鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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めっちゃ久しぶりの投稿&最新話ッスわ!


第七話「リコリス最弱とパンダ」

 

 

 

「ぐぅ……情報以上の強さだ」

 

 ドラム缶に背を預け激しく息を吸い吐く男が一人。若干怯えたように背後を伺う男の腰にはベルトがあり、青いクワガタのような機械がつけられている。

 

「おかしい……戦いの神と呼ばれていたらしいガタックなら、奴に勝てるはず!! なぜ、我々は追い込まれている!?」

 

 マルチバース・ヴィランが開発したライダーシステム。その第5号機たるガタックに変身していた男は、ライオトルーパー部隊を率いて抹殺対象を暗殺するべく襲撃した。

 

 だが結果は返り討ち。抹殺対象である仮面ライダーリュウガのあまりの強さに部隊は男を残して全滅。リュウガはいつの間にか姿が消しているが、濃厚な殺意をヒシヒシと感じるため消えたわけではないことがわかる。

 

「はぁ、はぁ……本部に連絡をしなっ」

 

 ポケットから通信機を取り出そうとしたところで突如首を持ち上げられ、息ができなくなる。

 

「ぐぅ……りゅ、リュウガ!!」

 

 首を絞めるその手首を掴みリュウガを睨みつける。が、

 

 ボギィ

 

 なんの躊躇いもなく男の首をへし折りミラーワールドへ放り投げる。そこには餌を今か今かと待ち続けて涎を垂らすミラーモンスターがいた。

 

「喰っていいよ」

 

 主人ではないはずのリュウガの命令を素直に実行していたミラーモンスター……メタルグラスが男の肉にむしゃぶりつく。あたり一面に血が撒き散らされ、肉が飛ぶ。

 

 それを冷徹な目で見ていたリュウガは変身を解除し、椅子に座る。腰掛けに立て肘をつき膝を組むと、ため息を吐いた。

 

「最近襲撃が多くなってきた……それに、あいつ等が使ってた変身ツールはカブトのもの。この世界には本来存在しないもの……どこかに別世界からの協力者がいるはず」

 

 スマホを取り出し司に連絡しようとして、その手を止める。

 

「いや、今日はアイツに頼るのはやめとこ。あのバカ(電王)の相手に行ってるし」

 

 スマホの制服のポケットに突っ込むと、喰い終わったメタルグラスが近づいてきたのを見る。

 

「ふふ、ちゃんと食べれたね……前ぶっ殺したメタルグラスとは別個体、いや、前のメタルグラスが死んだから別個体として新しく生まれたのか」

 

 目の前で甘えてくるミラーモンスターであるメタルグラスは、以前リュウガが倒した存在に似ていた。ミラーワールドにいると、時々だがミラーモンスターが生まれる瞬間を目にする。

 

「まぁ、千束に被害さえなければどうでもいいか」

 

 椅子から立ち上がり現実世界へ赴く。

 

「私は、最強の仮面ライダーだ。誰かに負けることは許されない。千束を守り抜くためにも……それが、私の存在意義だから」

 

 買い物袋を手に歩き出した裏千束の背中を、建物の影から見る者がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

 買い物を済ませ、ミラーワールドに戻ってきた裏千束は、椅子の上に買い物袋を置くとため息を吐きながら後ろを睨みつける。

 

「いい加減でてきたら? じゃないと滅ぼすよ」

 

「わーーー!! 待ってください!」

 

 壁の陰に向けて黒龍を模したハンドガン――ドラグバスターを構えれば、人間の限界を軽く超えた速度で近づきながら青い制服を着た少女がジャンピング土下座をかましてきた。

 

 思わず裏千束の脳内に宇宙が広がった。

 

「殺さないでください!! お願いします殺さないで!! 僕の話を聞いてください!!」

 

「聞いてやるから落ち着けよ……」

 

