「―――であるからして、ISの基本な運用は現時点で国家の認証が必要であり―――」
一時間目はISの基礎理論である。担当は山田先生。以前会った時と違いしっかりと授業を行っていた。
「(この先生、すげえ説明がわかりやすい……なんでこの人が担任じゃないんだ?)」
「今のところでわからない人はいますか?」
「山田先生、聞いていいですか?」
山田先生がそう言うと一夏が手を上げる。
「はい、織斑君。どうしましたか?」
「ここがちょっとわからなくて…」
「はい、そこはですね」
一夏はわからない箇所を真耶に見せて丁寧に説明していく。
「成る程、ありがとうございます先生」
「いえいえ、もしわからない所があればいつでも聞いてくださいね。織斑くんの他にわからない人はいませんか?」
その後も基礎理論の授業は続き、順調に一時間目が終わった。
「ふぅ…(記憶を思い出してからかなり精神的に余裕が出来たな…さっきまでの視線が嘘みたいに気にならない)」
一夏は朝のホームルームとは違い他の女性からの視線も全く気にせず、休み時間を過ごしていた。命懸けでDGPを勝ち抜き、戦っていたのもあって精神面も大きく変化しているのだ。
「ねぇ…なんか織斑君、朝の時と雰囲気が違くない?目つきも違うって言うか……」
「うん、なんて言うかこう……キリッとしたような感じ?」
「いや、どっちかと言うと少し近寄りがたい感じじゃない?織斑先生に似てるからかな?」
クラスの女子が一夏の雰囲気の変化に気づきコソコソ話しているが、一夏はそんな事は気にせず、先ほどの基礎理論の復習をしていた。一夏はIS学園に入学になったのは入学式2日前のため、7.5割程度しか理解できていない。なので休み時間を使い理解できていない部分を覚えているのだ。
「(この辺りは分かりづらいな……後で山田先生か聞くか、て言うかあの先生…道長さんと付き合ってたのかよ…)」
一夏は記憶を思い出し、整理していると仮面ライダーバッファである吾妻道長と副担任の山田真耶と詩乃とのデートの際に遊園地であった事を思い出す。まさか一夏も道長に彼女がいるのは予想外で一番驚いたが、道長は自分以外のライダーは敵視しており、一般人より、冷酷且つドライでスコア稼ぎを何より優先する傍若無人な野心家なのだ。
「(けど、山田先生の言ってた事…嘘のようには思えないんだよな…)」
—— 道長君の言い方はキツイから勘違いされがちだけど、根はとっても優しくて面倒見がいいんですよ!
そばから見ても仲のいい恋人関係だった。詩乃も同じ事を思ったくらいだ。
「(……道長さんがああなった理由って…絶対DGPが関係している。
「ちょっとよろしくて?」
「………」
一人の女性が一夏に話かけてきた。しかし一夏は考え事をしていて全く気づいていない。
「ちょっと聞いてますの!!」
「ん?ああ悪い。んで、あんた誰だよ?」
「あなた、私を知らなくて!?」
「知らない。まずは名を名乗るのが礼儀じゃないか?自己紹介が途中で終わって全員の名前を把握してるわけじゃないからな」
「入試主席でイギリスの代表候補生のセシリア・オルコットですわ!」
「織斑一夏、よろしく(……めんどくさい奴がきたな…)」
セシリアの態度に一夏は女尊男卑の女だと悟る。一夏はめんどくさそうにセシリアの話を聞く。
「本来なら私のような選ばれた人間と貴方達のような者がクラスを同じくするだけでも奇跡…幸運なのですわ。そこのところをもう少し理解していただけないかしら?」
「フーン」
「……貴方、馬鹿にしていますの?」
「別に…」
「まぁでも、私は優秀ですから。なにせ入試で唯一教官を倒したのですから」
「あ?俺も倒したぞ、教官」
「なぁ!?」
一夏の一言を聞いてセシリアは驚いた。そんなに驚く事かと一夏は不思議に思う。
「聞いてませんわ!?」
「女子だけって話じゃねぇのか多分…」
「貴方……また後で来ますわ!!逃げないことね、よろしくって!?」
チャイムが鳴りセシリアが自分の席に戻っていった。
「逃げるって…どうやって逃げるんだよ(まぁ、俺はその方法を持っているけど…バレずに行かないとな)」
