鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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いやはや本当にお待たせしました!!本当に遅くなってしまいました申し訳ない!!


第二十七話「激戦、そして裏切り」

 

 

 

 

 メラメラと燃える住宅街。崩れ落ちる建物。黒いオーロラカーテンから現れる異形の姿をした怪物たち。

 

 怪物たちは次々と逃げ惑う人々を虐殺していく。それがたとえ子供や年寄りであろうとも。

 

「クククッ!! さぁ、逃げろ逃げろ……そして絶望せよ。我が望み、そしてクロスギーツの目指す世界を作るための生贄となれ」

 

 そんな怪物たちの海の中をゆったりと歩く人物がいた。全身は黒いローブに覆われているが、その声はまだ若い少女のものだった。

 

 少女は嗤う。醜いくらいに邪悪に。

 

「あぁ、美味い……実に美味だ。貴様ら人間の悪意、絶望、そういった負の感情はなによりも我の好物だ」

 

 少女はまたもや嗤う。全てを喰らう蛇の如く醜悪に。

 

 そして逃げゆく人間たちの流れから逆らうように向かってくる一人の人物を見て、一瞬だけ見える少女の顔に退屈が浮かび上がる。

 

「また貴様か……何度も何度も飽きぬものだなぁ?」

 

 その人物は頭に乗せた白い帽子に左手を添え、右手はズボンのポケットに入れている。一瞬だけ高いタワーから外れた風車を見たあと、迫りくる怪物たちと少女を睨みつける。

 

「…………これ以上、風都を泣かすやつを野放しにはできないからな」

 

「クククッ……またそれか。いい加減飽きてきたぞ、その言葉には」

 

「だろうな。お前はそういうの理解する気がないだろうからな」

 

 青年は――否、風都を守るためにやってきた青年こと左翔太郎はロストドライバーを取り出すと腰に装着する。それを見て少女は落胆したようなため息を吐いた。

 

「ロストドライバーとはなんとも低スペックなものを……以前のようにタブルで来なくてもいいと?」

 

「今のお前にゃこれで十分だろ……それに、これ以上誰かを傷つけるお前をそのままにしておくことはできねぇ」

 

 翔太郎は上着の裏から「J」という文字が刻まれた四角のアイテムを取り出す。それは地球の情報という「切り札」の記憶が込められたガイアメモリである。

 

【ジョーカー!】

 

「行くぜ……変身!」

 

 ジョーカーメモリをロストドライバーのライトスロットに装填後、「Vの字」型をイメージするように右腕を大きく回して握り拳を構え、腰側に移動した左腕でライトスロットを倒す。すると周囲から風と共に粒子が体を覆い変身が完了する。

 

 人差し指で相手を指差しながら、翔太郎――仮面ライダージョーカーは少女を睨みつける。

 

「さぁ、お前の罪を数えろ」

 

「クククッ!! 今更犯した罪など覚えておらぬわ!!」

 

 ジョーカーが走り出すのと同時に怪物たちも一斉に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜ラビス〜〜〜

 

 

 

 

 

 喫茶店「nascita」の地下にある私の研究部屋……を階段を下って更に下にある実験施設。私が研究し作成したものを試すためだけにエボルト様が作ってくださったこの部屋に、私はとある人をお呼びしていた。

 

「さぁ、これを手首につけてください」

 

「いいけど……今度はなにする気だよ」

 

「ふふふ。今から模擬戦をして貴方から戦闘データを貰います」

 

 不信感丸出しの表情で私と同じブラッド族の生き残りの彼――蛇倉宗一は右の手首に私の作成した装置を取り付ける。それは彼の戦闘データを手に入れるために必要なものです。

 

 私は生まれた時から何かを作ることが得意でした。それは一つの才能といってもいいほどに。作れないものなんてない……そう、言い切ってしまうことができるほど私はいろんなものを作ってきた。

 

 エボルト様を崇拝している自覚はある。エボルト様に失礼なことをするやつがいればたとえ同族であろうと容赦しないところもある。だからこそ最初はコイツを殺そうとも思っていた。

 

 今渡した装置は「ブラッド族を殺すための装置」を改良してデータ採取のための装置にしたものだ。コイツはエボルトの相棒。悔しいことにそれは認めざるを得ない。なぜならエボルト様なあんなにも楽しそうにコイツと話しているのだから……。