 あんまりに必死な様子に呆れた表情をなり、馬鹿らしくなったのかドラグバスターを降ろした。

 

「それで? なんなのさ? アンタの話」

 

「えぇ、そうですね!! そうですよね!! 早くしてほしいですよね!!」

 

 イラァっと額に青筋が浮かび上がり、土下座して頭を上げない少女の頭部にドラグバスターを突きつける。

 

「死ぬ?」

 

「うわぁーーーー!! やめてください!!」

 

「なら早く言えよ」

 

「ボクを弟子にしてください!!」

 

「………………………………は?」

 

 裏千束は凍りついた。動きが止まり、ドラグバスターを落としてしまう。なお、落ちたドラグバスターは少女の頭にぶつかった。

 

 少女は頭にたんこぶができ、あまりの痛さに涙目になった。

 

「え、ちょ……えぇ、待って? え、なに、弟子? どういうこと……?」

 

 いつも冷静な態度を崩さなかった裏千束はめちゃくちゃ混乱していた。

 

「いっつぅ……ボクは弱い!! いつかは英雄になることを夢見ている自分ですが、それになるための実力がまるで足りてない!!」

 

「だから?」

 

「貴女の弟子になれば、ボクは英雄になれる!!」

 

「お断りだよ、そんな理由で弟子入りしてくるやつ」

 

 他人に頼り切りな奴は裏千束の嫌いな人種に入る。そもそも、英雄になろうとしてることが気に入らない。

 

 そんなもの他所で勝手にやってろ、そう思いながら未だに土下座の体勢を崩さない少女を見下ろす。

 

 青い制服に目が行く。リコリスには制服の色によって実力や才能が決められる。千束がその実力ゆえに赤い制服なように。

 

「私は弟子を取る気はない。だから、勝手に強くなれ。他人に頼りきりで英雄なんぞになれると思うなよ」

 

「はい!!」

 

 返事だけはいいなぁ……と呆れた目を向ける。

 

「ッ!! な、なん……だ」

 

 少しずつ苛つきが増してきた裏千束が地面に打ちつけられたを掴もうとした時、ミラーワールドの外に対して嫌な予感がした。

 

「千束……っ!!」

 

「え、ちょ!? 師匠!?」

 

 突然駆け出した裏千束に驚きながら少女も立ち上がり追いかける。途中足がもつれて転けたりしたが。

 

 裏千束がミラーワールドから出ると、金髪の少女を抱かえた傷だらけの千束とたきながいた。

 

 二人は時々後ろを確認しながら走っている。慌てて柱に隠れながら状況を把握しようと見てみれば、パンダを模した白い装甲の仮面ライダーがライフル銃を片手に歩いてきた。

 

 仮面ライダーダパーン。とある世界で開かれた最悪のゲームに参加している仮面ライダーである。

 

「アイツか……」

 

 リュウガのカードデッキを取り出しながらダパーン目掛けて走る。カードデッキを前にかざし、ベルトを腰に装着するとカードデッキを入れる。

 

「変身ッ!!」

 

 複数の影が裏千束の体に重なり黒い竜騎士――仮面ライダーリュウガとなると、カードデッキから1枚のカードを取り出す。

 

【ソードベント】

 

 天から降ってくるドラグセイバーを掴み取りダパーンに斬りつける。装甲からヒバナを散らしながらダパーンが吹き飛んだ。

 

「がはっ……な、なんだ!?」

 

「……殺す

 

 全身から殺意を撒き散らしながらダパーンを睨みつける。

 

【アドベント】

 

 呼び出したドラグブラッカーがミラーワールドから現れ、ダパーンの背中から噛みつく。柱にぶつけながら自由に飛ぶドラグブラッカーの頭に乗り、ドラグセイバーでダパーンを斬りつける。

 

「こ、この……!! いい加減に、しろっ!!」

 

 ダパーンはライフル銃――マグナムシューター40Xをドラグブラッカーの口の中で発泡する。

 

