鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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サブタイ考えるの面倒になった。それだけです


第三十五話「空白」

 

 

 

 

〜〜〜とあるサポータールーム〜〜〜

 

「よぅ櫻井景和ァ!! 待ってたぜぇ?」

 

「……急に呼び出してなんの用?」

 

 和風を思わせる畳の上で大げさに手を広げる男性を見て、青年――櫻井景和は嫌そうな顔を一切隠さず、靴を脱ぎ畳の上に胡座をかく。

 

 男性を睨む景和の鋭い目は「くだらないことだったらわかってんだろうな?」という言葉が込められていた。

 

「ハハッ! そう睨むなよ? オレってばめちゃくちゃ頑張ってお前のために招待状貰ってきてやったんだぜ?」

 

「あっそ。じゃあ早く渡して。義姉ちゃんを殺したアイツを……クロスギーツをぶっ倒すために!!」

 

「わかってるわかってるって〜。そう急かすなよ。ここなら奴の監視もねぇんだ。もうちょい楽しい話でもしようぜ? ほら、お前のために茶菓子買ってきたんだ! 食うか?」

 

 渡された茶菓子に視線を向けず、男性の手にひらひらとされている1枚の紙をぶんどると、すぐさま中身を確認する。それに拗ねた男性はポリポリと封を開けて茶菓子を食べ始めた。

 

「ちゃんと言った通りにしてくれたんだな。ありがとう。じゃあ俺は行くから」

 

「あ、待てよ! そうだ! 新しいバックルをやるよ」

 

「いらない」

 

「まぁまぁ! 戦力は多いほうがいいだろ?」

 

「使い方間違ってないそれ? それに、お前から渡されたバックル……もうたくさんありすぎて邪魔なんだけど」

 

 冷たく突き放された言葉に「えっ……!?」とショックを受ける男性を見て、景和はサポータールームを出ていく。それに僅かに笑みを浮かべて「変わっちまったな」と言葉を零す。

 

 いつものように頬杖をついて台座に座っているように見えるポーズをとり、

 

「櫻井景和……お前がオレを裏切らない限り、オレはお前の味方だ。そう、オレだけなんだよ。お前の味方になってやれるのは」

 

 やはり彼は嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜王様戦隊キングオージャーの世界〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 工業が発展し、守護神が宿る最強国……その名はシュゴッタム。国土はチキューの中央部に相当し、他の四大国に囲まれる格好になっている。宇蟲王ダグデドとの最終決戦が終わって数年が経ち平和になっていたシュゴッタムに、新たなる脅威が迫っていた。

 

「恐怖しろ!! そして慄け!!  一切の情け容赦無く、一木一草尽く!! 貴様らを討ち滅ぼす者の名は、ギラ・ハスティー!!  我が国シュゴッタムと民を愛し守る王となった男だ!!」

 

 右のこめかみに痣らしき赤い二本線が入った赤メッシュの青年――ギラ・ハスティーが、無数の軍団となって近づいてくる謎の軍政に向けて聖剣オージャカリバーを向ける。

 

 クワガタ(Qua God)!

 

 ギラは左手にオージャカリバーを持ち正面に構えると、クワガタの顎を模したスイッチを操作する。その後、両腕を大きく回し、

 

「王鎧武装!」

 

 勢いよく発声し、その後最後のスイッチを操作、右手に持ちかえ逆手で掲げる。

 

 You are the KING, You are the You are the KING!クワガタオージャー!

 

 ギラの肉体を黄金の宝石が覆い、どこからともなく現れたクワガタのエネルギー体が宝石を貫通しギラの姿がクワガタオージャーとなる。

 

「ここから先に……貴様らをこれ以上通すわけにはいかん!! はぁ!!」

 

 黒いカーテンのような物から無数に現れてくる怪物たちの元へ、クワガタオージャーは孤軍奮闘でしかない状況ながら向かっていった。

 

「……くく。つまらんな。仮面ライダーのいない世界など、滅ぼすことすら容易い。だが、あの男……たしかクワガタオージャーだったか? よく頑張るものだ。もう守るべきものなどとうに壊れているというのに」

 

 ギラがクワガタオージャーとなって無数の怪物たちに挑みに行ったのと同時刻……ギラがいる場所から遠く離れた地では黒いカーテン――オーロラカーテンのすぐ近くで、無数の怪物達を放っているローブを被った人物が、自分の下で倒れ伏した6人を見て嘲笑い、そのうちの一人を蹴り飛ばす。

 

「ぐっ……貴様ァ……!!」

 

「その体でまだ立ち上がろうとするか。ラクレス・ハスティー王よ。いや、既に王ではなかったのだったか? すまぬな。昔とは違い、もう王族とかには興味がないゆえ」

 

