鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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第十話「最強の紅き龍騎士」

 

 

 

 

 「はあぁ!!」

 

 サバイブへと覚醒した仮面ライダーリュウガこと裏千束は、余裕そうに様子見に徹しているクロスギーツに殴りかかる。拳は簡単にクロスギーツにぶつかるが、多少のけぞった程度でクロスギーツにほぼ変化はない。

 

「ん〜多少強くなったが、やっぱこの程度かぁ。残念だな」

 

「うるせぇなぁ!!」

 

 ドラグバスターを取り出しすぐさま連射する。だがそれに合わせてクロスギーツがギーツバスタークロスで相殺し、ソードモードに切り替えてリュウガに斬りかかる。

 

「ほらほらどうした? サバイブの力はそんなもんか?」

 

「な、なめるなぁ!!」

 

 最初こそドラグバスターで防いでいたもののクロスギーツの猛攻に耐えきれず斬撃を何度も食らってしまう。そのまま吹き飛ばされたリュウガは壁を突き破りながらもなんとか着地する。

 

 咄嗟に近くにあった鏡に潜り込みクロスギーツの背中を狙って飛び出すが、クロスギーツはまるで狙いがわかっていたかのように振り向きそのまま斬りつけた。

 

「甘い甘い。龍騎系ライダーで最も警戒するべき点は、ミラーワールドを使った不意打ちだ。俺がそれを見逃すと思っているのか?」

 

 サバイブに覚醒しスペックが上がっているにも関わらずクロスギーツには刃が立たない。追撃とばかりち襲ってくる斬撃を地面を転がって躱す。

 

 そして、

 

「なっ、嘘だろ!?」

 

 強化されていたサバイブフォームが解除されてしまった。

 

「あり? もしかして時間切れ? いや違うな。あ~そういうことね」

 

 リュウガのサバイブが解除されたのがクロスギーツにとっても予想外だったらしく、一瞬だけ思考の海に沈むがすぐに答えを見つけ出した。

 

「ま、どんな理由でも俺には関係ない」

 

 積み重なったダメージと今日一日の疲れから動けないリュウガに向けて、クロスギーツは銃モードにしたギーツバスタークロスを突きつける。

 

「これで終わりだ。じゃあな、この世界を守る仮面ライダー。お前が死ねば、この世界は消滅だ」

 

 銃口からエネルギーの光が見え始めた。

 

(ふざけるな……まだ、死ねない、のに!!)

 

 震える膝を動かそうとするが、嘲笑うかのごとく動く気配がない。もうだめかも知れない。そう諦めかけた時、

 

「ぐっ……!?」

 

 突然クロスギーツが吹き飛んだ。

 

「は……!?」

 

 吹き飛ばされたクロスギーツは自分を攻撃した方を見る。すると、

 

「な、なんでお前が!?」

 

「赤い……リュウガ?」

 

 リュウガと瓜二つの姿をした赤い龍騎士がドラグクローを突き出した状態で立っていた。

 

「仮面ライダー龍騎だと……? はは、まさかガチのレジェンドライダーとお会いできるとはな……」

 

 クロスギーツは少し焦った様を見せながら後ろに後退していく。その後ろに黒いオーロラカーテンが見えたリュウガは、しびれる足を無視して立ち上がると逃がすまいと走り出した。

 

「本当なら今相手してやってもいいんだが……流石にちと分が悪い。というわけでお遊びはここまでだ」

 

「逃げる気か!!」

 

「逃げる? はは……違うな。お前が俺に見逃されたんだ」

 

 どこまでもリュウガを苛つかせるような言い方に青筋が立ち始める。

 

「てめぇ、どこまで私を煽れば……!!」

 

「それじゃあ、こいつらと遊んでな」

 

 黒いオーロラカーテンの中へ消えたクロスギーツの代わりに、2人の人物が現れた。

 

「急に飛ばされたみたいだね。はぁ……まぁ、奏ちゃんから逃げられたから良しとするけど」

 

 緑のジャケットを着込み、なぜか手をウェットティッシュで拭いている青年。

 

「ここは……キヴォトス、じゃない?」

 

 ところどころ血だらけでボロボロとなった少年。頭の上には不思議な光輪が存在している。

 

「なんだかよくわからないけど、つまり君たちを倒せばいいってことだね?」

 

「まだキヴォトスでやることがあるから……だから帰らないと」

 

 二人は腰にそれぞれのベルトを装着する。

 

