紅き月の非日常   作:大正ロマン

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未だに悪戯センセーションを聴いているのは私だけでしょうか。
多分あの二人の絶妙なロリボイスが中毒性高いんだろうなあ。
あと絵がトニカクカワイイ(早口)


世界はちいちゃいのよ!……それこそ私くらい

夜もとっくに更けた頃。

私たちは早々に見つかり、結局彼と晩酌を共にしていた。

「こちら、ブランデーでございます。

体を温める効果のあるお酒です。種族柄お酒はお好きでしょう?」

「………そうね。何故か言いたくないけど私がよく飲むお酒よ。」

「それはよかった。

ああ、酒や食事は私の自前なので追加をご希望になられたら遠慮なくお申し付けください。

今アテを用意致しますが…何かご希望は?」

「……ナッツを頂けるかしら?」

「かしこまりました。」

諸君はワインを飲んだことがあるだろうか。ちなみに私はこんな体だが合法である。

話を戻そう。

ブランデー、もといワインは数年ほど熟成させるもの、稀に数十年の年月を経て

熟成させるものなど様々だがとにかく長く(私にとっては一瞬)長く熟成させることで

香りや味の深みが増し美味く仕上がる。

長すぎるとかえって味が落ちるのは長寿で忘れっぽい我々にとってネックではあるが。

特に蒸留酒はその名の通りゆっくりと熟成させることで芳醇度が段違いなのだ。

どこかの黒ずくめのようにバーボンやジン、ウォッカなどがいい例だろう。

余談だが先程も言ったように吸血鬼目線では数年など一瞬なのでワインコレクターが同族には多い。

かくいう私もその一人で、長い年月での研鑽によって目利きは効くほうだ。

そして問題の彼のコレクションのブランデーはというと腹が立つことに上質で香りもよく

しっかりと熟成期間を怠っていないことを物語っていて、一方でアテのナッツは程よい苦味によって

ブランデーの深みをより一層引き立たせていた。

「私の数少ない自慢のワインセラーの一つでございます。

かなり良い酒ですからつまみにもこだわっているのですよ。

いやあ、お目覚めになられたのをすぐにおっしゃってくだされば、つまみにも腕によりをかけられましたのに。

残念でなりません。…おや、随分と酒の進みが早いですね。

フフフ、蒸留酒ならたくさんございますがいかがですか?」

「……遠慮するわ。そんなことよりあなたの“お話”を私は聞きたいのだけれど。」

「“そんなこと”の範疇に私のワインセラーを入れないでいただきたいですねえ。

そして今少しお悩みになられたのでは?」

「……早く話してくださる?」

「おや、挑発にのられないとは珍しい。これは案外つまらないものだ。

………承知致しました。まだ興がのっていませんがお話して差し上げましょう。」

彼の見下すような発言や物々しい言い方はかなり癪に触ったが私はなんとか静観を貫いた。

いつまでたっても慣れる気がしないものである。

「僭越ながらもう一度自己紹介をさせて頂きます。

私の名はフィリップ・カーミラ。………あなた様と同じ吸血鬼でございます。

先ほどのご無礼をお許しください。

あなたのことをよく存じ上げておりませんでしたもので、

致し方なく試すような真似をさせて頂きました。

…では、改めて提案を。私との共生はいかがですか、レミリア・スカーレット殿。

理由は至って単純でございます。

…種族の生存戦略だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「近年、吸血鬼狩りは力を増している。

それこそあなた方ご姉妹が餌食になったのが良い例だ。

対吸血鬼兵器がつくられているほど人間の技術は日々発展しているのですよ。」

そう言うや否や彼の気配は私たちのそれへと次第に変わっていった。

「…なるほどね。それならあのワインセラーにも納得がいくわ。

じゃあ返事をお返しする前にあなたに聞きたいことが二つあるのだけれどいいかしら?」

「…お構いなく。」

「じゃあ一つ目。

吸血鬼狩りを皆殺しにした時のあなたの気配、どう考えても人間だった。一体何をしたの?」

「私の生まれつきのものですよ。簡単に言えば生物の気配を真似ることが出来ます。

気配を真似るだけですので変装ではございません。

ですから擬態となると必然的に吸血鬼と背格好や容姿が似ている種族に限定されます。

羽の出し入れができることが唯一の救いですかね。」

「…分かったわ、二つ目。

これがあなたの目的を知った上で考えると一番不可解なのよ。

認めたくないけれどあなた…………気配からして私より強いでしょう?

なぜあそこまでして見ず知らずの私たちと共生を望むの?」

吸血鬼は己や身内以外への道徳心は基本的に希薄である。

なるべく万物に寛容に努める私たちでさえも、

おそらく吸血鬼狩りなど仲間意識が強い者たちからすれば理解し難い感性を持っているのだろう。

彼らの同盟に情けや馴れ合いなどは一つも存在せず、常に個々の生存戦略を最優先とした利害が付きまとうのだ。

 

彼は言った。

 

 

 

 

 

「………一人は寂しいからですよ。………ただそれだけだ。」

「…………」

 

 

彼のものいえぬ気配によって、私はそれ以上を聞くことが出来なかった。

気づけばそこにいつもの軽薄さはなくなっており寂しそうな笑顔を浮かべる彼が目に映る。

強さ故の意外な一面に私は呆気に取られてしまっていた。

……だがまあどういう理由であれ、同胞の並々ならぬ信念には応えるべきだろう。

決断を下すには十分な時間があった。

 

「……分かったわ。あなたを歓迎致します、フィリップ・カーミラ殿。

ただ少しでも変なことしたらすぐにつまみ出すから覚悟しなさいよ。

当たり前だけど家事も分担してやっていただくわ。

さっきの物言いからしてあなた何でも出来るんでしょ?」

「承知致しました。深く感謝いたします。……」

「何よ、どうしたの?」

「……いやあ、レミリア殿も家事をなさるのだな、と。

ハハハ、見た目で判断してはならないとはまさにこのことだ。」

「早速つまみ出してもいいかしら。」

どう足掻いても何かが起こりそうな空気に私は辟易するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




正直ワインのくだりのおぜう豆知識いらんわな。
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