紅き月の非日常   作:大正ロマン

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最近妹様に浮気している大正ロマンです。
これはフランの二次創作が圧倒的に多いせいであって決して俺のせいじゃない。


きゅっとしてドカーン(兵器)

「フラン!?なんなのこれ…!?さっきまでこんな傷どこにもなかったのに!」

「対吸血鬼用の毒ですよ。空気と融合して蔓延するものだと思われます。

実力と武器が見合っていないのがいささか不思議ですが、

おそらく先ほどの吸血鬼狩りの得物でしょう。

全身がいきなり傷だらけになってからようやく毒に気づく厄介な代物です。

…これは痛そうだ。いやあ彼らも中々往生際が悪いですねぇ。」

「そんなこと言っている暇があるなら助けなさいよ!大丈夫…大丈夫よフラン落ち着いて……あれ………?」

そこで彼女はすぐにその異変に気づく。

「…え、どうして。なんで治癒魔法が効かないのよ!?」

男は言った。

「そりゃあもう毒が体に回りきっているからですよ。そもそも吸血鬼用の劇薬ですからね。

吸血鬼が使う治癒魔法じゃあ回復出来るわけがない。」

「そんなこと言わないで!まだ分からないじゃない!

そんな簡単に諦められるわけ………」

待て、何かがおかしい。

そこで私の思考はようやく疑念を覚える。

 

彼は会ってからフランのことを一度も聞かなかった。

初対面で隣にいるとなればまず話題に上がるはずなのに。

 

そしてあらかじめ用意されていたかのような形式ばった説明。

 

吸血鬼狩り、ひいては生物への関心の薄さ。

 

私は一つの可能性をようやく導き出した。

彼はおそらくーーー私の気を削いでいたんだ。

 

 

 

 

「…………まさかあなた、ここまで見越して毒のことを黙っていたの?」

「ええ、もちろん。」

 

 

彼は即答した。

「やっとお気づきになられましたか。

…それで?どうなさいますか?このまま何もしないというのが妹様のためだとお思いで?

私は医者ですから結果は保証致しますよ。

ああ、もちろん対価は頂きますがね。」

「…………」

なるほど。侮られていた気がしていたのはこういうことだったのか。

ひとえに雰囲気で判断した慢心が自分の首を絞めたのだろう。

それが分かったところで今更どうしようもなかった。

 

悔しい。

憎い。

情けない。

今となっては彼の下衆な考えが手に取るように分かる。

勝負は既に決していた。

 

なぜそこまでして私と共にありたいのであろうか。

あの運命の過程はこんなに胸糞の悪いものなのか。

そのくせなぜ私たちはあそこまで楽しそうなのだろうか。

様々な感情や疑問が流れ込み私の頭はぐちゃぐちゃだった。

こんなに食えない男のことだ。フランを治した後に自分が殺されるリスクをも考えていることは明白である。

フランには悪いがこんな卑劣な男と共生の道は私たちにはない。そんな運命は認めない。

それなら死んだほうがマシだ。

 

彼女は瞬時に思考を巡らす。最愛の妹のために。

 

私が出来るせめてもの償い………、それはこの男を全身全霊をもって殺すことだ。

私は彼の制止も聞かずに、痛む身体を無理矢理引きずった。

今すぐにでも泣いて許しを乞させたかった。

今すぐにでも奴の首を刎ねてやりたかった。

しかし、私にそんなことが出来る時間はついぞ訪れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!?」

その刹那、私の身体から数多の傷が発現し、私は痛みでろくに動けなくなってしまったのである。

「は………はっ…………かひゅぅ」

体の内でなにかが暴れている。器官や体の肉が裂ける音が聞こえる。

「はぁ……はっ…。」

「は、……。意識を保たれるとは。これはこれは恐れ入りました。」

…だが彼女にとって己の不甲斐なさに比べれば、それはごくごく些細な事であった。

「……抜かったわね。」

「あまりお体を動かさないほうがよろしいかと。」

「へえ、………そういうこと。

フフ、これも…ぐ……織り込み済みってわけね。身をもって厄介さと苦しさが……分かったわ。」

……思えば戦闘をしていないフランですらその毒に蝕まれていたのだ、

彼の言う通り何とも滑稽な散り際である。

うつろな目で彼を見やると、彼は一貫した作り笑いで私を見下ろしていた。

「そうですか。それは良かった。

…さて、この短時間できれいに立場が逆転しましたね、レミリア殿。本当に滑稽な絵面だ。

さあ、最期になにか言い残されている言葉はございますか。今とても気分がいいので聞いて差し上げますよ。」

「はっ…………はぁ……フ、フフフフ。その割にあなたの…表情は……乏しい、のだけれど?

あなたの顔……その白々しいポーカーフェイスしか……私は見てないわよ。」

とんでもない意趣返しをされたものだ。吸血鬼の誇りなどあったものではない。

吸血鬼失格である。

「はぁ………はぁ……ねえ、………あなたは……吸血鬼狩りなの?」

「ハハハまさか。あんな野蛮で能がない連中と同じにしないで頂きたいですね。

………いやあそれにしても、我ながらなんとも気の毒な光景だ。

さすがの私にも思うところはある。そこで、提案がございます。

先ほどの交換条件のお話、覚えていらっしゃいますか。

あちら、不本意ですがまだ取り下げてはおりません。…ええ、あれをお使いになられては?

そしてまだまだ、本題はここからでございます。

…その体で私が妹様をお助けしてしまっては私の一方的な善行になりますが……

私としては妹様ではなくレミリア殿をお助けしても一向に構いませんけれども、如何なさいますか?」

「フフフ……。」

満身創痍の姉の脳内に甘美な提案が響き渡る。

だが一貫性を持つのが彼女、ひいては吸血鬼、ひいては一人の姉という種であった。

 

彼女は即答した。

 

「フフ。………愚問ね。あなたの……目的は……はぁ……分からないけれど、妹の…治療をしてちょうだい。そして………二度とフランの前に現れないで。私がいないと…あの子は…はぁ……とても不安定で危険の塊。でもね……姉としてどんな形であれ……天寿を全うして地に返ってほしいのよ。………残念だったわね。誰が…何と言おうと…フフ、私が…お前の浅ましい考えに……のることは…絶対にないわ。」

 

─その独白時、……彼女は終始笑っていたという─

 

 

 

 

 

 

「………………やはりあなたは聡明な方だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は翼を大きく広げ少女たちを覆った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やばい全く話が進まねえわ。
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