一夏の発言に周りの女子生徒も共感するように頷く。
「それでは、この時間は実戦で使用する各種装備について説明を…
あぁ、その前に再来週に行われるクラス対抗戦の代表者を決めなければならない。クラス代表とは、対抗戦だけでなく生徒会や委員会に出席する…まあクラス委員みたいなものだ。自薦他薦は問わん。だれかいないか?」
「(あのイギリスのお嬢様に押し付けるか)は「はい!私は織斑君を推薦します!」おい…」
一夏が手を挙げる前にクラスの女子達が手を挙げて希望を次々に口にする。
「私も!」
「ちょ…」
「アタシも!」
「私も!」
「では候補者は織斑 一夏……他にはいないのか?自薦も問わないぞ」
「おい、俺の意思とかは無視かよちふ、織斑先生?」
「残念だが自薦他薦は拒否権はない。諦めろ」
「ええ…(これはまずいな…DGPに支障が出かねない)」
一夏はセシリアに任せようとしたが推薦をする前にまさかの自分に推薦が来たことによってできずしかも拒否権がないと来た。その事によってもし自分が代表になればDGPに支障が出てしまうのでそれだけは避けたかった。
「ちょっと待ってください!納得がいきません!」
そう言って立ち上がったのは他でもないセシリア・オルコットだった
「そのような選出は認められません!!大体、男がクラス代表だなんていい恥曝しですわ!!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間も味わえとおっしゃるのですか!?」
セシリアが文句を言いい始めるが一夏は呆れていた。
「実力でいけば、私がクラス代表になるのは当然!それを物珍しいからといって極東の猿にされては困ります!私ははるばるこの島国までISの鍛錬に来たのであってサーカスを見にきたのではありませんわ!!」
その言葉にさすがの一夏ピクリと眉を動かし、不快そうな表情になる。
「そもそも、私にとってはこのような後進的な国で暮らすのは耐え難い苦痛で…」
「じゃあ自分で自薦すれば良かっただろ?俺は正直やる気はない。やる気のあるあんたが自薦すればすぐに済む話だろ?それとお前…発言には気をつけろ。お前のせいで国と国の争いごとの火種を生む事になるぞ?それとISの生みの親は何処の国出身で、このクラスの担任が何者なのかをよ〜く考えな…イギリスのお嬢様?」
「なっ!? くうぅ……よくもわたくしに恥をかかせてくださいましたわね!!!」
「お前が自爆しただけだろ?」
セシリアは一夏に正論を言われ続けて黙り込みそして…
バン!!
「決闘ですわ!」
「は?」
一夏は突然の発言に思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
「別に構わないが…どうなっても知らないぞ? 俺はどれだけハンデをつければいい?」
「あら? 早速お願いかしら?」
「いや、どれ位ハンデをつけたらいいかって聞いているんだよ」
一夏の言葉に、千冬、真耶、以外の全員が笑っていた。だが、一夏は動じない。
「織斑君、それほんとに言ってるの?」
「男が女より強かったのって、ISが出来る前の話だよ…」
「もし、世界が男と女で戦争したら、男は三日も保たないらしいよ」
「今からでも遅くないよ! 謝ってハンデつけてもらえば?」
一夏は女子たち言葉を聞いて呆れを含めたため息を吐く。
「……お前ら馬鹿か?それはISを使った場合の話だろ?ISがなきゃみんなただの一般の女子、仮に、織斑先生を除いて俺が今みんなに手を出したら勝てる自信あるのか?」
「う……」
「そ、それは……」
一夏にそう言われて女子生徒達は何も言えなくなる。
「……ない」
「そう言う事だ。それにあの人は…そんな事のためにISを創ったんじゃねぇんだよ」
後者の一夏の言葉は誰も聞き取る事はできなかった。その中で千冬は何か言っている事に気づいたが一夏の表情を見て追求する事はなかった。
「うむ……織斑の言うとおり、確かに男が女より強かったのは昔の事だが、今じゃその逆になっているがな」