『ギュアアアアアアアアァァァァァァァァン!?』

 

 口から黒い煙を出しながらダパーンを放り投げる。

 

「ったく……ゲームの途中だっていうのに、いきなりなにするんだよ」

 

「……」

 

「あれぇ? 無視すんのぉ?」

 

 嫌味ったらしく気持ち悪い口調で肩を竦めるダパーンに、裏千束の頭にブチッと音がなる。

 

「……なぜ」

 

「あん?」

 

「なぜ、千束とたきなを狙った?」

 

 

 どうせ殺すなら殺す前に理由だけでも聞こうとドラグブラッカーから降りる。

 

「はぁ? なにヴァカなこと言ってんの? デザイアグランプリに参加してる仮面ライダーなら誰でも知ってるでしょ? 原作キャラを殺したらポイントが貰えるんだよ」

 

「……あ"?

 

 リュウガの殺意が増す。ドラグセイバーを握る力が強まり、ギリギリと音が鳴る。

 

「あー、もしかして君ってさぁ、この世界の仮面ライダー?」

 

「……たったら、なに?」

 

「いやぁ、俺ってばラッキーだわ。世界を守る仮面ライダーを倒したらプレミアムアイテムが貰えるし……だからさぁ」

 

 マグナムシューター40Xを裏千束に向け、

 

「死んでくれない?」

 

 躊躇いもなく弾を撃ち出した。

 

 次々に撃ち出される銃弾がリュウガに当たる。リュウガは顔を伏せながらゆっくりとダパーンの方に歩きだす。

 

 一度肩の力を抜きゆらりと体を傾けた瞬間、ダパーンの視界からリュウガの姿が消える。

 

「はぁ……? ぐへぇ!?」

 

 気づいたときには吹き飛んでいた。顔に、胸に、腹に凄まじい痛みが走る。顔を掴まれ持ち上げられる。腹を何度も殴られる。

 

 背中を殴りつけられ地面に打ち付けられる。起き上がろうとすれば背中を踏まれまた打ち付けられる。

 

 ザシュとドラグセイバーが背中に突き刺さる。あまりの痛さに叫びだしそうになるが、その前に頭を踏みつけられ阻止される。

 

【ストライクベント】

 

 黒いドラグクローを装備し、何度も何度もドラグクローファイヤーを放つ。

 

「も、もう……や、やめ……ぎゃああぁぁああ!!」

 

 相手の泣き声を無視し無理やり起き上がらせるとドラグセイバーで斬る。

 

 ドラグクローにエネルギーを溜め込み、黒い焔を撃ち出す。黒焔は痛みで動けないダパーンを飲み込み大爆発を起こす。

 

 ドラグブラッカーを後ろに待機させ煙の中を睨みつける。煙が晴れるとそこには誰もいなかった。

 

「……逃げた」

 

 煙が晴れたときに僅かに見えた黒いオーロラ。色は違うが司が移動するときに使っている灰色のオーロラカーテンに似ている。

 

 舌打ちをしながら変身を解きミラーワールドに戻ろうとすると、

 

「ま、待って!!」

 

 背中越しに掛けられた声に固まってしまった。そう、裏千束は忘れていたのだ。自分がなんのためにダパーンの妨害をしていたのかを。怒りで妨害ではなく抹殺しようとしていたが。

 

 ギギギと壊れた機械のように後ろを振り返ると、こちらの顔を見て驚愕している千束とたきながいる。

 

「わ、私がもう一人いるぅ!?」

 

「…………最っ悪」

 

 思わず顔を手で覆って天を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ~、こりゃあ面白そうな状況だな♪」

 

 その光景を近くの柱に隠れていた黒狐が見ていた。




とうとうバレちゃった!!ど、どうなる次回!?
それではみんな、また次回でお会いしましょう!!


感想などをくれると嬉しいです!

リュウガネキはイッチのスレキャラともう少し関わるべき?

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