鏡のファースト(完結)   作:プロトタイプ・ゼロ

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ふぅ……ようやく最終回。


第三十九話「始まるデザイア」

 

 

 

 

 数多くのクズ転生者との戦い、マルチバース・ヴィランによる襲撃、そんな悪党たちと手を組んでいたリリベルそしてなによりクロスギーツという最大最悪にして最凶の暗躍……様々な事件が起こった。そんな長かったこともようやく終わりを迎え、休息を取っていた裏千束達。

 

 新たに(ほぼ強制的に)仲間に加えたキルバスや影山瞬と三島荘の3人。常日頃からなにかを道連れにしたがるキルバスをラビスが脅し大人しくさせ、元々敵だった二人は裏千束が満面の笑み(目は笑ってない)で説得(脅し)して協力することとなった。

 

 ライダーとしての資格を失った三島荘は今までの傲慢で狡猾だった態度が嘘のように大人しくなり、自分のせいで怪我を負う原因となったミカや千束たちにに土下座をして謝罪。その際同じリリベルとしてのケジメとして影山瞬も同じように土下座をしていた。

 

 本人たちからの許しを得た二人だったがあろうことか荘は裏千束の前で千束達にした事を馬鹿正直に話し、その後フルボッコにされた。そのせいもあり全治二ヶ月の大怪我をして入院することに。裏千束はその後千束から盛大に怒られた。

 

 それからというもののまだまだ黒光りするGの如く湧いてくるクズ転生者たちやマルチバース・ヴィランの生き残り(拠点の一つを潰しただけで滅びたわけではないので)たちを倒すため瞬がパンチホッパーとなって戦うことに。

 

 元教官としてミカから厳しい訓練を受け、戦闘慣れをしていないクズ転生者程度であれば純粋な戦闘力で戦えるほどになった。それを聞いた裏千束は自分がいなくてもある程度は大丈夫だろうとデザイアグランプリに参加するための準備のためにミラーワールドに引きこもった。なお、その時ちょっとスレのほうに顔を出せばイッチ達にマルチバース・ヴィランのことを話して驚かれるわ、オーマジオウから迎えをよこすと言われるわで裏千束の方も忙しくしていた。

 

 そして当日……裏千束はとあるビルの上にいた。服装もいつもの黒いリコリスの制服ではなく、赤いカチューチャに黒と紫色が特徴的なワイドスリーブパープルジャケットという上着に白のドクロが描かれた黒いシャツ、色を合わせるように履かれた黒いスカートという服装だった。

 

「やぁ黒ちゃん、久しぶりだね」

 

「あぁ、そうだな」

 

 暇つぶしにビルの下を眺めていた裏千束の背後に灰色のオーロラカーテンが出現し、奥から見知った顔が現れる。

 

 鳳司……二代目世界の破壊者。そう呼ばれる宿命を背負った青年。司は裏千束の隣に来ると同じようにビルの下を眺める。

 

「何を見てたんだ?」

 

「いや、暇だったから人の動きを見てただけだよ」

 

 しばらくお互いに無言の時間が続く。チラッと隣を見れば裏千束は何かを悩むような表情のまま下を見続けている。そして地面に腰を下ろすと、口を開いた。

 

「私がさ、純粋な人間じゃないってことくらいはもう知ってるだろ」

 

「え? あぁまぁ……もちろん」

 

「元々この世界にとって私という存在はイレギュラーなんだ。本来なら存在してないはずなのに存在してる……難しいんだけど、とある男の願いに奇跡が私を生み出した」

 

 突然の告白に司は唖然とする。その内容も含めて。

 

「十年前、ある襲撃で命を落としかけた千束はミカの「誰でもいいから助けてほしい」って願いによって助かることができた。その願いは当時持ってたブランクライドウォッチに龍騎の力として宿り、そしてミラーワールドにて反映されリュウガライドウォッチに変化した。そのウォッチが千束に宿ったことで私は彼女の心臓の代わりになった……私がクロスギーツの開催するデザイアグランプリに参加するのは、この世界を守るためだよ」

 

 裏千束は立ち上がりポケットからリュウガのカードデッキを取り出す。そして仮面ライダーリュウガに変身する。

 

「私は、私が守りたいこの世界のために戦う」

 

「それでいいと俺は思うよ」

 

 仮面ライダーリュウガが――裏千束が力強く宣言した言葉は、おそらく全世界でクロスギーツによって苦しめられている人間たちが抱いている言葉だろう。その言葉を聞いて司は改めてクロスギーツ打倒を心に誓う。