「当たり前だ……我が愛すべき弟が!! 国を守るためにまだあそこで戦っている!! 私がこのようなところで寝ているわけにはいかないだろう!!」

 

「くく。実に面白い。他のやつらは死んだというのに……兄弟の絆というやつか? くはっ! 実にくだらない」

 

 傷だらけになりながらも、それでもなお立ち上がりオージャーカリバーZEROを構えるラクレス。素敵な笑みを浮かべ見下す敵を睨みつける。

 

「貴様は変わったな。以前会ったときとは大違いだ。かつての王族としての貴様はどこへ消えた? 櫻姫」

 

「ふん。言ったはずだぞ? もう興味はない、とな」

 

 櫻姫と呼ばれた人物が今まで纏っていたローブを脱ぎ捨てると、掌をラクレスに向ける。ラクレスがそれを見て瞬時にオージャカリバーZEROを縦に振るったことで、彼の背後にいた4体の怪物――グロンギ最強の存在『ン』の称号を持つオオカミ種怪人ことン・ガミオ・ゼダが爆散する。

 

「くくっ……どうやらまだまだ戦えるらしいな。我は嬉しいぞラクレス」

 

 素敵な笑みではなく見た目通りの愛らしい少女の笑みを浮かべた櫻姫は、自身の背後に黒いオーロラカーテンを出すとその中に手を突っ込み、一本の聖剣を引き抜く。

 

「特別だ。特別にこの我直々に、貴様を常闇の底へと送ってやろう。なに、寂しがることはない。貴様の愛する弟もすぐに送ってやる」

 

「なん、だと……!! きぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 怒りに歪んだ表情を見せ、オージャカリバーZEROのクワガタトリガーを入力する。

 

 オオクワガタ(Oh-Qua God)!

 

「私はラクレス・ハスティー……始まりの国の王!! 貴様を倒す者だ…… 王鎧武装!」

 

 自身の前にオージャカリバーZEROを掲げ、再度クワガタトリガーを入力する。

 

 Lord of the、Lord of the、Lord of the SHUGOD!!

 

 オオクワガタオージャー!

 

 ラクレスの肉体を黄金の宝石が覆い、その後ろに現れた巨大が黄金のクワガタが二本の角で宝石を砕く。その中から現れたラクレスは全身を灰色の鎧で身に纏った戦士――オオクワガタオージャへと変身する。

 

「くくっ……面白い」

 

 櫻姫が闇を宿した聖剣「闇黒剣月闇」を胸の前で掲げると、彼女の腰に邪剣カリバードライバーが出現する。黒いオーロラカーテンからなんか飛んできたジャアクドラゴンワンダーライドブックを掴み、本を開く。

 

 ジャアクドラゴン!

 

 その後すぐにジャアクドラゴンワンダーライドブック閉じてから聖剣「闇黒剣月闇」にリードし邪剣カリバードライバーに装填。闇黒剣月闇のグリップエンドでドライバーの上部ボタンを打ち込む。

 

 闇黒剣月闇! Get go under conquer than get keen.(月光! 暗黒! 斬撃!)ジャアクドラゴン!

 

 周囲に現れた紫の闇の炎が櫻姫の体を包み込む。そして聖剣「闇黒剣月闇」を上段に構え勢いよく振り下ろし斬撃波を飛ばす。

 

『月闇翻訳! 光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!』

 

 闇の炎が櫻姫の姿を仮面ライダーカリバーへと変異させ、飛ばした斬撃波がカリバーにぶっ刺さたあと体に纏っていた闇の炎を消し飛ばす。

 

「さぁ、始めようか!!」

 

 聖剣「闇黒剣月闇」とオージャカリバーZEROの刃がぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜鏡のファーストの世界〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ太陽の光が地上を照らす時間、クロスギーツとギーツⅨの戦いは空中戦にまで勃発していた。地上での戦いをやめ空中へ逃げたクロスギーツとそれを追いかけるギーツⅨ。実力が拮抗しているようにに思えた両者のうち、ギーツⅨのほうが少しずつ推され始めていった。

 

「くっ……お前、そんなに強かったか? 前戦ったときと違うな」

 

「当たり前だ。俺は仮面ライダーを殺す存在だぜ? 当然その力を吸収してるさ」

 

 クロスギーツがギーツⅨのほうへ振り返り、クロスギーツナインテールでギーツⅨを叩き落とす。そしてそのまま急降下して背中から地面に落ちたギーツⅨの腹を踏んづけたあと蹴り飛ばす。

 

 ギーツバスタークロスを銃形態にしてギーツⅨに発射する。だがその光弾はギーツⅨの前に出現した青白いバリアで弾かれる。逆にギーツⅨが銃形態にしたギーツバスターQB9でクロスギーツに発射するも、同じようにクロスギーツの前に出現した赤黒いバリアが弾く。

