五等分の花嫁 ~家庭教師の助手~   作:I-Ris

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時は過ぎ。クリスマスシーズン。

五月の勉強は順調に進んでいる。当然、俺もだ。

これなら大丈夫だと思うが、五月は俺以上に心配性だ。

気持ちはわかる。1次試験である共通テストは2,3週間後だからな。個別試験も近い。

 

REVIVALに来て、一緒にケーキを食べていた。

本日は12月24日。クリスマスイブ。

 

 

「大丈夫でしょうか・・・・」

「心配いらないさ。かなり良い所まで来てると思うよ。

別に贔屓目で喋っている訳じゃない。ここまでやるとは思ってなかった。」

 

「あら?それじゃ、私がここまで勉強できると思ってなかったってことになっちゃいますよ?」

「・・・・・おや。やられちゃった。」

「ふふふ。たまには私だって、いじわるします。」

 

最近はこんな光景が増えた。

俺に似てきたんだろう。良くないよそれ。揚げ足取りだもん。

反面教師にしないとダメです。

 

 

「ええと。その・・・これ。プ、プレゼントです。」

「お。やったー。」

 

勉強で殆ど付きっ切りだったんだが。

人知れずプレゼントを買っていたらしい。

ラッピングされたかなり小さい箱だが・・・・・

 

「軽いね。・・・これは・・・」

「目薬と頭痛薬が入ってます。」

「おお。・・・・・・なるほど。四葉くんから聞いたんだね。」

「はい。」

 

 

いつしか四葉くんに言ったな。目薬と美味いもん食わせろと。

そのお返しがクリスマスプレゼントで来た。美味いもんは今ケーキを食ってるし。

良いね。嬉しいサプライズ。実用性のあるものが好きだ。

 

「ありがとう。とても嬉しい。かなり高いやつじゃないかコレ。」

「よかったです。ちょっとつまらないかなとも思ったんですが。」

「いやいや。めっちゃ嬉しい。・・・・だから、俺からもこれを。」

 

 

用意していたものを差し出す。当然、俺も用意はしている。

小箱。特にラッピングはしていないが。いらないだろう。

あいつを見習ってみた。場所は違うけれど。

 

 

「・・・・・指輪・・・・」

「そう。あんま言う事じゃないけど、そこまで高い物じゃないよ。気にしなくていい。

これを・・・・ここにつける。・・・失礼。」

 

 

五月の右手を取り、人差し指につける。

・・・綺麗な手だな。俺が触れていいのかどうか。

今まで散々手を繋いだが。こうしてマジマジと見たことはなかったな。

 

 

 

「左手の薬指は、エンゲージ。有名だね。絆を深めると言われている。

・・・・右手の人差し指は、コンセントレーション。集中力を高めると言われている。

サイズは問題ないようだね。良かったよ。」

 

用意した指輪を右手の人差し指につけた。

5千円位のアクセサリ要素の強い安物。

しかし、五月がつけるととたんにブランドもののように見える。

つける人の雰囲気や品性というのは大事だな。

ファッションモデルの存在意義というのが良くわかる。

 

 

「ピッタリです・・・・あの、ありがとう、ございます・・・・」

「日頃から手を繋いでいた甲斐があったね。」

「は・・・はい・・・」

 

赤面している。かわいいなあ。この子。俺の彼女になる予定なんだぜ。いいだろ。

 

左手の薬指じゃないんだからあんま意識しないでよ。

どっかの上杉さんが結婚しましょうとか言ったからな。

これで頭がいっぱいになってしまった。

 

正直ちょっと重いよね。プレゼントの意味合い的に。

ただ、五月なら喜んでくれるだろうなとは思ってた。

 

ちなみに、左手の親指は目標達成を叶えると言われている。

そっちの方が適切かと思ったが、親指に指輪を付けるのは、

他人から見たらちょっと見慣れない不思議な光景だろう。

 

そのため、人差し指にした。実用性を重視とは、こういう事である。

 

 