 

 そしてその黒幕たるクロスギーツがそう簡単に倒せないことも、裏千束たちにとって打倒と言うのが長い道のりになることも覚悟した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜数ヶ月後〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃーはっはっはっ!!」

 

 裏千束が司の開いたオーロラカーテンを使ってデザイアグランプリの会場となった世界へ向かった。

 

 それから数ヶ月が経ち、一人の転生者が仮面ライダーの力を悪用し、街を破壊しながら歩いていた。楽しそうに愉しそうに笑って嗤って声を上げて。自分から逃げる人々を見てまるで神になったかのように気分が良くなる。

 

「これだから仮面ライダーの力は辞められねぇ!! どいつもこいつも!! 俺様を見下しやがって!! ひゃーはっはっはっはっは!!」

 

 違う地球でただ普通の生活を送っていただけだったのに、本人にとってはよくわからない理由でイジメられ、屋上から蹴り落とされそして死んだ。そんな理不尽な死に様を見た邪神が哀れと思い、強大な仮面ライダーに関する力を与えて別世界に転生させた。邪神にとってはクロスギーツを倒す足かがりになればいい程度の認識であり、哀れには思っているが力に飲み込まれている彼に対しては既に見込み違いと見て見ぬ知らぬという認識でいる。

 

「やめろ!! これ以上ここで暴れるな!」

 

 誰彼構わず暴れる転生者を止めるために瞬がやってくる。走りながら跳んできたホッパーゼクターを掴み、ZECTバックルにセットし仮面ライダーパンチホッパー・ライダーフォームに変身する。そして転生者を取り押さえるためにその腕を掴んだ。

 

「こんな事をしてなにになる!? もうやめろ!!」

 

「うるせぇ!! テメェらみたいな綺麗事ほざく奴らが気に入らねぇな!! ぶっ殺してやる!!」

 

 転生者はパンチホッパーの手を振り払うと体に力を入れ、その姿を醜く歪ませる。転生者の姿が鈍い光りに包まれた後、転生者の体は緑色のバッタやイナゴを思わせる姿になる。

 

 別の世界では仮面ライダーの一人に数えられるアギトの世界に存在する仮面ライダー。その名はアナザーアギト。本来ならアギトになる存在だが、アギトの力を歪んだ形で使用した際に変身する……と言われている(作者はアナザーアギトとアギトの違いをそこまで深く考えていない)。

 

 アナザーアギトとなった転生者の拳を上手く受け流しパンチを連続で入れていく。元々憧れだった荘に少しでも早く近づくためにボンシングジムに通っていた過去がある瞬は拳を使った戦法を得意とするパンチホッパーと相性が良く、なおかつ短い期間とは言えかつての教官としての血を蘇らせたミカの地獄のように厳しい鍛錬を行ってきたことで、そのスペックは以前よりもはるかに増している。

 

「フッ! ハァッ!!」

 

 そんな瞬が変身するパンチホッパーよ拳は重くて速い。元々ただの一般人で習い事や戦いとは無縁だった転生者が避けられるわけもなく、ただ一方的に殴られ続けていた。

 

「ちぃ……うざってなぁ!!」

 

「な、なんだ!?」

 

 転生者が両腕をクロスさせ力を解き放すように斜めに振るう。すると転生者の周囲に雷が降り注ぎパンチホッパーを貫く。

 

「がっ……!!」

 

 雷が直撃し体全体的に痺れが生じて動けなくなる。地面に倒れたパンチホッパーの背中を転生者が踏みつける。

 

「どうよ? 神様からもらったこの力ァ!! 素晴らしいだろう?」

 

 何度も何度も何度も何度もパンチホッパーの背中を踏みつけ嗤う。

 

「痺れて動けねぇと思うがよ、動こうとするなよ?」

 

 転生者がまだ無事な建物に手を向け、そして何かを潰すように握る。その瞬間、その建物が内側から盛大に爆発する。

 

「なっ……!?」

 

「いいものだよなぁ!! こういうのはさぁ!!」

 

 爆発と雷、そして仮面ライダーの力を邪神から転生特典として得たことで、彼の精神は歪んでしまっている。強く過ぎる力を制御できていないのが明らかである。

 

「お前も消して、嗤ってや――ぐぇえ!?」

 

 パンチホッパーの背中を踏みつけていた転生者はものすごい速さでやってきた人物によって蹴り飛ばされる。

 

「おい誰だ、俺の弟を嗤う奴は……俺のことも嗤ってもらおうか」

 

 パンチホッパーに手を貸し起き上がらせる人物……それは三島荘。なんか知らないうちに影山瞬の兄貴分をしている。

 

「あ、兄貴ッ!!」

 

 そして満更でもなさそうに弟分をしている瞬。どうしてこうなった……?