 青年はXの記号のような物がついた携帯端末――カイザフォンを取り出すと「9」「1」「3」の順番にボタンを押し「ENTER」を押す。

 

【Standing by】

 

「変身」

 

 カイザフォンを顔の斜め横に持ってくると表が見えるように手を裏返し、ベルト――カイザドライバーに装着する。

 

【COMPLETE】

 

 音に合わせて黄色い光である流体光子エネルギー――フォトンブラッドがカイザドライバーから配給され青年の肉体の上に流れるように移動する。その後青年が光りに包まれると、Xの文字をイメージさせる騎士――仮面ライダーカイザは気だるげに右腕を振るう動作をする。

 

「アマ……ゾン!!」

 

 その隣で少年はアマゾンズドライバーの「アクセラーグリップ」を捻り、小さく呟くと少年の肉体が赤く発火し燃え上がる。そのことにカイザを含めた3人はギョッとしながら少年を見るが、少年はその炎を腕で振り払うと凄まじい衝撃波が発生する。

 

「うおぉわ!?」

 

 隣りにいたこともありカイザは勢いよく吹き飛ばされ壁に衝突し壁にヒビを入れる。リュウガや龍騎は腕で顔を隠し、足と腰に力を入れこむことでなんとか踏ん張った。

 

 それは赤い怪物だった。紅い肉体に片方だけは白く濁った緑の複眼。体中についた白い傷跡など。見ただけで野性味を感じさせる。

 

「アマゾン……」

 

 少年が変身するときに発した言葉。

 

 仮面ライダーアマゾンアルファ。全てのアマゾンを滅ぼす存在が解き放たれた。

 

「ウウゥ……ヴァアアァァァァァァァァァアアア!!」

 

 天に向かって雄叫びを上げたアマゾンアルファはギロリと龍騎を睨みつけると、野獣のような動きで龍騎に掴みかかる。咄嗟のことで対応しきれなかった龍騎はそのままゴロゴロとアマゾンアルファとともに転がっていく。

 

「やれやれ……こうなると、俺の相手は君かな?」

 

 ゆっくり歩いてきたカイザが肩をすくめながらリュウガを見る。カイザブレイガンから黄色いフォトンブラッドの刃が現れ、ドラグバスターを構えるリュウガに斬りかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、千束。あの黒ってやつ……やはり不思議じゃないか?」

 

「うぇ? どうしたのさいきなり」

 

 客も少なくなり一度休憩に入っていた千束とくるみ。店のオーナーであるミカが急用で出かけてしまったため、たきなともう一人を交えて殺到する客の対応で疲れていた。

 

「いやなに、ボクは一度だけしか見たことがなかったが、あのリュウガという姿の戦闘力は凄まじいと思ってる。それこそ君でも負けるんじゃないかって思うほどには」

 

「あーまぁ、わからんでもないかなぁ……実際リュウガの動きって予測できないし」

 

「それに顔が千束に似ていることもまた気になる点だ」

 

「んー? そんなの普通じゃない?」

 

「いや、普通ではない。いくら世界に同じ顔の人間が3人はいるって言葉があってもだな、その同じ顔の人間が、同じ国の同じ市にいるのは不自然じゃないか?」

 

 その言葉に「たしかにねぇ」と頷きながら髪をかきあげる。

 

「まぁ、まだまだわからないことだらけだし、その本人もまたコーヒを飲みに来たときに聞いてくれればいいって言ってたんだろ? なら、チャンスはいくらでもあるな」

 

「そうかもねぇ。たしかに気にはなるんだけど……」

 

「ん、なんだ?」

 

「なんだろう……他人のはずなのに、他人には思えないんだ。黒ちゃんのこと」

 

 昔とは違いなぜかドクンドクンと脈を打って動いている(・・・・・)心臓の部分に手を添え、裏千束のことを思い浮かべる。

 

 自分のような明るさを持たず、どこか闇を感じさせる瞳。艶のある黒髪に千束よりも低い身長。

 

 他人のはずではあるのに、同じ存在に思えて仕方ない。

 

 仮面ライダーリュウガは10年前から活動している。そして10年前は一度千束が誘拐された年でもある。それだけで何らかの関連性が頭の中をよぎる。

 

「黒ちゃん、次はいつ来るのかな」

 

 たった一度の訪問でありながら裏千束が来るのが楽しみになった千束であった。 

 

(それはそうと、先生帰ってくるの遅いなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 




どうだったかな?


千束が誘拐されたことについては作者のオリジナルです。

それでは皆さん、また次回でお会いしましょう!!

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