鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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連続投稿というわけではないけど、頑張った!!


第三十二話「裏切り者の末路」

 

 

「はぁ!!」

 

「ふっ!!」

 

 アギトのフレイムカリバーとザビーの蹴りがぶつかる。弾かれたフレイムカリバーを振り降ろし、そして振り上げ、二撃、三撃と攻撃を加えていく。それに対してザビーは拳や足で弾いていく。

 

 時々ゼクトルーパーから銃弾の雨が飛んでくるが、アギトはフレイムカリバーを盾にしながらそれらの銃弾を弾く。そして集団の中へ突っ込んでいき、ゼクトルーパー達を次々と斬りつける。

 

「中々やるようだな。だが、貴様に勝ち目はない。いくら雑魚共を倒そうが無意味だ」

 

「……」

 

「ほら、ゼクトルーパーはまだまだ居るぞ?」

 

 そう言ってザビーが指をパチンと鳴らすと、今までどこに隠れていたのかと言いたくなるレベルの数でゼクトルーパーの集団が現れる。ゼクトルーパー達は右手に装備されたマシンガンブレードをアギトに向け一斉に放射する。

 

 数の暴力と言える銃弾の雨を受けながらもアギトはオルタリングの左側を叩く。それによりオルタリングに埋め込まれた賢者の石が青く光り輝き、周囲に竜巻を起こす。その竜巻による風で周囲にいたゼクトルーパー達が吹き飛ばされ壁や地面といった様々な場所に打ち付けられる。

 

 アギトがオルタリングに手を添えるとオルタリングから細長い棒が飛び出し、それを掴みオルタリングから引き抜く。するとアギトの体がオルタリングと同じく青く光り輝き、左側と胴のアーマーが青くなる。

 

 それは青い風を起こす超越精神の青となったアギト・ストームフォームの姿だった。引き抜いたストームハルバードを振り回し、風を起こしながら背後から近づいてきていたザビーに攻撃を加える。

 

「ちっ……!! 厄介な風を起こすんじゃねぇ!!」

 

 ザビーはまたもやクロックアップを使用しアギトから見えない速度で移動する。自分の周りをぐるぐると回るザビーにアギトは神経を集中させ、ストームハルバードの両端に備えた金色の刃「ドラグストーム」を展開させる。本体の表層に散りばめられた秘石「フォースアイ」の効果により、アギト自身の持つ風の力が増幅され、現在起こっている竜巻の威力が増大する。それによりクロックアップで高速移動していたザビーも吹き飛ばされる。

 

「くっ……本当に厄介だな!!」

 

「終わりだ!!」

 

 アギトはストームハルバードを船のオールのように振り回しながら回転させ風をストームハルバードに纏わせると、同じく風の力で拘束されたザビーの方に向けて走りすれ違いざまに斬り裂く。

 

「かはっ……こ、この……!! まだ終わらねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! リリベルは最強の兵士だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ザビーは大声で喚き散らしながら爆発する。それを見たアギトは静かに構えを取ると、荘のことを変身者の資格なしと見てどこかへ飛び去っていくザビーゼクターを見送る。

 

「早く黒ちゃんを助けに行こう……」

 

 変身を解かずに辺りに警戒しながら中へ入っていく。その光景を建物の陰からこっそりと見ていた黒ローブの人物が、影で見えない口角をニヤリと上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……どこなんだよ全く」

 

 階段を上りまた廊下を歩く裏千束は精神的な疲れにより、そろそろ体力の限界を迎えてきていた。一番の理由としては青年を背負いながら全力で走ったことなのだが。

 

「あの階段、なんで急に現れたんだ……?」

 

 つい先程イクサとなった黒霧から追われていたとき、突然壁が消えた先に現れた謎の階段。普段の裏千束であれば警戒して近づかなかっただろうが、状況が状況なだけあって考えるよりも先に行動していた。

 

 なぜかはわからないが、背負っている青年を守らなければと脳がそう考えてしまっている。

 

 そのことに僅かながら苛つきが出る。自分らしくもないと裏千束は頭をガシガシと掻くと、周囲を警戒しながらゆっくりと謎の廊下を歩き始める。

 

「というか、コイツ早く目ぇ覚ましてくれねぇかなぁ……そろそろ重たく感じてきた」

 

