葬送の吸血鬼   作:mituha

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葬送フリーレンの二次創作続々と出てきて嬉しい 
他作品読んだ後だと自分の作品がおもしろいのか不安になる。誰かに先に読んで客観的な感想もらいたい。でも、誰にも二次創作書いてること言えない……。


歳をとるほど変にプライドが邪魔をする

 

 

 

久しぶりに浴びた太陽の光は思ったより眩しくて、それも考慮して森の中のログハウスを借りた。

木漏れ日の中森を散策して自然と触れ合っていると自分が一度死んで生まれ変わったことを忘れるくらい穏やかな気持ちになった。朝は早く起きてまだ夜明け前の森を散歩し、昼は読書。夜は遅くまで夜更かしして天体観測を楽しんだ。

 

 

   ◇ ◆ ◇

 

 

 

「……知らない天井だ」

 

そういえば、生まれ変わってすぐの時も私はこんなふうに仰向けで同じことを言ったけ。あの時はこんなベッドの上じゃなくて背中に生ぬるい感触が………。

 

「嫌なこと思い出した」

 

「お、起きたか」

 

視線を向けるとそこには全身黒焦げで髪の毛チリチリのフランメがいた。

なにやってんだコイツ?

 

「いや〜話には聞いていたが、吸血鬼ってのは回復が早いな。魔法をかける間も無く肉体はご覧の通り再生したよ」

「………まだ神経は麻痺してる」

「そりゃあ、電撃を受けたんだ。ちょっとは大人しくしててもらわなくちゃな」

 

電撃のショックか指先一本も動かせない。

話せている方が不思議だ。

 

「………なんで焦げてるの?」

「あぁ、弟子もとったし久しぶりに料理をしようと思ったんだが、何故か釜戸が爆発してパンが丸焦げになってな」

 

あ、こいつ料理させたらダメな分類だ。

てか、

 

「弟子じゃない。年下の小娘に師事するとかどんな屈辱だ」

「そんな成りで何言ってる?」

「私は今年で91だ。歳上は敬え、小娘」

「うげっ、めっちゃババアじゃないか」

「殺すぞ」

 

とことん失礼なガキだ。

女性に年の話は禁忌だって知らないのかコイツは。いずれお前も言われることになる言葉だ。早くて40年後にな。

 

「お前が私を殺せるわけないだろ。二度も負けたんだからな」

「ちっ」

「それに、こっちにはこれがある」

 

フランメが見せてきたのは私の杖。

咄嗟に取り返そうと体を起こしたが痺れがまだあり、ベッドに逆戻りした。

 

「ゔっ」

「無理するな。ちゃんとこれは返すよ」

 

フランメはそう言うと素直に私の杖を枕元に置いた。

 

「……なんのつもり?」

 

よくわからない。

フランメの行動はコロコロ変わる。最初、得体の知れない私に敵意を持っていたのは理解できる。この世界には人の形をとる人喰い人種がいるなら同種かと警戒するのは当たり前だ。私がそれらと違い、ちゃんと心を持った人外であることを知り、警戒を緩めたことも監視目的で手元に置こうとする行動も……ムカつくが理解できる。でも、今のコイツの顔は……言うなれば、同情している。

コイツにそんなこと思われる筋合いはない。

 

「悪かった。お前はたった一人でこの世界に放り出されたんだよな。初めて会った言葉の通じる人間にあんなに敵意を向けられ、攻撃されたら簡単に信用できないよな」

 

それなのにフランメは私に向かって頭を下げた。

 

「弟子になれと言った理由はこの世界の魔法とお前の世界の魔法は違いすぎるから、今の魔法のままではお前は生きていけないと思ったからだ」

「どういう意味?確かにお前には負けたけど、これでも私は八十年以上研鑽を怠らなかった魔法使いだ」

「お前も私との戦闘で薄々気がついただろう。この世界では杖を振って呪文を唱えない魔法が一般的だ。そんな隙の多い魔法では生き抜けない」

 

杖なし無言が当たり前の世界。

体内の魔力を使用して魔法を行使する基本は変わらないけど、魔族とか言う外敵がいる分魔法の攻撃性は発動スピードを重視するように進化したのか。

対して私の世界は人間同士の戦争こそあったけど、多様性を重視して進化した。質より量を優先させたのだ。

ぶっちゃけ、戦闘では私の魔法が劣る。

 

「言っとくが、魔族の魔法は私たち人類の魔法の数世代先をいく。私より強い魔族、大魔族は山ほど存在し、私自身全ての魔族に勝てる見込みはない。魔王なんてもっとだ。いくらお前が吸血鬼で規格外の存在であろうが、不死ではないだろ?」

 

フランメの言葉に押し黙ってしまう。

未知の存在、未知の魔法。それを前にして生き残れるかと問いかけられ、目の前のたった二十前後の魔法使いに負けた後だと尚更即答できない。

 

「だから私の弟子になれ、エミリア。私ならこの世界で生き抜く術を教えてやれる。言葉も、文化も、魔法もな」

「ただの親切だと?」

「それもあるが、さっき言ったとおりの監視もある。どうだ?」

「………」

 

私にとって利点しかない誘い。

しかし、それが年下、しかも自分を負かした相手だと謎のプライドが邪魔をする。

フランメの手を取るべき、頼るべきだという事は理性が理解している………。

なるほど、純血のくせにマグル生まれに成績で負けた子息たちの気持ちが少し理解できた気がする。

………したくなかったけど。

認めたくなかったのか。

自分の方が劣っていることを。

 

「分かった。ただし」

 

でも、私は結構頑固だ。

どれくらいかと言われると二つしか選べない選択肢に無理矢理三つ目をぶち込むくらい。

 

「弟子じゃない」

 

幸い、私は交換条件を持ち合わせている。

 

「お前にも私の魔法を、私たちの世界の魔法を教えてやる。使えるかはさておき、それを自分の魔法の糧にすればいい。だから、これは片方が教えを乞う関係じゃない」

 

あくまでも対等。

教え合う関係。

 

「友人だ」

「友人………なるほどいいだろう。これからよろしくな、エミリア」

 

フランメが右手を差し出して握手を求めてくる。私はその手を一瞥して一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………手、動かせないんだけど」

「………」

 

痺れがまだ取れてないから首から上しか動かないんだよね。

フランメは無言で私の手を勝手に取って握った。




フランメって結構大雑把な性格してそう。
この後身の回りの世話はオリ主がする。

エミリア
魔法教えるって言っちゃったけど、国際魔法機密保持法に違反しないかな?相手も魔法使いだし大丈夫か。

フランメ
もしかしたら人生初の友だちかもしれない。
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