鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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フハハハハハ!!待たせたなぁ!!


第二十八話「災厄の黒狐」

 

 

 

 

 

 ラビスと宗一がデータ採取のために模擬戦を始めてから1日が経った。

 

「ふぅ……ありがとうございました。おかげで良いデータがとれました」

 

「そう? なら良かったよ」

 

「しばらくは手伝ってほしいこともないと思うので休んででもらって構いませんよ」

 

 地面に倒れ伏し乱れた呼吸を整えることなく言いたいことだけ言って気絶したラビス。それを見て宗一は苦笑いを浮かべながらラビスを背負うと、階段を上りラビスのベッドに降ろす。

 

「さて、俺も行こうかな」

 

 ラビスの作業机の上に置かれていた新しいガチャットを手にして、彼は店の方へ顔を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「黒と連絡がつかない?」

 

「あァ、そうなんだ。いつもなら多少遅くしても既読は付くはずなんだが……」

 

 困った顔をしているエボルトは自分のスマホに映し出された画面をパラドに見せる。そこには心配からくる言葉が送られており「黒ちゃん」と書かれたトーク画面に既読の文字が一つもなかった。

 

「てっきり寝てるから反応ないのかも知れねぇと思ったが、アイツは何かあればすぐに起きる。だから既読がつかないってのはおかしいと思ってな」

 

「そんな心配しても意味ねぇだろ。むしろアイツは誰かに心配されるのは嫌いなんじゃないか?」

 

 「そうかも知れねぇけどよ」

 

 口ではぶっきらぼうな感じだがパラド自身自分の中で嫌な感じがしていることに気づく。元々宗一という存在から生まれたからか感情の共有をしているため、今感じている感情は宗一関連なのだろうと思った。

 

「パラド」

 

 そう考えていると地下室から宗一が上がってきた。

 

「お、どうしたんだ?」

 

「今から黒ちゃんを探しに行くぞ」

 

「別にいいけどさ、どうしてまた」

 

「……嫌な予感がするんだ」

 

 どうやら考えていることは同じ。そのことにパラドは嬉しくなった。満面の笑みを浮かべ宗一の方へ近づく。

 

「よっし! じゃあ行くか!」

 

「あぁ……エボルト」

 

「はいはい。わかってるよ」

 

 エボルトは仕方ないなぁという顔を浮かべながら外へ出かけるように帽子をかぶる。そうして3人は一人の仲間を探すために外へ出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「へぇ~うまくやってるみたいだな」

 

 建物の屋上から様子を見ていた黒狐――クロスギーツは仮面の下でにやりと笑みを浮かべる。それに安心したように息を吐いたクロスギーツは背後に黒いオーロラカーテンを開くと、くるりと身体をオーロラカーテンの方へ向け歩き出す。

 

「さて……どうし」

 

 クロスギーツが黒いオーロラカーテンに入ろうとした時、

 

「捕まえたぞ!! クロスギーツ!!」

 

「はぁ!? なんでお前がここにぃ!?」

 

 その黒いオーロラカーテンの向こう側から走ってきた創世王RXがクロスギーツの肩を掴むと、パリンと破れた黒いオーロラカーテンの向こう側にあった灰色のオーロラカーテンの中へ引き込んだ。

 

「ぐふぅ……ちっ。やってくれやがったなぁ? おい、時の魔王さんよ」

 

 なにもない荒野の上をゴロゴロと地面を転がったクロスギーツは、今までの余裕さがなくなるほどに荒々しく舌打ちしながら自分を世界移動させた張本人を睨みつける。

 

「お前をこれ以上野放しにはしておけん」

 

 なにもない荒野に存在する青年の像。その近くにある王座に座った黄金の仮面ライダー……その名もオーマジオウ。

 

 仮面ライダージオウの世界において2068年の時代に存在する平成最後の仮面ライダーである。平成に属する全ての仮面ライダーの能力を合わせ持ち、そのスペックや能力などから最強と名高い存在である。

 

「クククッ! 今まで俺の妨害でなにもできなかったやつが、今更になってか? 笑わせんな」

 

「そうだな……たしかにそのとおりだ。だが、今は違う」

 

「お前に対抗できる力を手に入れた」

 

 王座の後ろから3人の仮面ライダーが現れる。

 

 仮面ライダーネオディケイド、仮面ライダーゲンム・デンジャラスゾンビゲーマーレベルX……そして仮面ライダーBLACK創世王RX。3人とも少しだけとはいえクロスギーツと関わりがある仮面ライダーであった。

 

「仮面ライダーネオディケイドに、仮面ライダーゲンム、そして創世王RXか……俺一人のためにチートライダー集めすぎだろ」

 

「……」

 

 3人はそれぞれの構えを取ると一斉にクロスギーツに襲い掛かる。ネオディケイドがソードモードにしたライドブッカーで斬りかかるとクロスレイジングソードで防ぎ、創世王RXのリボルケインをギーツバスタークロスで弾く。そしてその勢いを利用してネオディケイドの腕を掴み創世王RXごと蹴り飛ばす。

 

「くっ!!」

 

「っ!!」

 

「どうしたどうしたぁ!! その程度か!?」

 

 敢えて二人に挑発をかまし様子を見ようとするクロスギーツだったが、その時一人足りないことに気づく。

 

「あ? ゲンムどこにぐぅ!!」

 

