『速報です! 連続殺人犯として逮捕された
降り注ぐ雨に打たれながら必死に裏路地を走る男が一人。フードを深く被り時々後ろを気にしながら走る男は暗くて見えにくい足元のせいで転びかけながらも決して足を止めない。
今足を止めれば捕まってしまうだろう。
「ハァ、ハァ……!! なぜ、なぜこんな事になった!? 俺が何をした!?」
壁の陰に隠れ、光が通り過ぎたのを確認したあと、ズルズルと壁に背を預けながらその場に座り込む。ポケットから四角いカードデッキのようなものを取り出し、ため息を吐いた。
「こいつのせいだ……こいつを手にしてから俺の運命は変わっちまった……っ!! 俺じゃない。俺は誰も殺してない!!」
本当なら今すぐにでも投げ捨てたい代物だが、なぜかこれは捨ててもいつの間にか帰ってきている。そういった恐怖もあり、簡単には捨てづらくなった。
「あの警官もそうだ……俺の顔を見た瞬間問答無用で手錠かけやがって……!! お陰で妻とは離婚になったし娘とも会えなくなった」
怒りが心の底から溢れ出し、殺意で目がギラギラしだす。
「……あ?」
近くから気配を感じて見てみれば、鏡の中で自分の後ろに蛇のような怪物が写り込んでいた。思わず振り返るがそこには誰もおらず、もう一度鏡見れば確かに存在する。
「どうなってる……?」
「それを鏡に向けてみな、ベルトが現れるからよ」
誰もいないと思っていた裏路地に響いた男性の声に体がビクリと跳ね上がる。
「だ、誰だ!? 俺を捕まえに来たのか?」
「ははっ! 別にそんなんじゃないさ。冤罪をかけられ可哀想な運命を辿っているお前を助けてやろうと思ってな」
現れたのはどこかの民族衣装のような服装をした若い青年だった。素敵な笑みを浮かべながら青年は一歩近づくと、男が持っているカードデッキに目を向ける。
「それは仮面ライダーに変身するためのアイテムだ。それを持っているってことは、お前は仮面ライダーになるべく選ばれた人間ってこと」
「なんだと?」
「おっと、怖い怖い。そう睨むなよ? 別にそんな悪いもんじゃねぇぜ?」
「だが、これのせいで!! 俺の人生は狂わされた!!」
怒りの籠もった叫びに「まぁ、そうかもな」と興味なさげに聞く青年は、鏡の中にいる怪物――ベノスネーカーが現れ、男の近くに寄る。
「なんだ、なぜお前は……」
「そいつもお前の助けになりたいのさ。だからお前と契約する前に現れたってわけ」
「どういう……いない、だと?」
まるで最初からいなかったかのように青年はいなくなっていた。夢だったのかと疑いたくなるが、自分の側を離れないベノスネーカーを見て現実だと確認できた。
「お前は……俺の力になってくれるのか?」
男の――浅倉威の震えるような言葉に、ベノスネーカーはゆっくりと頷くと自動的にカードデッキから出てきた1枚のカードに入り込む。その後なんの絵柄もなかったカードデッキにコブラを模った紋様が追加され、真っ黒だった素体は紫色に変化した。
カードデッキを鏡に向けると、そこから専用変身ベルト――Vバックルが出現し浅倉の腰に巻き付く。
「はははは……!! 変身っ!!」
カードデッキをVバックルに入れると、どこからともなく複数の虚影が浅倉と一体化し、コブラを模した仮面ライダー王蛇となる。
「さぁ、始めようかァ……祭りをなァ」
〜〜〜〜〜〜
「お前、まだいたの?」
まさかの喫茶店でバカと初対面してしまい頭痛を起こしながらもミラーワールドに戻ってくると、なぜか土下座したままの少女がいた。え、待って。もしかしてその姿勢のまま待ってたの?
「はい!! 師匠を待ってました!!」
「師匠じゃねぇし」
頭を軽く小突き、取り敢えず土下座をやめさせる。私は椅子に座りため息を吐く。
今日は疲れることしかない気がする。早く休みたい。
「はぁ……今日はもう帰ったら?」
「それはそうなんですが……」
なにやら言いにくそうに言葉を濁す少女を見て……ふと思ったことがある。
「そういやお前の名前聞いてなかったな」
「本当ですね!!」
テンション高えよ。
「ボクの名前は
英雄になりたいのはよくわかった。でもウザい。なので殴った私は悪くない。
その後、なんとか明と名乗った少女を追い出し一人の時間を確保した私は、どっかりと背もたれに背中を預けまぶたを閉じる。
疲れた。本当に疲れた。スレ内でさえもあんなに疲れたのに、まさか実際に相対した場合スレの何倍も疲れた気がする。
「本当にもう……司には絶対ファイナルベントしてやる!!」
許さん。バカと会わせたことは許しておけない。
「ん?」
ミラーワールドの外からかなり不吉な気配を感じる。誰だよと思いながら重い腰を浮かしてリアルワールドに出ると、そこには素敵な胡散臭い笑みを浮かべた青年が立っていた。
「誰お前」
「さぁ? 誰だろうな」
答えるつもりはなし、ね。よし倒すか。
「おいおい。そうカッカするなって」
青年は懐から謎のドライバーを取り出すと腰に装着し、黒いバックルを持ち出した。
「まぁ……せっかくの記念だ。相手してくれよ」
黒いバックルを開き黒狐を想像させる形にすると、それを2つに分離させドライバーに入れ込む。その後両手をクロスさせフィンガースナップをした。
「変身」
バックルからは禍々しい紫の炎と黒い霧が吹き出し、それと同時に円盤状のエフェクトが「ⅩGEATS」のロゴが現れ、更に黒く禍々しい九尾が青年の周りを駆け上がる。その後黒い九尾が上半身のアーマーとマスクに変化し、背後から黒い九尾の尻尾のようなものが青年に覆い被さる様にアーマーが装着され変身が完了する。
「オレはギーツ……すべてを破滅へと導く破壊の神。その名も
クロスギーツ……以前司から聞いた犯罪者の名前と同じだ。そしてあのバカがこの世界にやって来る原因となった元凶!!
