四月某日、IS学園の入学式。新年度を迎え、また新たな新入生が入り、学園は盛り上がりを迎えていた。
そして、何より今年はまた一味違う異例中の異例、一人の男性IS操縦者が今年になって入学して来たのだ。学園が盛り上がらないわけがない。
「(これは……さすがにきつい。動物園のパンダの気持ちがよくわかる)」
織斑一夏は今、とんでもない状況に置かれていた。何故なら彼の周りは、女子しかいないのだ
「(くそっ、なんでよりによって俺がISを、折角受かった高校受験もパァだ…詩乃の奴もスゲー不機嫌だし…今度埋め合わせしねぇと)」
「織斑君。自己紹介いいですか?」
「は、はい」
山田真耶。この1年1組の副担任である。しかもこの人は前に詩乃とのデートで遊園地で会った人だ。偶然にも程があり、また会った時にはお互いに驚いだ。一夏は呼ばれたので返事をし席を立ち上がる。
「織斑 一夏です。えっと、趣味はこれと言ってはありませんが…特技は家事全般です。出来ることなら皆と仲良くなりたいです。よ、よろしくお願いします」
一夏がそう言うとクラスの女子達が黙り込んだ
「(………失敗したか?)」
一夏がそう思った瞬間
「……き」
「き?」
「「「「きゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」
「(グァァッ!み、耳がぁ⁉︎)」
クラス中に女子の大声が響き、一夏は超音波と思えるほどの声に耳を塞ぐ。
「男子!イケメン!」
「しかも、家事もできてイケメン………嫌いじゃないわ!」
「地球に生まれてよかった!」
女子達の大声が響く中…
スパンッ!
「ッ!!」
突如、出席簿が襲ってきた。一夏はそれを反射的に回避する。
「いったい何をしている」
「千冬姉⁉︎なんでここに…」
バシン!と再び出席簿が襲ってきた。一夏はそれを今度は右腕で受け止める
「ここでは織斑先生だ」
「…織斑先生、生徒に対する暴力はどうかと思いますが?」
「何、今のは姉弟の戯れとでも思ってくれ…次はせん」
「どうだか…千冬、先生は改善させようと改善できない物があるけどそれについてはどう説明をするつもりで?」
「先生付けしたから不問にするが…それとこれは関係はないだろう⁉︎」
二人のやり取りを見て騒いでいた女子達が静かになった
「ねぇ、織斑君ってあの千冬様の弟?」
「じゃあ、世界で唯一ISを動かせるのと関係あるのかな」
「いいなぁ、替わって欲しいな……」
女子達からの声が聞こえた
「あ、織斑先生。もう会議のほうはいいんですか?」
「会議のほうは終わった。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな、山田君」
「いえいえ、これぐらいはしないと」
千冬はそう言って教卓についた
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を大きな事故もなく一年間担当するのが仕事だ。私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。出来ない者は出来ないと、分からないところがあれば出来るまで指導してやる。いいな?」
「(どっかの独裁者の軍人かよ…)」
千冬がそう言うと一夏が内心でツッコミを言った途端、再び女子達が騒ぎ出した。
「キャアアアアァァァ!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉し いです!」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
「私は地獄の底まで!」
「(ここは変態しかいないのか?)」
「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」
「きゃあああっ!お姉様 もっと叱って!!罵って!!!」
「でも、時には優しくして!そしてつけあがらないように躾をして~!」
「………」
一夏は無言で千冬はため息を吐き呆れていたが、それにお構いなしに女子達は凄い大声を出した
「まあいい。SHRが終われば休み時間の後にすぐ授業にはいる。お前達くれぐれも遅れないように」
こうしてSHRが終わった。
しかし休み時間になると廊下が騒がしかった。世界で唯一ISを使える男、一夏を見に来たのだ。
「(居心地悪い⁉︎落ち着けねぇ……)」
はっきり言って学年学級関係なく集まってきた。あの織斑 千冬の弟なのだから、しかし当の一夏は顔には出さないが内心落ちつけずにいた。
「……ちょっといいか?」
どうしようかと考えていると、そこにポニーテイルの髪型をした女性がきた
「え、もしかして…箒か?」