千冬も一夏の意見に賛成し、賛同する。そしてセシリアに視線を移すと、セシリアは怒りの表情になっていた。
「いいですわよ……そこまで言うのならハンデはいりませんわ!!完膚なきまでに叩きのめして差し上げます!!」
「そうか……なら俺が勝ったらお前はクラス代表決定まで文句言わずに従え、いいな?」
「いいですわよ! ただし、負けた場合は貴方はわたくしの奴隷……いえ小間使いにしますわ!!」
セシリアの言葉にクラスメイト達は一夏に対して同情と憐れみの視線を送る。
「(何でみんな俺に対してそんな視線を向けてくるんだ?)」
一方、一夏は自分が変な目で見られている理由が分からなかった。
「……ハンデはどうする?」
「あら?逃げるのですの?」
「いや……お前相手にハンデが欲しくないと思ってな。そして俺が負けた時はお前の奴隷になる……じゃあ俺が勝ったら何をしてくれる?」
「良いですわ!貴方が望む事をなんでもして差し上げますわ!!」
「言ったな?後でやめますとかは無しだぞ?」
一夏はセシリアの言葉を聞くとニヤリと笑みを浮かべる。すると千冬が一夏に話しかける。
「良いでしょう……この私、イギリス代表候補生であるセシリア・オルコットの敵ではありませんわ!!」
「あっそう。後、お前は遠回しにだか俺がこの世で一番尊敬する人を馬鹿にしたんだ。当日は覚悟しておけ…セシリア・オルコット」
「ひっ……!」
一夏は怒気を含めた殺気を放ち、周りにいる生徒は一夏に恐怖を抱き始める。その殺気は15の少年が出してもいい殺気ではなく周りにいる生徒は一夏に恐怖を抱き始める。
「おい織斑止めろ!」
「あ…」
一夏は千冬の声で我に帰り周りを見ると、教室は一部を除いて一夏に怯えている生徒のみだった。一夏は冷静になりさっきを鎮める。
「すみません」
一言謝罪し席に座る。
「(なんだ今の殺気は、一夏…お前に一体何があったと言うんだ?何をお前をそこまで)」
「(一夏、なのか?あれではまるで…別人ではないか)」
千冬と箒は一夏の異常なまでの殺気に、まるで別人になっている一夏に動揺していた。
「……話は、纏ったな。候補は織斑、オルコットの2人とする。一週間後の月曜、第三アリーナでクラス代表決定戦を行う。2人は各自で準備しておくように。では、授業を再開する」
千冬はなんとか平然を保ち授業は続けたが、周りは授業に集中する事が出来なかった。
放課後〜
一日目の授業は午前中で終わり、一夏は教室で1人予習をしていた。
「予習はこの位かな(はぁ…入学初日でここまで疲れるとはな)」
あの授業以降、気まずい空気が続き、新しい学生生活の一日目とは程遠い日となってしまった。
「さてと、周りも誰もいないな?それじゃあ、そろそろ行こうかな」
一夏は予習を終え、周りに自分以外誰もいない事を確認した後懐からデザイアドライバーを取り出し装着する。
DESIRE DRIVER!
そして目を開くと一夏にとっては見慣れたデザイア神殿に居た。
「おお、既に結構集まってるな」
周りを見渡していると既に何人かの人が集まっており、一夏を含めた一部の参加者たちを除き、動揺し辺りを見渡していた。
「
一夏は辺りを見渡すと浮世英寿の姿を見つけ駆け寄る。
「よう、どうやら今回も参加するみたいだな?」
「そうみたいです。チャンスはまた巡ってきたってね」
「ふっ、また厄介なライバルが参加したものだ。しかしお前、IS動かしたんだって?流石の俺も驚いたぞ」
「あはは…」
流石の世界的スターの
暫くすると「落ちるぅぅ!!」と声が聞こえ、新たな参加者もエントリーしたようだ。
「あれ、あの人…」
声の主のほうをみると、そこに居るのは桜井景和だった。前のDGPで一夏が助けた1人である。そして中には道長の姿もあり視線が合うと何故か逸らされ、一夏は首を傾げる。
「え、え⁉︎
「嘘⁉︎本物の
「スゴーイ!!本物の
「流石、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ」
「まぁな、それとお前も人の事言えないだろ?」
「え、それってどう言う…」