 

 クロスギーツが手を掲げると空中にジッパー状のもので縁取られた扉――クラックが生成され開くと、その中から無数の植物がギーツⅨに襲いかかる。それらを創世の力を使いながら避けていくが……

 

「なっ!?」

 

 ヘルヘイムの森の植物がギーツⅨではなく、その後ろにいた子どもたちを狙っていたことに気づきすぐさま速度を上げて追いかける。だが植物のほうが早く追いつけないことを察したギーツⅨはレイジングソードで植物を斬りつけるが傷一つつかなかった。

 

 もう駄目だ、と子供たちが目を瞑った瞬間、目の前に激しい火柱が走りヘルヘイムの植物を跡形もなく消し去った。これには流石にクロスギーツも驚いたのか、動きを止め様子を見る。

 

「もう大丈夫だよ。安心して逃げて」

 

 そう言いながら子供たちを守るように現れた仮面ライダーアギト・フレイムフォームがフレイムカリバーを構える。それにキラキラした目を見せる子供たちがテンションが上り騒ぎ始めた。

 

「ちっ……興醒めだな」

 

 自ら武器を手放し消滅させたクロスギーツが面白くなさそうにそう言葉をこぼし、手をアギトのほうへ向ける。それを見てなにが来るのかと身構えたアギトだったが、自身の背後に黒いオーロラカーテンが出現したことに気づく。

 

「……っ! 子供を巻き込むつもり!?」

 

「ふっ、さぁな……動いたらそうなるかもな」

 

 その言葉で自分が動けば子供たちが巻き込まれることを察したアギトは、なすすべもなく黒いオーロラカーテンに飲み込まれた。

 

「あ~あ。やめだ、やめ。やってられっかよ」

 

 完全にやる気をなくしたクロスギーツは世界を渡ろうと黒いオーロラカーテンを開くが、

 

「逃がす気はないぞ」

 

 その前にギーツⅨが立ちはだかる。そして背後にいた子どもたちを何の遠慮もなくギーツバスターQB9で撃ち抜いた。

 

「あれ? 撃っちゃうんだ? 案外神様になった俺は人の心ないんだねぇ?」

 

「人の心云々はお前にだけは言われたくないが……そもそもコイツラは人間しゃない、そうだろう?」

 

 迷いもなく心臓を撃ち抜かれた子どもたちは笑顔のまま灰となり崩れおちる。

 

「くくっ……あぁ、そうだよ。そいつらは別世界から手駒にしてきたオルフェノクさ。それも人間との共存なんて一欠片も望んじゃいねぇ奴らさ」

 

「やはりな……あんな小賢しい演技ができる事には驚いたが、それもお前の協力者がやったのか?」

 

「さぁな? いちいち櫻姫の行動なんて見てねぇから、な!」

 

 振り向きざまにギーツバスタークロスでギーツⅨの足元を撃ち砂埃を発生させる。それをギーツⅨがレイジングソードて振り払った時には、クロスギーツの姿はどこにも見当たらなかった。

 

「くそっ……まただ。また逃がしてしまった。今度こそ倒してやる」

 

 そう言葉を残して変身を解いたギーツⅨこと浮世英寿は舌打ちをしたい衝動に駆られるのをなんとか我慢するとその場をあとにする。その時英寿の体が青白い光の粒子となり消えていった。




どうもです。プロトタイプ・ゼロっすわ。今回どうだったでしょうか?最近風邪が流行ってきたのか俺熱出してぶっ倒れてます。今回はサブタイを考えるのが面倒だったんでこうなったんすけども、次回からはちゃんとしますんでお許しください!

感想や誤字報告など受け付けておりますんで、そこんトコロよろしくお願いします!みなさんの感想が私の力となる!

それではまた次回でお会いしましょう!





〜〜おまけ〜〜



「わわっ!? あ、あれ? ここは?」

 クロスギーツにの計らいによって黒いオーロラカーテンに呑み込まれた白波雪菜は、全くの別世界に来てしまっていた。いつものようにスレそのものは開くことはできるし、言葉を書き出すこともできる。だが、どうやらアギトの変身能力だけが封じられているように感じた。

「ん? なんだろ……って、これって」

 ポケットの中に違和感を感じた雪菜が手を入れ取り出すと、そこには6枚のカードがあった。自分が変身するアギトの絵が描かれたカード。裏面を見てみれば見たことのある紋章がある。

 バトルスピリッツ。某エジプト王の魂を宿した少年の物語と同じく超有名なカードゲームだ。

「なんで……いや、今はそれよりもここがどこなのかを探ろう」

 アギトのカードをポケットの中にしまい、雪菜はこの壮大な世界――グラン・ロロを歩き始めた。
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