繋ぎなのでかなりコンパクトです。
コツコツコツコツ…
暗がりの廊下に一人の靴音が反響する。
それは、突然の不躾な訪問に心なしか興奮する変人の姿であった。
「……おお、凄まじい妖力。この妖力量で一人か。…ん、いやさすがにもっといるのかな?こんなことならレミリアにちゃんと視せてもらっておくんだった。」
そう突っ込んでいる余裕こそあるものの、彼は気を緩めることなく霊力を感じ取り、相手の戦力を的確に判断していく。
普段の飄々とした態度は何処へやら、彼はいつにない真剣な表情をしていた。
(気配が探りづらいな…。突然現れたり消えたり……。
使い魔の類だろうか……まあいずれにしろ厄介者なことに間違いはないだろう。)
考えをまとめかける傍ら淡々と霊力探知を済ませ、大広間を通り抜け目的地へと到着する。
スローライフ、もとよりここはアットホームな職場だとあらかじめ聞いていただけに彼は同時に辟易もしていた。
毎晩毎晩襲撃の嵐。客人は烏合の衆といえど結構な重労働だというのに、それどころかこんな得体の知れない者まで丸投げされることも多々ある始末だ。
彼はあくまでも食客の立場なのだが、様々な面倒事をこなして(主に阿呆二人の尻拭い)いるが故に、その立ち位置を忘れられても無理はないのであろう。
働かざる者食うべからず、という彼女なりの遠回しな当てつけとも十分考えられる。
単なる同族としてのものさしでは測れない彼女に彼の興味は尽きなかった。
「…ハハハ、だが手玉に取られるのも悪い気分ではありませんな。」
彼は嫌々半分興奮半分といった複雑な心境で荘厳なドアを開け放った。
草木が揺れ、風の音が轟轟と響き渡る。
紅魔館の周辺は異様な空気感で満ち満ちており、いくら市街地から離れているといえど
人々の安寧を脅かすには十分すぎるものであった。
そのただならぬ状況を察してか漁夫の利を得ようとする不届者は終ぞ現れることはなかったという。
もはや魔境と化した紅魔館、いや西洋の一帯の行先は彼らに委ねられているといっても過言ではない。
その地は、人を模った妖なる者たちによる独壇場となっていた。
「もし、そこの御客人。さては紅魔館に御入り用ですかな?」
すると何もない空間から突如裂け目が現れ彼の背後に展開されていた。
「まあ、おかしいですわね。吸血鬼は皆殺しにするというお話では?フィリップ殿。」
「おや、事情が変わったのですよ。…ともすると我々の悲願も達成されるかもしれない。」
「あら、我々ですって?…自分本位の願い事ほどタチの悪いものはありませんわ。」
大妖怪としての威厳、風格が彼らからは感じられていた。
主人公はロリコン?
ハハハ、言っとけ言っとけ。