「・・・・こんなことは自分から言うことじゃないけれど。」

「はい。これをナギくんだと思って・・・がんばります。」

「あれ。言われちゃった。五月もナギくん博士だ。」

「他にも誰かいるんですか?」

「前田くんだねぇ。嬉しくないって言ってたけど。」

 

こっちの考えを読まれてしまった。

参ったな。最近は本当にこういうことが多い。

人の裏をかいたり驚かせたりするのが、俺の常套手段なのに。

通用しなくなってきた。

いたずらっ子には致命的ですよ。もっと過激になってしまうからね。

 

 

「それ、おいしそうだね。ちょっと頂戴?」

「ええ。もちろんです。ナギくんのもちょっとくださいね?」

「ああ。お口開けてー。」

「有坂くん?キミも上杉くんに負けず劣らずのタラシだね。」

 

五月とイチャついてたらケーキ屋の店長がなんか言ってきた。

あー。そっか。ここ店内だったわ。

 

「店長もパン屋の店長と仲良いじゃないっすか。もうわかってますからね。」

「あの糞パン屋とはそういう関係じゃない。」

 

ケーキ屋の店長からそんなコメントを頂いた。どーだか。いつか色々聞かせてもらうぞ。

ライブをした時にあんたら二人が隣同士で見ていたことは、このパパラッチ有坂にバレている。

 

 

五月と一緒にケーキを楽しんで、帰路についた。持ち帰りのホールケーキも購入。

折角のクリスマスではあるが、今日はこの後も勉強する。

ちょっとしたパーティを終わらせてからだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま帰りました。」

「ただいまー。」

 

「あら。早かったのね。」

「おかえり。」

「あー!有坂さんも来ました!」

 

本日はクリスマスイブ。中野家のマンションへ帰ってきていた。

二乃、三玖、四葉がいた。一花は仕事かな。

 

最近、一花は一人で大丈夫と言って家庭教師にこちらを呼んでくれない。

成果は画像を送ってもらってちゃんと確認している。問題なかった。

一花なりに気を遣ってくれているのだろう。

 

わたしといるより、五月ちゃんの傍にいてあげて?

 

恐らく、こういうことだ。はっきりとは聞いていないけれど。

やっぱり一花はおねーさんだなあ。

 

 

「今日、一花も帰ってくるって。」

「クリスマスイブだものね。久しぶりに、5人全員よ。」

「やっぱり私達はこうでなくちゃ!」

「おや、邪魔をしてしまったかな。」

 

本日は久々の中野姉妹5人集結の日らしい。

有坂くんは邪魔者だったかもしれない。

俺も流石に恋人の一家団らんの場を崩すようなことはしたくない。

 

・・・・なんてね。

 

「ホント、邪魔者ね。折角よ。四葉、フー君を呼んできなさい!」

「上杉さんを?来てくれるかなあ。」

 

 

風太郎も呼べという流れになった。

それなら俺もいていい。まあ、予定通りなんだがね。

 

 

「それを呼ぶのがアンタの仕事よ。ほら、行った行った。」

「ナギくんはともかく、上杉くんはそちらの方でパーティをしてるんじゃ。」

「大丈夫だよ五月。手は回してある。」

 

実は事前にらいはちゃんに連絡してある。

クリスマスイブは風太郎借りるからパーティはクリスマスの日にしてねと。

二つ返事が返ってきていた。

 

後は四葉くんが風太郎を誘拐するだけ。流石に今日は勉強休んでもらおう。

つーかお前全国3位だぞ。受験落ちねぇって。

俺を見習え。どうだこの余裕。This is 自然体。受験などどこ吹く風。

 

 

 

 

「ただいまー!あれ、ナギ君!」

「おかえりー。」

 

長女が帰ってきた。クリスマスイブの日まで仕事とは。大人気だな。

社長働かせすぎっすよ。やっぱダメだわあの人。

そんなことやってっから奥さんに逃げられるんすよ。

あたしと仕事どっちが大事なの。

 