 いくら普通の人間よりも数倍は身体能力が高い裏千束でも、長時間青年を背負い続けるのは苦しいようで、壁に空いている方の手をつくと深呼吸する。

 

「ふぅ……さぁ、行こぉわぁぁぁ!?」

 

 その時僅かに手に力が加わってしまったのか、それとも偶然が重なるほど今日の裏千束が運が良かったのか……突如壁が回転し奥に吸い込まれてしまった。

 

「あだっ!? いってぇ……なんだここ?」

 

 まるで隠し部屋のような場所に来てしまった裏千束は何かにぶつけた頭を擦りながら立ち上がる。なお、青年は起きていない(なんてだよ!! 起きろよ!!)。

 

 部屋の中を物色しながら見渡していると、コツンと靴に何かがぶつかる。それに首をひねりながら手に取ると、龍のマークがついた黒いカードデッキが。

 

「なんで私のカードデッキがこんなところに? まぁ、いいか……ラッキー程度に思っておけばいいだろ多分」

 

 目的のものが手に入ったことで少々気分が良くなった裏千束は青年のところに戻ると背中に背負い直し、壁に手を添える。そして力を加えるが……いくら力を込めても壁はうんともすんとも言わなくなった。

 

「あり? もしやこれ、一方通行タイプ?」

 

 仕方ねぇかぁ……とガクリとする裏千束はカードデッキをポケットの中にしまい、部屋の中を移動する。

 

 その後、なんとか部屋の出口を見つけ廊下に戻ることに成功すると、壁に書かれた数字から現在地が地下1階であることを知る。それにより自分か最初にいたのが地下2階であることがわかった。

 

「マルチバース・ヴィランってのはなんでこう……地下なんか作ったんだ? まぁ、別に興味ねぇけど」

 

 呆れたようなため息を吐きながらまた廊下の中を進み始める。周囲に鏡がないせいもあって裏千束はリュウガに変身ができず、またその能力を使った移動もできない。

 

 鏡を使った移動はリュウガの能力というわけではなく、裏千束固有であり、本来ならば自分か入った場所からしかミラーワールドから出られないという龍騎系ライダーの縛りが裏千束にはなく、裏千束は鏡さえあれば自由にミラーワールドとリアルワールドを行き来できる。また鏡を使って別世界への移動もできないことはないが、あまりやることはない。

 

「いたぞ!!」

 

「捕まえろ!!」

 

 慎重に進んでいたはずだったが、流石に青年一人背負って状態だと普通にバレた。そのため裏千束はバレないように歩くことを諦めると、安全そうな場所に青年を降ろす。

 

「ちょっと待ってろよ。すぐに迎えに来るから」

 

 そう言うと扉の近くまでやってきた裏千束は扉につけられたガラスにカードデッキを向ける。すると裏千束の腰にVバックルが装着される。

 

「ふぅ……久しぶりの変身だな!!」

 

 カードデッキをVバックルに入れ、仮面ライダーリュウガに変身すると、早速ストライクベントを黒い龍を模した召喚器ブラックドラグバイザーにセットする。

 

「ヒャッハァー!! テメェら汚物共を消毒してやるぜ!!」

 

 何故かテンションがMAXにまで高まった裏千束により、廊下を埋め尽くすほどやってきていたマルチバース・ヴィランの兵士達が、黒いドラグクローから放たれたドラグクローファイヤーの餌食となる。

 

 次にソードベントでドラグセイバーを召喚し、まだまだやってくるマルチバース・ヴィランの兵士達に突っ込んていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「オラオラァ!!」

 

 マルチバース・ヴィランの兵士達をドラグセイバーとドラグクローを使って薙ぎ倒しながら廊下を進んでいくリュウガ。時々量産型ザビーやガタックがリュウガの邪魔をしに来るが、量産型のスペックではリュウガを止めることもできず無様に倒されて爆散するだけに終わっていく。

 

 はば暴走状態に近いほどテンションが爆上がり中のリュウガは、仮面の裏で狂ったように笑みを浮かべながらドラグセイバーを振るう。

 

「やぁ、師匠。無事抜け出せたようでなりよりですよ」

 

「……あ?」

 

 そんなリュウガの前に現れたのは人を馬鹿にしたような笑みを浮かべる少女――東條明だった。その存在を視界に入れた瞬間、リュウガの中で尋常じゃない怒りが湧き出した。

 

