鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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入院生活が始まるぜぇ!!!!!!ヒャッハァーーーー!!!!!!


第十三話「時の死者と時を喰らいし者」

 

 

 

 ラビスが先に戻ったあと……

 

「そろそろ出てこいよ。そこにいるんだろ?」

 

 人気のない道に入った永民はいつも浮かべているバカっぽい笑みを消し、鋭い視線を後ろへ向ける。

 

「驚いたな」

 

 数秒後、柱の陰から現れたのは黒い軍服を着た青年だった。怪我でもしているのか片目には眼帯がつけられている。

 

「そんなに殺意むき出しにされて気づかねぇわけねぇだろうが!」

 

「フッ……それもそうか」

 

 青年に向けて駆け出し殴りかかる。青年は拳に手を添えながら軌道をそらし、永民の腹にボディーブローをかます。その後永民が離れないように手首を握り青年の方へ引き寄せると、顔面に肘打ちする。

 

「ぐおぉぉ……やりやがったなこのやろう!!」

 

「先に仕掛けてきたのはそっちだ。文句はなし、だろ?」

 

 お互いに距離を取り睨みあう。

 

 両者とも次に仕掛けるタイミングを見計らうため、一歩も動かない。

 

 永民の額から一筋の汗が落ちる。その瞬間、先に動いたのは永民だった。先程殴られた仕返しか相手の顔面めがけて拳を振るう。それに対して青年は首を捻り拳を躱すと、その拳を掴み背負投げをする。

 

「うおぉ!? あっぶねぇ!!」

 

 地面に打ち付けられる前に体を回転させ上手いこと着地すると、力いっぱい掴まれている方の腕を引っ張りながら足払いする。

 

「くっ……!」

 

 青年が背中から地面にダイブすると足を振り上げ踏みつけようとするが、その前に横に転がったことで無駄に終わる。

 

「埒が明かん」

 

 青年は金の縁がついたユウキベルトを取り出すと勢いよく腰に巻き付ける。それを見た永民の視線が更に鋭くなる。

 

「そのベルト……!!」

 

「あぁ、そうか……お前はこいつを知っているのか」

 

 ポケットからライダーパスを取り出しユウキベルトの中央部分についているターミナルバックルにタッチする。

 

【スカルフォーム】

 

 それによりユウキベルトからフリーエネルギーが流れ青年の体を包み込むとプラットフォームに似たライダースーツ――オーラスキンに変わる。その後周囲に青く燃える炎がゆらゆらと現れ、黒い胸装甲である『幽汽アーマー』へと変換され幽汽レールを通って装着される。

 

「仮面ライダー幽汽……てめぇのも複製か?」

 

「複製……? 否!! 俺のベルトは正真正銘本物のベルトだ」

 

 幽汽の剣を避けながらデンオウベルトを取り出し巻きつけると、永民もライダーパスを取り出しターミナルバックルにタッチする。

 

「変身っ!!」

 

【ソードフォーム】

 

 永民は仮面ライダー電王ソードフォームとなりデンガッシャーを剣の形に組み立てると、幽汽専用の武器サヴェジガッシャーを受け止める。

 

「おらぁ!!」

 

 幽汽を蹴飛ばしたあとデンガッシャーを振るい攻撃する。それを幽汽はバックステップて避けると、電王の背中へ回り込みサヴェジガッシャーで斬りつけたあと背中を蹴る。

 

「うおぉ!? おっとっと……あぶねぇなこの野郎!!」

 

 倒れそうになるのをなんとか踏ん張り、そのまま振り返りながらデンガッシャーを振るう。だが、それもサヴェジガッシャーで防がれてしまう。

 

「そんなものか? 時の運行を守りし騎士よ」

 

「へっ……言ってくれるじゃねぇか!!」

 

 鍔迫り合いになりながら睨みあう。そしてお互いにバックステップすると、ゆっくりと移動する。

 

 幽汽はライダーパスを取り出すとターミナルバックルにタッチする。

 

【フルチャージ】

 

 ターミナルバックルからフリーエネルギーが青い炎に変換されサヴェジガッシャーに纏われる。それを見た電王もライダーパスを取り出しターミナルバックルにタッチしてフルチャージしデンガッシャーの刃先――オーラブレードにエネルギーを溜める。

 

 二人ともライダーパスを投げ捨てお互いの武器を構える。

 

「これで決めてやる」

 

「必殺……俺の必殺技! パート1!!」

 