「順調かい。どっちも。」

「ふふ。大丈夫。上手く行ってるよ。ちゃんと卒業できると思う。」

「良いね。杞憂だったようだ。」

「わたしの心配してる場合じゃないでしょ~?」

「勿論。わかっているさ。」

 

勉強も女優も、上手く行っているようだ。

勉強の方は卒業まであと少し。もうちょっとだけ頑張ってください。

 

 

 

「上杉さんを拉致してきましたー!」

「・・・拉致されましたー・・・・」

「ついでにターキーが到着しましたよー!」

 

大きな箱を持った四葉くんと風太郎が登場。

全員揃ったな。

 

「それじゃ、クリスマスイブを祝して・・・」

「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、五月、それ取ってくれる?」

「はい。グラスにお注ぎしますね。」

「わー。ありがと。じゃこれあげる。」

「全くもう!あんたら二人は隙あればいちゃついて!」

 

二人の世界を楽しんでいたら姉御からクレームが入った。

邪魔すんなってば。

 

「何を言う。まだ付き合ってないぞ。」

「そうですよ?」

「んなことどーでもいいのよ!」

「そう・・・二人が居ると私達がむなしくなってくる。さびしい。」

「彼らと比べてどうだい。」

 

イスとテーブルを使って五月達と会話をしていたが、

風太郎はソファの方、低いタイプのテーブルを使い、四葉くんと勉強をしていた。

 

 

 

「四葉ァ!もう何回も教えたはずだ!一体あと何回間違えれば気が済む!」

「ごめんなさ~い!」

「あはは。フータロー君。チェックのリボンが切れちゃうよ?

買ってあげたんでしょ?それ。」

「な・・・一花!何故お前がそれを知っている!?」

 

皆様ご存じのリボン絞りの刑である。久しぶりに見たなあれ。

前見たのいつだっけ。俺も一回やってみたいが、もう出来ないな。

やっとけばよかった。

 

 

 

「あれはあれでつまらないわね・・・・」

「もっとギクシャクすると思ってました。プロポーズを聞いたときは驚きましたが・・・・」

「良いじゃないか。変わらないものは魅力的であり、美しい。」

 

風太郎と四葉くんは変わらない。

別に良いだろう。安心するやり取り。

変わらなければいけない理由は、まだどこにもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

ハウスパーティを終えて、五月の勉強を部屋で見ている。

静かに一人で集中しているので、その間、俺は自分の勉強をする。

 

良い集中だ。やはりリフレッシュは大事。ONとOFFの切り替え。

それとも、さっきの指輪、効いているかい?

 

人間は風船ではない。常時気を張っていることは難しい。

常時頑張る、そんなことをしていたら、いつかは破裂する。

 

「・・・・・・・」

 

 

だが、五月はその頑張りすぎる傾向がある。

だから、そこの調整は俺の仕事。

 

こちらのいう事には従ってくれる。信頼されているから。

きっちりとマネージメントをする。

 

 

すると、部屋をノックする音。

 

「入るよー?」

「一花。どうぞ。」

 

 

一花がトレイに飲み物を持って入ってきた。

 

「二人ともお疲れさまー。」

「ありがとう。」

「もうすぐだもんね。受験。」

 

「風太郎と四葉くんは?」

「同じ感じだよ。リビングで勉強してるけど。」

「向こうも順調。何よりだ。」

 

まあ、さっきから風太郎の怒鳴り声は聞こえてこないからな。

すぐわかる。あいつも本気で怒っているわけではないんだが。

 

 

「五月ちゃん。大丈夫そ?」

「一花、私は心配ありません。自分の事を心配してください。

卒業・・・するんですよね?」

 

「まあ。そうだけど。でも、五月ちゃんの方が重要だよ?