 仮面ライダーゲンム。仮面ライダーエグゼイドの世界においてあらゆるガシャットを生み出した神の才能を持った男が変身する仮面ライダーである。

 

 ゲンムを探そうと周りを見渡していたクロスギーツの無防備な背中を、左手に装備したゲンムがガシャコンバグヴァイザーのチェーンソーエリミネーターという回転刃で斬りつけたのだ。

 

 油断していたとはいえ簡単に背後を取られたばかりか、背中を斬りつけられたことにクロスギーツは「ひゅう〜」と口笛を吹かす。

 

「やるじゃねぇの。見直したぜぇ?」

 

「貴方に褒められても嬉しくありませんね。あと私から奪い取ったゲキトツロボッツのガシャットを返せぇ!!」

 

「あ、バレてたか」

 

 ケラケラと笑いながらゲンムの繰り出すガシャコンバグヴァイザーの猛撃を身軽に躱していく。そして敢えてガシャコンバグヴァイザーのチェーンソーエリミネーターを胸で受け切ると、その刃部分を弾き、ゲンムの胴に何発も拳を入れる。

 

「ぐっ……やはりダメージは大きいか。だが!! 私にデンジャラスゾンビガシャットを渡したのは盲点だったなァ!! 今の私は何度ダメージを受けても死にはしないぞぉ!!」

 

「やれやれ……たしかに面倒な機能だが」

 

 クロスギーツは腕をだらりと降ろして面倒そうに言うと、高速移動でゲンムの目の前に現れ殴る。その拳の強さは先程よりも増しているのかゲンムは勢いよく吹き飛んだ。

 

「一発でKOさせてやればいいだけのことだ」

 

 たった一発の拳。それだけで行動不能になったゲンムは変身が解除されぐったりしている。それを見たネオディケイドと創世王RXはそれぞれクロスギーツのもとへ走り出す。

 

【カメンライド・カブト!】

 

【アタックライド・クロックアップ!】

 

 ネオディケイドが仮面ライダーカブトへカメンライドすると、次にライドブッカーからクロックアップのカードを取り出しネオディケイドライバーに装填、タキオン粒子の流れを操り時間の流れを遅くする。

 

 高速で移動するDカブトの攻撃にクロスギーツは目で追わずに感覚のみで対応していく。そして、

 

『XGEATS STRIKE』

 

 スロットルレバーを1回引くことで発動。コサックダンスのような動きで連続キックをDカブトに浴びせる。

 

「がはっ……くそ!!」

 

 仮面ライダーカブトから仮面ライダーネオディケイドの姿に戻った司。

 

「はぁぁ!!」

 

「おっと」

 

 その後やってきた創世王RXと格闘戦を開始。お互いにパンチやキックを浴びていく。時々受け流しながら鋭いアッパーカットを創世王RXに決める。

 

「ぐっ……前よりも強くなっている!?」

 

「違うな。前より強いんじゃない……少しだけ本気を出してやっているだけさ」

 

「なんだと!?」

 

【タクティカルレイジング】

 

 地面に落ちていたクロスレイジングソードを回収しボタンを押してからトリガーを引いて発動する。刀身に宿ったエネルギーをX字に振り下ろし斬撃波として飛ばす。

 

 タクティカルレイジングを同じく回収したリボルケインで防ぐが、その勢いは防ぎきれず吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐあぁっ!!」

 

 地面に転がる創世王RXの背中を踏み、何故かずっとなにも行動しなかったオーマジオウを睨みつける。

 

「さて、残るはアンタだけだな」

 

「ふむ……」

 

 そしてオーマジオウに向けてクロスレイジングソードを向けたクロスギーツ。だが、濃厚な殺意を放っていたクロスギーツは急にクロスレイジングソードを手放すと脱力したようにオーマジオウに背中を向ける。

 

「……はぁ、やめだ」

 

「ほう?」

 

「こんなんじゃあ倒したところで満足できやしねぇ」

 

 それに、そう言ったクロスギーツはオーマジオウの方へ振り返り指を差す。

 

「どうやら、俺を倒せるのはアンタじゃないみたいだ」

 

「私ではお前を倒せない、と?」

 

「いいや? 可能性はあるだろうさ。だが、それじゃあ解決しない」

 

 背後に黒いオーロラカーテンを開くとそっらへ向けて歩き出す。

 

「どうやって俺の封印を解除したのか、その謎は明白。おそらくはあの異質なブラッド族だろ? しばらくはそのままにしてやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――次は俺のゲームに招待してやるから首を長くして待ってな――

 

 

 

 

 

 

 

 邪悪なる黒き狐はオーマジオウのいる世界から消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

「んっ……ここ、は?」

 

 頭に痛みを感じ目を覚ました裏千束は、自分が鎖で繋がれていることに気づく。

 

「そっ、か……私、裏切られたんだっけ」

 

 それなりに信用していた相手から裏切られたことがショックだったのか、裏千束の表情はかなり暗い。

 

「はは…、どうしようか。多分カードデッキはないだろうから変身はできないと思うし」

 

 助けが来るのを待つしかないのか、そう思ってしまった。

 

「誰でもいい……早く助けに来て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「ここって……」

 

「駒王町……まさか、戻ってきたのか!?」

 

 エボルトと共に店を出たはずの宗一とパラドは、何故か自分たちの世界へ戻ってきていた。

 

 

 

 

 

 

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