 

「まだ動けそうか? 無理なら俺に任しておけ。なにせ、俺は兄貴だからな」

 

「え? あ、いや……大丈夫」

 

「…………そうか」

 

 少し――いやかなり残念そうに顔を下に向ける。その様子に頼るべきだったかな、と不安に思う瞬だったが……

 

「テメェら!! ふざけんじゃねぇぞ!!」

 

 普通に起き上がったアナザーアギトを見て警戒する。

 

「俺は今、少し機嫌が悪いんだ……だから消えてくれ」

 

 左右非対称のリバーシブル構造をした緑と茶色のホッパーゼクターが荘の元へ跳んでくる。それを素早く掴み緑の面が前になるようにZECTバックルにセットする。

 

 全身を緑色の装甲で包んだライダー……キックホッパーに変身した荘はゆっくりとした足取りでアナザーアギトに近づくと、勢いよく殴りかかってきたアナザーアギトの拳を顔を斜めに傾けることで避け、逆に鋭い蹴りを脇腹に食らわせる。

 

 連続で蹴りを入れた後、怒り狂うように殴りかかってきたアナザーアギトの拳を横に避け、その無防備な背中に回し蹴りを食らわせる。

 

「……はぁ……ライダータックル」

 

【ライダータックル】

 

 タキオン粒子がホッパーゼクターから両足、そして肩の尖ったパーツへ流れ、キックホッパーの複眼が一瞬だけ赤く光る。そしてアナザーアギトへ向けて猛スピードで突進すると肩の角を突き刺しながら壁にぶつかる。

 

 角はアナザーアギトの腹に突き刺さっており、壁に埋もれて動けない状態のまま全身にタキオン粒子の破壊エネルギーが行き渡る。そして角をアナザーアギトの腹から抜いたキックホッパーがアナザーアギトに最後の蹴りを食らわせるとゆっくりと振り返り歩き出す。

 

「お前が弟を嗤った……それが敗因だ」

 

 背後で爆発することに興味なさげに呟くと、パンチホッパーから変身を解いた瞬のもとに合流する。同じく変身を解くとホッパーゼクターが何処かに跳んでいったのを見て苦笑する。

 

「兄貴……一人でやっつけないでよ」

 

「あぁ、悪いな……弟を笑われてつい」

 

「いやついじゃないよ……」

 

 以前の裏千束にボコボコにされ入院生活を余儀なくされた荘だったが、その間に今までのことを深く考える時間が多くなった。退院してからは初心に帰るつもりでミカの訓練を受け、千束やたきな達と鍛錬し、いつの間にか懐いていたホッパーゼクターを手に入れて……彼自身が変わることができた。

 

 自分が変わるきっかけはなんだったかと言われたら間違いなく裏千束のおかげだと答えるだろう。瞬のことを弟分としともに地獄のような訓練を生き抜いた人間として「地獄兄弟」を名乗り、共に裏千束の代わりにこの世界を守っている。

 

 かつての自分と同じようなクズ転生者が現れたらまず間違いなく駆けつけるようになったことに、荘自身も多少は驚いている。それでも、この世界を守るために彼は今度こそ力の使い方を間違えることはないだろう。

 

 ちなみにエボルトの兄であるキルバスは世界を守ることに興味なんてこれっぽっちもなく、隙あらば暴れ出そうとするためエボルトが血相を変えて止めに入ることが多くなった。エボルト自身裏千束がいない間を任されているため、この世界と千束達になにかあれば自分が殺されると思っているからだ。なお、暴れたキルバスはその後だいたいラビスによって沈められていたりする。

 

「さて、帰るか……」

 

「今日のご飯なんでしょうね?」

 

「さぁな……だが、そういうのを楽しみにしておけば、いざ飯の時間になったときにより美味しく感じられるだろう」

 

 二人は笑い合いながら拠点となっているエボルトの喫茶店に向かう。仮面ライダーとして、この世界を守る。その役目を全うするために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜ホロライブの世界〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこは様々な種族が暮らす世界。神秘的な場所もあれば近未来感を思わせる高層ビルの並んだ場所もある。