 一気に走り出しお互いのオーラソードをぶつけ合う。一撃、二撃、三撃とぶつけ合いながら決して引かずに剣を振るう。

 

「終わりだぁ!!」

 

 デンガッシャーが幽汽のアーマーを斜め上に斬り裂き幽汽が膝をつく。それを見た電王はもう一度フルチャージする。

 

「もういっちょ! 必殺……俺の必殺技!! パート2!!」

 

 デンガッシャーのオーラソードを飛ばし幽汽を十字に斬り裂く。

 

「ぐっ……バカ、なあああぁァァァァァァ!!」

 

 爆発し砂となって消滅した幽汽を見届けたあとデンガッシャーを肩で担ぐ。

 

「へっ! お前が仮面ライダーを名乗るなんて百年早いぜ!」

 

 変身を解除し背を伸ばそうとした瞬間、永民のポケットが震えだす。

 

「ん? 司から?」

 

 スマホを取り出し通話ボタンを押して耳に押し当てる。

 

〘あ、ようやく通話に出たな!! 今どこにいるんだお前〙

 

「あ? あー……ちょっと野暮用で」

 

〘野暮用? それよりラビスになに言ったんだよ!! なんかめっちゃ怒ってたんだけど〙

 

「……あー、離れるときに『わりぃ!! ちょっとウ◯コ行ってくる』って」

 

〘バカじゃねぇの!?〙

 

 思いっきり罵倒された。当然である。

 

〘まぁ、もういいから一度戻ってきてくれ。話したいことがある〙

 

「話ぃ?」

 

〘マルチバース・ヴィランについて、だ〙

 

「5秒で戻る!」

 

 言うが早いか永民はすぐさま通話を切り全力ダッシュして店に向かう。当然のことながら5秒で到着できる距離ではない。まぁ、永民は馬鹿なので仕方がないことである。

 

 結局全力ダッシュして到着するまで四十分はかかった。

 

「おう、今戻っt……オォウ!? な、何があったんだよ!? 兄弟が何か檻に入れられてボコボコにされてる!?」

 

 店の扉を開け戻ってきた永民が見た光景は、フルボッコにされとある海賊アニメの主人公にように顔をパンパンに膨らませて涙を流しながら檻の中に入れられている司と、鬼のスタンド(比喩)を背後に携えながら腕組みをして睨みつけている少女、そしてそんな二人を見て困惑しているエボルトとラビスだった。

 

 いやいや情報量多すぎ。

 

「このバカがやらかしやがったからお仕置きしてたの」

 

「お、おう……けどさすがにこれはやり過ぎじゃね!? ここ喫茶店だぞ!? 店長も見てないで止めろよ!?」

 

「いや普通に無理」

 

 手を上げて降参のポーズを取っているエボルトが苦笑いしながら答える。

 

「な、なぁ? 許してやってくれって! 何をしでかしたのかは知らねぇけどよ」

 

アァン!? 甘やかさないでくれないかな?

 

ギャァァァァァァ!! 鬼が目の前に居るゥ!!

 

 あまりの怖さにとっさにラビスの後ろに隠れる。

 

「どうして私の後ろに……」

 

「いやだってよぉ、怖いんだよ!!」

 

「私だって怖いんだよ!!」

 

「タスケテ……タスケテ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜しばらくお待ち下さい〜〜〜

 

 

 

「はぁ……もう、これからは一般人を巻き込むようなことをするのは駄目だからね?」

 

「はい……肝に銘じます」

 

 シクシクとまだ泣きながら床に正座して反省する司。だが、あえて言おう。こいつはまたなにかやらかす気がするであることを!!

 

「なんだろう……なんか地の文にまでバカにされた気がする」

 

「なに言ってんだよ兄弟?」

 

「いやなんでもない。忘れてくれ」

 

「じゃあ忘れるわ!」

 

 やはりバカである。

 

「なにをぉ!?」

 

「で、そちらのお嬢さんは一体どちらで?」

 

 このまま流してたら収集がつかないと思ったのか、カウンター席に座っていたエボルトがそう聞く。

 

「あ、初めまして。私は白波雪菜です。よろしくね?」

 

「あ、これはご丁寧にどうも。エボルトです」

 

「ラビス……です」

 

 3人が名乗り終えると突然少女――雪菜がガタッと立ち上がる。

 