 

「つけましたね? では、サーガラに変身してもらってもいいもいいですか?」

 

「あぁ、わかった」

 

 宗一はスクラッシュドライバーを取り出し腰に装着する。

 

――スクラッシュドライバー!――

 

 そしてコートのポケットからコブラスクラッシュゼリーを取り出してキャップを正面にそろえてドライバーのスロットに装填した。

 

【コブラゼリー!】

 

 ドライバーから工場のような機械的な待期音が流れる。宗一は一度目を瞑ると決意を込めたように目を開き自らを変える言霊を唱える。

 

「変身・・・!!」

 

 そして宗一は一気に右手でドライバーのレバーを下ろす。

 

――潰れる! 流れる! 溢れ出る!!――

 

 ドライバーに成分が充填され宗一の周りにまるでビーカーの様な枠『ケミカライドビルダー』が展開されていくとその中に血のように赤いゼリー上の液体『ヴァリアブルゼリー』がケミカライドビルダーに溜まっていき『ケミカライドビルダー』を満たしていく。

 

 そしてケミカライドビルダーが一気に収縮してゼリーが体にまとわりつきスーツに覆われる。そして頭部からゼリーが吹き出してスーツに纏わり付き固まったことでアーマーとなる。

 

――コブラインサーガラ!! ブラァ!!――

 

 仮面ライダーサーガラ……インド神話に登場するナーガ族の王の名前。

 

――ラビスドライバー!!――

 

 私は制服のポケットから2つのボトルを取り出し、勢いよく振ると2本ともラビスドライバーに装着する。

 

フェニックス!!

 

ギャラクシー!!

 

エボリューション!!

 

 ラビスドライバーにつけられたハンドルを回すとベートーベンの交響曲第9番のようなBGMが流れる。ハンドルから手を離し左手を顔の前で掲げる。

 

「……変身」

 

フェニックス・オブ・ザ・ギャラクシー!ギャラクシーフェニックス!

 

 私の周囲に綺羅びやか星が現れ霧がかったようなハーフボディーを生成する。更にその周囲に天球儀を思わせる丸い特殊変換炉――ラビスリアクターが生成され、ハーフボディーが私の体を覆うと同時に胸に装着され、ハーフボディーにかかっていた霧のようなものを吹き飛ばした。

 

「さぁ、実験を開始しましょうか」

 

「それお前が言うのかよ!!」

 

「……なにか?」

 

「いや別に」

 

 締まらないんでそういうのやめてください。今もどこかの宇宙で転がっているであろう超時空壊滅爆弾を起動しますよ? あ、これは超時空破壊爆弾とはまた違うやつなので威力も段違いです。いつの間にか盗まれていたものですが起動できる人なんて私以外いないのでほったらかしにしてました。そのうち回収しに行こうかな。

 

 ツインブレイカーを取り出したサーガラを見た私はグレートラビスブラスターを装備する。おそらくサーガラの戦闘方法はツインブレイカーを使用した高速戦闘だと踏んでいます。

 

 まぁ、時を止めたり時間を移動したりさえしないのなら戦いようはいくらでもあります。

 

 たった一瞬目を離した隙にサーガラの姿が消える。だけど私は焦ることなくグレートラビスブラスターを横に振り迫ってきていたツインブレイカーを弾く。

 

「とと……やっぱりお前も強いんだな」

 

「何を言っているのですか? 私は貴方やエボルト様と比べればミジンコと同じですよ。なにせスペックと性能頼りの戦い方ですからね」

 

「だとしても、だよ。そのスペックと性能をちゃんと把握して使いこなしてるんだ。お前は強いよ」

 

「素直に受け取っておきましょうか」

 

 会話を終わらせまた模擬戦に戻る。少しでも戦闘データが欲しいところですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜裏千束〜〜〜

 

 

 

 

 

 バカ弟子を追いかけリアルワールドに戻ってきた私は囲まれているこの状況に思わず笑みを浮かべてしまう。囲んでいるのは蜂がモチーフとなっている仮面ライダーザビーの集団。

 

 少し前にも痛みつけたのに、全然懲りてなかったみたいだな。まぁいい……

 

「世界のために死んでもらうぞ」

 

 おそらくリーダー格の奴が言ったのだろう。

 

 それにしても前から思ってたが、なんでこいつらライダーフォームにならずに頑なにマスクドフォームのままなんだろう? ライダーフォームになればクロックアップという能力が使えるようになるはずなのに。

 

 ただ知らねぇだけなのか、それともそんなものを使わなくても私に勝てると思い込んでるのか……どちらにせよ少しばかり私のことを舐め過ぎじゃないかな?

