バルデア王国は南北に細長い半島を領土とする半島国家だ。
北には豊富な作物が取れる農作地帯があり、南には豊富な石炭や鉄などの金属が取れる比較的豊かな国だ、人口はおよそ5000万人を数え人口の約1割が貴族階級だ
この国ーーこの世界には魔法が使えるものは軒並み貴族階級を含める社会の中心の層であり魔法を使えないものは軒並み搾取されるというのがこの世界の「常識」である。
魔法を中心とした魔道文明がこの世界の主流な文明であり、科学技術のレベルは大国と言われる国でも精々が18世紀、中小国は下手をすれば14世紀近い場所もある。
そして貴族階級を除く一人当たりのGDPは驚くべきことに僅か400ドル程度なのだ、しかもこれはほぼ世界共通でである。比べる時代が違うが2013年度の日本の一人当たりのGDPは凡そ3万8000ドルなのだ、同時期の北朝鮮でも約1000ドルはある。失敗国家ランキングにも度々ランクインするような北朝鮮でさえこの世界の国々の民衆から見た場合「お金持ち」なのだ。
更に言えば北朝鮮は他の貧乏国家と違い基礎教育はまがりなりにも充実し、国内にも技術は旧式だがそれなりの規模の工業設備を持っている。それだけでも大きなアドバンテージだった。
技術的にも偏りがあるが、核兵器と弾道弾を保有し陸軍の総兵力も100万人近い規模が居る。
そして、魔法よりもはるかに汎用性に優れる科学を基礎とした文明を作り上げ思想面でも一応は王政打破を訴える共産主義国だった。
ーーこの世界の国々から見れば北朝鮮はこの世界を根底から覆しかねない「超大国」と、言えるだろう。
そして北朝鮮はバルデア王国の半島の北側と「入れ替わる」様にこの世界へと転移してきた
そして、北朝鮮にとっては都合のいい事にバルデア王国の王都クチャは北朝鮮が元居た世界のソウルより少し北側の位置、具体的には韓国の議政府市付近にに存在していた。
大陸統合歴899年6月22日
バルデア王国
かつて大陸全土を統一しパクス・ロンバルキアと言われる平和と繁栄を謳歌したロンバルキア帝国は幾つもの国家に分かれていた。
かつての栄光から千年は文明は後退したとまで言われている旧帝国領内のなかでバルデア王国もその影響により文明は大分衰退していた。特にかつての帝国を支えた官僚制や立憲君主制に近い制度を廃止し封建制による支配に後退したのは大きな痛手だった。時の国王であるパルル二世の「官僚制の廃止により領民の保護が出来るようになる」の発言が全てを表しているだろう。そして、バルデア王国と同様の過ちを犯した国家は少なからずあり、かつて蒸気機関を作り、近代に入る手前まで発展を謳歌していたロンバルキア帝国領内は時計の針をを千年巻き戻しての戦乱の時代――暗黒時代に入ろうとしていた。
バルデア王国の国内は混乱の坩堝とかしていた。
この国の王都クチャからでも靄のようなものや白い光が見えた。
そして、王都の北側から来た商人や早馬の伝令らから聞いた話によると。
「早馬で12、3分の所に見たこともないような服を着た男たちが走り回っていた」とか「海に漁に出ていた船が見たこともないスピードで動く鉄の船に撃沈させられた」とか「男たちの周りには見たこともない建築物があり鉄の柵やかなりの高さの城壁が延々と続いていた・・・」等々の事を口走りそそくさと王宮や王都の南へと逃げるように去ってしまった。
それを見ていた民衆も不安に感じていたが幸いにもパニックに陥ることはまだなかった。
その日、朝鮮民主主義人民共和国は全軍の動員を開始。戦略ロケット軍のミサイルにも燃料が充填され始めた。
そして、バルデア王国もこの自体――柵を作り城壁を作るなどの事態――を反乱と捉え全騎士の招集と傭兵の雇用などが始まった。
世界史の中でかの国の記述が始まったのは恐らくはこれが最初の出来事であろう。
このロンバルキア帝国の元ネタはかつてのローマ帝国です。
史実でも本当に蒸気機関を作ったりと技術チートっぷりを発揮してくれていますが・・・
滅んだのが本当に残念です