そこにいたのは一夏の幼馴染、【篠ノ之 箒】である。一瞬気が付かなかったが、昔と変わらない髪型ですぐに気付いた。
「ここじゃなんだ、屋上で話そう」
「わ、わかった」
一夏と箒は屋上に向かう。視線のキツい中廊下を歩き、一夏と箒は屋上についた
「久しぶりだな、箒。元気だったか?」
一夏が箒に話しかけた
「一夏、おまえ変わったな?」
「え、そうか?」
「あぁ、顔や体がしまったような感じになってる。あれからも鍛えているようだな?」
「そうか?自分でもよくわからんが…」
「千冬さんのアレを避けたんだ。自信を待て。流石の私も避けられる自信はない」
箒の言った言葉に一夏は考え込んだ…一夏自信そこまで鍛えた記憶はないが何故かあの時反射的に身体が反応した事に少し疑問に思った。
「まぁ、それよりも、去年の剣道の全国大会、優勝したんだろ?」
「な、何故知っている!?」
「何って、新聞に載ってたぞ?」
「そ、そうか……」
一夏はそう言い箒は黙り込んだ。一夏は対してそのこととを気にせず箒の名を呼ぶ。
「箒」
「何だ?」
「少し落ち着きたいから一人にさせてくれ。さっきは声を掛けてくれてありがとう、助かったよ」
「あ、ああ、では…先に戻ってるぞ」
「ああ、また教室で」
箒はそう言って一夏を残して屋上を出て行った。
「はぁ……これからどうするか」
一夏は箒が屋上ら出るのを確認するとため息を吐き空を見上げる。柵に手を置き景色を眺める。
「詩乃からはおっかないメールも貰ってるし…」
IS学園に入学する前、詩乃からメールが来ており、内容は…
【浮気したら……わかってるわよね❤︎】
一夏はこの文章を見てメールだと言うのに、かなりの圧と殺気が込められている事を感じとれた。
「俺の人生…これからどうなるんだよ?人体実験のモルモットだけは御免だな…」
一夏はそう呟き、項垂れる。
「おめでとうございます!」
「ん?」
声のした方へ向くと、左から右へ下がるようにカットされたスカートを履き、右が黒で左が白のストッキング、逆にロングブーツが右が白で左が黒を着こなしている一人の女性が黄色と黒の箱を手に持ち一夏に近づいてくる。
「厳正なる審査の結果、あなたは選ばれました!」
「は?」
「今日からあなたは、仮面ライダーです!」
「……誰だあんた?IS学園の職員、じゃないな?と言うかどうやってここに…」
怪しさ満載の女性に一夏は警戒するが、その人物が言い放った言葉よりも先に、何者かと聞いた。
「私はツムリと申します!あなたは仮面ライダーに選ばれました!」
「仮面ライダー?(あれ?このやり取り……前にもあった気が)」
ツムリと名乗った女性の持っている物を見て一夏は首を傾げるが、今行っている会話に何処か覚えがあったが、そんな事お構いなしにツムリは一夏に箱を手渡してくる。
ツムリは箱を開けるとバックルと黒の狐の描かれたコアらしき物が入っており、それを見た途端一夏は不思議な感覚に襲われる。まるで『これに触れろ…』と本能がそう告げている感覚だった。
「…………」
一夏はコアに手を伸ばし触れる。
「……っ!」
それに触れた途端頭の中にいろんな光景が流れ込む…怪物に殺される人々、ISでも歯が立たず破壊される光景、自身が黒い狐を模した仮面の戦士となり、怪物……ジャマトと戦い【ゲーム】を勝ち抜いていく姿が、頭の中に流れ込んでくる。
「そうだ……俺は」
「では、DGPでお待ちしております!」
「…ツムリさん、あんたどうやってここに入り込めた?ここは警備とかも厳重なはずだが…」
全て思い出した一夏はツムリにまずどうやってここまで来たのか説明を求めた。
「それは……知らない方が身のためかと」
「そ、そうですか…」
ツムリは笑顔でいい、一夏はそれ以上は追求しなかった。ツムリはその場から離れて屋上から飛び降りる。
「お、おい⁉︎」
一夏は慌てて下を見るが、ツムリの姿はなかった。
「いない…てか、本当に何者だあの人?」
一夏はとりあえず装着はしない状態でデザイアドライバーにIDコアを嵌め込む。
ENTRY
「取り敢えず装着するのは学校が終わり次第だ…今は目の前の事に集中しないと…」
一夏はデザイアドライバーを懐に入れ、箱はそのまま置いていき教室に戻っていく。過去にもこの箱は中身を取ると自動的に消えるので放置しても問題はないのだ。
「(三度目の仮面ライダー……か。また、理想を叶える為の戦いが始まるのか)」
一夏は教室に戻りながらデザイアドライバーを握りしめる。そして先ほど流れ込んだ自分の記憶を思い出していた。
「
一夏は次の
「叶えてみせる。俺の理想の世界を」
織斑一夏は、3度目の仮面ライダーへの資格を得た。
今活動報告にてノアールギーツ関するアイディアを募集をしています。
もし気になればそちらの方も読んでみてください。アイディアお待ちしています