「テメェ……よくもまぁ私の前に顔出せたなぁ!?」

 

「あはは。そんな怖い声出さないでよ師匠〜。ボクだって悪いと思ってるんだよ?」

 

「……んだと?」

 

「だってさぁ? ボクってば見ての通り弱いから、誰かに寄生しないといけないんだよ。最初に師匠に近づいた理由は、ボクにとって利益があったからなんだけど〜師匠が消えてからマルチバース・ヴィランがボクにいいものをくれたからさ。これはもう乗り換えるしかないなって思うじゃん! だから今はマルチバース・ヴィランの味方ってわけ」

 

 ケラケラと笑う明を見てリュウガは一歩一歩ゆっくりと歩き始める。ドラグセイバーを握る手が強くなる。

 

「だからさ師匠〜。ボクのためにも死んでくれよ」

 

 仮面ライダータイガになった明はデストバイザーにストライクベントを装填し、両手にデストクローを装備するとリュウガに向けてツメを振り下ろす。それに対してリュウガはただ避けるだけで何もしない。

 

「あっれぇ? どうしたのかなぁ? ほらほら、避けるだけじゃつまらないよ」

 

 タイガの煽りを受けてもリュウガは避けるだけ。それに苛ついたタイガが蹴りを食そうとするが、その蹴りは手で払われ当たることなく終わる。そして無防備になった背中に蹴りつけられその勢いのまま地面に倒れる。

 

 なんとか起き上がろうとするも無言のままリュウガに踏みつけられてしまう。どんだけ力を入れて起き上がろうとしても起き上がれない状況にタイガの中で大量の冷や汗が流れ落ちる。

 

 リュウガはドラグクローをタイガに向けるとその背中にドラグクローファイヤーを何度も何度も放つ。暑さと痛みで悲鳴を上げるタイガを蹴り飛ばし、首を掴んで持ち上げると腹にドラグクローファイヤーを放つ。

 

「かひゅー……かひゅー……あだっ、あぐっ!?」

 

 意識が飛びそうになっているタイガの腹に膝蹴りを入れ無理やり起こすと、壁に打ち付けながら今度はドラグクローで殴りつける。

 

「ご、ごめ……んなさ……もう、裏切ら……な……ああああああああああああ!!!!」

 

 雑に扱うようにタイガを放り上げたリュウガのレッドアイが赤く発光し、ゆっくりとタイガに近づくと顔面にドラグクローファイヤーを放つ。もはや悲鳴すら上げることもできなくなったタイガをもう一度蹴り飛ばし、首を掴んで持ち上げると顔面にドラグクローファイヤーを放つ。それらを何度も繰り返すこと数分、完全に動くこともできなくなったタイガが変身解除され、手からタイガのカードデッキが落ちる。

 

 そのカードデッキを掴むと、手に力を入れ粉々に砕く。そして振り払うように粉々になったカードデッキを明の上に落とすと、肉体が崩壊し始めた明を見ることなく廊下を進んでいった。

 

 青年のもとへ戻ったリュウガは背中に青年を背負うと、ドラグバイザーにアドベントカードを入れ、ドラグブラッカーを呼び出した。

 

「やれ……徹底的にこの場所を壊せ」

 

 今まで見たことないぐらいの低い声で呼び出されたドラグブラッカーに命令すると壁を壊しながら進んでいく。ドラグブラッカーは凄まじい咆哮を上げながら壁に激突し建物を壊し始める。

 

 その際にどこからともなく様々なミラーモンスター達が出現し、ドラグブラッカーと同じように建物を壊し始める。そしてまだ残っていたマルチバース・ヴィランの兵士達を見つけると狂気に満ちた声でぐちゃぐちゃと喰らい始めた。

 

 なお、裏千束を追いかけようとしていたイクサの足止めをしていた人物である仮面ライダーエボルは、突然地響きと共に崩れ始める建物を見て、内心「ヤバくね?」と思いながら煙を出して脱出する。ちなみに一人残されたイクサこと黒霧は変身解除すると自身の背後に黒いモヤのワープゲートを作りその場を去った。

 

 更に裏千束を助けようと思って建物に入っていたアギトは、入ってまもなく崩れ始めたのを知り急いで建物から出ていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、マルチバース・ヴィランの拠点は跡形もなく消滅したのだった……。




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それではまた次回でお会いしましょう!
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