 

 そんな世界の至る所の空中にホログラムヴィジョンが浮かび上がり、そこに一人の少女が映し出される。

 

 黒いドレスに身を包んだ黒い髪をポニーテールにした美少女。少女は美しい笑みを浮かべると全世界に向けて宣言する。

 

「長らくお待たせしました!! これよりクロスギーツ様が開催される今までにない全く新しいデザイアグランプリを始めます!!」

 

 デザイアグランプリ。選ばれた人間だけが叶えたい願いのために優勝を目指す大会のようなもの。その宣言に対する全世界の反応は怒りと憎しみの声。喜びの声は一つも上がらない。

 

「わぁ! いいご反応をされますね!! これには私たちもにっこり笑顔でハッピーです。それではデザイアグランプリの詳しい情報を提示いたしましょう!!」

 

 その反応を心底嬉しそうに嗤う少女は手で何かを回すようような動作をする。するとホログラムヴィジョンに別の映像が映し出される。

 

「ルールは簡単♪ クロスギーツ様に選ばれた数々の仮面ライダーが会場となる世界で勝ち続けることだけ! 会場に選ばれた世界は全部で5つ! それぞれの世界で上位5名合計25名がクロスギーツ様が選んだ世界で争い、優勝を目指していただきます! 退場となった方はごめんなさい。私達が運営しているとある場所へ送らせていただきます♪ 優勝者にはクロスギーツ様と戦う権利が与えられます!」

 

 クロスギーツの強さを知ってる人間からすればまるで絶望のような難易度である。そういった絶望を少女は悪魔のように嗤う。

 

 

 

 

 

 

「絶対にぶっ壊してみせる」

 

 黒き竜の力を持つ少女が。

 

「世界を守るために、僕は戦う」

 

 特別な遺伝子によって運命をねじ伏せた赤き獣が。

 

「そういうの、よくないと思うなぁ……だから止めるよ」

 

 一度死に灰となって蘇った少年が。

 

「止めてみせるさ、今度こそな」

 

 自分の人生とは違ったもう一人を止めるために神が。

 

 それぞれの願いとともに、デザイアグランプリに参戦する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始まるのか……なら、行くとするか」

 

 ホログラムヴィジョンによる放送を見た一人の少年が、かなりの高さがあるビルの上で、手に持ったドライバーに紫の牛が描かれたコアをセットし腰に装着する。左手で右腕を払い、小指と親指を突き出しながら胸をなぞり、上半身をわすかに後ろへ反らしたあと左手を掲げる。

 

「……変身!」

 

【ENTRY】

 

 近未来感溢れるライダーコアID型のエフェクトが変身者の腰を囲むように現れ、上下に分割して黒い素体――エントリーフォームになり最後に紫色の闘牛を模したマスク――バッファヘッドが装着される。

 

 次に紫色の爪のようなバックルを取り出しドライバー――デザイアドライバーの右側にセットし、そこから飛び降りる。

 

『ZOMBIE』

 

 デザイアドライバーからZOMBIEと表示されたエフェクトが紫色のまるで肋骨状の模様が浮かぶ装甲「アンデッドチェスター」に変化し、エントリーフォームの上半身に装着される。それと同時に左腕には毒を作り出す「ポイズンチェンバーアーム」が実装され、そこから更にオレンジ色の鋭い爪のような見た目をした「バーサークロー」が延びている。

 

 空中に出現したチェンソー型の大型剣――ゾンビブレイカーを右手で掴み、地面に衝突。凄まじい砂埃を起こしながら、

 

『READY FIGHT』

 

 複眼をオレンジ色に発光させ、肩にゾンビブレイカーを担ぐ。自分の周囲に群がる植物型の怪人――ジャマトに向かって走り出した。

 

 

 




はい、というわけでここまで来たわけですが……次回からはこの続編となる「ホロライブライダーズ」を書き始めます。まぁ、以前にも書いたわけなんですが、以前書いてたやつはやめて、リメイク版にでもしようかなぁと思ってます。
長く書いて、たぶん初めて一つの話を終わらせた。感激ですね。
今までこの作品に付き合ってくださった方々、今までありがとうございました!!

もしよければ次回作の「ホロライブライダーズ」の方も付き合ってくださると嬉しいです!!それでは皆様!!また!!
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