一夏は対応慣れしてる姿に感心するが周りにいた参加者も一夏の姿を見てようやく気づく。
「あれ、
「ああっ⁉︎男でISを動かした織斑一夏じゃないか⁉︎」
「マジ⁉︎」
「有名人がどうしてここに⁉︎」
「と言うか、
「(そうだった…人の事言えない状態だった!)」
一夏も今では世界で初男性でISを起動させた男として世界でも知られている事をようやく思い出しどうしようと考える。
「皆さん、こんにちは!私はゲームナビゲーターのツムリです。ようこそ、デザイアグランプリへ!!」
「今、私達の世界はジャマトの脅威にさらされています」
ツムリはDGPの内容を説明する。ジャマトはどこからともなく現れる敵。何が目的なのかは現時点では分からない状態なのである。そのジャマトの脅威から街を守るためにあるのがこのデザイアグランプリだ。そのデザイアグランプリが終わると記憶が消滅する仕組みになっており、IDコアに触れることで記憶が復活するのだ。
「――それでは皆さん、お手元のデザイアカードに、願いをご記入ください。」
そう言った時、手にペンとデザイアカードが現れ、一夏は迷いなくすぐに筆を進ませた。
「お前は前回と変わらないみたいだな?」
「はい。現実にしたいですから…
一夏は願いを書き換え
「……これ、マジですか?」
「ああ」
「目的はこれまで関わって何となくは察していましたけど……大丈夫なんですか?」
「それは俺が理想の世界を叶えた後のお楽しみだ…これを見た以上、お前も共犯だからな?」
「え、ちょっと……冗談ですよね?」
「信じるか信じないかは…お前次第だ」
「あっ、ちょっと!」
会話を終え、願いを書いたカードを提出し、ツムリの説明が終わると、DGP参加者はジャマーエリアに移送された。
『それでは、デザイアグランプリを開催いたします!運命の第一回戦。最初のミッションは、宝探しゲーム!ジャマトに奪われた宝箱を取り返して、アイテムをゲットしてください!』
「…さっそくビギナーには難易度が高いミッションだな。こりぁ相当人数も絞られるな」
移送された場所は一夏1人でIS学園の制服からDGPの衣装に変わっており一夏いつも通り準備運動を行う
『ジャ』『ジャ』『ジャ』
さっそく現れたのは【盗賊ジャマト】、このジャマトが宝箱を持っており取り返さなければならない。
「さてと、久しぶりで体も若干鈍ってる所だ。一週間後にある決闘に向けて、ついでにストレス発散に付き合ってもらうぞ、お前ら!」
一夏は腕を軽く回し準備し、勢いをつけジャマトに走り出す。
「オリァッ!!」
ジャマトの間のギリギリで一夏は飛び蹴りを喰らわし、空中で回転しながら体制を整え着地しする。
『ジャ⁉︎』
一夏はジャマトによる攻撃を見切り躱しながらカウンターを与えると、するとジャマトから【?】のあるマゼンタ色のアイテムボックスが二つ地面に落ち、一夏はすぐさま落ちたアイテムボックスを開ける。
「こいつは、盾。後一つは…」
二つ内一つは小型のバックルが入っており、一夏は残った最後ボックスを開けると…
「これは…」
最後の箱の中には紫色の大型レイズバックルが入っていた。
「【ゾンビレイズバックル】、まさかこいつを当てるとはな…何気に手にするのは初めてだな」
『ジャ!』 『ジャ!』
すると別のジャマトが現れ、一夏は小型レイズバックルをDGP参加者のみが着れるジャケットの懐にしまいゾンビレイズバックルを片手に持つ。
「ちょうどいい。ゾンビの力、試してみるか!」
SET
「変身!」
一夏は
そして横にドロドロしいゾンビの文字が現れバックルの鍵部分を捻り展開する。
GRAB!CLASHOUT!
ZOMBIE!
文字から紫色の毒が溢れ出し、ゾンビの鎧のようなアーマーが展開され、一夏は全体に黒のアーマに包まれ、黒狐を模する仮面と鎧が装着される。
右手にはゾンビブレイカー、左手には大きなカギヅメ。ゾンビを思わせる禍々しい装備を纏った仮面ライダーノアールギーツ・ゾンビフォームが誕生した。
「さぁ、ここからが…開幕だ!」
READY FIGHT!
現在活動報告にてアイディアを募集をしています。