・・・落第したら、ナギ君、取っちゃうからね?」

「だそうです。」

「ナ、ナギくん?またその話を・・・・ほ、本気で言ってます?」

 

「いや?冗談。でも、問題は一花がどうするかって話だからね。」

「そうだよ?わたしは今でも好きだもん。ナギ君のこと。」

「うぅ・・・・ま、負けません。ぜったい、合格しますから。」

 

改めて気合を入れる。

まあ一花の今の発言は流石にシャレ。突っ込まないけど。

茜が言ったらシャレでは済まないが。

 

 

「ふふ。頑張ってね?じゃあ、わたしも自分の勉強しなくちゃ。またね。」

「あいよ。」

 

そう言って、ドアを閉めて戻っていった。

 

 

「ナギくん。今日は徹夜です!泊まり込みで教えてください。」

「えー。泊まるのは良いけど。徹夜はよくないなあ。」

「じゃあ、日付が変わるまでならどうですか?」

「そうだね。それくらいにしとこう。」

 

恋のキューピット一花のちょっかいのお陰で泊まることになった。

別に良いか。なんも言わなくても。

 

「であれば風呂入ってきます。」

「はい。行ってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

 

風呂を借りようとリビングへ退出。

四葉くんと風太郎が二人で勉強していた。

 

「風太郎。俺泊まることになったんで。」

「そうか。俺はそろそろ帰る。」

「あい。」

「有坂さんお泊りなんですか?またソファで寝ますか?」

「そうだねぇ。」

 

寝る場所ね。布団ないけど、暖房効いてるからソファで良いか。

そんなに考えずに風呂に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

「お、おかえりなさい。」

 

ひとっ風呂浴びて五月の部屋に帰ってきた。

丁度勉強の手を止めていたところのようだ。

自分で休憩できるようになったか。良い傾向だ。……ん?

 

……五月は何故か汗をかいていた。顔に少しにじんでいる。

 

「うし、今どこやってるんだい。」

「あ、あの。ナギくん。泊まると言いましたが、どこで寝ますか。」

「んー?前と同じくソファかな。」

「そ、そうですか。」

 

寝る場所を気にしているらしい。

・・・・・ああ。そういう事か。

 

 

誘ってくれれば、答えるけどね。

俺からは行かないよ。自分なりの誠実。

 

 

「あ、あの!・・・・わたしと、一緒に、寝ませんか?」

「・・・・おっと。」

 

予想外だな。言ってきたか。ちょっと面食らった。

正直なところ、誰かと一緒だと短い睡眠がさらに短くなるが・・・・

キミに誘われたら、断るわけにはいかないね。

 

「・・・・良いのかい?」

「え、ええ・・・その。さっき四葉に・・・・」

「・・・・なんか言われたんだね。」

 

 

今度は四葉くんが五月にちょっかいを出したらしい。

 

折角のお泊りなんだよ!?勇気出さなきゃ!

 

多分こうじゃないかな。気が利くが・・・・余計なことを。

五月にそんなことしたら寝る事ばっか気にしてこの後の勉強に支障が出てしまうじゃないか。

そこまで考えて欲しい。つーかキミは上杉さん普通に帰したろ。

 

 

「・・・・お言葉に甘えようかな。」

「は、はい。よ、宜しくお願いします。」

「そうかしこまらなくて良いよ。・・・しかし、そんな調子でしっかりと勉強出来るかい?

別に無理はしなくていいんだ。」

「いえ。嫌だなんて。・・・こ、これも経験です。」

「ははは。確かに。」

 

その後の勉強は予想通りはかどらなかった。

・・・・これじゃあ泊まり込みの意味がないじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし。日付が変わりました。寝ましょう。」

「・・・はい。今日もありがとうございました。」

 

時刻は0時を過ぎた。

やはり、問題ないだろう。この調子なら。

全然心配することはない。

だが、俺の口からは当日までもうその言葉を出さないことにする。

 

「で!では!どうぞー!」

「ん?俺から入るの?」

 

両手をベッドに向かって真っ直ぐびしーと促される。

 

俺が奥なのね。・・・・まあそうか。

なんかされたら逃げられないもんね。奥だと。壁際だから。

遠慮なく先にベッドに入る。

 

 

