ…今のは?いろんなものが頭の中に入ってきて…」

 

「い、一夏…あんた!?」

 

 

混乱の最中、詩乃の驚いた声に一夏は自身の体に目を向ける。

 

 

 

「……………は」

 

一夏はISを纏っておりなんと『動かしたのだ』。IS適性検査が無料で行われている会場だった。当然、そこにいるのは女性が大半なわけで…それは大慌てで騒ぎ立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 織斑一夏は女性しか動かせなかったはずのISを起動させてしまい、翌日世界を騒がせる事になる。




今作詩乃さんの見た目はシノンさんの見た目で行っています。
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