「え、エボルトォォォォ!? そういや喫茶店に居るって言ってたような……でも悪さをするかもしれないし倒すか?」

 

「まぁまぁ、一旦落ち着けって! ほら、チャーハンでも食うか?」

 

「お前はなんでチャーハン作ってんだよいつ作ったんだよあとここ喫茶店だっていつも言ってんだろうが土ん中に埋めんぞクソ単細胞野郎」

 

 ラビスはブチギレた。そりゃあもうキレた。

 

「見た目は月歌にそっくりなのに全然中身違うね」

 

「そりゃあブラッド族のラビスが肉体を使ってるらしいからな」

 

「へぇ……え?」

 

「わかる。その気持ち」

 

 永民を壁に追い詰め胸ぐらを掴んで持ち上げるラビスを見て、頭の中に宇宙が広かった雪菜。おそらくそこには真理を理解しようとしてできなかった猫もいることだろう。

 

 司はうんうんと頷いている。

 

「あ〜、雪菜って言ったっけ? あんまりそう言うことはラビスちゃんの前では言わないでくれ……面倒なことになるんだ」

 

「あ、はい……」

 

 エボルトに肩を捕まれ一瞬ビクッとしたものの、あまりにも疲れた顔をしているエボルトを見てなにも言えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「うええ……行きたいないなぁ。絶対怒られるって」

 

「千束がサボらなければ怒られることはありませんよね?」

 

「そうなんだけどさぁ」

 

 うだーっと沈んでいる千束を呆れた目で見るたきなは、自分で動きたくない千束の背中を押しながら進む。

 

 リコリスのライセンスの更新に必要な健康診断と体力測定など真面目にやればすぐに終わるはずだろうと考えていたたきなは、なぜここまで千束が嫌がるのかを理解できなかった。

 

 千束が嫌がる理由の一つとしてはリコリス本部にいるとある人物に会いたくない気持ちがあるからであるが。

 

「はぁ……まぁ、行くしかないよねぇ」

 

「そうですね。私も行く理由がありますしついていきますが、ちゃんとやりますよね?」

 

「心配性だなぁ」

 

 やれやれといったふうに肩を竦める千束に若干苛つくたきな。

 

 千束とたきなが本部へ向かっていると突然前方に眩い光が現れると中から火のついた蠟燭のようなものが存在する路線が敷かれる。

 

「なぜ路線が……?」

 

 疑問に思ったたきなが路線に近づた瞬間、

 

『ンギャアアアアアァァァァァァ!!』

 

 光から巨大なワニの頭部を模した鉄道型タイムマシン――ガオウライナーが口をガチンガチンと鳴らしながら現れる。ガオウライナーは路線の近くにいたたきなを狙いに定め、大きく口を開く。

 

「あっ……」

 

 死が迫り動けなくなったたきなだったが、ガオウライナーに喰われる前に千束に手を引かれて難を逃れる。

 

「あっぶねぇ……すっごくヒヤヒヤしたよ今の!!」

 

「ち、千束……」

 

「大丈夫たきな!?」

 

 息を切らしながらたきなに駆け寄り抱きつく。心配の深さから強く抱きしめている。

 

 ガオウライナーが通り過ぎると、そこに黒いロングコートを着た山賊のような出で立ちをした男が立っていた。手にはパイナップルが握られておりそれを豪快にかぶりつく。

 

「ふん、まさか来て早々ターゲットと出合えるとはな」

 

 パイナップルを投げ捨て金色の縁がついたパス――マスターパスを取り出すと、自動的に炎とともに専用のベルト――ガオウベルトが腰に出現する。

 

「変身」

 

 目を瞑り両手を広げるとマスターパスが自動的に宙に浮きガオウベルトのターミナルバックルをタッチする。

 

【ガオウフォーム】

 

 ワニの口を模した銅色が特徴的なオーラアーマーであるゲイターブレストを纏い、時を喰らう戦士――仮面ライダーガオウとなる。牙王の名前が示す通り全身の各所に牙状の装飾が施されており、変身が完了した瞬間あたり一面に衝撃波が放たれる。

 

「な、なんなの!?」

 

「くっ……逃げましょう千束!」

 

「う、うん!」

 

「逃げられやしねぇよ。今からオレに喰われるからな」

 

 ガオウはガオウガッシャーを肩で担ぎながら逃げる二人を歩きながら追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 












どうだったかな?

良ければ感想をくれると嬉しいです。それではまた次回でお会いしましょう!!
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