「で、では。失礼します!」

「いらっしゃーい。」

 

布団を開いて五月を迎え入れる。これ俺のベッドじゃないんだけどね。

勝手知ったる彼女のベッド。まだ彼女じゃないけど。

 

五月がベッドに入ってきた。

シングルベッドだからな。やっぱり密着する。

 

「・・・・」

「電気消してもいいっすか」

「は、はぁい!」

 

 

俺の脇にあった電灯のボタンを切る。小さな明かりのみをつけ、おやすみモード。

五月は変な声出した時の俺みたいだった。

仰向けの両手で布団を掴み、顔一つ動かさない。

こっちを見るのが恥ずかしいんだろうな。俺は五月の顔をガン見してるけど。

 

 

ダメだこりゃ。多分俺より寝れんぞこの人。

めっちゃいい匂いするけど。

 

どうにかしていつもの五月に戻ってもらわないとダメだな。

めっちゃ顏近いけど。

 

徹夜をしなかったのに寝不足になったんじゃ意味がないしな。

めっちゃ可愛いけど。

 

 

 

ああ、ダメだわ。早く何とかしないと俺もおかしくなるな。

大丈夫。小粋な解決方法がある。さっき思いついていつ喋ろうか迷ってたんだ。

かわいいかわいいお嬢さんはきっと緊張しているはず。

だから、肩の力を抜いてあげよう。リラックスだよ。

 

 

「いつきー。」

「は、はい?」

「こっち向けるかーい」

「は、恥ずかしいですが・・・」

 

「ちょっと、体触るね。」

「は、はい!」

 

五月の方を向き直り、右手を体に回す。

 

「顔、触るよ。」

「あ・・・は・・・い。」

 

潜っていた左手を五月の顔、頬に当てる。

 

 

 

 

 

 

「五月」

「・・・・・・」

 

顔を近づける。

 

・・・・おいおい。そんな意を決した表情で目を瞑らないでくれよ。

 

その唇を狙ってしまいたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリー・クリスマス。」

「・・・え?」

 

 

 

「日付、変わったでしょ。今は12月25日。みんな大好きクリスマスだ。」

「あ・・・・ふふふ・・・そうですね。メリー・クリスマス。」

 

 

サプラーイズ。ただこれを言いたかっただけでした。

なんもしませんよ。今はね。付き合ってないし。

 

「・・・びっくりしたかい?

俺も、今ここでこうして一緒に寝ているとは思ってなかったけどね。」

「四葉に・・・影響されてしまいました。」

「ははは。おかしなことを言ってくれたもんだ。自分は上杉さんを帰したのに。」

「もう・・・まったくです。」

 

 

「さて。申し訳ないけど、そっち側を向けるかい。」

「向こうですか?・・・はい。」

 

五月にはこちら側を向かせていたが、反対側を向いてもらう。

俺の目の前には五月の背中。

 

「また、体に触れるよ。あと、近づく。」

「はい。」

 

五月の体に覆いかぶさるような形で、右手を五月の前に差し込む。

そして、体をピッタリと密着させる。

 

「よーし。抱き枕が出来たぞ。」

「ふふ。どうですか。良く寝れそうですか?」

「寝れそうだ。髪からとても良い匂いするし。」

「わたしも・・・・よく、寝れそうです。」

 

ふふふ。髪がちょっとくすぐったいけどね。

しかしこのむず痒さ、嫌いじゃない。

 

「おやすみ、五月。」

「おやすみなさい。ナギくん・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。俺にしてはよく眠れた。

俺が起きた時、五月はまだ寝ていた。

 

・・・・・正直、早起きで良かったと思う。

向こうが早く起きていたら何を言われているかわからない。

抱き枕の態勢で寝てしまったからな。

 

俺もまああれだ。ちゃんと男だからな。生理現象は避けられない。

実際に手を出すかどうかは、また別の話だがね。

 

 

 

 

翌朝もじっくりと勉強を行い、クリスマスシーズンを終えた。

 

 

 

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