 

「……はぁ、やれやれ。変身」

 

 リュウガのカードデッキをVバックルを入れ、仮面ライダーリュウガに変身した私は間近にいた集団の一人を殴りつけた。

 

 それから数分と経たないうちにマスクドフォームの集団を壊滅させた。ソードベントとガードベントもなにも使っていない。ほとんど素手で倒してしまった。

 

「前より弱い……」

 

 そう、弱い。弱いのだ。まだ以前の襲撃時のほうが強かった。変身者が弱い、なんてことはないだろう。彼らも暗殺のプロのはずだ。

 

「はぁ……こんなんじゃあ不完全燃焼だよ」

 

「へぇ〜? じゃあ、俺とも戦ってくれよぉ」

 

 そう言って裏路地の奥から声がした。

 

 コツコツと靴の音を響かせ歩いてきたのはボサボサの金髪をした狂気的な目を持つ男だった。

 

「あぁ、本当によぉ……イライラするんだよ」

 

 倒れ伏せたザビー集団の一人を蹴り飛ばし、手に持った鯖にかぶりつく……いや待て鯖!? なんで鯖持ってんの!? しかも生だし!!

 

「あぁ、あぁ……イライラする。イライラするんだよ!! 本当にさ!!」

 

 さっきとは違うザビー集団の一人の背中を踏み、何度も叩きつける男。コイツ、まさか……

 

「浅倉威……」

 

「俺を知ってんのかぁ……? まぁ、そうだよなぁ? 知ってるよなぁ」

 

 男――浅倉はポケットからコブラの紋章があるカードデッキを取り出す。それを見た私は警戒心を最大限にまで上げる。

 

 仮面ライダー王蛇。浅倉威が持つカードデッキで変身することができる仮面ライダーの名前だ。

 

 浅倉はカードデッキをかざすとVバックルを装備する。その後ゆっくり右腕を回し手のひらを顔の前にかざす。そして手をばっと伸ばしたあともう一度顔の前に持ってくる。

 

「はっはっはっはぁ〜……変身っ!!」

 

 そしてカードデッキをVバックルに入れ、複数の虚像を纏った浅倉は仮面ライダー王蛇に変身した。

 

「あぁ〜」

 

 変身した浅倉……いや、王蛇は溜息じみた声と共に首や肩を鳴らすとコブラを模した小杖型の召喚器「ベノバイザー」を振り回し私に襲いかかってきた。

 

 だが、それよりも早くブラックドラグバイザーにセットしていたカードをベントする。

 

【アドベント】

 

「なんがっ!?」

 

 ベノバイザーで殴りかかろうとしていた王蛇は地面から飛び出してきたドラグブラッカーに噛みつかれながら壁に激突する。

 

 そして次の瞬間、私は背中を斬り裂かれた。

 

「ガッ……!? な、なんだ……?」

 

「ダメじゃないですかぁ、師匠〜? 油断大敵ですね」

 

 そこには私のことを師匠と呼んだバカ弟子である明がいた。斧型の召喚器「デストバイザー」を手に持って。

 

「なんの……真似だ」

 

「思ったんですよ。ボクが英雄になるためにはどうすればいいか」

 

 ジリジリとデストバイザーの刃を地面に押し付けながら歩く明は、歪んだ笑みを浮かべ私の首を掴む。

 

「一番に英雄になりうる人を殺せば、ボクが英雄になる確率が高まるってね!!」

 

 そしてそのまま私を切り裂く。虎の絵が描かれたカードデッキを取り出した明はVバックルに入れ、仮面ライダータイガに変身すると私を踏みつけてくる。

 

「だからさ師匠〜。ボクが英雄になるために死んでくれよ」

 

 明は……タイガはデストバイザーをなんの躊躇もなく振り下ろした。

 

 

 

 

 

 




どうだったでしょうか?
よければ感想などをくれると嬉しいです!!
それではまた次回でお会いしましょう!
おつっちゃ〜!
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