「殺す!!」
「あんまり強い言葉は使わないほうがいいぜ? 弱く見えるからな」
アーハッハッハ……!!!!!!!! 覚悟しやがれ!!
私はすぐさまリュウガに変身しソードベントのカードで、ドラグセイバーを召喚する。そしてそのままドラグセイバーを振り下ろした。
「おっと、危ないだろ?」
私が振り下ろしたドラグセイバーは、クロスギーツが片手で掴まれしまいいとも簡単に防がれてしまった。しかも何度引っ張ってもびくともしない。
「ぐっ……このっ!!」
「そんなに離してほしいのか? ほら、離してやるよ」
陽気な煽り共に離されたため反動で後ろに転がってしまう。それを見たクロスギーツは心底おかしそうに腹に手を添えて爆笑している。
すっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇイラッてするぅぅぅぅぅ!!
カードデッキからなんの絵柄も描かれていないカードを取り出す。
「そんなブランクカードで何をする気だ?」
そう、私が取り出したのはどこを見ても普通のブランクカードだ。だが、ただのブランクカードではない。特別な力を宿すカード……らしい。
これは私が生まれたときから持ってる謎のカードだ。いつまで経っても使用できないカード。
「……頼むぞ」
ガントレット状の装身具型召喚機であるブラックドラグバイザー上部カバーを手先側へスライドさせてカードスロットを展開させ、ブランクカードをセットしてカバーを戻す。本来ならここでカードに適した音声が流れるはずなのだがやはりブランクカードということもありうんともすんとも言わない。
「ちっ!!」
苛立ちを隠さずに舌打ちしもう一度読み込もうト試みるが、結果は同じだった。それに気を取られてクロスギーツが間近にいることに気づかず、私はクロスギーツの持つ剣に斬り裂かれ吹き飛ばされた。
「がっ……!」
背中から壁に激突し床に転がる。たった一撃だと言うのに、意識を失いかける重さが響く。今も力が入らない。
「だ、だめだ……私が守るんだ」
強引に起き上がろうとするが、それをあざ笑うかのようにクロスギーツが背中を踏みつける。
「馬鹿だなぁ。弱いやつに誰かを守ることなんてできるわけ無いだろう?」
あぁ、そうだ。私は弱い。わかってる。そんなのわかっているんだよ。でも、負けるわけにはいかねぇんだよ!!
「お前がいる限り!! 千束の未来に光が来ないんだよ!!」
「知るかよ、そんなこと。どうせこの世界も壊すんだし」
「ふざ……けるなぁ!!」
この世界を壊す? ふざけるんじゃねぇ!! 許さない!! 絶対にぶっ殺す!!
体に力を込め強引に起き上がる。そして振り向きざまにクロスギーツをドラグセイバーで斬りつける。
「お前を倒すっ!! この命に変えても!!」
そう強く宣言すると、ブラックドラグバイザーのカバーが勝手にスライドされ、セットしていたブランクカードが飛び出してくる。反射的にブランクカードを掴むとブランクカードが黒い炎に包まれ、その炎がカードに吸い込まれる。
「なんだ、これ……!?」
黒い炎がカードの中で渦巻き、ブラックドラグバイザーが形を変える。ガントレット型だった召喚機は黒龍の頭部を模した手持ち型へと変化したブラックドラグバイザーツバイの本体前部を開き、私は黒い炎が渦巻くカードを装填する。
【サバイブ】
その音と共に黒焔が私を包み込むと、仮面ライダーリュウガはリュウガサバイブへとフォームチェンジを果たした。
「へぇ~。やるじゃねぇか。面白くなってきたな」
「私の覚悟……私の力!! 見せてやる!!」
どうだったかな?
ついにリュウガサバイブが解禁されました!!やったね!!みんなのおかげやよ!!ありがとうな!!
次回もお楽しみに!!
あと、感想などをくれると嬉しいです!!